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公開番号2025088397
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-11
出願番号2023203077
出願日2023-11-30
発明の名称故障予兆診断装置及び故障予兆診断方法
出願人株式会社日立製作所
代理人弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
主分類G05B 23/02 20060101AFI20250604BHJP(制御;調整)
要約【課題】
圧力情報を取得できない場合でも故障予兆の診断を可能とすること。
【解決手段】
ある走行関連機器の稼働時間に対応する出力消費条件に一致する複数の稼働履歴データで構成される稼働履歴データ群を、稼働履歴記憶部から取得する同条件データ抽出部と、稼働履歴データ群について、出力消費条件に該当する走行関連機器の稼働時間を平均し、出力消費条件における正常時の基準時間を算出する基準時間算出部と、ある走行関連機器の稼働時間と基準時間とを比較した結果に基づく異常度を算出し、異常度に統計処理を施すことで、走行関連機器に故障予兆があるか否かを診断する故障予兆診断部と、を備える。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
移動体に設置されており走行に関わる出力を生成する走行関連機器の動作情報と、前記移動体に設置されており前記走行に関わる出力を使用する出力使用機器の動作情報と、前記移動体の走行に関わる走行情報を取得するデータ入力部を備え、前記走行関連機器の故障予兆を検知する故障予兆診断装置であって、
前記走行関連機器の動作情報から、前記走行関連機器の稼働時間を算出するとともに、前記出力使用機器の動作情報及び前記移動体の走行情報から、前記走行関連機器の稼働時間における前記出力使用機器の稼働履歴を表す出力消費条件を算出し、前記走行関連機器の稼働時間及び前記出力消費条件を稼働履歴データとして出力する稼働履歴データ算出部と、
前記稼働履歴データ算出部によって繰り返し出力される前記稼働履歴データを記憶領域に蓄積する稼働履歴記憶部と、
ある前記走行関連機器の稼働時間に対応する前記出力消費条件に一致する複数の前記稼働履歴データで構成される稼働履歴データ群を、前記稼働履歴記憶部から取得する同条件データ抽出部と、
前記稼働履歴データ群について、前記出力消費条件に該当する前記走行関連機器の稼働時間を平均し、前記出力消費条件における正常時の基準時間を算出する基準時間算出部と、
ある前記走行関連機器の稼働時間と前記基準時間とを比較した結果に基づく異常度を算出し、前記異常度に統計処理を施すことで、前記走行関連機器に故障予兆があるか否かを診断する故障予兆診断部と、
を備えることを特徴とする故障予兆診断装置。
続きを表示(約 2,800 文字)【請求項2】
前記走行関連機器は、
圧縮空気を生成する空気圧縮機及び前記圧縮空気を蓄積する空気タンクであり、
前記出力使用機器は、
前記空気タンクに蓄積された圧縮空気を使用する圧縮空気使用機器であり、
前記故障予兆診断部は、
鉄道列車の空気系統システムにおいて空気圧縮機及び前記空気タンクの少なくとも一方の予兆を検知する
ことを特徴とする請求項1に記載の故障予兆診断装置。
【請求項3】
前記圧縮空気使用機器は空気ブレーキ装置であり、
前記稼働履歴データ算出部は、
前記データ入力部から前記空気ブレーキ装置の動作状態としてブレーキシリンダ圧力に関する情報が入力される場合、前記空気圧縮機の稼働時間における前記ブレーキシリンダ圧力の積算変動量を使用して前記出力消費条件を算出し、
前記同条件データ抽出部は、前記稼働履歴記憶部から、
前記稼働履歴データ群として、前記ブレーキシリンダ圧力の積算変動量が一定の範囲内にある複数の前記稼働履歴データを取得する
ことを特徴とする請求項2に記載の故障予兆診断装置。
【請求項4】
前記圧縮空気使用機器は空気ばね装置であり、
前記稼働履歴データ算出部は、
