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公開番号2025091047
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-18
出願番号2023206015
出願日2023-12-06
発明の名称推定装置、学習装置、推定方法、学習方法、およびプログラム
出願人日本製鉄株式会社
代理人個人
主分類G06N 20/00 20190101AFI20250611BHJP(計算;計数)
要約【課題】 解析対象物における解析値分布を算出するために必要となる学習時の計算負荷を低減する。
【解決手段】 推定装置220は、解析対象物における解析値分布に影響を与える少なくとも1つのパラメータに基づいて、当該パラメータと解析対象物についてのN次元の解析値分布を低次元化した低次元したn次元の低次元情報との関係性に基づいて、当該パラメータに対応する低次元情報であるn次元の低次元化入力情報を算出する。その後、推定装置220は、n次元の低次元化入力情報に基づいて、低次元化入力情報からN次元の解析値分布を推定可能な学習済みの変換モデルTを用いて、当該パラメータに対応するN次元の解析値分布の推定結果を算出する。ここで、変換モデルTとして、低次元化入力情報に基づいてm次元の中間ベクトルを推定する第1変換モデルT1と、中間ベクトルに基づいて解析値分布の推定結果を算出する第2変換モデルT2と、を用いる。
【選択図】 図2
特許請求の範囲【請求項1】
解析対象物における解析値分布を推定する推定装置であって、
前記解析値分布に影響を与える少なくとも1つのパラメータの値を含む入力情報を取得する推定用情報取得部と、
前記入力情報に含まれるパラメータと前記解析対象物についての解析値分布を低次元化した低次元情報との関係性に基づいて、前記入力情報に対応する低次元情報である低次元化入力情報を推定する低次元推定部と、
前記低次元化入力情報から前記解析値分布を推定可能な学習済みの変換モデルを用いて、前記入力情報に応じた前記解析値分布の推定結果を算出する変換部と、を備え、
前記変換モデルは、
前記低次元化入力情報に基づいて中間ベクトルを推定する第1変換モデルと、
前記中間ベクトルに基づいて前記解析値分布の推定結果を算出する第2変換モデルと、を備え、
前記中間ベクトルの次元数は、前記低次元化入力情報の次元数よりも大きく、かつ、前記解析値分布の次元数よりも小さい、推定装置。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記低次元化入力情報の次元数は、前記入力情報を構成するパラメータの次元数よりも小さい、請求項1に記載の推定装置。
【請求項3】
前記1変換モデルおよび前記第2変換モデルは、オートエンコーダを用いた学習モデルである、請求項1または2に記載の推定装置。
【請求項4】
解析対象物における解析値分布を推定する推定装置であって、
前記解析値分布に影響を与える少なくとも1つのパラメータの値を含む入力情報を取得する推定用情報取得部と、
前記入力情報に含まれるパラメータと前記解析対象物についての解析値分布を低次元化した低次元情報との関係性に基づいて、前記入力情報に対応する低次元情報である低次元化入力情報を推定する低次元推定部と、
前記低次元化入力情報から前記解析値分布を推定可能な学習済みの変換モデルを用いて、前記入力情報に応じた前記解析値分布の推定結果を算出する変換部と、を備え、
前記低次元化入力情報の次元数は、前記入力情報を構成するパラメータの次元数よりも小さい、推定装置。
【請求項5】
前記低次元推定部は、前記入力情報に含まれるパラメータと、前記低次元化入力情報と、の関係性を学習した推定モデルに基づいて、前記入力情報に対応する低次元情報である低次元化入力情報を算出する、請求項1、2、または4に記載の推定装置。
【請求項6】
前記解析値分布は、支配方程式に含まれる第1変数または当該第1変数と相互に変換可能な第2変数の分布を含む、請求項1、2、または4に記載の推定装置。
【請求項7】
前記支配方程式は、マクスウェル方程式を含み、
前記解析値分布は、磁束密度またはベクトルポテンシャルの分布である、請求項6に記載の推定装置。
【請求項8】
前記解析値分布の次元数Nは、前記低次元化入力情報の次元数nの50倍以上である、請求項1、2、または4に記載の推定装置。
【請求項9】
前記解析対象物は、回転電機のロータを含み、
前記入力情報は、前記ロータの形状を特定するための情報を含む、請求項1、2、または4に記載の推定装置。
【請求項10】
解析対象物における解析値分布を推定するための学習モデルを算出する学習装置であって、
前記解析値分布に影響を与える少なくとも1つのパラメータと、前記解析値分布と、を取得する学習用情報取得部と、
前記解析対象物についての解析値分布を低次元化した低次元情報と、前記低次元情報に対応する解析値分布と、の関係性を、前記学習用情報取得部で取得された前記解析値分布を用いて学習した変換モデルを作成する第1学習部と、
