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公開番号2025103446
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-09
出願番号2023220845
出願日2023-12-27
発明の名称パルスプラズマスラスタ
出願人国立大学法人山梨大学
代理人SK弁理士法人,個人,個人
主分類F03H 1/00 20060101AFI20250702BHJP(液体用機械または機関;風力原動機,ばね原動機,重力原動機;他類に属さない機械動力または反動推進力を発生するもの)
要約【課題】推進方向以外への推力発生を抑制することができ、かつ、長期的に安定したインパルスビットを達成可能なパルスプラズマスラスタを提供する。
【解決手段】陽極、推進剤、及び陰極を備え、陽極と推進剤と陰極とが第1方向に沿って配置されたパルスプラズマスラスタであって、陽極及び陰極は、相対位置が互いに固定されており、推進剤は、陽極に対して前記第1方向に沿って相対移動可能であり、かつ、第1方向における一方側に陽極収容部が形成されるとともに、他方側にキャビティが形成されており、陽極収容部には、陽極が配置され、キャビティは、他方側に開口を有し、一方側から前記他方側に向かって拡大する形状に形成されているとともに、陽極収容部と連通することで陽極に隣接するよう構成され、陰極は、貫通孔が形成されるとともに、貫通孔の少なくとも一部が前記キャビティと連通するように配置されており推進剤は、他方側に向かって付勢される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
陽極、推進剤、及び陰極を備え、前記陽極と前記推進剤と前記陰極とが第1方向に沿って配置されたパルスプラズマスラスタであって、
前記陽極及び前記陰極は、相対位置が互いに固定されており、
前記推進剤は、前記陽極に対して前記第1方向に沿って相対移動可能であり、かつ、前記第1方向における一方側に陽極収容部が形成されるとともに、他方側にキャビティが形成されており、
前記陽極収容部には、前記陽極が配置され、
前記キャビティは、前記他方側に開口を有し、前記一方側から前記他方側に向かって拡大する形状に形成されているとともに、前記陽極収容部と連通することで前記陽極に隣接するよう構成され、
前記陰極は、貫通孔が形成されるとともに、前記貫通孔の少なくとも一部が前記キャビティと連通するように配置されており
前記推進剤は、前記他方側に向かって付勢されている、パルスプラズマスラスタ。
続きを表示(約 730 文字)【請求項2】
請求項1に記載のパルスプラズマスラスタであって、
前記陽極は、棒状であり、
前記陽極収容部は、前記推進剤の前記一方側の端部から前記キャビティまで前記第1方向に貫通する孔である、パルスプラズマスラスタ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のパルスプラズマスラスタであって、
付勢部材をさらに備え、
前記付勢部材は、前記推進剤を前記他方側に向かって付勢するように構成されている、パルスプラズマスラスタ。
【請求項4】
請求項1に記載のパルスプラズマスラスタであって、
前記第1方向に対する前記キャビティのテーパ角度は、30°である、パルスプラズマスラスタ。
【請求項5】
請求項1に記載のパルスプラズマスラスタであって、
前記キャビティと前記貫通孔との境界において、前記貫通孔の内径は、前記キャビティの内径よりも小さい、パルスプラズマスラスタ。
【請求項6】
請求項1に記載のパルスプラズマスラスタであって、
前記貫通孔は、前記一方側から前記他方側に向かって拡大する形状に形成されている、パルスプラズマスラスタ。
【請求項7】
請求項1に記載のパルスプラズマスラスタであって、
前記陽極の材質は、タングステンである、パルスプラズマスラスタ。
【請求項8】
請求項1に記載のパルスプラズマスラスタであって、
前記推進剤が昇華することによる前記推進剤の前記一方側の変位量に対して、前記陽極が損耗することによる当該陽極の前記他方側の損耗量は小さい、パルスプラズマスラスタ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、パルスプラズマスラスタに関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
パルスプラズマスラスタ(Pulsed Plasma Thruster、以下「PPT」)は、電気推進の一種である。近年、小型衛星の打ち上げ数が増加しており、人工衛星の小型化及び省電力化が望まれている。PPTは、固体推進剤が使用されるためバルブやタンク等が不要であり、構造が簡素化できることから、信頼性が高く軽量である。以上の特徴から、固体推進剤は、小型人工衛星の推進機として期待されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、電磁加速型平行平板PPTが開示されている。この電磁加速型平行平板PPTは、放電時に生じる電流と磁場により発生するローレンツ力によって推力を得る。また、非特許文献1には、電熱加速型同軸PPTが開示されている。この電熱加速型同軸PPTは、キャビティ内でプラズマが気体力学的に加熱膨張する際の圧力上昇によって推力を得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2007―64128号公報
