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公開番号
2025099208
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-03
出願番号
2023215680
出願日
2023-12-21
発明の名称
皮膚微生物叢を制御するための溶菌剤
出願人
国立大学法人 東京大学
,
公立大学法人大阪
代理人
弁理士法人平木国際特許事務所
主分類
A61K
38/48 20060101AFI20250626BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】表皮ブドウ球菌等の皮膚のバリア機能に有益な常在菌を実質的に殺傷することなく、スタフィロコッカス・ホミニスを有効に溶菌することができる新たな溶菌剤を提供することを課題とする。
【解決手段】体臭の生成に関与する皮膚微生物叢を制御するための溶菌剤であって、スタフィロコッカス・ホミニス感染性バクテリオファージ由来の溶菌酵素又はその活性断片、前記溶菌酵素又はその活性断片をコードするポリヌクレオチド、又は前記バクテリオファージを含む、前記溶菌剤を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
体臭の生成に関与する皮膚微生物叢を制御するための溶菌剤であって、
スタフィロコッカス・ホミニス感染性バクテリオファージ由来の溶菌酵素又はその活性断片、
前記溶菌酵素又はその活性断片をコードするポリヌクレオチド、又は
前記バクテリオファージ
を含む、前記溶菌剤。
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【請求項2】
前記溶菌酵素又はその活性断片が、N-アセチルムラモイル-L-アラニンアミダーゼドメインを含む、請求項1に記載の溶菌剤。
【請求項3】
前記溶菌酵素が、
(a)配列番号1~8のいずれかで示すアミノ酸配列、
(b)配列番号1~8のいずれかで示すアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸が付加、欠失、及び/又は置換されたアミノ酸配列、又は
(c)配列番号1~8のいずれかで示すアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列
からなる、請求項2に記載の溶菌剤。
【請求項4】
前記ポリヌクレオチドが、
(d)配列番号9~16のいずれかで示す塩基配列、
(e)配列番号9~16のいずれかで示す塩基配列において1若しくは複数個の塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列、
(f)配列番号9~16のいずれかで示す塩基配列と90%以上の同一性を有する塩基配列、又は
(g)配列番号9~16のいずれかで示す塩基配列に相補的な塩基配列と高ストリンジェントな条件でハイブリダイズする塩基配列
を含む、請求項1に記載の溶菌剤。
【請求項5】
前記バクテリオファージが、
(h)配列番号17~24のいずれかで示す塩基配列、
(i)配列番号17~24のいずれかで示す塩基配列において1若しくは複数個の塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列、
(j)配列番号17~24のいずれかで示す塩基配列と90%以上の同一性を有する塩基配列
を含むゲノムDNA配列を有する、請求項1に記載の溶菌剤。
【請求項6】
スタフィロコッカス・ホミニスに対する溶菌活性が、スタフィロコッカス・エピデルミディスに対する溶菌活性よりも高い、請求項1に記載の溶菌剤。
【請求項7】
スタフィロコッカス・ホミニスの溶菌剤であって、
スタフィロコッカス・ホミニス感染性バクテリオファージ由来の溶菌酵素又はその活性断片、
前記溶菌酵素又はその活性断片をコードするポリヌクレオチド、又は
前記バクテリオファージ
を含み、
前記溶菌酵素が、
(a)配列番号1~8のいずれかで示すアミノ酸配列、
(b)配列番号1~8のいずれかで示すアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸が付加、欠失、及び/又は置換されたアミノ酸配列、又は
(c)配列番号1~8のいずれかで示すアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列
からなり、
前記バクテリオファージが、
(h)配列番号17~24のいずれかで示す塩基配列、
(i)配列番号17~24のいずれかで示す塩基配列において1若しくは複数個の塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列、
(j)配列番号17~24のいずれかで示す塩基配列と90%以上の同一性を有する塩基配列
