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公開番号2025107724
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-22
出願番号2024001089
出願日2024-01-09
発明の名称偽造防止印刷物
出願人独立行政法人国立印刷局
代理人
主分類B41M 3/14 20060101AFI20250714BHJP(印刷;線画機;タイプライター;スタンプ)
要約【課題】潜像画像の隠蔽性を確保することが可能な偽造防止印刷物を提供する。
【解決手段】基材上に、潜像画像が形成された第1の領域と、基材上に、第1の領域と隣接して形成された第2の領域とを含む印刷領域を備え、第1の領域は、基材上に、一方向に沿って平行に形成され、凹凸断面形状を有する複数の凹凸画線と、基材上における、凹凸画線が形成されていない部分が少なくとも含まれるように、一方向に沿って平行に形成された複数の第1の印刷画線とを含み、基材に対して垂直と異なる角度で観察すると潜像画像が視認され、第2の領域は、基材に対して少なくとも垂直を含む角度で観察すると模様が視認されるように形成された第2の印刷画線含んでいる。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項１】
基材上に、潜像画像が形成された第１の領域と、前記第１の領域と隣接して形成された少なくとも一つの第２の領域と、を含む印刷領域を備え、
前記第１の領域は、一方向に沿って平行に形成され、凹凸断面形状を有する複数の凹凸画線と、前記基材上における、前記凹凸画線が形成されていない部分が少なくとも含まれるように、前記一方向に沿って平行に形成された複数の第１の印刷画線とを含み、前記基材に対して垂直と異なる角度で観察すると、前記潜像画像が視認され、
前記第２の領域は、前記一方向と直交する他方向に沿って画線幅又はピッチ、あるいは画線幅及びピッチが段階的に変化する第２の印刷画線を含み、
前記基材に対して少なくとも垂直を含む角度で観察すると、模様が視認されることを特徴とする偽造防止印刷物。
続きを表示（約 960 文字）【請求項２】
前記第２の領域は、前記第２の印刷画線として、前記一方向に沿って平行に交互に形成された複数の第２ａの印刷画線及び複数の第２ｂの印刷画線を含み、
前記第２ａの印刷画線のピッチ及び画線幅の少なくとも一方が、前記一方向と直交する他方向に沿って段階的に変化し、前記第２ｂの印刷画線のピッチ及び画線幅の少なくとも一方が、前記第２ａの印刷画線の段階的な変化に対応して、前記一方向と直交する他方向に沿って段階的に変化することを特徴とする請求項１に記載の偽造防止印刷物。
【請求項３】
前記第２の領域は、前記第２の印刷画線として、前記一方向に沿って平行に形成された複数の第２ｃの印刷画線を含み、
前記第２ｃの印刷画線の少なくとも一部は他の部分と画線幅が異なり、前記第２ｃの印刷画線の前記少なくとも一部又は前記他の部分の画線幅及びピッチの少なくともいずれか一方が、前記他方向に沿って段階的に変化していることを特徴とする請求項１に記載の偽造防止印刷物。
【請求項４】
前記第２の領域は、前記第２の印刷画線として、前記一方向に沿って平行に交互に形成された複数の第２ａの印刷画線及び複数の第２ｂの印刷画線を含み、
前記第２ａの印刷画線のピッチ及び画線幅の少なくとも一方が、前記一方向と直交する他方向に沿って段階的に変化し、前記第２ｂの印刷画線のピッチ及び画線幅の少なくとも一方が、前記第２ａの印刷画線の段階的な変化に対応して、前記一方向と直交する他方向に沿って段階的に変化し、
前記印刷領域は、前記第１の領域と隣接して形成された第３の領域をさらに備え、
前記第３の領域は、前記基材上に、前記一方向に沿って平行に形成された複数の第３の印刷画線を含み、前記第３の印刷画線の少なくとも一部は他の部分と画線幅が異なり、前記第３の印刷画線の前記少なくとも一部又は前記他の部分の画線幅及びピッチの少なくともいずれか一方が、前記他方向に沿って段階的に変化していることを特徴とする請求項１に記載の偽造防止印刷物。
【請求項５】
