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公開番号2025090189
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-17
出願番号2023205271
出願日2023-12-05
発明の名称インジェクタの制御装置
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人個人,個人
主分類F02D 41/34 20060101AFI20250610BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】ピストンの頂面に付着する燃料の量と、気筒の壁面に付着する燃料の量と、の双方が過度にならないようにする。
【解決手段】メモリは、インジェクタからの燃料噴射を許容するクランク角の範囲として、吸気行程の開始時期M1から当該吸気行程の終了時期M2までのクランク角の範囲内で予め定められた第1噴射範囲Aと、圧縮行程の開始時期N1から当該圧縮行程の終了時期N2までのクランク角の範囲内で予め定められた第2噴射範囲Bと、を記憶しており、CPUは、第1噴射範囲A内でインジェクタに燃料噴射を行わせる第1噴射処理と、第2噴射範囲B内でインジェクタに燃料噴射を行わせる第2噴射処理と、を実行可能であり、第2噴射範囲Bは、第1噴射範囲Aとは連続しておらず、且つ第1噴射範囲Aよりも短い。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
内燃機関の気筒内にピストンの上死点側から燃料噴射を行うインジェクタを制御対象とし、
実行部と、記憶部と、を備え、
前記記憶部は、
前記インジェクタからの燃料噴射を許容するクランク角の範囲として、吸気行程の開始時期から当該吸気行程の終了時期までのクランク角の範囲内で予め定められた第1噴射範囲と、圧縮行程の開始時期から当該圧縮行程の終了時期までのクランク角の範囲内で予め定められた第2噴射範囲と、
を記憶しており、
前記実行部は、
前記第1噴射範囲内で前記インジェクタに燃料噴射を行わせる第1噴射処理と、
前記第2噴射範囲内で前記インジェクタに燃料噴射を行わせる第2噴射処理と、
を実行可能であり、
前記第2噴射範囲は、前記第1噴射範囲とは連続しておらず、且つ前記第1噴射範囲よりも短くなっている
インジェクタの制御装置。
続きを表示(約 1,900 文字)【請求項2】
前記吸気行程の開始時期から前記第1噴射範囲の始期までのクランク角の範囲を第1所定範囲とし、
前記第1噴射範囲の終期からその次の前記第2噴射範囲の始期までのクランク角の範囲を第2所定範囲とし、
前記第2噴射範囲の終期から前記圧縮行程の終了時期までのクランク角の範囲を第3所定範囲としたとき、
前記第1所定範囲と前記第3所定範囲との合計は、前記第2所定範囲よりも長くなっている
請求項1に記載のインジェクタの制御装置。
【請求項3】
前記第2噴射範囲の終期は、前記第1噴射範囲の始期よりも、前記吸気行程の終了時期に近くなっている
請求項1に記載のインジェクタの制御装置。
【請求項4】
前記第2噴射範囲の始期は、前記第1噴射範囲の終期よりも、前記吸気行程の終了時期に近くなっている
請求項1に記載のインジェクタの制御装置。
【請求項5】
前記第1噴射処理では、前記第1噴射範囲の中央よりも進角側で燃料噴射を開始する回数に比べて、前記第1噴射範囲の中央よりも遅角側で燃料噴射を開始する回数が少ない
請求項1に記載のインジェクタの制御装置。
【請求項6】
前記第2噴射処理では、前記第2噴射範囲の中央よりも遅角側で燃料噴射を開始する回数に比べて、前記第2噴射範囲の中央よりも進角側で燃料噴射を開始する回数が少ない
請求項1に記載のインジェクタの制御装置。
【請求項7】
前記第1噴射処理では、同一の前記第1噴射範囲で前記インジェクタに複数回の燃料噴射をさせ、且つ、前記第1噴射範囲中の最初の燃料噴射量に比べて、当該第1噴射範囲中の最後の燃料噴射量が少ない
請求項1に記載のインジェクタの制御装置。
【請求項8】
前記第2噴射処理では、同一の前記第2噴射範囲で前記インジェクタに複数回の燃料噴射をさせ、且つ、前記第2噴射範囲中の最後の燃料噴射量に比べて、当該第2噴射範囲中の最初の燃料噴射量が少ない
請求項1に記載のインジェクタの制御装置。
【請求項9】
前記実行部は、
前記内燃機関の運転状態に基づいて、前記内燃機関の1サイクルにおいて1つの前記気筒で必要になる燃料の総噴射量を算出する総噴射量算出処理と、
前記内燃機関の1サイクルにおいて前記総噴射量を噴射する上で必要になる、前記インジェクタによる1回あたりの燃料噴射量の基本値である基本噴射量、前記第1噴射範囲内で前記インジェクタに燃料噴射を行わせる回数の基本値である第1噴射回数、及び前記第2噴射範囲内で前記インジェクタに燃料噴射を行わせる回数の基本値である第2噴射回数を算出する基本値算出処理と、
前記基本噴射量及び前記第1噴射回数から定まる、前記第1噴射範囲に割り当てられた燃料噴射量の総量である第1総量を当該第1噴射範囲内で噴射し終えることを第1完了条件としたとき、
前記第1噴射処理に先立って、前記第1噴射範囲内において1回当たりの燃料噴射量を前記基本噴射量として前記第1噴射回数分の燃料噴射を行うという第1仮定のもと、前記第1完了条件が満たされるか否かを判定する第1判定処理と、
前記基本噴射量及び前記第2噴射回数から定まる、前記第2噴射範囲に割り当てられた燃料噴射量の総量である第2総量を当該第2噴射範囲内で噴射し終えることを第2完了条件としたとき、
前記第2噴射処理に先立って、前記第2噴射範囲内において1回当たりの燃料噴射量を前記基本噴射量として前記第2噴射回数分の燃料噴射を行うという第2仮定のもと、前記第2完了条件が満たされるか否かを判定する第2判定処理と、を実行可能であり、
