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公開番号
2025099283
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-03
出願番号
2023215821
出願日
2023-12-21
発明の名称
塩化マグネシウムの製造システム及び塩化マグネシウムの製造システムの運転方法
出願人
三菱重工業株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C02F
1/44 20230101AFI20250626BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約
【課題】薬品の添加量を低減しつつ、pHの影響を抑え、海水を原料とする被処理水から高効率でマグネシウムイオンを回収する。
【解決手段】電気透析で硫酸イオンの濃度が低減されてマグネシウムイオンが濃縮された濃縮水を排出する第一除去部と、前記第一除去部から排出された前記濃縮水にpH調整剤を添加して、前記濃縮水のpHを2<pH<5の範囲内に調整するpH調整部と、前記pH調整部でpHが調整された前記濃縮水の一部が供給され、前記ナトリウムイオンの濃度が低減されたナトリウム低減水を排出する第二除去部と、前記第二除去部から排出された前記ナトリウム低減水を濃縮し、塩化マグネシウムが晶析したスラリーを生成する濃縮部と、を備える。前記第二除去部は、pHが調整された前記濃縮水の一部から一価イオンと多価イオンを分離するナノろ過膜を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
海水を原料とする被処理水中の硫酸イオンを電気透析で低減し、前記硫酸イオンの濃度が低減されてマグネシウムイオンが濃縮された濃縮水を排出する第一除去部と、
前記第一除去部から排出された前記濃縮水にpH調整剤を添加して、前記濃縮水のpHを2<pH<5の範囲内に調整するpH調整部と、
前記pH調整部でpHが調整された前記濃縮水の一部が供給され、pHが調整された前記濃縮水の一部に含まれるナトリウムイオンの濃度を低減させ、前記ナトリウムイオンの濃度が低減されたナトリウム低減水を排出する第二除去部と、
前記第二除去部から排出された前記ナトリウム低減水を濃縮し、塩化マグネシウムが晶析したスラリーを生成する濃縮部と、を備え、
前記第二除去部は、pHが調整された前記濃縮水の一部から一価イオンと多価イオンを分離するナノろ過膜を有する塩化マグネシウムの製造システム。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記ナノろ過膜は、2<pH<5の範囲内に等電点を有する膜である請求項1に記載の塩化マグネシウムの製造システム。
【請求項3】
pHが調整された前記濃縮水の一部に溶解する炭酸を低減する脱炭酸部をさらに備える請求項1又は請求項2に記載の塩化マグネシウムの製造システム。
【請求項4】
前記脱炭酸部は、前記第一除去部と前記第二除去部との間又は前記第二除去部と前記濃縮部との間に配置されている請求項3に記載の塩化マグネシウムの製造システム。
【請求項5】
前記脱炭酸部は、pHが調整された前記濃縮水の一部に酸を添加してpHを2<pH≦4の範囲内に調整した後に曝気する請求項3に記載の塩化マグネシウムの製造システム。
【請求項6】
前記第一除去部は、陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極との間に配置された第一膜と、前記陽極と前記陰極との間で前記第一膜と間隔を開けて交互に配置された第二膜とを有し、
前記陽極と前記陰極との間には、前記第一膜及び前記第二膜の二種類の膜のみが配置され、
前記第一膜は、陽イオン交換膜であり、
前記第二膜は、一価選択性陰イオン交換膜又は一価選択性ナノろ過膜である請求項1又は請求項2に記載の塩化マグネシウムの製造システム。
【請求項7】
海水を原料とする被処理水中の硫酸イオンを電気透析で低減し、前記硫酸イオンが低減されてマグネシウムイオンが濃縮された濃縮水と、前記硫酸イオンが濃縮されて前記マグネシウムイオンが希釈されている希釈水とを排出する第一除去部と、
前記第一除去部から排出された前記濃縮水にpH調整剤を添加して、前記濃縮水中のpHを2~5の間に調整するpH調整部と、
前記pH調整部でpHが調整された前記濃縮水の一部が供給され、前記濃縮水の一部に含まれるナトリウムイオンの濃度を低減させ、前記ナトリウムイオンの濃度が低減されたナトリウム低減水を排出する第二除去部と、
前記第二除去部から排出された前記ナトリウム低減水を濃縮し、塩化マグネシウムが晶析したスラリーを生成する濃縮部と、を備える塩化マグネシウムの製造システムの運転方法であって、
前記第二除去部は、pHが調整された前記濃縮水の一部から一価イオンと多価イオンを分離するナノろ過膜を有し、
