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公開番号
2025086402
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-09
出願番号
2023200330
出願日
2023-11-28
発明の名称
リン酸基含有(メタ)アクリレートを含むモノマー組成物
出願人
日油株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C08F
230/02 20060101AFI20250602BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】共重合体にリン酸基含有(メタ)アクリレート単位を導入するために用いられるモノマー組成物であり、リン酸基含有(メタ)アクリレートとその他のモノマーを溶液重合に供して得られる共重合体溶液において、粘度の上昇及び析出物の発生を抑制し、更に、溶液重合に供するリン酸基含有(メタ)アクリレートの共重合割合を増大させて、金属との密着性が向上した共重合体を生成することができる、モノマー組成物を提供する。
【解決手段】特定の構造を有するリン酸基含有(メタ)アクリレート(A)及び特定の構造を有するピロリン酸基含有ジ(メタ)アクリレート(B)を含むモノマー組成物であり、モノマー組成物100質量%に対し、リン酸基含有(メタ)アクリレート(A)の含有量が94~99.99質量%、ピロリン酸基含有ジ(メタ)アクリレート(B)の含有量が0.01~5質量%である、モノマー組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記一般式(1)で表されるリン酸基含有(メタ)アクリレート(A)、及び下記一般式(2)で表されるピロリン酸基含有ジ(メタ)アクリレート(B)を含むモノマー組成物であり、
前記モノマー組成物100質量%に対し、前記リン酸基含有(メタ)アクリレート(A)の含有量が94~99.99質量%であり、前記ピロリン酸基含有ジ(メタ)アクリレート(B)の含有量が0.01~5質量%であることを特徴とする、モノマー組成物。
TIFF
2025086402000007.tif
26
152
(一般式(1)中、R
1
は水素原子又はメチル基であり、R
2
は炭素数1~6の直鎖又は分岐のアルキレン基であり、nは平均付加モル数を示し、1~50である。)
TIFF
2025086402000008.tif
33
147
(一般式(2)中、R
3
及びR
4
は、それぞれ水素原子又はメチル基であり、R
5
及びR
6
は、それぞれ炭素数1~6の直鎖又は分岐のアルキレン基であり、m及びlは、それぞれ平均付加モル数を示し、1~50である。)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、リン酸基含有(メタ)アクリレートを主成分として含むモノマー組成物に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
リン酸基含有(メタ)アクリレートは、共重合成分として用いることによって、共重合体に酸性及び親水性を付与することができる。得られた共重合体においては、リン酸基の一部を水酸化ナトリウムなどの塩基で中和することで、その酸性度や親水性を調節できる。そのため、リン酸基含有(メタ)アクリレート又はこれを用いて得られる共重合体は、接着剤又は水性塗料などの酸性度又は親水性の調節が求められる用途で好適に利用されている。
例えば、特許文献1には、リン酸基含有アルキレン(メタ)アクリレートとリン酸基含有ポリオキシアルキレン(メタ)アクリレートとを含有する歯科用組成物が開示されており、当該歯科用組成物は、齲蝕部分が存在する歯質に対しても高い接着性を示すと記載されている。
特許文献2には、リン酸基含有(メタ)アクリレートを含む特定の4種類のラジカル重合性単量体の共重合体を含有する水性樹脂組成物が開示されており、当該水性樹脂組成物を用いて、金属等の難密着性の基材に対する密着性及び防錆性に優れた塗膜を得ることができると記載されている。
【0003】
(メタ)アクリレートモノマーの重合時のゲル化を防止するための一般的な方法としては、重合禁止剤を添加する方法が知られている。(メタ)アクリレートモノマーの重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノンなどのフェノール系化合物(特許文献3)、ニトロソ化合物(特許文献4)、又はフェノチアジン系化合物(特許文献5)等が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-100568号公報
特開2018-145363号公報
国際公開第2007/074750号
特開2016-14103号公報
