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公開番号
2025101751
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-07
出願番号
2024228134
出願日
2024-12-25
発明の名称
海島複合繊維、細胞吸着材料及び細胞吸着カラム
出願人
東レ株式会社
代理人
主分類
D01F
8/06 20060101AFI20250630BHJP(天然または人造の糸または繊維;紡績)
要約
【課題】本発明は、海成分を構成するポリマーに導入された官能基の分解による溶出物の発生が抑制された海島複合繊維を提供することを目的としている。
【解決手段】本発明の海島複合繊維は、島成分及び海成分を有し、海成分は、アミンと固定化され、かつ、クロロ基含有化合物と共有結合し、下記の式1を満たすことを特徴とする。
9.0≦(領域Aにおける
26
CN
-
/
35
Cl
-
のスペクトル強度)/(領域Bにおける
26
CN
-
/
35
Cl
-
のスペクトル強度)≦100 ・・・式1
領域A: 上記海島複合繊維の断面の外周から1.0μm以内の領域
領域B: 上記海島複合繊維の断面の重心から半径0.5μm以内の領域
26
CN
-
/
35
Cl
-
のスペクトル強度:当該領域における飛行時間型2次イオン質量分析法により測定された
26
CN
-
のスペクトル強度を当該領域における飛行時間型2次イオン質量分析法により測定された
35
Cl-のスペクトル強度で除したスペクトル強度
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
島成分及び海成分を有し、
前記海成分は、アミンと固定化され、かつ、クロロ基含有化合物と共有結合し、下記の式1を満たす、海島複合繊維。
9.0≦(領域Aにおける
26
CN
-
/
35
Cl
-
のスペクトル強度)/(領域Bにおける
26
CN
-
/
35
Cl
-
のスペクトル強度)≦100 ・・・式1
領域A: 前記海島複合繊維の断面の外周から1.0μm以内の領域
領域B: 前記海島複合繊維の断面の重心から半径0.5μm以内の領域
26
CN
-
/
35
Cl
-
のスペクトル強度:当該領域における飛行時間型2次イオン質量分析法により測定された
26
CN
-
のスペクトル強度を当該領域における飛行時間型2次イオン質量分析法により測定された
35
Cl-のスペクトル強度で除したスペクトル強度
続きを表示(約 600 文字)
【請求項2】
前記海成分を構成するポリマーの架橋率は、28%以上80%以下である、請求項1記載の海島複合繊維。
【請求項3】
前記アミンのアミノ基含有量が乾燥重量1gあたり0.1μmol以上2500μmol未満である、請求項1又は2記載の海島複合繊維。
【請求項4】
前記海成分は乾燥重量1gあたり10μmol以上2500μmol未満でアミド基含有化合物と共有結合しており、かつ、前記アミド基含有量に対する前記アミノ基含有量の比率が0.10以上0.50未満である、請求項1~3のいずれか一項記載の海島複合繊維。
【請求項5】
前記島成分の直径が0.63μm以上1.25μm以下であり、前記海島複合繊維の表面から最外島成分までの距離が1.9μm以下である、請求項1~4のいずれか一項記載の海島複合繊維。
【請求項6】
前記島成分はポリオレフィンのみからなり、
前記海成分は、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリメチルメタクリレート及びそれらの誘導体からなる群から選択されるポリマーを主成分とする、請求項1~5のいずれか一項記載の海島複合繊維。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項記載の海島複合繊維を有する、細胞吸着材料。
【請求項8】
請求項7記載の細胞吸着材料を有する、細胞吸着カラム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、架橋構造を制御した海島複合繊維、それを用いた細胞吸着材料及び細胞吸着カラムに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
海成分の中に多数の島成分を配列した海島複合繊維は、医療用途として用いられることが従来から知られており、トレミキシン(登録商標)(東レ株式会社製)のような海成分に化学処理を施して分子吸着性能を付与し、医療用体外循環カラムの充填担体として用いている例が知られている。また、繊維は比表面積が大きく、容易に加工が可能なため、分子吸着性能を有する材料として好適であるため、医療分野において種々の吸着ターゲットを目標とした繊維が研究されている。