前記データ入力部から前記空気ばね装置の動作状態としてエアサスペンション圧力に関する情報が入力される場合、前記空気圧縮機の稼働時間における前記エアサスペンション圧力の積算変動量を使用して前記出力消費条件を算出し、
前記同条件データ抽出部は、前記稼働履歴記憶部から、
前記稼働履歴データ群として、前記エアサスペンション圧力の積算変動量が一定の範囲内にある複数の前記稼働履歴データを取得する
ことを特徴とする請求項2に記載の故障予兆診断装置。
【請求項5】
前記圧縮空気使用機器は空気式ドア装置であり、
前記稼働履歴データ算出部は、
前記データ入力部から前記空気式ドア装置の動作状態としてドアの開閉に関する情報が入力される場合、前記空気圧縮機の稼働時間における前記ドアの開閉回数を使用して前記出力消費条件を算出し、
前記同条件データ抽出部は、前記稼働履歴記憶部から、
前記稼働履歴データ群として、前記開閉回数が同じ回数である複数の前記稼働履歴データを取得する
ことを特徴とする請求項2に記載の故障予兆診断装置。
【請求項6】
前記圧縮空気使用機器は空気ばね装置であり、
前記データ入力部は、前記空気ばね装置の動作状態が取得できない、または、前記空気ばね装置の動作状態を使用することが困難な場合、前記移動体としての鉄道車両の走行情報としての前記鉄道車両の位置情報を取得し、
前記稼働履歴データ算出部は、
前記位置情報から、前記空気圧縮機の稼働開始時における前記鉄道車両の位置及び前記空気圧縮機の稼働終了時における前記鉄道車両の位置を算出し、前記空気圧縮機の稼働開始時における前記鉄道車両の位置及び前記空気圧縮機の稼働終了時における前記鉄道車両の位置に基づいて前記出力消費条件を算出し、
前記同条件データ抽出部は、前記稼働履歴記憶部から、
前記稼働履歴データ群として、前記空気圧縮機の稼働開始時における前記鉄道車両の位置及び前記空気圧縮機の稼働終了時における前記鉄道車両の位置が一定の範囲内にある複数の前記稼働履歴データを取得する
ことを特徴とする請求項2に記載の故障予兆診断装置。
【請求項7】
前記圧縮空気使用機器は空気ブレーキ装置であり、
前記データ入力部は、前記空気ブレーキ装置の動作状態が取得できない、または、前記空気ブレーキ装置の動作状態を使用することが困難な場合、前記移動体としての鉄道車両の走行情報に含まれる、前記鉄道車両が走行時のブレーキノッチの操作状態に関するノッチ情報及び前記鉄道車両の乗車率に関する乗車率情報を取得し、
前記稼働履歴データ算出部は、
前記ノッチ情報及び前記乗車率情報から、前記空気圧縮機の稼働時間において使用された前記ブレーキノッチに関して、使用された各ノッチ段数でそれぞれ乗車率0%時に想定されるブレーキシリンダの圧力量と前記ブレーキノッチの投入時間と前記乗車率とを掛け合わせて得られた予測空気消費量を算出し、前記空気圧縮機の稼働時間における前記予測空気消費量を合計した値を前記出力消費条件として算出し、
前記同条件データ抽出部は、前記稼働履歴記憶部から、
前記稼働履歴データ群として、前記予測空気消費量の値が一定の範囲内にある複数の前記稼働履歴データを取得する
ことを特徴とする請求項2に記載の故障予兆診断装置。
【請求項8】
前記圧縮空気使用機器は空気式ドア装置であり、
前記データ入力部は、前記空気式ドア装置の動作状態を取得できない、または、センサ精度が低いなどの理由から前記空気式ドア装置の動作状態を使用することが困難な場合、前記移動体としての鉄道車両の走行情報に含まれる、前記鉄道車両が走行中における駅間の位置を表す駅間情報を取得し、
前記稼働履歴データ算出部は、
前記駅間情報から、前記空気圧縮機の稼働時間において前記駅間情報が変化した回数に基づいて前記出力消費条件を算出し、
前記同条件データ抽出部は、前記稼働履歴記憶部から、
前記稼働履歴データ群として、前記駅間情報の変化回数が一致する複数の前記稼働履歴データを取得する
ことを特徴とする請求項2に記載の故障予兆診断装置。
【請求項9】
前記データ入力部は、
前記移動体としての鉄道車両のダイヤ情報と天候情報とを含む運行管理情報を取得し、
前記稼働履歴データ算出部は、
