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公開番号2025102024
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-08
出願番号2023219191
出願日2023-12-26
発明の名称計算方法、炉心解析装置及びプログラム
出願人三菱重工業株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類G21C 17/06 20060101AFI20250701BHJP(核物理;核工学)
要約【課題】炉心解析における燃焼計算を高速化する方法を提供する。
【解決手段】計算方法では、詳細群での中性子輸送計算及び燃焼計算で計算された数密度が維持できるような少数群を決定し、当該少数群で評価対象ステップまでのステップごとの数密度を計算し、評価対象ステップについては、計算した数密度を入力として詳細群での中性子輸送計算を行って、核特性を評価する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
核特性を評価する物質に対して所定の詳細な中性子エネルギー群数を用いた中性子輸送計算で算出される中性子束分布に基づいて燃焼計算を行うことによって得られる所定の核種の第1の数密度と、前記詳細な中性子エネルギー群数よりも少ない少数群数を用いた中性子輸送計算で算出される中性子束分布に基づいて燃焼計算を行うことによって得られる前記核種の第2の数密度と、の差が所定の許容範囲内となるような前記少数群数を決定するステップと、
前記少数群数を用いた前記中性子輸送計算および当該中性子輸送計算で算出される中性子束分布に基づく前記燃焼計算を、前記核特性の評価が必要な評価対象時点および当該評価対象時点までの所定の中間時点ごとに時系列に実行することにより、前記評価対象時点および前記中間時点ごとの前記数密度を計算するステップと、
前記評価対象時点について、前記評価対象時点について計算された前記数密度を入力とする前記詳細な中性子エネルギー群数を用いた中性子輸送計算を実行することにより、前記評価対象時点における核特性を計算するステップと、
を有する計算方法。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記数密度を計算するステップでは、前記評価対象時点までの期間を前半と後半に分割し、前記前半については、前記少数群数よりもさらに少ない群数を用いた中性子輸送計算および当該中性子輸送計算で算出される中性子束分布に基づく前記燃焼計算を実行し、前記後半については、前記少数群数を用いた中性子輸送計算および当該中性子輸送計算で算出される中性子束分布に基づく前記燃焼計算を実行する、
請求項1に記載の計算方法。
【請求項3】
前記評価対象時点までの期間を前半と後半に分割するにあたり、炉心の核特性が飽和するまでの期間を前記前半とし、それ以降を前記後半とする、
請求項2に記載の計算方法。
【請求項4】
前記少数群数を決定するステップでは、前記詳細な中性子エネルギー群数を用いた中性子輸送計算で算出される反応率と、前記少数群数を用いた中性子輸送計算で算出される反応率との差が所定の許容範囲内となるような前記少数群数を決定する、
請求項1又は請求項2に記載の計算方法。
【請求項5】
前記数密度を計算するステップでは、前記評価対象時点よりも未来の所定の時点までの前記数密度を計算し、計算した前記数密度を記憶部に記録する、
請求項1又は請求項2に記載の計算方法。
【請求項6】
核特性を評価する物質に対して所定の詳細な中性子エネルギー群数を用いた中性子輸送計算で算出される中性子束分布に基づいて燃焼計算を行うことによって得られる所定の核種の第1の数密度と、前記詳細な中性子エネルギー群数よりも少ない少数群数を用いた中性子輸送計算で算出される中性子束分布に基づいて燃焼計算を行うことによって得られる前記核種の第2の数密度と、の差が所定の許容範囲内となるような前記少数群数を決定する手段と、
前記少数群数を用いた前記中性子輸送計算および当該中性子輸送計算で算出される中性子束分布に基づく前記燃焼計算を、前記核特性の評価が必要な評価対象時点および当該評価対象時点までの所定の中間時点ごとに時系列に実行することにより、前記評価対象時点および前記中間時点ごとの前記数密度を計算する手段と、
前記評価対象時点について、前記評価対象時点について計算された前記数密度を入力とする前記詳細な中性子エネルギー群数を用いた中性子輸送計算を実行することにより、前記評価対象時点における核特性を計算する手段と、
を有する炉心解析装置。
【請求項7】
コンピュータに、
核特性を評価する物質に対して所定の詳細な中性子エネルギー群数を用いた中性子輸送計算で算出される中性子束分布に基づいて燃焼計算を行うことによって得られる所定の核種の第1の数密度と、前記詳細な中性子エネルギー群数よりも少ない少数群数を用いた中性子輸送計算で算出される中性子束分布に基づいて燃焼計算を行うことによって得られる前記核種の第2の数密度と、の差が所定の許容範囲内となるような前記少数群数を決定するステップと、
前記少数群数を用いた前記中性子輸送計算および当該中性子輸送計算で算出される中性子束分布に基づく前記燃焼計算を、前記核特性の評価が必要な評価対象時点および当該評価対象時点までの所定の中間時点ごとに時系列に実行することにより、前記評価対象時点および前記中間時点ごとの前記数密度を計算するステップと、
前記評価対象時点について、前記評価対象時点について計算された前記数密度を入力とする前記詳細な中性子エネルギー群数を用いた中性子輸送計算を実行することにより、前記評価対象時点における核特性を計算するステップと、