前記パラメータと、前記低次元情報と、の関係性を、前記学習用情報取得部で取得された前記パラメータおよび前記解析値分布と、前記変換モデルと、を用いて学習した推定モデルを作成する第2学習部と、
を備え、
前記第1学習部は、前記解析対象物についての解析値分布を低次元化した中間ベクトルと、前記中間ベクトルに低次元化する前の解析値分布と、の関係性を、前記学習用情報取得部で取得された前記解析値分布を用いて学習した第1変換モデルを作成することと、前記中間ベクトルを低次元化した低次元情報と、前記低次元情報に低次元化する前の中間ベクトルと、の関係性を、前記中間ベクトルを用いて学習した第2変換モデルを作成することと、を行い、
前記中間ベクトルの次元数は、前記低次元情報の次元数よりも大きく、かつ、前記解析値分布の次元数よりも小さい、学習装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、推定装置、学習装置、推定方法、学習方法、およびプログラムに関し、特に、解析値分布を算出するために用いて好適なものである。
続きを表示(約 3,900 文字)【背景技術】
【0002】
各種の物理現象を定量的に把握するために、当該物理現象を記述した支配方程式(基礎方程式)を解くことが行われている。支配方程式を解く際には、一般に、有限要素法などを用いた数値解析が行われる。この場合、解析条件ごとに数値解析を行う必要がある。したがって、例えばモータコアにおける磁束密度の分布など、解析対象における解析値の分布(以下、解析値分布)を算出する際の計算負荷が高い。そこで、支配方程式に含まれる変数を、数値解析を行うことなく機械学習などの学習モデルを用いて算出することが考えられる(特許文献1を参照)。
【0003】
特許文献1には、d軸電流、q軸電流、および機械角と、モータの各節点におけるベクトルポテンシャルの分布と、の関係性を学習した予測モデルを、教師あり学習を行うことにより作成することが開示されている。特許文献1によれば、ベクトルポテンシャルの分布を、シミュレーションを経ることなく速やかに予測できるとされる。更に、特許文献1では、ベクトルポテンシャルの分布をオートエンコーダにより低次元化したベクトルと、d軸電流、q軸電流、および機械角と、の関係を学習したニューラルネットワークを使用してベクトルポテンシャルの分布の予測することで、学習に要する計算負荷の低減を図っている。なお、解析対象のモータ自体の特性を教師あり学習により求めるものとして非特許文献1がある。非特許文献1には、固定の機械角におけるロータ上の磁束密度の絶対値を示す画像をCNN(Convolutional Neural Network)の入力として、モータの平均トルクやトルクリプルを推定することが開示されている。また、データセットにおいて、そのデータセットを説明可能な最低限の次数であるIntrinsic Dimensionを求める技術として非特許文献2に記載の技術がある。非特許文献2には、データセットの幾何学的構造からIntrinsic Dimensionを導出する数式が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-135774号公報
【非特許文献】
【0005】
H. Sasaki, Y. Hidaka and H. Igarashi, "Prediction of IPM Machine Torque Characteristics Using Deep Learning Based on Magnetic Field Distribution," in IEEE Access, vol. 10, pp. 60814-60822, 2022
E.Levina, P.J.Bickel, "Maximum Likelihood Estimation of Intrinsic Dimension," in Advances in neural information processing systems, pp. 777-784, 2005.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1には、オートエンコーダによるベクトルポテンシャルの分布の低次元化に際し、低次元化したベクトルの次元数に関する記載が無い。例えば、ベクトルの次元数が少なすぎた場合、ベクトルポテンシャルの分布を復元できない虞がある。このため、低次元化するベクトルの次元数として十分に大きな次元数を選択する必要があるが、この場合、計算負荷の低減効果が限定的となる。また、非特許文献2に記載の技術ではIntrinsic Dimensionを導出できるが、独立同分布であるデータセットのみを対象として次元数を求める。ベクトルポテンシャルの分布などの解析値分布は近隣点同士に相関がある場合がほとんどである。したがって、非特許文献2に記載の技術を、特許文献1に記載の技術に応用することはできない。そこで、試行錯誤により低次元化するベクトルの次元数を決定すると、低次元化するベクトルの次元数を決定するための計算負荷が大きくなる。
【0007】
