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公開番号
2025108056
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-23
出願番号
2024001687
出願日
2024-01-10
発明の名称
マイコバクテリウム・カンサシー菌群の検出に用いるオリゴヌクレオチド及びその検出方法
出願人
東ソー株式会社
代理人
主分類
C12Q
1/689 20180101AFI20250715BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】 試料中に存在するマイコバクテリウム・カンサシー菌群由来の核酸を特異的に増幅して検出するオリゴヌクレオチドプライマーとオリゴヌクレオチドプローブ、およびそれらを用いた検出方法を提供する。
【解決手段】マイコバクテリウム・カンサシー菌群由来のDNAもしくはRNAの特定塩基配列またはその相補配列を検出するためのオリゴヌクレオチドであって、少なくとも配列番号8又は配列番号11である第一のプライマーおよび、配列番号6又は配列番号9である第二のプライマーの組み合わせからなるプライマーセット、およびそれらを用いた検出方法を提供する。
【選択図】 なし
特許請求の範囲
【請求項1】
マイコバクテリウム・カンサシー菌群を検出するためのプライマーセットであって、該プライマーセットは少なくとも第一のプライマーと第二のプライマーを含み、第一のプライマーと第二のプライマーの組合せが以下の(A)から(D)のいずれかに記載の塩基配列またはその相補鎖から選択されるプライマーセット。
(A)第一のプライマー:配列番号8、第二のプライマー:配列番号6
(B)第一のプライマー:配列番号8、第二のプライマー:配列番号9
(C)第一のプライマー:配列番号11、第二のプライマー:配列番号6
(D)第一のプライマー:配列番号11、第二のプライマー:配列番号9
続きを表示(約 1,400 文字)
【請求項2】
前記第一のプライマーが配列番号8である、請求項1に記載のプライマーセット。
【請求項3】
オリゴヌクレオチドが蛍光色素で標識され、かつ相補的な2本鎖を形成すると蛍光特性が変化するように構成されたオリゴヌクレオチドであることを特徴とする配列番号12記載のオリゴヌクレオチドプローブをさらに含む、請求項1に記載のプライマーセット。
【請求項4】
前記第一のプライマーおよび前記第二のプライマーは少なくとも一方の5’末端にRNAポリメラーゼの転写可能なプロモーター配列が付加されている、請求項1記載のプライマーセット。
【請求項5】
前記プロモーター配列が配列番号13である、請求項4のプライマーセット。
【請求項6】
(1)第二のプライマーおよびRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素による、マイコバクテリウム・カンサシー菌群の特定塩基配列を鋳型とした特定塩基配列に相補的なcDNAを合成する工程、
(2)リボヌクレアーゼH(RNase H)活性を有する酵素による、RNA-DNA2本鎖のRNA分解する工程(1本鎖DNAの生成)、
(3)第一のプライマーおよびDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素による、前記1本鎖DNAを鋳型とした特定塩基配列または特定塩基配列に相補的な配列のRNAを転写可能なプロモーター配列を有する2本鎖DNAを生成する工程、
(4)RNAポリメラーゼ活性を有する酵素による、前記2本鎖DNAを鋳型とするRNA転写産物を生成する工程、
(5)前記RNA転写産物が、前記(1)の工程におけるcDNA合成の鋳型となることで、連続的にRNA転写産物を生成する工程、および、
(6)生成したRNA転写産物を当該転写産物の一部の塩基配列と2本鎖を形成すると形成前と比較し蛍光特性が変化するオリゴヌクレオチドプローブを用いて検出する工程を含む、マイコバクテリウム・カンサシー菌群を特異的に検出する方法であって、請求項1から請求項5までのいずれかのプライマーセットを用いる前記方法。
【請求項7】
前記(1)の鋳型RNAのうち特定塩基配列の第一のプライマーとの相同領域の5’末端側と重複し、かつ当該重複部位から5’末端側に隣接した領域があらかじめ切断用オリゴヌクレオチドで切断されている工程をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記切断用オリゴヌクレオチドについては、
前記第一のプライマーが配列番号8の場合は配列番号7であり、
前記第一のプライマーが配列番号11の場合は配列番号10である塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記酵素が、AMV(Avian Myeloblastosis Virus)逆転写酵素、MMLV(Molony Murine Leukemia Virus)逆転写酵素、RAV(Rous Associated Virus)逆転写酵素、HIV(Human Immunodeficiency Virus)逆転写酵素からなる群から選択されるものである、前記請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記酵素がAMV逆転写酵素である、前記請求項9に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料中に含まれるマイコバクテリウム・カンサシー菌群を迅速、高感度かつ特異的に検出するためのオリゴヌクレオチドおよび該オリゴヌクレオチドを用いたマイコバクテリウム・カンサシー菌群の検出方法に関する、特に、等温核酸増幅法でマイコバクテリウム・カンサシー菌群の検出方法に関するものである。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