を実行させるプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、計算方法、炉心解析装置及びプログラムに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
炉心解析において、運転中の炉心燃料の組成が核分裂や中性子吸収等によって変化する過程を燃焼と呼び、燃焼による核種の数密度の変化をトレースする計算を燃焼計算と呼ぶ。炉心計算コードでは、中性子輸送計算や拡散計算で得られる中性子束分布を用いて燃焼計算を実行し、次のステップでの核種の数密度を更新したうえで、その状態での核特性を評価する。炉心燃料が新燃料である初装荷炉心に始まり、当該サイクルの初期から末期までと、その炉心燃料を引き継いだ後続のサイクルにおける任意のステップでの核特性を評価するためには、当該評価対象ステップまでの燃焼計算が必要である。中性子輸送計算には時間を要する場合が多く、評価対象ステップまでの燃焼計算全体での計算時間も長くなることが多い。特に高速炉炉心設計では、エネルギー群数は70群の詳細な条件での中性子輸送計算を実施しているため、燃焼計算に数日から数十日を要する場合があり、その計算が完了するまでは、評価対象ステップの核特性が評価できない。
【0003】
特許文献1には、炉心に装荷される燃料集合体の核定数を算出するにあたり、多数のエネルギー群に基づく中性子輸送計算を実行する場合には、簡易なパラメータを設定することによって計算時間を短縮化し、その計算の後に、詳細なパラメータを設定して中性子輸送計算を行う場合には少数のエネルギー群に基づく中性子輸送計算を実行することにより計算時間を短縮化する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2016-156739号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
炉心解析における燃焼計算を高速化する方法を提供する。
【0006】
本開示は、上記課題を解決することができる計算方法、炉心解析装置及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る計算方法は、核特性を評価する物質に対して所定の詳細な中性子エネルギー群数を用いた中性子輸送計算で算出される中性子束分布に基づいて燃焼計算を行うことによって得られる所定の核種の第1の数密度と、前記詳細な中性子エネルギー群数よりも少ない少数群数を用いた中性子輸送計算で算出される中性子束分布に基づいて燃焼計算を行うことによって得られる前記核種の第2の数密度と、の差が所定の許容範囲内となるような前記少数群数を決定するステップと、前記少数群数を用いた前記中性子輸送計算および当該中性子輸送計算で算出される中性子束分布に基づく前記燃焼計算を、前記核特性の評価が必要な評価対象時点および当該評価対象時点までの所定の中間時点ごとに時系列に実行することにより、前記評価対象時点および前記中間時点ごとの前記数密度を計算するステップと、前記評価対象時点について、前記評価対象時点について計算された前記数密度を入力とする前記詳細な中性子エネルギー群数を用いた中性子輸送計算を実行することにより、前記評価対象時点における核特性を計算するステップと、を有する。
【0008】
本開示に係る炉心解析装置は、核特性を評価する物質に対して所定の詳細な中性子エネルギー群数を用いた中性子輸送計算で算出される中性子束分布に基づいて燃焼計算を行うことによって得られる所定の核種の第1の数密度と、前記詳細な中性子エネルギー群数よりも少ない少数群数を用いた中性子輸送計算で算出される中性子束分布に基づいて燃焼計算を行うことによって得られる前記核種の第2の数密度と、の差が所定の許容範囲内となるような前記少数群数を決定する手段と、前記少数群数を用いた前記中性子輸送計算および当該中性子輸送計算で算出される中性子束分布に基づく前記燃焼計算を、前記核特性の評価が必要な評価対象時点および当該評価対象時点までの所定の中間時点ごとに時系列に実行することにより、前記評価対象時点および前記中間時点ごとの前記数密度を計算する手段と、前記評価対象時点について、前記評価対象時点について計算された前記数密度を入力とする前記詳細な中性子エネルギー群数を用いた中性子輸送計算を実行することにより、前記評価対象時点における核特性を計算する手段と、を有する。
【0009】
本開示に係るプログラムは、コンピュータに、核特性を評価する物質に対して所定の詳細な中性子エネルギー群数を用いた中性子輸送計算で算出される中性子束分布に基づいて燃焼計算を行うことによって得られる所定の核種の第1の数密度と、前記詳細な中性子エネルギー群数よりも少ない少数群数を用いた中性子輸送計算で算出される中性子束分布に基づいて燃焼計算を行うことによって得られる前記核種の第2の数密度と、の差が所定の許容範囲内となるような前記少数群数を決定するステップと、前記少数群数を用いた前記中性子輸送計算および当該中性子輸送計算で算出される中性子束分布に基づく前記燃焼計算を、前記核特性の評価が必要な評価対象時点および当該評価対象時点までの所定の中間時点ごとに時系列に実行することにより、前記評価対象時点および前記中間時点ごとの前記数密度を計算するステップと、前記評価対象時点について、前記評価対象時点について計算された前記数密度を入力とする前記詳細な中性子エネルギー群数を用いた中性子輸送計算を実行することにより、前記評価対象時点における核特性を計算するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示の計算方法、炉心解析装置及びプログラムによれば、炉心解析における燃焼計算を高速化することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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