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公開番号2025104521
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-10
出願番号2023222385
出願日2023-12-28
発明の名称排水集合管および排水集合管から横枝管への試験用固形物の飛び込み試験方法
出願人株式会社クボタケミックス
代理人安田岡本弁理士法人
主分類E03C 1/12 20060101AFI20250703BHJP(上水;下水)
要約【課題】排水に含まれる固形物が排水集合管の横枝管に飛び込むことを防止する。
【解決手段】標準排水集合管1000は、標準上部管1100と標準下部管1500とを含み、上部管1100は、上立管を接続する上立管接続部1110と、床スラブの上方において横枝管を接続する最大3つの横枝管接続部1120とを含む。下部管1500は、下立管を接続する下立管接続部1510を含む。上部管1100は、横枝管接続部1120の管軸よりも上方の高さ位置において横枝管接続部1120が存在しない内壁に対向する周方向位置に設けられた上方偏流板1240、または、横枝管接続部1120の管軸よりも下方の高さ位置において横枝管接続部1120が存在しない内壁から内周に突出して設けられた下方偏流板を備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
建築物の床スラブの貫通孔に配置される樹脂製の排水集合管であって、
前記排水集合管は、前記床スラブの上方に突出する上部管と、排水を流出させる下方配管に接続される下部管とを含み、前記上部管の縦管軸と前記下部管の縦管軸とは一致して前記排水集合管の軸芯を形成し、
前記上部管は、上階から排水を流入させる上立管を接続する上立管接続部と、前記床スラブの上方において横枝管を接続する最大3つの横枝管接続部とを含み、
前記下部管は、前記下方配管を接続する下管接続部と、前記下管接続部の上流側に設けられた縮径部とを含み、
前記上部管は、前記横枝管接続部の管軸よりも上方の高さ位置において前記横枝管接続部が存在しない内壁に対向する周方向位置に排水の流れを変化させる上方偏流板、または、前記横枝管接続部の管軸よりも下方の高さ位置において前記横枝管接続部が存在しない内壁から内周に突出して設けられて排水の流れを変化させる下方偏流板を備えることを特徴とする、排水集合管。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
以下の<飛び込み試験方法>において、目視で確認した結果により算出された(飛び込み数/試験数)×100を飛び込み率A(%)、および、横枝管受口部材の端面を基準とした前記横枝管への飛び込み距離B(mm)として、前記Aが(0.04(%)×最上階を除く試験対象の排水集合管数)未満、または、前記Bが300mm未満を満足することを特徴とする、請求項1に記載の排水集合管。
<飛び込み試験方法>
・5階層以上の各階に前記排水集合管を設置して、最上階から1000個以上の試験用固形物を落下させて、各階に設置された前記排水集合管から前記横枝管への飛び込みの発生の有無を目視で確認する。
・前記試験用固形物は、反発係数0.5以下の低反発材料で形成された、φ4~φ30mmの略球形状とする。
【請求項3】
建築物の床スラブの貫通孔に配置される樹脂製の排水集合管から横枝管への試験用固形物の飛び込み試験方法であって、
前記排水集合管は、前記床スラブの上方に突出する上部管と、排水を流出させる下方配管に接続される下部管とを含み、前記上部管の縦管軸と前記下部管の縦管軸とは一致して前記排水集合管の軸芯を形成し、
前記上部管は、上階から排水を流入させる上立管を接続する上立管接続部と、前記床スラブの上方において横枝管を接続する最大3つの横枝管接続部とを含み、
前記下部管は、前記下方配管を接続する下管接続部と、前記下管接続部の上流側に設けられた縮径部とを含み、
前記試験方法は、
5階層以上の各階に前記排水集合管を設置するステップと、
反発係数0.5以下の低反発材料で形成された、φ4~φ30mmの略球形状の試験用固形物を準備するステップと、
最上階から1000個以上の前記試験用固形物を落下させて、各階に設置された前記排水集合管から前記横枝管への飛び込みの発生の有無を目視で確認するステップとを含むことを特徴とする、試験方法。
