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公開番号
2025098475
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-02
出願番号
2023214620
出願日
2023-12-20
発明の名称
電動圧縮機
出願人
株式会社豊田自動織機
代理人
弁理士法人ぱてな
主分類
F04B
39/00 20060101AFI20250625BHJP(液体用容積形機械;液体または圧縮性流体用ポンプ)
要約
【課題】小型化を実現しつつ、収容室の気密性に優れ、かつ、インバータに対する電磁対策に優れた電動圧縮機を提供する。
【解決手段】本発明の電動圧縮機では、カバー7が固定具31a~31fによってハウジング1に固定されている。ハウジング1及び固定具31a~31fは金属製である。カバー7は制振鋼板70からなる。制振鋼板70は、第1鋼板71、第2鋼板72及び樹脂材73を有している。固定具31a~31fは、カバー7をハウジング1に固定することにより、第1鋼板71に当接する。第2鋼板72は、ハウジング1と対向する第2面72bを有している。第2面72bは、第1部分711~716と、第2部分721~726とを有している。第2部分721~726とハウジング1との間はガスケット33によって封止されている。第1部分711~716のうちの少なくとも一つは、ハウジング1に直接当接している。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
流体の圧縮を行う圧縮機構と、
前記圧縮機構を駆動させる電動モータと、
前記電動モータの駆動制御を行うインバータと、
内部に前記圧縮機構と前記電動モータとを収容するハウジングと、
複数の固定具によって前記ハウジングに固定され、前記ハウジングとの間に前記インバータを収容する収容室を形成するカバーとを備えた電動圧縮機であって、
前記ハウジング及び前記各固定具は金属製であり、
前記カバーは、第1鋼板と、前記第1鋼板に対して前記固定具の軸方向に離隔して配置された第2鋼板と、前記第1鋼板と前記第2鋼板との間に設けられた樹脂材とを有する制振鋼板からなり、
前記カバーには、前記第1鋼板から前記第2鋼板まで前記軸方向に貫通し、前記各固定具がそれぞれ挿通される複数の挿通孔が形成され、
前記ハウジングには、前記各挿通孔と対向し、前記各固定具が挿通されつつ固定される複数の固定孔が形成され、
前記各固定具は、前記カバーを前記ハウジングに固定することにより、前記第1鋼板に当接し、
前記第2鋼板は、前記樹脂材に面する第1面と、前記軸方向で前記第1面の反対側に位置し、前記カバーが前記ハウジングに固定されることで前記ハウジングと対向する第2面とを有し、
前記第2面は、内側に前記各挿通孔が各々開口する複数の第1部分と、前記各第1部分の外側に位置する第2部分とを有し、
前記第2部分と前記ハウジングとの間はガスケットによって封止され、
前記各第1部分のうちの少なくとも一つは、前記ハウジングに直接当接していることを特徴とする電動圧縮機。
続きを表示(約 400 文字)
【請求項2】
前記各第1部分は、いずれも前記ハウジングに直接当接している請求項1記載の電動圧縮機。
【請求項3】
前記カバーは、前記ハウジングに固定された状態で前記ハウジングの一部を外側から覆っている請求項1又は2記載の電動圧縮機。
【請求項4】
前記第2面は、前記第2部分と接続しつつ前記ハウジングの外周面を外側から覆う第3部分を有し、
前記第3部分と前記ハウジングとの間は前記ガスケットによって封止されている請求項3記載の電動圧縮機。
【請求項5】
前記第1鋼板は、金属製の第1板本体と、前記第1板本体を覆う第1メッキ層とを有し、
前記第2鋼板は、金属製の第2板本体と、前記第2板本体を覆う第2メッキ層とを有し、
前記第1メッキ層及び前記第2メッキ層は、耐腐食性を有している請求項1又は2記載の電動圧縮機。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は電動圧縮機に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