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、解析対象物における解析値分布を算出するために必要となる学習時の計算負荷を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の推定装置の第1の例は、解析対象物における解析値分布を推定する推定装置であって、前記解析値分布に影響を与える少なくとも1つのパラメータの値を含む入力情報を取得する推定用情報取得部と、前記入力情報に含まれるパラメータと前記解析対象物についての解析値分布を低次元化した低次元情報との関係性に基づいて、前記入力情報に対応する低次元情報である低次元化入力情報を推定する低次元推定部と、前記低次元化入力情報から前記解析値分布を推定可能な学習済みの変換モデルを用いて、前記入力情報に応じた前記解析値分布の推定結果を算出する変換部と、を備え、前記変換モデルは、前記低次元化入力情報に基づいて中間ベクトルを推定する第1変換モデルと、前記中間ベクトルに基づいて前記解析値分布の推定結果を算出する第2変換モデルと、を備え、前記中間ベクトルの次元数は、前記低次元化入力情報の次元数よりも大きく、かつ、前記解析値分布の次元数よりも小さい。
本発明の推定装置の第2の例は、解析対象物における解析値分布を推定する推定装置であって、前記解析値分布に影響を与える少なくとも1つのパラメータの値を含む入力情報を取得する推定用情報取得部と、前記入力情報に含まれるパラメータと前記解析対象物についての解析値分布を低次元化した低次元情報との関係性に基づいて、前記入力情報に対応する低次元情報である低次元化入力情報を推定する低次元推定部と、前記低次元化入力情報から前記解析値分布を推定可能な学習済みの変換モデルを用いて、前記入力情報に応じた前記解析値分布の推定結果を算出する変換部と、を備え、前記低次元化入力情報の次元数は、前記入力情報を構成するパラメータの次元数よりも小さい。
【0009】
本発明の学習装置は、解析対象物における解析値分布を推定するための学習モデルを算出する学習装置であって、前記解析値分布に影響を与える少なくとも1つのパラメータと、前記解析値分布と、を取得する学習用情報取得部と、前記解析対象物についての解析値分布を低次元化した低次元情報と、前記低次元情報に対応する解析値分布と、の関係性を、前記学習用情報取得部で取得された前記解析値分布を用いて学習した変換モデルを作成する第1学習部と、前記パラメータと、前記低次元情報と、の関係性を、前記学習用情報取得部で取得された前記パラメータおよび前記解析値分布と、前記変換モデルと、を用いて学習した推定モデルを作成する第2学習部と、を備え、前記第1学習部は、前記解析対象物についての解析値分布を低次元化した中間ベクトルと、前記中間ベクトルに低次元化する前の解析値分布と、の関係性を、前記学習用情報取得部で取得された前記解析値分布を用いて学習した第1変換モデルを作成することと、前記中間ベクトルを低次元化した低次元情報と、前記低次元情報に低次元化する前の中間ベクトルと、の関係性を、前記中間ベクトルを用いて学習した第2変換モデルを作成することと、を行い、前記中間ベクトルの次元数は、前記低次元情報の次元数よりも大きく、かつ、前記解析値分布の次元数よりも小さい。
【0010】
本発明の推定方法の第1の例は、解析対象物における解析値分布を推定する推定方法であって、前記解析値分布に影響を与える少なくとも1つのパラメータの値を含む入力情報を取得する推定用情報取得工程と、前記入力情報に含まれるパラメータと前記解析対象物についての解析値分布を低次元化した低次元情報との関係性に基づいて、前記入力情報に対応する低次元情報である低次元化入力情報を推定する低次元推定工程と、前記低次元化入力情報から前記解析値分布を推定可能な学習済みの変換モデルを用いて、前記入力情報に応じた前記解析値分布の推定結果を算出する変換工程と、を備え、前記変換モデルは、前記低次元化入力情報に基づいて中間ベクトルを推定する第1変換モデルと、前記中間ベクトルに基づいて前記解析値分布の推定結果を算出する第2変換モデルと、を備え、前記中間ベクトルの次元数は、前記低次元化入力情報の次元数よりも大きく、かつ、前記解析値分布の次元数よりも小さい。
本発明の推定方法の第2の例は、解析対象物における解析値分布を推定する推定方法であって、前記解析値分布に影響を与える少なくとも1つのパラメータの値を含む入力情報を取得する推定用情報取得工程と、前記入力情報に含まれるパラメータと前記解析対象物についての解析値分布を低次元化した低次元情報との関係性に基づいて、前記入力情報に対応する低次元情報である低次元化入力情報を推定する低次元推定工程と、前記低次元化入力情報から前記解析値分布を推定可能な学習済みの変換モデルを用いて、前記入力情報に応じた前記解析値分布の推定結果を算出する変換工程と、を備え、前記低次元化入力情報の次元数は、前記入力情報を構成するパラメータの次元数よりも小さい。
(【0011】以降は省略されています)

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