非結核性抗酸菌の一種であるマイコバクテリウム・カンサシー(Mycobacterium kansasii)は、ヒトに病原性を示すことが知られており、主にヒトの肺に感染して肺疾患を引き起こし、稀にリンパ節、皮膚、泌尿器などに感染して各種病変を引き起こす。マイコバクテリウム・カンサシーは他の非結核性抗酸菌と同様に環境常在菌であり、環境水、特に水道水が感染源と考えられている。カンサシー症患者数は、日本における非結核性抗酸菌症患者の中ではMAC症次いで多いといわれている。また、肺カンサシー症の臨床症状は結核とほぼ同様であることが知られている一方で、結核とは異なりヒトからヒトへの感染はしないと考えられている。したがって、結核の否定や治療方針の決定には臨床症状による診断のみではなく原因菌を同定することが非常に重要とされている。さらに、マイコバクテリウム・カンサシーには非結核性抗酸菌の中で唯一著効な治療薬が存在し、比較的治りやすいとされている。このことから、治療方針の早期策定のためにマイコバクテリウム・カンサシーを簡便、迅速かつ正確に同定することは大変重要とされている。
【0003】
一般にマイコバクテリウム・カンサシーの同定検査は培養法、核酸増幅法などにより行われている。培養法は生体由来試料から菌を培養後、質量分析やDNA-DNAハイブリダイゼーションにより菌種を同定する方法であり、多数の菌種を一度に同定することができる点で有用ではあるが、菌の培養に数週間を要することから早期に診断できず、また操作が煩雑である問題がある。核酸増幅法はLAMP法(非特許文献1)、PCR法(特許文献1、特許文献2、特許文献3)等が知られており、感度、特異性ともに高いものの、検体から細菌由来の核酸を抽出する工程が煩雑であり、信頼できる結果を得るには作業実施者の練度がある程度必要となる。
また、これまで多くの核酸増幅技術が報告されていたが、時間が短縮される低温条件下で等温で核酸を増幅できる技術が望まれている。
【0004】
本発明で使用されたTRC法(特許文献4、特許文献5、非特許文献2)では精製から検出まで一体となった装置が市販されており、高感度と高特異度を維持した上で、1時間程度で結果を得ることができるため、高感度と高特異度且つ十分な迅速性を備えている。
【0005】
マイコバクテリウム・カンサシー菌の属するマイコバクテリウム属菌は180種以上報告されており非常に多様性に富む一方で、その塩基配列は相同性が高いものが多い。したがって、マイコバクテリウム・カンサシー菌のみを鑑別することが可能な、マイコバクテリウム・カンサシー菌遺伝子を高感度かつ特異的に検出するプライマーセットやオリゴヌクレオチドプローブを設計することは極めて困難であった。特に比較的低温の一定温度(例えば、40℃から50℃)条件下でRNAの増幅が可能な増幅方法を利用する場合、増幅対象核酸が高次構造を形成しやすくなるため、当該プライマーセットやオリゴヌクレオチドプローブの設計はさらに困難であった。
【0006】
さらに、マイコバクテリウム・カンサシー菌にはsubtype1からsubtype7の7種類のサブタイプが存在していたが、これらのサブタイプは2019年にマイコバクテリウム・カンサシー菌群として再分類され、中でもsubtype1はMycobacterium kansasii、subtype2はMycobacterium persicum、subtype3はMycobacterim pseudokansasii、subtype5はMycobacterium innocens、subtype6はMycobacterium attenuatumとそれぞれ種として分類された(非特許文献3)。しかし、再分類後においてもヒトに対する起病性や有効な薬剤に代わりないことから、臨床的には一度の測定でマイコバクテリウム・カンサシー菌群を広範に検出できることが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
米国特許第4683195号明細書
米国特許第4683202号明細書
米国特許第4965188号明細書
特開2000-14400号公報
特開2001-37500号公報
【非特許文献】
【0008】
Thai H.T.C.et al.,J.Clin.Microbailol.,42,1956-1961(2004).
Ishiguro T.et al.,Anal.Biochem.,314,77-86(2003).
Florian T.et al.,Int.J.Syst.Evol.Microbiol.,69,1696-1704(2019).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、試料中に存在するマイコバクテリウム・カンサシー菌群に由来する核酸を迅速、高感度かつ特異的に増幅して検出するプライマーセットおよびオリゴヌクレオチドプローブ、およびこれらを用いたマイコバクテリウム・カンサシー菌群の検出方法を提供することにある。特に、等温核酸増幅法でマイコバクテリウム・カンサシー菌群の検出方法を提供することにある。
【発明の効果】
【0010】
本発明のマイコバクテリウム・カンサシー菌群の特定塩基配列の検出方法は、該特定塩基配列を増幅するための第一のプライマーおよび第二のプライマーからなるプライマーセット、核酸増幅方法、核酸検出のためのオリゴヌクレオチドプローブを提供することにより、マイコバクテリウム・カンサシー菌群を迅速、高感度、特異的に検出する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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