特許文献1に従来の電動圧縮機が開示されている。この電動圧縮機は、圧縮機構と、電動モータと、インバータと、ハウジングと、カバーとを備えている。圧縮機構は流体の圧縮を行う。電動モータは圧縮機構を駆動させる。インバータは電動モータの駆動制御を行う。ハウジングは、内部に圧縮機構と電動モータとを収容している。カバーは複数の固定具によってハウジングに固定されており、ハウジングとの間にインバータを収容する収容室を形成している。
【0003】
カバーはアルミニウム合金製である。カバーは第1面と第2面とを有している。第1面はカバーの外部に面している。第2面は第1面の反対側に位置しており、収容室内でインバータと対向している。第2面には、インバータに向かって突出する複数のリブが設けられている。また、カバーには複数の挿通孔が形成されている。各挿通孔は、固定具の軸方向で第1面から第2面まで貫通している。各挿通孔には、各固定具がそれぞれ挿通されている。
【0004】
この種の電動圧縮機では、作動時に圧縮機構や電動モータで生じた振動がハウジングに伝達することでハウジングが振動する。そして、ハウジングの振動がカバーに伝達し、カバーが振動することで作動時の騒音が大きくなる問題がある。この点、特許文献1記載の電動圧縮機では、各リブによってカバーの剛性を向上させることにより、作動時にカバーが振動することを抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2013-177826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、電動圧縮機ではより高い静粛性が要求される。そこで、上記従来の電動圧縮機において、カバーの板厚を大きくし、カバーの剛性をより高くすることで作動時のカバーの振動を抑制することが考えられる。しかし、この場合には、カバーが大型化することから、電動圧縮機の大型化を招いてしまう。
【0007】
また、電動圧縮機では、水や埃等からのインバータを保護するため、収容室に対する高い気密性が求められる。さらに、電動圧縮機では、インバータに対する外部からのノイズの影響を可及的に小さくするとともに、インバータが外部の機器に及ぼすノイズの影響を可及的に小さくするための電磁対策も求められる。
【0008】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、小型化を実現しつつ、収容室の気密性に優れ、かつ、インバータに対する電磁対策に優れた電動圧縮機を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の電動圧縮機は、流体の圧縮を行う圧縮機構と、
前記圧縮機構を駆動させる電動モータと、
前記電動モータの駆動制御を行うインバータと、
内部に前記圧縮機構と前記電動モータとを収容するハウジングと、
複数の固定具によって前記ハウジングに固定され、前記ハウジングとの間に前記インバータを収容する収容室を形成するカバーとを備えた電動圧縮機であって、
前記ハウジング及び前記各固定具は金属製であり、
前記カバーは、第1鋼板と、前記第1鋼板に対して前記固定具の軸方向に離隔して配置された第2鋼板と、前記第1鋼板と前記第2鋼板との間に設けられた樹脂材とを有する制振鋼板からなり、
前記カバーには、前記第1鋼板から前記第2鋼板まで前記軸方向に貫通し、前記各固定具がそれぞれ挿通される複数の挿通孔が形成され、
前記ハウジングには、前記各挿通孔と対向し、前記各固定具が挿通されつつ固定される複数の固定孔が形成され、
前記各固定具は、前記カバーを前記ハウジングに固定することにより、前記第1鋼板に当接し、
前記第2鋼板は、前記樹脂材に面する第1面と、前記軸方向で前記第1面の反対側に位置し、前記カバーが前記ハウジングに固定されることで前記ハウジングと対向する第2面とを有し、
前記第2面は、内側に前記各挿通孔が各々開口する複数の第1部分と、前記各第1部分の外側に位置する第2部分とを有し、
前記第2部分と前記ハウジングとの間はガスケットによって封止され、
前記各第1部分のうちの少なくとも一つは、前記ハウジングに直接当接していることを特徴とする。
【0010】
本発明の電動圧縮機では、カバーが制振鋼板からなる。そして、この制振鋼板は、第1鋼板と第2鋼板と樹脂材とを有しており、樹脂材は第1鋼板と第2鋼板との間で振動の伝達を抑制する。このため、この電動圧縮機では、作動時のカバーの振動を抑制するに当たって、カバーの板厚を過度に大きくする必要がない。
(【0011】以降は省略されています)
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