前記圧縮空気使用機器の動作状態と、前記ダイヤ情報と、前記天候情報とから前記出力消費条件を算出する
ことを特徴とする請求項2に記載の故障予兆診断装置。
【請求項10】
前記運行管理情報は、
前記天候情報として、気温、湿度、天気に関する情報を含み、
前記稼働履歴データ算出部は、
前記空気圧縮機の稼働時間を算出する時の前記気温、前記湿度、前記天気に関する情報から、前記出力消費条件を算出し、
前記同条件データ抽出部は、前記稼働履歴記憶部から、
前記稼働履歴データ群として、前記気温と前記湿度がそれぞれ一定の範囲内にあり、かつ前記天気が一致する複数の前記稼働履歴データを取得する
ことを特徴とする請求項9に記載の故障予兆診断装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、故障予兆診断装置及び故障予兆診断方法に関し、例えば、鉄道車両などの移動体に搭載される機器に関して故障予兆があるか否かを診断する技術に関する故障予兆診断装置に適用して好適なものである。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
近年、鉄道車両の保守作業の効率化及び省力化の観点から、車上機器から取得される稼働データを活用した故障の予兆診断(以下「故障予兆診断」と称する)を行う技術の開発が求められている。車上機器の中でも、空気ブレーキ装置や空気ばね装置などで使用する圧縮空気を生成する空気圧縮機は、故障時に空気ブレーキ装置などの他の機器の動作にも影響を与えることから、故障が発生する前に、その予兆を検知して診断する故障予兆診断技術に対するニーズが高い。
【0003】
本技術分野の背景技術として、特許文献1に開示された技術がある。当該特許文献1に開示された技術では、空気圧縮機が稼働中かつ、空気ブレーキ装置が未動作時のデータを抽出し、そのデータを一定の時間で分割したデータの中で、最も大きな蓄圧系の圧力上昇量を抽出する。次に、当該特許文献1に開示された技術では、その時の空気ばねの圧力変位量、車両重量から算出した乗車率、走行速度及び外気温の情報を説明変数として重回帰分析によって圧力上昇量を算出する。さらに、当該特許文献1に開示された技術では、抽出した最も大きな蓄圧系の圧力上昇量と、重回帰分析によって算出した圧力上昇量を比較することで、故障予兆の診断を行う。また、当該特許文献1には、故障予兆診断の判定に用いる境界線を、営業開始後1年以内のデータを用いて算出することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2018-137967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された技術では、上述したように蓄圧系の圧力上昇量のような圧力情報を用いているが、特に形式の古い車種の鉄道車両から取得できるデータには、必ずしも圧力情報が含まれているわけではなく、形式の古い車種の鉄道車両によっては位置や速度などの走行に関する情報しか取得できない場合がある。このように圧力情報を取得できない場合、特許文献1に開示された技術では、故障予兆の診断を行うことが困難であった。
【0006】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、圧力情報を取得できない場合でも故障予兆の診断を行うことができる故障予兆診断装置及び故障予兆診断方法を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するため本発明においては、移動体に設置されており走行に関わる出力を生成する走行関連機器の動作情報と、前記移動体に設置されており前記走行に関わる出力を使用する出力使用機器の動作情報と、前記移動体の走行に関わる走行情報を取得するデータ入力部を備え、前記走行関連機器の故障予兆を検知する故障予兆診断装置であって、前記走行関連機器の動作情報から、前記走行関連機器の稼働時間を算出するとともに、前記出力使用機器の動作情報及び前記移動体の走行情報から、前記走行関連機器の稼働時間における前記出力使用機器の稼働履歴を表す出力消費条件を算出し、前記走行関