前記第1仮定のもとで前記第1完了条件が満たされない場合、前記第1噴射処理では、前記第1噴射回数よりも少ない第1変更回数で前記第1総量を前記第1噴射範囲内で噴射し終えることができるように1回当たりの燃料噴射量を前記基本噴射量から変更した値で前記第1変更回数分の燃料噴射を前記インジェクタに行わせ、
前記第2仮定のもとで前記第2完了条件が満たされない場合、前記第2噴射処理では、前記第2噴射回数よりも少ない第2変更回数で前記第2総量を前記第2噴射範囲内で噴射し終えることができるように1回当たりの燃料噴射量を前記基本噴射量から変更した値で前記第2変更回数分の燃料噴射を前記インジェクタに行わせる
請求項1に記載のインジェクタの制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、インジェクタの制御装置に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されている内燃機関は、気筒と、ピストンと、インジェクタと、を備えている。気筒は、吸入空気と燃料との混合気が燃焼するための空間である。ピストンは、気筒内に位置している。ピストンは、混合気の燃焼に伴い気筒内を往復動する。インジェクタは、ピストンに対して上死点側から気筒内に直接燃料を噴射する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平11-241626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
気筒内に直接燃料を噴射する特許文献1のような技術では、ピストンの頂面及び気筒の壁面に燃料が付着することがある。ピストンの頂面に燃料が付着していると、燃焼行程での燃焼時に粒子状物質が発生しやすくなる。一方、気筒の壁面に付着したままの燃料は、排気行程などで気筒内に気化する。排気行程で気化した燃料は未燃の炭化水素として気筒から排出されてしまう。これら粒子状物質及び未燃の炭化水素の双方を低減するため、ピストンの頂面に付着する燃料の量と、気筒の壁面に付着する燃料の量と、の双方が過度な量にならない技術が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためのインジェクタの制御装置は、内燃機関の気筒内にピストンの上死点側から燃料噴射を行うインジェクタを制御対象とし、実行部と、記憶部と、を備え、前記記憶部は、前記インジェクタからの燃料噴射を許容するクランク角の範囲として、吸気行程の開始時期から当該吸気行程の終了時期までのクランク角の範囲内で予め定められた第1噴射範囲と、圧縮行程の開始時期から当該圧縮行程の終了時期までのクランク角の範囲内で予め定められた第2噴射範囲と、を記憶しており、前記実行部は、前記第1噴射範囲内で前記インジェクタに燃料噴射を行わせる第1噴射処理と、前記第2噴射範囲内で前記インジェクタに燃料噴射を行わせる第2噴射処理と、を実行可能であり、前記第2噴射範囲は、前記第1噴射範囲とは連続しておらず、且つ前記第1噴射範囲よりも短くなっている。
【発明の効果】
【0006】
上記の技術思想では、ピストンの頂面に付着する燃料の量と、気筒の壁面に付着する燃料の量と、の双方が過度な量になり難い。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1は、内燃機関の概略構成図である。
図2は、第1噴射範囲及び第2噴射範囲を模式的に表した説明図である。
図3は、特定噴射制御の処理手順を表したフローチャートである。
図4は、第1準備処理の処理手順を表したフローチャートである。
図5は、第2準備処理の処理手順を表したフローチャートである。
図6は、噴射パターンの変更例を模式的に表した説明図である。
図7は、噴射パターンの変更例を模式的に表した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、インジェクタの制御装置の一実施形態を、図面を参照して説明する。
<内燃機関の概略構成>
図1に示すように、車両は、内燃機関10を備えている。内燃機関10は、車両の駆動源である。内燃機関10は、機関本体10Aと、複数の気筒11と、複数のピストン12と、複数のコネクティングロッド13と、クランクシャフト14と、を備えている。なお、図1では、複数の気筒11のうちの1つのみを示している。ピストン12及びコネクティングロッド13についても同様である。ピストン12及びコネクティングロッド13は、気筒11毎に設けられている。気筒11の数は4つである。
【0009】
気筒11は、機関本体10Aが区画している空間である。気筒11は、燃料と吸入空気との混合気を燃焼させるための空間である。気筒11は、円柱状である。以下では、気筒11を区画している機関本体10Aの壁面を気筒11の壁面11Aと呼称する。なお、図示は省略するが、機関本体10Aは、気筒11の周囲に、冷却水の流通する冷却水通路を区画している。
【0010】
ピストン12は、気筒11内に位置している。ピストン12は、円柱状である。ピストン12の径は、気筒11の径と概ね一致している。ピストン12の中心軸線は、気筒11の中心軸線と略一致している。コネクティングロッド13は、ピストン12に連結している。クランクシャフト14は、コネクティングロッド13に連結している。ピストン12は、気筒11内をその中心軸線に沿う方向に往復動する。クランクシャフト14は、ピストン12の往復動に応じて回転する。ピストン12は、気筒11内を往復動する際、クランクシャフト14から離れたりクランクシャフト14に近づいたりする。すなわち、ピストン12は、クランクシャフト14から最も離れた上死点と、クランクシャフト14に最も近づいた下死点との間を動作する。なお、以下では、ピストン12が上死点側に移動するときの方向を上方、その反対方向を下方と呼称することがある。また、ピストン12におけるその中心軸線に沿う方向の両端面のうち、上方を向く端面を頂面12Aと呼称する。
(【0011】以降は省略されています)

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