を含むゲノムDNA配列を有する、前記溶菌剤。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか一項に記載の溶菌剤を有効成分として含む、体臭の生成に関与する皮膚微生物叢を制御するための組成物。
【請求項9】
請求項8に記載の組成物を含む、化粧料組成物。
【請求項10】
デオドラント剤、制汗剤、及び/又は芳香剤をさらに含む、請求項9に記載の化粧料組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、体臭の生成に関与する皮膚微生物叢を制御するための溶菌剤、スタフィロコッカス・ホミニスの溶菌剤、並びに体臭の生成に関与する皮膚微生物叢を制御するための組成物、化粧料組成物、及び医薬組成物等に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、体臭に対する意識が高まっており、周囲に不快感を与えないように自己の体臭を制御するための化粧品や医薬部外品に対するニーズが高まっている。
【0003】
体臭は、人体から分泌される汗や皮脂等が皮膚常在菌により分解/代謝されることによって発生することが知られている。人体の中でも、特にアポクリン腺が発達した腋窩は強い臭い(腋臭)を放つことがあり、周囲に対して大きな不快感を与えることがある。腋臭は個人差が大きく、M型(ミルクタイプ)を除いて、A型(酸タイプ)、C型(カレースパイスタイプ)、K型(カビタイプ)、E型(蒸し肉タイプ)、W型(生乾きタイプ)、F型(鉄タイプ)、及びOther型(その他)からなる7種類に分類される(非特許文献1)。
【0004】
上記7種類の中でも、C型腋臭は、臭気成分として3-ヒドロキシ-3-メチルヘキサン酸を含み、臭いの強度が高く周囲に与える不快感が強い。この臭気成分は、アポクリン腺から分泌される汗に含まれる3-ヒドロキシ-3-メチルヘキサン酸とグルタミンとの結合物(例えば、3-ヒドロキシ-3-メチルヘキサノイル-グルタミン)が、腋窩常在菌により分解/代謝されることで産生することが知られている。
【0005】
現在、腋臭を抑制する方法として殺菌剤、収斂剤、消臭剤(腋臭成分の吸着剤)、酸化防止剤等が用いられており、特に殺菌剤等により腋臭原因物質の産生を抑制する方法について研究が盛んに行われている。腋臭原因物質の産生を抑制する物質としては、腋臭原因菌を殺菌する物質や、腋臭原因菌の代謝経路を阻害する物質等が研究されている。しかしながら、高い腋臭抑制効果を有するものはこれまで見出されていない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
遠藤祐子、臼倉淳、『1 消毒薬で腋臭の原因菌を減らす 1) Part. 1 - 腋窩常在菌の制御による腋臭予防と緩和 -』、The Japanese Journal of Plastic Surgery, Vol.59, 増刊号, 2016
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、表皮ブドウ球菌等の皮膚のバリア機能に有益な常在菌を実質的に殺傷することなく、スタフィロコッカス・ホミニスを有効に溶菌することができる新たな溶菌剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
皮膚には様々な種類の常在菌が存在しており、それらの常在菌は皮膚微生物叢(皮膚マイクロバイオーム)と呼ばれる。皮膚微生物叢は、皮膚の生理状態や部位によって構成が異なり、個体の健康状態や年齢等によっても異なることが知られている。
【0009】
本発明者らは、過去に試みられた殺菌剤等は、皮膚微生物叢の細菌全体を殺菌するものであるため、腋臭原因菌を減少させるだけでなく、皮膚のバリア機能に有益な常在菌をも殺傷して皮膚トラブルを誘導し得る危険性があると考えた。また、腋臭原因菌を特異的に殺傷するものではないため、殺菌後に皮膚微生物叢が回復する際には腋臭原因菌の比率も同様に回復すると考えられることから、長期に亘る腋臭抑制効果を得ることはできないと考えた。
【0010】
本発明者らは、強い腋臭を示すC型腋臭に関与する細菌を特定するため、C型の対象者の腋窩から汗を採取してメタボローム解析を実施すると共に、腋窩から細菌を回収して全ゲノム解析を実施し、その結果を腋臭を発しないM型の対象者の結果と比較した。その結果、C型の対象者の腋窩では、M型の対象者の腋窩と比較して、スタフィロコッカス・ホミニス(S. hominis)を含むブドウ球菌科(Staphylococcaceae)の細菌が有意に多く存在していることを見出した。
(【0011】以降は省略されています)
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