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公開番号2025092835
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-23
出願番号2023208198
出願日2023-12-11
発明の名称移植材料の評価方法
出願人個人,個人,個人,個人,個人
代理人個人,個人
主分類C12Q 1/02 20060101AFI20250616BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】 臨床医療により一層適した性能や品質を担保した移植材料の設計のために、信頼性および再現性の高い移植実験系を実現することを可能とした移植モデル動物を作製する方法を提供する。
【解決手段】 本発明の自家移植に近似した移植材料の評価方法は、標識マーカー発現ドナーの粗抽出物をレシピエントの新生仔に投与して、前記ドナーに対して免疫寛容なレシピエントを得る工程と、標識マーカー発現ドナーの組織または細胞が被覆、接着、浸潤または包含した人工の移植素材を含む移植材料を免疫寛容レシピエントに移植する工程とを有することにより、信頼性および再現性の高い移植実験系を実現することが可能な、自家移植に近似した移植モデル動物を作製することができる。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
標識マーカー発現ドナーの粗抽出物をレシピエントの新生仔に投与して、前記ドナーに対して免疫寛容なレシピエントを得る工程と、
前記標識マーカー発現ドナーの組織または細胞が被覆、接着、浸潤または包含した人工の移植素材を含む移植材料を前記免疫寛容レシピエントに移植する工程と
を有し、
前記ドナーおよび前記レシピエントは、近交系動物である、自家移植に近似した移植材料の評価方法。
続きを表示(約 290 文字)【請求項2】
前記移植材料が、管状構造体、膜状構造体または人工臓器である、請求項1に記載の移植材料の評価方法。
【請求項3】
前記移植材料が、前記ドナーの生体内に前記移植材料を移植して2~30日間留置した後に回収したものである、請求項1または2に記載の移植材料の評価方法。
【請求項4】
前記粗抽出物が、前記ドナーの細胞または組織から抽出した粗製タンパク質溶液である、請求項1または2に記載の自家移植に近似した移植材料の評価方法。
【請求項5】
前記標識マーカーが、蛍光タンパク質である、請求項4に記載の移植材料の評価方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、信頼性および再現性の高い近似自家移植実験系として利用可能で、臨床医療に対して高い相同性をもって作製された移植材料の評価方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
再生医療とは、ヒト、家畜および愛玩動物等の動物において、生体組織の機能および/または構造が損傷または欠損した場合に、その機能および/または構造を修復または補填する技術である。また、再生医療は、動物の発達または成長期において、何らかの疾患または外傷によって成長が阻害され、得られるべき機能および/または構造が得られなかった場合にも有用である。
【0003】
再生医療における最も有効な手段の一つとして、欠損した部分に、細胞または組織を含む生体由来の医療材料を移植する方法が用いられている。このような医療材料は、日本では、再生医療関連三法(再生医療推進法、再生医療安全確保法および改正薬事法)によって、「再生医療等製品」と定義される。
【0004】
移植に用いられる再生医療等製品は、倫理的および免疫学的な観点から、移植を受ける個体に由来する材料を加工して製造されたものを使用する「自家移植(Autoplastic transplantation)」が望ましい。
【0005】
また、生体由来の医療材料のみでは不充分な要素を補完するために、人工材料が用いられる。このような人工材料は、免疫反応をはじめとする生体内の望ましくない反応を生じさせないものである必要がある。従来、再生医療等製品を含む生体由来素材だけでなく、生体適合性素材および生体親和性素材などと呼ばれる様々な医療材料が使用されている(たとえば、特許文献1~4)。しかし、移植前にそれらの材料が最適な素材、物性および構成であるかどうかを検証することは困難である。特に、生きた細胞および組織等を含む再生医療等製品は、その性能を事前に検証することは困難であった。
【0006】
再生医療等製品の品質を担保するためには、事前に哺乳類を用いて動物実験を行い、移植後の免疫反応などの経過を追うことができる臨床に即したシステムが必要である。そのような動物実験には、移植予定の個体から採取した細胞および組織等をその個体に戻す「自家移植」を行う動物実験モデルが適している。
【0007】
しかし、自家移植を用いた動物実験系は、これまで研究手段としてほとんど用いられてこなかった。特に、小動物の自家移植実験モデルは殊更存在すらしていなかった。その理由は、マウスおよびラットなどを含む小型動物では、自家移植が難しいからである。移植のために採取される細胞または組織は、1gに満たない量であっても、小動物にとっては採取処置に耐えられなかったり、採取される組織によっては致命的な量であったりする。小動物では、一般的に、個体死させ脱血した後、組織および細胞等を採取する。そのため、採取処置によって個体が亡失してしまい、自家移植を行うことが不可能であった。
【0008】
中型動物および大型動物では、自家移植することは可能であるが、飼育に経費がかかるため、充分な実験例数を整えることが難しい。また、作今の動物愛護精神の普及から、動物実験そのものの規制が強化されていく趨勢である。
【0009】
そのため、従来の研究の多くは、小型動物における同種他家移植(Allograft)および異種移植(Heterograft/Xenograft)を中心にした実験系により構築される。同種他家移植および異種移植は自家移植ではないため、免疫反応を回避することを目的として、免疫抑制剤の使用または重度免疫不全動物(ヌードマウス、NOD/scidマウス、NOGマウスなど)の使用、またはこれらの併用が必要となる。そのため、出生および生存維持に高い費用のかかる個体を使用する必要があり、経費および労力が嵩むことが問題となっている。さらに、このような実験系では、免疫抑制剤使用、あるいは免疫不全のために感染症のリスクが高いため、無菌室レベルの高度な専用施設を使用する必要があった。また、免疫抑制剤を長期に使用する必要があり、さらにコストがかかるという問題もあった。
【0010】
さらに、免疫不全実験系は、医療や獣医療における臨床とは大きく乖離した状況下での実験となることも重大な問題であった。特にヒトにおいては、免疫不全状態の患者および免疫抑制剤の長期使用下にある患者が移植治療の対象になることはほとんどない。免疫不全実験系にて確立された治療法は、免疫機能の正常な患者および家畜等に導入された場合、免疫反応上の不測の事態が発生するおそれがある。そこで本発明では、これら諸問題を回避しつつ、より適切な性能や品質を持った移植材料の設計と開発を可能とする動物実験システムを提供する。特に、本発明は、目的組織の生着性・構造/機能の再現性などを評価することができる動物実験システムを提供する。より詳細には、本発明は、拒絶反応の最小化だけでなく、移植組織を支持/支援する反応の有無/適否(血流誘導/血管新生/栄養因子などの発現調節)などを評価することもできる動物実験システムを提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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