前記第２の領域に、可視画像が形成されて成ることを特徴とする請求項１から請求項４までのいずれか一項に記載の偽造防止印刷物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は偽造防止印刷物に関し、例えば、銀行券、株券、有価証券、通行券、パスポート、カード等の貴重印刷物の偽造防止、改ざん防止が要求されるものに利用することが可能な偽造防止印刷物に関する。
続きを表示（約 1,500 文字）【背景技術】
【０００２】
銀行券、株券、有価証券、通行券、パスポート、カード等の貴重印刷物は、その性質上、偽造防止、改ざん防止が要求される。そのような偽造防止、改ざん防止策を施す技術の一つとして、紙層の厚さを部分的に変えることによるすき入れ、例えば、特殊な物質を基材内に入れることによるすき入れやエンボス、印刷によって基材上に凹凸画線を施したものを用いることが行われている。
【０００３】
そして、すき入れ、エンボス、印刷により形成された万線模様等の凹凸画線を有する基材の表面上に、凹凸画線に対して平行又は傾斜した印刷画線を印刷する。このようにして製造された偽造防止印刷物に対して、基材を所定角度の方向から観察すると、潜像画像となる所定の文字、図柄等が視認される。出願人は、このような偽造防止印刷物について、以下に示す特許文献１、２に示された特許を得ている。
【０００４】
そのような偽造防止印刷物では、例えば、基材に凹凸画線が形成され、さらに印刷画線が形成されている。そして、基材に対して垂直な方向、即ち真上から観察した場合、印刷画線が凹凸画線によって隠れることが無く一定濃度の直万線として視認されるため、潜像は視認されない。
【０００５】
これに対し、基材を所定角度に傾けて観察した場合、凹凸画線によって印刷画線が部分的に隠れて潜像画像が視認される。
【０００６】
しかしながら、印刷画線と凹凸画線との相対的な位置関係によっては、基材を垂直な方向から観察した場合に、例えば、印刷ムラや、印刷画線と凹凸画線との位置関係のずれ等により印刷画線に濃度差が生じて陰影が発生し、本来は見えてはならない潜像が視認されることがあった。このような場合は、意図した偽造防止効果が得られないという課題があった。
【０００７】
また、このような現象を防ぐためには、印刷ムラを抑制し、印刷画線と凹凸画線との相対的位置にずれが生じないように両者を高い精度で配置して形成しなければならなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００８】
特許第２６１５４０１号
特許第４７３４６１６号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００９】
本発明は上記事情に鑑み、印刷画線と凹凸画線との相対的位置に高い精度を要求することなく、印刷ムラ、あるいは印刷画線と凹凸画線との位置関係のずれ等によって、本来は見えてはならない潜像の可視化を防ぐことで、意図した偽造防止効果が得られる偽造防止印刷物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
本発明の偽造防止印刷物は、基材上に、潜像画像が形成された第１の領域と、第１の領域と隣接して形成された第２の領域と、を含む印刷領域を備え、第１の領域は、一方向に沿って平行に形成され、凹凸断面形状を有する複数の凹凸画線と、基材上における、凹凸画線が形成されていない部分が少なくとも含まれるように、一方向に沿って平行に形成された複数の第１の印刷画線とを含み、基材に対して垂直と異なる角度で観察すると、潜像画像が視認され、第２の領域は、第２の印刷画線として、基材上に、一方向に沿って平行に交互に形成された複数の第２ａの印刷画線及び複数の第２ｂの印刷画線を含み、第２ａの印刷画線のピッチ及び画線幅の少なくとも一方が、一方向と直交する他方向に沿って段階的に変化し、基材に対して少なくとも垂直を含む角度で観察すると、模様が視認されるように形成された第２の印刷画線を含むことを特徴とする。
（【００１１】以降は省略されています）

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