【0003】
特許文献1では、吸着ターゲットである物質のLAP陽性免疫細胞と相互作用するリガンドを繊維表面に固定化している。海成分に固定化するリガンドの分布を制御することによりLAP陽性免疫細胞を高効率に吸着している。また、単一成分のポリマーのみではリガンド固定化反応によって繊維形状が破壊されて粉末状になるが、海島複合繊維の海成分のみを化学処理することで、化学修飾反応を施し、耐薬品性のあるポリマーを島成分とすることで、繊維形態が維持された吸着材料を得ている。
【0004】
また、特許文献2では、吸着ターゲットである物質の潜在型TGF-βと相互作用するリガンドを繊維表面に固定化している。島成分を細径化して多数配置するとともに最外層の海成分の厚みを一定以下に制御することにより、海成分と島成分の密着性を高め、島成分からの海成分の剥離及び化学修飾反応によって劣化した海成分の破壊に由来する微粒子発生を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2023/074729号
国際公開第2019/045031号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ポリマー材料に化学修飾反応を施すとポリマー材料が劣化する場合がある。特に、医薬品や医療機器については、溶出した異物が体内に入ると健康被害に直結するため、日本薬局方にて溶出物に関する試験が定められているように、他の用途よりも材料劣化による溶出物発生リスクの低減が強く望まれている。
【0007】
特許文献1に記載の方法では、海成分を構成するポリマーとリガンドを共有結合させるスペーサーが海島複合繊維内部まで分布しているため、滅菌処理等によって海成分に導入された官能基の分解により溶出物が発生してしまう恐れがある。
【0008】
また、特許文献2に記載の方法では、島成分と海成分の配置を制御し、島成分からの海成分の剥離及び化学修飾反応によって劣化した海成分の破壊に由来する微粒子発生を抑制しているが、島成分を構成するポリマー及び海成分を構成するポリマーの構造の制御には着目しておらず、海成分を構成するポリマーに導入された官能基の分解による溶出物発生の抑制には至っていない。
【0009】
そこで本発明では、海成分を構成するポリマーに導入された官能基の分解による溶出物の発生が抑制された海島複合繊維を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、以下の(1)~(8)の発明を見出した。
(1) 島成分及び海成分を有し、上記海成分は、アミンと固定化され、かつ、クロロ基含有化合物と共有結合し、下記の式1を満たす、海島複合繊維。
9.0≦(領域Aにおける
26
CN
-
/
35
Cl
-
のスペクトル強度)/(領域Bにおける
26
CN
-
/
35
Cl
-
のスペクトル強度)≦100 ・・・式1
領域A: 上記海島複合繊維の断面の外周から1.0μm以内の領域
領域B: 上記海島複合繊維の断面の重心から半径0.5μm以内の領域
26
CN
-
/
35
Cl
-
のスペクトル強度:当該領域における飛行時間型2次イオン質量分析法により測定された
26
CN
-
のスペクトル強度を当該領域における飛行時間型2次イオン質量分析法により測定された
35
Cl-のスペクトル強度で除したスペクトル強度
(2) 上記海成分を構成するポリマーの架橋率は、28%以上80%以下である、(1)記載の海島複合繊維。
(3) 上記アミンのアミノ基含有量が乾燥重量1gあたり0.1μmol以上2500μmol未満である、(1)又は(2)記載の海島複合繊維。
(4) 上記海成分は乾燥重量1gあたり10μmol以上2500μmol未満でアミド基含有化合物と共有結合しており、かつ、上記アミド基含有量に対する上記アミノ基含有量の比率が0.10以上0.50未満である、(1)~(3)のいずれか記載の海島複合繊維。
(5) 上記島成分の直径が0.63μm以上1.25μm以下であり、上記海島複合繊維の表面から最外島成分までの距離が1.9μm以下である、(1)~(4)のいずれか記載の海島複合繊維。
(6) 上記島成分はポリオレフィンのみからなり、上記海成分は、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリメチルメタクリレート及びそれらの誘導体からなる群から選択されるポリマーを主成分とする、(1)~(5)のいずれか記載の海島複合繊維。
(7) (1)~(6)のいずれか記載の海島複合繊維を有する、細胞吸着材料。
(8) (7)記載の細胞吸着材料を有する、細胞吸着カラム。
(【0011】以降は省略されています)
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