連機器の稼働時間及び前記出力消費条件を稼働履歴データとして出力する稼働履歴データ算出部と、前記稼働履歴データ算出部によって繰り返し出力される前記稼働履歴データを記憶領域に蓄積する稼働履歴記憶部と、ある前記走行関連機器の稼働時間に対応する前記出力消費条件に一致する複数の前記稼働履歴データで構成される稼働履歴データ群を、前記稼働履歴記憶部から取得する同条件データ抽出部と、前記稼働履歴データ群について、前記出力消費条件に該当する前記走行関連機器の稼働時間を平均し、前記出力消費条件における正常時の基準時間を算出する基準時間算出部と、ある前記走行関連機器の稼働時間と前記基準時間とを比較した結果に基づく異常度を算出し、前記異常度に統計処理を施すことで、前記走行関連機器に故障予兆があるか否かを診断する故障予兆診断部と、を備えるようにした。
【0008】
また、本発明においては、移動体に設置されており走行に関わる出力を生成する走行関連機器の動作情報と、前記移動体に設置されており前記走行に関わる出力を使用する出力使用機器の動作情報と、前記移動体の走行に関わる走行情報を取得し、前記走行関連機器の故障予兆を検知する故障予兆診断方法であって、稼働履歴データ算出部が、前記走行関連機器の動作情報から、前記走行関連機器の稼働時間を算出し、前記出力使用機器の動作情報及び前記移動体の走行情報から、前記走行関連機器の稼働時間における前記出力使用機器の稼働履歴を表す出力消費条件を算出し、前記走行関連機器の稼働時間及び前記出力消費条件を稼働履歴データとして出力し、稼働履歴記憶部が、前記稼働履歴データ算出部によって繰り返し出力される前記稼働履歴データを記憶領域に蓄積し、同条件データ抽出部が、ある前記走行関連機器の稼働時間に対応する前記出力消費条件に一致する複数の前記稼働履歴データで構成される稼働履歴データ群を、前記稼働履歴記憶部から取得し、基準時間算出部が、前記稼働履歴データ群について、前記出力消費条件に該当する前記走行関連機器の稼働時間を平均し、前記出力消費条件における正常時の基準時間を算出し、故障予兆診断部が、ある前記走行関連機器の稼働時間と前記基準時間とを比較した結果に基づく異常度を算出し、前記異常度に統計処理を施すことで、前記走行関連機器に故障予兆があるか否かを診断するようにした。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、圧力情報を取得できない場合でも故障予兆の診断を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
第1の実施形態における主として移動体及び故障予兆診断装置の構成例を示すブロック図である。
第1の実施形態における主として鉄道車両及び故障予兆診断装置の構成例を示すブロック図である。
稼働データの一例を示す図である。
稼働履歴データの一例を示す図である。
稼働履歴データ算出処理の手順の一例を示すフローチャートである。
同条件データ抽出処理の手順の一例を示すフローチャートである。
同条件データ抽出処理の手順の一例を示すフローチャートである。
基準時間算出処理の手順の一例を示すフローチャートである。
故障予兆処理の手順の一例を示すフローチャートである。
第1の実施形態の変形例における故障予兆診断装置のブロック構成の一例を示す図である。
第2の実施形態による鉄道車両の故障予兆診断装置の構成例を示すブロック図である。
第2の実施形態における運行管理情報の一例を示す図である。
第2の実施形態における稼働履歴データの一例を示す図である。
第2の実施形態による稼働履歴データ算出処理の手順の一例を示すフローチャートである。
第2の実施形態による稼働履歴記憶処理の手順の一例を示すフローチャートである。
第2の実施形態による同条件データ抽出処理の手順の一例を示すフローチャートである。
第2の実施形態の変形例における故障予兆診断装置のブロック構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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