前記ナノろ過膜が、2<pH<5の範囲内に等電点を有する膜である場合に、前記pH調整部によって、前記濃縮水中のpHを2~5の間に調整させる塩化マグネシウムの製造システムの運転方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、塩化マグネシウムの製造システム及び塩化マグネシウムの製造システムの運転方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、海水から塩化マグネシウムを回収する方法として、特許文献1に記載されているように、電気透析(Electrodialysis、ED)で海水中の硫酸イオン(SO
4
2-
)を分離した後に、ナノろ過膜(NF:Nanofiltration)での圧力ろ過によってナトリウムイオン(Na
+
)を分離する方法が知られている。この方法では、硫酸イオン及びナトリウムイオンを海水等の処理水から除去することで、塩化マグネシウム(MgCl
2
)が主成分となる水溶液が得られる。塩化マグネシウムが主成分となる水溶液を晶析によって濃縮することで、塩化マグネシウムを析出させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-109791号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した特許文献1の方法では、ナノろ過膜によるろ過を行う際に、ナノろ過膜を透過する溶液のpHによって膜の分離性能が変化する。そのため、pHの変動によって、海水を原料とする被処理水からのマグネシウムイオンを十分回収できない可能性がある。一方で、pHを所定の範囲に抑えるために、酸性の薬品を添加してpHの調整を行うことも考えられるが、薬品の添加量を抑えることも求められている。
【0005】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、薬品の添加量を低減しつつ、pHの影響を抑え、海水を原料とする被処理水から高効率でマグネシウムイオンを回収可能な塩化マグネシウムの製造システム及び塩化マグネシウムの製造システムの運転方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示に係る塩化マグネシウムの製造システムは、海水を原料とする被処理水中の硫酸イオンを電気透析で低減し、前記硫酸イオンの濃度が低減されてマグネシウムイオンが濃縮された濃縮水を排出する第一除去部と、前記第一除去部から排出された前記濃縮水にpH調整剤を添加して、前記濃縮水のpHを2<pH<5の範囲内に調整するpH調整部と、前記pH調整部でpHが調整された前記濃縮水の一部が供給され、pHが調整された前記濃縮水の一部に含まれるナトリウムイオンの濃度を低減させ、前記ナトリウムイオンの濃度が低減されたナトリウム低減水を排出する第二除去部と、前記第二除去部から排出された前記ナトリウム低減水を濃縮し、塩化マグネシウムが晶析したスラリーを生成する濃縮部と、を備え、前記第二除去部は、pHが調整された前記濃縮水の一部から一価イオンと多価イオンを分離するナノろ過膜を有する。
【0007】
また、本開示に係る塩化マグネシウムの製造システムの運転方法は、海水を原料とする被処理水中の硫酸イオンを電気透析で低減し、前記硫酸イオンが低減されてマグネシウムイオンが濃縮された濃縮水と、前記硫酸イオンが濃縮されて前記マグネシウムイオンが希釈されている希釈水とを排出する第一除去部と、前記第一除去部から排出された前記濃縮水にpH調整剤を添加して、前記濃縮水中のpHを2~5の間に調整するpH調整部と、前記pH調整部でpHが調整された前記濃縮水の一部が供給され、前記濃縮水の一部に含まれるナトリウムイオンの濃度を低減させ、前記ナトリウムイオンの濃度が低減されたナトリウム低減水を排出する第二除去部と、前記第二除去部から排出された前記ナトリウム低減水を濃縮し、塩化マグネシウムが晶析したスラリーを生成する濃縮部と、を備える塩化マグネシウムの製造システムの運転方法であって、前記第二除去部は、pHが調整された前記濃縮水の一部から一価イオンと多価イオンを分離するナノろ過膜を有し、前記ナノろ過膜が、2<pH<5の範囲内に等電点を有する膜である場合に、前記pH調整部によって、前記濃縮水中のpHを2~5の間に調整させる。
【発明の効果】
【0008】
本開示の塩化マグネシウムの製造システム及び塩化マグネシウムの製造システムの運転方法によれば、薬品の添加量を低減しつつ、pHの影響を抑え、海水を原料とする被処理水から高効率でマグネシウムイオンを回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
第一実施形態に係る塩化マグネシウムの製造システムを示す模式図である。
第二実施形態に係る塩化マグネシウムの製造システムを示す模式図である。
第三実施形態に係る第一除去部を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本開示による塩化マグネシウムの製造システムを実施するための形態を説明する。しかし、本開示はこの実施形態のみに限定されるものではない。
(【0011】以降は省略されています)
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