【請求項4】
目視で確認した結果により算出された(飛び込み数/試験数)×100を飛び込み率A(%)、および、横枝管受口部材の端面を基準とした前記横枝管への飛び込み距離B(mm)として、前記Aが(0.04(%)×最上階を除く試験対象の排水集合管数)未満、または、前記Bが300mm未満を満足するか否かにより合格/不合格を判定する判定ステップをさらに含むことを特徴とする、請求項3に記載の試験方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物の床スラブを貫通して設けられる樹脂製の排水集合管であって、床スラブの上方に突出するとともに上階から排水を流入させる上方配管(上立管)を接続する上立管接続部および床スラブの上方において横枝管を接続する少なくとも1つの横枝管接続部を備えた上部管と、その上部管の下方に接続され下階へ排水を流出させる下方配管(下立管、脚部継手)を接続する下部管とを含む排水集合管において、特に、立管(縦管、立て管)に流れる排水に汚物を含む固形物も一緒に流れてきても排水集合管の横枝管に固形物が飛び込むことを好適に抑制することのできる排水集合管、および、排水集合管から横枝管への試験用固形物の飛び込み試験方法に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
集合住宅やオフィスビルなどには、給水設備および排水設備が設けられる。このうちの排水設備は、建物の各階層を上下に貫く立管(上立管、下立管)と、各階層に設置された水まわり器具(排水器具)に接続された横枝管と、これらを接続する排水集合管(最下階用排水集合管の下部管には横主管に接続された脚部継手を接続)を備えた排水配管システムが代表的なものとして広く知られている(最下階用排水集合管の下部管には脚部継手が他の配管材を介して接続される場合があるが以下においては直接接続されているものとして記載する)。
【0003】
そして、このような排水配管システムに用いられる排水集合管は、建築物に施工された際に建築物の床スラブを貫通して設けられ、床スラブの上方に突出するとともに上階から排水を流入させる上方配管(上立管)を接続する上立管接続部および床スラブの上方において横枝管を接続する少なくとも1つの横枝管接続部を備えた上部管と、その上部管の下方に接続され下階へ排水を流出させる下方配管(下立管、脚部継手)を接続する下部管とを含み、超高層建物においては、階層に応じて、超高層用排水集合管、中高層用排水集合管(標準排水集合管と記載する場合がある)、最下階用排水集合管が使い分けられる。そして、これらの各階層の排水集合管において、上方に上立管、下方に下立管または横主管に接続された脚部継手、ならびに、側方に横枝管を接続して、排水配管システムが形成される。なお、最下階用排水集合管以外には下部管に旋回羽根が設けられることが多い。また、このような排水集合管として、ひとつまたは複数の樹脂製の射出成型品で形成されたものが広く知られている。
【0004】
このような排水集合管(管継手)として、特開2021-046715号公報(特許文献1)は、筒状に形成された継手本体と、端部が前記継手本体の側面に接続され、前記端部に形成された開口が前記継手本体内に連通し、横管路部が接続される側方継手部と、前記継手本体の内部に挿入された環状体から延出されて前記継手本体の内周面から張り出すように設けられ、前記継手本体の軸線方向に延在し、前記側方継手部に望む位置に形成された逆流防止部と、を備え、前記環状体から前記軸線方向に突出するように延在され、前記継手本体内を通過する水の流れを旋回させる旋回羽根が設けられた管継手を開示する。この特許文献1の第0048段落には「また、旋回羽根45、47、49により排水が旋回しながら下方に向かって流れるように導かれるため、排水の反射流が横管路部22C側に逆流することを抑制できる。」と記載されている。
【0005】