国際公開第2020/070403号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、リン酸基含有(メタ)アクリレートを共重合成分として溶液重合を行うと、リン酸基含有(メタ)アクリレートの含有割合が多いほど、得られる共重合体溶液の粘度が上昇したり、析出物の発生により透明性が低下したりする等の問題がある。これは、リン酸基同士の縮合反応により架橋が進行することが原因であると推察され、特許文献3~5に記載される重合禁止剤では、この架橋反応を抑制することができない。従って、共重合体に多くリン酸基を導入することで酸性や親水性の向上が期待されるものの、上述の問題により、リン酸基含有(メタ)アクリレートの含有割合を上げることが難しいため、得られる共重合体に酸性及び親水性を十分に付与することが困難である。酸性又は親水性が不十分な塗膜を、鉄、アルミ、銅などの金属製の基材上に形成すると、塗膜と基材との密着性が不十分となり、塗膜の剥がれが生じやすくなる。
また、共重合体溶液における析出物の発生は、共重合体の親水性が不十分な場合にも生じやすくなる。共重合体の親水性が低いほど、溶剤溶解性が低下する傾向があるためである。析出物の発生によって透明性が低下した共重合体溶液は、塗工性不良又は透明性低下による外観不良等の問題を有する。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、共重合体にリン酸基含有(メタ)アクリレート単位を導入するために用いられるモノマー組成物であって、リン酸基含有(メタ)アクリレートとその他のモノマーを溶液重合に供して得られる共重合体溶液において、粘度の上昇及び析出物の発生を抑制することができ、更に、溶液重合に供するリン酸基含有(メタ)アクリレートの共重合割合を増大させて、金属との密着性が向上した共重合体を生成することができる、モノマー組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らが鋭意検討を行った結果、特定の構造を有するリン酸基含有(メタ)アクリレートを共重合成分として用いる場合に、特定の構造を有するピロリン酸基含有ジ(メタ)アクリレートを少量混合すると、当該リン酸基含有(メタ)アクリレートと他のモノマーとを溶液重合に供して得られる共重合体溶液において、粘度の上昇及び析出物の発生が抑制され、それにより、リン酸基含有(メタ)アクリレートの共重合割合を増大させることができ、酸性及び親水性が高い共重合体が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、本発明のモノマー組成物は、後述する一般式(1)で表されるリン酸基含有(メタ)アクリレート(A)、及び後述する一般式(2)で表されるピロリン酸基含有ジ(メタ)アクリレート(B)を含むモノマー組成物であり、
前記モノマー組成物100質量%に対し、前記リン酸基含有(メタ)アクリレート(A)の含有量が94~99.99質量%であり、前記ピロリン酸基含有ジ(メタ)アクリレート(B)の含有量が0.01~5質量%であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、共重合体にリン酸基含有(メタ)アクリレート単位を導入するために用いられるモノマー組成物であって、リン酸基含有(メタ)アクリレートと他のモノマーを溶液重合に供して得られる共重合体溶液において、粘度の上昇及び析出物の発生を抑制することができ、更に、溶液重合に供するリン酸基含有(メタ)アクリレートの共重合割合を増大させて、金属との密着性が向上した共重合体を生成することができる、モノマー組成物が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明のモノマー組成物が含有する各成分、本発明のモノマー組成物及びその製造方法について説明した後、更に、本発明のモノマー組成物を含有する重合性組成物、本発明のモノマー組成物を用いて得られる共重合体及び共重合体溶液について説明する。
なお、本発明において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートから選ばれる少なくとも1種を意味し、(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタクリルから選ばれる少なくとも1種を意味し、(メタ)アクリロイルとは、アクリロイル及びメタクリロイルから選ばれる少なくとも1種を意味する。
また、本発明において記号「~」を用いて規定された数値範囲は「~」の両端(上限及び下限)の数値を含むものとする。例えば「2~10」は、2以上10以下の範囲を表す。
(【0011】以降は省略されています)
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