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公開番号2025108730
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-23
出願番号2025072148,2023101662
出願日2025-04-24,2018-08-14
発明の名称造血幹細胞移植に関連する移植片対宿主病および/またはびまん性肺胞出血および/または静脈閉塞症を治療および/または予防するための方法
出願人オメロス コーポレーション,ユニバーシティー オブ レスター
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類A61K 39/395 20060101AFI20250715BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】造血幹細胞移植に関連する移植片対宿主病および/またはびまん性肺胞出血および/または静脈閉塞症に罹患しているヒト対象においてMASP-2依存性補体活性化の効果を阻害する方法を提供する。
【解決手段】MASP-2依存性補体活性化を阻害するのに有効な量のMASP-2阻害抗体またはその抗原結合断片を含む組成物を対象に投与する工程を含む方法とする。MASP-2阻害抗体が、ヒトMASP-2に特異的に結合するモノクローナル抗体またはその断片であることが望ましい。
【選択図】図61
特許請求の範囲【請求項1】
移植片対宿主病(GVHD)に罹患しているか、またはこれを発症するリスクがあるヒト対象を治療する方法であって、MASP-2依存性補体活性化を阻害するのに有効な量のMASP-2阻害抗体またはその抗原結合断片を含む組成物を対象に投与する工程を含む、前記方法。
続きを表示(約 670 文字)【請求項2】
MASP-2阻害抗体が、ヒトMASP-2に特異的に結合するモノクローナル抗体またはその断片である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
抗体またはその断片が、組換え抗体、低下したエフェクター機能を有する抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、およびヒト抗体からなる群より選択される、請求項1記載の方法。
【請求項4】
MASP-2阻害抗体が古典経路を実質的に阻害しない、請求項1記載の方法。
【請求項5】
MASP-2阻害抗体が、90%ヒト血清中でのC3b沈着を30 nMまたはそれ未満のIC
50
で阻害する、請求項1記載の方法。
【請求項6】
MASP-2阻害抗体が対象に全身送達される、請求項1記載の方法。
【請求項7】
MASP-2依存性補体活性化を阻害するのに有効な量のMASP-2阻害抗体またはその抗原結合断片を含む組成物を対象に投与する工程の前に、移植片対宿主病に罹患しているか、またはこれを発症するリスクがあるヒト対象を特定する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項8】
対象が、造血幹細胞移植を以前に受けたことがあるか、現在受けているか、または受ける予定である、請求項1記載の方法。
【請求項9】
対象が急性GVHDに罹患している、請求項1記載の方法。
【請求項10】
対象が慢性GVHDに罹患している、請求項1記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
配列表に関する記載
本願に関連する配列表はハードコピーの代わりにテキスト形式で提供され、本明細書に参照により組み入れられる。配列表を含むテキストファイルの名前は、MP_1_0278_PCT_SequenceListingasFiled_20180807であり、このテキストファイルは116 KBであり、2018年8月7日に作成され、本明細書の出願と共にEFS-Webを介して提出されている。
続きを表示(約 5,500 文字)【背景技術】
【0002】
背景
補体系は、ヒトおよび他の脊椎動物において微生物感染症および他の急性侵襲に対する免疫応答を開始、増幅、および組織化するための初期作用機構を提供する(M.K. Liszewski and J. P. Atkinson, 1993, in Fundamental Immunology, Third Edition, W.E, Paul編, Raven Press, Ltd., New York)。補体活性化は潜在的な病原体に対する有益な第一線の防御を提供するが、防御免疫応答を促進する補体の活性は宿主にとって潜在的な脅威となることもある(K.R, Kalli, et al., Springer Semin. Immunopathol. 15:417-431, 1994; B.P. Morgan, Eur. J. Clinical Investig. 24:219-228, 1994)。例えば、C3およびC5タンパク質分解産物は好中球を動員および活性化する。活性化好中球は宿主防御に不可欠であるが見境なく破壊酵素を放出し、臓器損傷を引き起こすことがある。さらに、補体活性化によって、近くの宿主細胞ならびに微生物標的の表面に溶解性補体成分が沈着し、その結果、宿主細胞が溶解する場合がある。