田原弘一、"プラズマ・核融合学会誌第94巻第2号、3.将来ミッションに向けた電気推進ロケットエンジンの現状と課題、3.1電熱加速型推進機"[online]、2018年2月、一般社団法人プラズマ・核融合学会、[令和5年10月30日検索]、インターネット<URL:https://www.jspf.or.jp/Journal/PDF_JSPF/jspf2018_02/jspf2018_02-66.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、電磁加速型平行平板PPTは、電極側面が開放されている構造によってプルームが電極側面から漏れてしまい、推進方向以外への推力が発生する虞がある。また、電熱加速型同軸PPTは、稼働を続けるにつれて、昇華によりキャビティの体積が増加して放電密度が低下するので、インパルスビットの安定性が低下するという問題がある。
【0006】
本発明はこのような課題を鑑みてなされた。本発明は、推進方向以外への推力発生を抑制することができ、かつ、長期的に安定したインパルスビットを達成可能なPPTを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の例示的な態様に係るパルスプラズマスラスタは、以下の構成を備える。
[1]陽極、推進剤、及び陰極を備え、前記陽極と前記推進剤と前記陰極とが第1方向に沿って配置されたパルスプラズマスラスタであって、前記陽極及び前記陰極は、相対位置が互いに固定されており、前記推進剤は、前記陽極に対して前記第1方向に沿って相対移動可能であり、かつ、前記第1方向における一方側に陽極収容部が形成されるとともに、他方側にキャビティが形成されており、前記陽極収容部には、前記陽極が配置され、前記キャビティは、前記他方側に開口を有し、前記一方側から前記他方側に向かって拡大する形状に形成されているとともに、前記陽極収容部と連通することで前記陽極に隣接するよう構成され、前記陰極は、貫通孔が形成されるとともに、前記貫通孔の少なくとも一部が前記キャビティと連通するように配置されており前記推進剤は、前記他方側に向かって付勢されている、パルスプラズマスラスタ。
[2][1]に記載のパルスプラズマスラスタであって、前記陽極は、棒状であり、前記陽極収容部は、前記推進剤の前記一方側の端部から前記キャビティまで前記第1方向に貫通する孔である、パルスプラズマスラスタ。
[3][1]又は[2]に記載のパルスプラズマスラスタであって、付勢部材をさらに備え、前記付勢部材は、前記推進剤を前記他方側に向かって付勢するように構成されている、パルスプラズマスラスタ。
[4][1]~[3]のいずれか一項に記載のパルスプラズマスラスタであって、前記第1方向に対する前記キャビティのテーパ角度は、30°である、パルスプラズマスラスタ。
[5][1]~[4]のいずれか一項に記載のパルスプラズマスラスタであって、前記キャビティと前記貫通孔との境界において、前記貫通孔の内径は、前記キャビティの内径よりも小さい、パルスプラズマスラスタ。
[6][1]~[5]のいずれか一項に記載のパルスプラズマスラスタであって、前記貫通孔は、前記一方側から前記他方側に向かって拡大する形状に形成されている、パルスプラズマスラスタ。
[7][1]~[6]のいずれか一項に記載のパルスプラズマスラスタであって、前記陽極の材質は、タングステンである、パルスプラズマスラスタ。
[8][1]~[7]のいずれか一項に記載のパルスプラズマスラスタであって、前記推進剤が昇華することによる前記推進剤の前記一方側の変位量に対して、前記陽極が損耗することによる当該陽極の前記他方側の損耗量は小さい、パルスプラズマスラスタ。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るPPTによれば、推進方向以外への推力発生を抑制することができ、かつ、長期的に安定したインパルスビットを達成可能なPPTを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の第1実施形態に係るPPT1の概略断面図である。
本発明の第1実施形態に係るPPT1の推進剤30の概略断面図である。
本発明の第1実施形態に係るPPT1の陰極50の概略断面図である。
本発明の第2実施形態に係るPPT1Aの概略断面図である。
ショット数に対するインパルスビットの変化を示すグラフである。
1万ショット、3万ショット、5万ショット、8万ショットの実験時の推進剤30の断面図である。
キャビティの有無によるインパルスビットの比較実験の結果を示すグラフである。
2J電磁加速型平行平板PPTと、キャビティ・テーパ付きPPTとの比較実験の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴について独立して発明が成立する。
(【0011】以降は省略されています)

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