また、最下階用排水集合管(管継手、継手管)として、特許第7290536号公報(特許文献2)は、縦管から継手管本体に流れ込む水の流れに突起により切れ目を生成し、横枝管から継手管本体側に確実に水が流れ込むようにした管継手を開示する。この管継手は、建物の床スラブの貫通孔に配置される管継手であって、上流側の縦管に接続可能な縦管接続部を上端に有し、排水設備から排出された排水を前記管継手内に導く横枝管を接続可能な横枝管接続部を側面に1つのみ有する継手管本体を備え、前記継手管本体において、前記横枝管接続部よりも上流側の前記縦管接続部側の内周面に突起が1つ以上形成され、前記突起は、前記継手管本体の中心軸からの平面視において、前記横枝管接続部の開口と同じ位置に配置され、前記突起の高さは5~15mmであることを特徴とする。この管継手によると、継手管本体の横枝管接続部よりも縦管接続部側の上流側に、内周方向に突出する1つ以上の突起を設けることで、縦管から継手管本体側に筒状の水膜を形成しつつ流れる水の流れに対し、切れ目に相当する分断部分を形成できる。横枝管接続部を介し継手管本体に流れ込もうとする水は、この分断部分を介し継手管本体内に流れ込むことができる。よって、縦管から継手管本体側に勢い良く水が流入し、継手管本体内に筒状の水膜を生じた場合であっても、横枝管から継手管本体内に支障なく水を流すことができる。このため、横枝管接続部近傍の継手管本体内において内圧が必要以上に高くなることを抑制し、継手管本体から横枝管側への、水の逆流現象を防止できる。この特許文献2の第0025段落には「複数の集合継手のうち、図1に示すように、建物の最下層に設けられた最下層用の集合継手21に、後述する本実施形態の特徴的な構成が適用されている。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2021-046715号公報
特許第7290536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、このような排水配管システムにおいては、各階に設けられた排水集合管(特許文献1、2の管継手、継手管)に接続された横枝管を介して、各階における複数の水まわり器具(洗面所、洗濯場、浴槽、台所、便所等の排水器具)からの排水が排水集合管に集められて、上層階から流入した排水に加えて下層階へ流出させている。このように、排水(水)とともに汚物等の固形物が一緒に立管内を上層階から流れてきて最上階以外の排水集合管において合流することを繰り返す。排水とともに上層階から流れてきた固形物が排水集合管から横枝管に飛び込むと最悪の場合には排水器具(便器)まで到達して便器封水へ固形物(汚物等)が侵入したりする問題点、横枝管が固形物(汚物等)で詰まったりする問題点が発生する可能性がある。
【0008】
しかしながら、特許文献1および特許文献2に開示された管継手、継手管のように、継手管本体から横枝管側への水の逆流現象を防止したり、縦管から継手管本体に流れ込む排水により形成される水膜を突起により切れ目を生成して(水膜を切断して)横枝管から継手管本体内に支障なく水を流して横枝管接続部近傍の継手管本体内において内圧が必要以上に高くなることを抑制することにより継手管本体から横枝管側への水の逆流現象を防止したりすることができるとしても、排水とともに上階から流れてきた固形物が排水集合管から横枝管に飛び込むおそれがある。たとえば、特許文献1においては旋回羽根45により排水が旋回しながら下方に向かって流れるように導かれるとしてもこの旋回羽根45の高さ方向の位置が横枝管接続部の管軸よりも下方には設けられていないために、排水の反射流が横管路部22C側に逆流することが仮に抑制できるとしても横管路部22A側には逆流するおそれがある。また、特許文献2においては、水膜切断突起が横枝管接続部の上縁よりも上側にあるので、水膜切断突起に当たった反射流は継手管本体から横枝管側へ逆流するおそれがある。
【0009】
また、排水集合管の排水能力についての試験方法は定められているが(たとえば空気調和・衛生工学会規格の「集合住宅の排水立て管システムの排水能力試験法(SHASE-S218)」)、固形物の排水集合管の横枝管への飛び込みについての試験方法は定められていない。
【0010】
そこで、本願出願人は、このような現状を踏まえて、発生する可能性があると上記した2つの問題点に鑑みて、固形物が排水集合管から横枝管に飛び込むことがないまたは極めて低く抑えられる排水集合管自体、および、固形物が排水集合管から横枝管に飛び込まないことを確認するための試験方法を鋭意開発するに至ったのである。
(【0011】以降は省略されています)

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