【0003】
補体系はまた、心筋梗塞、脳卒中、ARDS、再灌流傷害、敗血症ショック、熱傷後の毛細血管漏出、心肺バイパス術後炎症、移植片拒絶、慢性関節リウマチ、多発性硬化症、重症筋無力症、およびアルツハイマー病を含む、非常に多くの急性疾患状態および慢性疾患状態の発生に関係している。これらの状態のほぼ全てにおいて、補体は原因でないが、発生に関与するいくつかの因子の1つである。それにもかかわらず、補体活性化は主要な病理学的機構であると考えられ、これらの疾患状態の多くにおける臨床管理のための有効なポイントということになる。様々な疾患状態において補体媒介性組織損傷が重要であるという認識の高まりは、有効な補体阻害薬物の必要性を強調する。現在に至るまで、抗C5抗体であるエクリズマブ(Solaris(登録商標))がヒトでの使用に認可されている唯一の補体標的化薬物である。だが、C5は、補体系の「下流」に位置する、いくつかのエフェクター分子の1つであり、C5が遮断されても補体系活性化は阻害されない。従って、補体活性化の開始工程の阻害因子は「下流」補体阻害因子よりもかなり優位に立っていると考えられる。
【0004】
現在、補体系は3つの異なる経路:古典経路、レクチン経路、および第二経路を介して活性化できることが広く認められている。古典経路は、通常、外来粒子(すなわち、抗原)に結合した宿主抗体からなる複合体によって誘発され、従って、特異的抗体反応を発生させるために抗原への前曝露を必要とする。古典経路の活性化は宿主による以前の獲得免疫応答に左右されるので、古典経路は後天免疫系の一部である。対照的に、レクチン経路および第二経路はいずれも獲得免疫とは無関係であり、自然免疫系の一部である。
【0005】
補体系の活性化により、セリンプロテアーゼ酵素前駆体の連続して起こる活性化がもたらされる。古典経路活性化の第一段階は、特異的認識分子C1qと、抗原に結合したIgG分子およびIgM分子との結合である。C1qは、C1と呼ばれる複合体としてC1rおよびC1sセリンプロテアーゼプロ酵素と結合する。C1qと免疫複合体が結合すると、C1rのArg-Ile部位が自己タンパク分解によって切断された後に、C1rによって媒介されるC1sの切断および活性化が起こり、それによって、C4およびC2を切断する能力が獲得される。C4は、C4aおよびC4bと呼ばれる2つの断片に切断され、同様に、C2はC2aおよびC2bに切断される。C4b断片は、隣接するヒドロキシル基またはアミノ基と共有結合を結合し、活性化C2のC2a断片との非共有結合的相互作用を介してC3コンバターゼ(C4b2a)を生成することができる。C3コンバターゼ(C4b2a)は、C5コンバターゼ(C4b2a3b)の生成をもたらす、C3aおよびC3b小成分へのタンパク質切断によって、C3を活性化し、C5コンバターゼ(C4b2a3b)は、C5を切断することによって、細胞膜を破壊して細胞溶解をもたらすことができる膜侵襲複合体(C5bがC6、C7、C8、およびC9と組み合わされ、「MAC」とも呼ばれる)の形成をもたらす。C3およびC4の活性化型(C3bおよびC4b)は共有結合により外来標的表面に沈着し、複数の食細胞上にある補体受容体によって認識される。
【0006】
独立して、レクチン経路を介した補体系活性化における第一段階も、特異的認識分子の結合と、それに続く、関連するセリンプロテアーゼプロ酵素の活性化である。しかしながら、C1qによる免疫複合体の結合ではなく、レクチン経路の認識分子は、総称してレクチンと呼ばれる炭水化物結合タンパク質(マンナン結合レクチン(MBL)、H-フィコリン、M-フィコリン、L-フィコリン、およびC型レクチンCL-11)の一群を含む。J. Lu et al., Biochim. Biophys. Acta 1572:387-400, (2002); Holmskov et al., Annu. Rev. Immunol. 21:547-578(2003); Teh et al., Immunology 101:225-232(2000))を参照されたい。J. Luet et al., Biochim Biophys Acta 1572:387-400(2002); Holmskov et al., Annu. Rev. Immunol. 21:547-578(2003); Teh et al., Immunology 101:225-232(2000); Hansen et al., J, Immunol 185(10):6096-6104(2010)も参照されたい。
【0007】
