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公開番号2025085883
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-06
出願番号2023199569
出願日2023-11-27
発明の名称YAG単結晶接合面の薄膜探索方法
出願人エスシーティー株式会社,株式会社コメット,株式会社信光社
代理人個人,個人,個人
主分類C30B 33/06 20060101AFI20250530BHJP(結晶成長)
要約【課題】接合界面のボイドが極めて少ないYAG単結晶の接合体を作製するうえで、接合面における適切な薄膜の同定を効率化したYAG単結晶接合面の薄膜探索方法を提供する。
【解決手段】YAG単結晶接合面の薄膜探索方法では、ドープYAG単結晶の試料基板およびアンドープYAG単結晶の試料基板のうち、一方の試料基板の片面に、一方端から他方端に渡って組成が連続的に変化した薄膜を形成する薄膜形成手順と、一方の試料基板よりも面積が小さな他方の試料基板を、一方端から他方端に渡って薄膜の上に並べる整列手順と、整列手順の後に熱処理をする熱処理手順と、一方の試料基板と他方の試料基板との接合状態に基づいて、薄膜の良否を判断する判断手順とを経る。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
光学活性物質をドープしたイットリウム・アルミニウム・ガーネット単結晶であるドープYAG単結晶の表面と、光学活性物質をドープしていないイットリウム・アルミニウム・ガーネット単結晶であるアンドープYAG単結晶の表面とを接合するために、前記ドープYAG単結晶の表面および前記アンドープYAG単結晶の表面のうち、少なくとも何れか一方に成膜する薄膜を探索するためのYAG単結晶接合面の薄膜探索方法であって、
前記ドープYAG単結晶の試料基板および前記アンドープYAG単結晶の試料基板のうち、一方の試料基板の片面に、一方端から他方端に渡って第一の物質の組成が連続的に変化しており、かつ、前記他方端から前記一方端に渡って第二の物質の組成が前記第一の物質の組成の変化と相反して連続的に変化していることで、前記一方端から前記他方端に渡って組成が異なる薄膜を形成する薄膜形成手順と、
前記ドープYAG単結晶の試料基板および前記アンドープYAG単結晶の試料基板のうち、前記一方の試料基板よりも面積が小さな複数の他方の試料基板を、前記一方端から前記他方端に渡って前記薄膜の上に並べる整列手順と、
前記整列手順の後に熱処理をする熱処理手順と、
前記一方の試料基板と前記他方の試料基板との接合状態に基づいて、前記薄膜の良否を判断する判断手順と、を経ることを特徴とするYAG単結晶接合面の薄膜探索方法。
続きを表示(約 350 文字)【請求項2】
請求項1に記載のYAG単結晶接合面の薄膜探索手法であって、
前記薄膜が、Siを含有する酸化物薄膜であることを特徴とするYAG単結晶接合面の薄膜探索方法。
【請求項3】
請求項2に記載のYAG単結晶接合面の薄膜探索方法であって、
前記薄膜が、Caおよび/またはMgを含有する酸化物薄膜であることを特徴とするYAG単結晶接合面の薄膜探索方法。
【請求項4】
請求項1から請求項3の何れか1項に記載のYAG単結晶接合面の薄膜探索方法であって、
前記熱処理において、大気中1200℃以上1600℃以下で熱処理した後、O
2
を含有する雰囲気中で熱間等方圧加圧処理を施すことを特徴とするYAG単結晶接合面の薄膜探索方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)単結晶同士の接合面における薄膜を探索するためのYAG単結晶接合面の薄膜探索方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
レーザー加工等の分野において、小型、高出力、高ビーム品質のレーザーが望まれている。最近ではレーザーダイオード(LD)を励起光源とする固体レーザーが普及してきている。中でもネオジム(Nd)やイッテルビウム(Yb)をドープしたイットリウム・アルミニウム・ガーネット(以下、「YAG」と記す。)結晶は、固体レーザー材料として利用が進んでいる。
【0003】
固体レーザーにおいて出力レーザービームの高出力化を実現するためには、レーザー利得材料である固体中に発生する熱の排熱が大きな問題となっている。
局所的な発熱を効果的に分散させる方法として、光学活性物質をドープしたレーザー結晶とドープしていない結晶を接合することが提案され、拡散接合法や直接接合法が考案されている(特許文献1)。
【0004】
またレーザー媒質の構造に関する研究も進められ、ディスク型のレーザー利得材料を用いた方式が知られている。レーザー利得材料を薄いディスク形状とすることで、外部からの励起光の受光面を大きくとることができ、ディスク面全体で均一に冷却することが可能となる。中でも反射型(アクティブミラー型)の構造は、薄膜ディスクの一方の表面に反射膜を施すことでヒートシンクや流体による冷却が可能になることから注目されている。通常アクティブミラー型の構造体は、光学活性元素をドープした薄膜ディスクと光学活性元素をドープしていない材料とを接合することにより、機械的強度や熱の分散性を向上させている(特許文献2)。
【0005】
レーザー媒質を冷却するための手段として、伝熱部材との接合方法について数多くの技術が提案されている。たとえば、特許文献3では、接合面を酸素プラズマで処理した後、不活性ガスの原子ビームを照射し、表面活性接合をする技術が開示されている。ここで開示されている技術によれば、酸化物であるレーザー媒質のYAGと、酸化物であって伝熱部材となるサファイアとを接合することも可能であることが示されている。またこの中で、レーザー媒質が多結晶である場合は、レーザー媒質と空間の界面近傍に生じる電解集中によってレーザー媒質が破壊されやすく、光損傷閾値が単結晶に比べて低いこと、その対策として端面に透明単結晶を表面活性接合することで光損傷閾値を高めることが可能なことが示されている(特許文献3、[0027])。
【0006】
また、電子部品の分野においても各種の接合技術が開示されており、たとえば特許文献4では、真空中でアモルファス酸化物薄膜を形成し、接合界面に原子拡散を伴った化学結合を生じさせる原子拡散接合法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第4374415号公報
特許第5330801号公報
特許第6245587号公報
特許第7131778号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
固体レーザー用の媒質としてYAG単結晶や、多結晶体であるYAGセラミックスが使用されている。YAGセラミックスは、大型化が容易で比較的安価に製造できるという利点があるものの、粒界が存在することから表面でのレーザー損傷閾値が低くなること、単結晶に比べて熱伝導率が低いこと、特に低温では単結晶に比べて熱伝導率が小さいこと、などの理由により、高出力レーザーではYAG単結晶を用いることが好ましい。
【0009】
また、レーザー媒質と放熱部材を接合する技術として、多結晶体の場合はレーザー媒質と放熱材の原料粉末を接触させ同時に焼結することにより接合する方法も提案されているが、YAG単結晶を使用したレーザー媒質では、光学活性物質をドープしたYAG単結晶とドープしないYAG単結晶を結晶育成後に加工して、接合することが必要となる。そのため接合界面を平坦に鏡面研磨して接合することが求められるが、どうしても接合後の界面にボイドが残ることがある。高出力レーザーではこの微小なボイドが影響することも考えられるため、接合界面にボイドのない単結晶の接合体が望まれている。
【0010】
このようなYAG単結晶同士の接合体を作製する方法として、例えば、接合面に薄膜を介在させる場合、最適な薄膜の同定は、薄膜に用いられる物質毎にサンプルを作製して試験する必要があることから、極めて煩雑である。
(【0011】以降は省略されています)

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