Ikedaらは、C1qと同様にMBLが酵母マンナンでコーティングされた赤血球と結合すると、C4依存的に補体系を活性化できることを初めて証明した(Ikeda et al., J. Biol. Chem. 262:7451-7454, (1987))。コレクチンタンパク質ファミリーのメンバーであるMBLは、3-ヒドロキシ基および4-ヒドロキシ基がピラノース環の赤道結合面に配向されている炭水化物と結合するカルシウム依存性レクチンである。従って、MBLの目立ったリガンドはD-マンノースおよびN-アセチル-D-グルコサミンであるのに対して、この立体的要件に合わない炭水化物はMBLに対して検出不可能な親和性を有する(Weis et al., Nature 360:127-134, (1992))。MBLと一価糖との相互作用は極めて弱く、解離定数は典型的に1桁のミリモル範囲内である。MBLは、アビディティによって、すなわち、互いに近くに位置する複数の単糖残基と同時に相互作用することによってグリカンリガンドと緊密で特異的な結合を実現する(Lee et al., Archiv. Biochem. Biophys. 299:129-136, (1992))。MBLは、一般的に、微生物、例えば、細菌、酵母、寄生生物、およびある特定のウイルスを装飾する炭水化物パターンを認識する。対照的に、MBLは、通常、哺乳動物の血漿糖タンパク質上および細胞表面糖タンパク質上に存在する「成熟」複合糖質を装飾する最後から2番目の糖および最後の糖であるD-ガラクトースおよびシアル酸を認識しない。この結合特異性は、「外来」表面の認識を促進し、「自己活性化」からの保護を助けると考えられる。しかしながら、MBLは、哺乳動物細胞の小胞体中およびゴルジ中で隔離されたN結合糖タンパク質および糖脂質における高マンノース「前駆」グリカンのクラスターに高親和性で結合する(Maynard et al., J. Biol. Chem. 257:3788-3794, (1982))。従って、損傷細胞は、MBL結合を介したレクチン経路活性化の潜在的な標的である。
【0008】
フィコリンは、フィブリノゲン様ドメインと呼ばれる、MBLとは異なるタイプのレクチンドメインを有する。フィコリンはCa
++
非依存的に糖残基に結合する。ヒトでは、3種類のフィコリン(L-フィコリン、M-フィコリン、およびH-フィコリン)が特定されている。2種類の血清フィコリンであるL-フィコリンおよびH-フィコリンは共通してN-アセチル-D-グルコサミンに対する特異性を有する。しかしながら、H-フィコリンはN-アセチル-D-ガラクトサミンにも結合する。L-フィコリン、H-フィコリン、CL-11、およびMBLの糖特異性が異なることは、異なるレクチンが補い合い、重複によって異なる複合糖質を標的とし得ることを意味する。この考えは、レクチン経路にある公知のレクチンのうちL-フィコリンだけが、全てのグラム陽性細菌に見られる細胞壁複合糖質であるリポテイコ酸に特異的に結合するという最近の報告によって裏付けられている(Lynch et al., J. Immunol. 172:1198-1202, (2004))。コレクチン(すなわち、MBL)およびフィコリンはアミノ酸配列において有意な類似性を有さない。しかしながら、これらの2つのタンパク質グループは、類似したドメイン構成を有し、かつ、C1qと同様に集合して、多部位結合の可能性を最大にするオリゴマー構造を構築する。
【0009】
MBLの血清中濃度は健常集団においてかなり変動し、これは、MBL遺伝子のプロモーター領域およびコード領域の両方にある多型/変異によって遺伝的に制御される。急性期タンパク質として、炎症中にMBL発現はさらに上方制御される。L-フィコリンは、MBLの濃度とほぼ同じ濃度で血清中に存在する。従って、レクチン経路のL-フィコリン分岐は強さが場合によってはMBL部門に匹敵する。MBLおよびフィコリンはオプソニンとしても機能することができる。このために、食細胞は、MBLによって装飾された表面およびフィコリンによって装飾された表面を標的とすることが可能になる(Jack et al., J Leukoc Biol., 77(3):328-36(2004), Matsushita and Fujita, Immunobiology, 205(4-5):490-7(2002), Aoyagi et al., J. Immunol, 174(1):418-25(2005)を参照されたい)。このオプソニン化は、これらのタンパク質と食細胞受容体との相互作用を必要とする(Kuhlman et al., J. Exp. Med. 169:1733, (1989); Matsushita et al., J. Biol. Chem. 271:2448-54, (1996))。食細胞受容体の正体は証明されていない。
【0010】
ヒトMBLは、そのコラーゲン様ドメインを介して、MBL関連セリンプロテアーゼ(MASP)と呼ばれる独特のC1r/C1s様セリンプロテアーゼと特異的な、かつ高親和性の相互作用を生じさせる。現在に至るまで、3種類のMASPが述べられている。第1に、単一の酵素「MASP」が、補体カスケードの開始(すなわち、C2およびC4の切断)を担う酵素として特定および特徴決定された(Matsushita et al., J Exp Med 176(6):1497-1502(1992):Ji et al., J. Immunol 150:571-578, (1993))。その後に、MASP活性が実際には、2種類のプロテアーゼ:MASP-1およびMASP-2の混合であることが明らかにされた(Thiel et al., Nature 386:506-510, (1997))。しかしながら、補体活性化にはMBL-MASP-2複合体だけでも十分であることが証明された(Vorup-Jensen et al., J. Immunol 165:2093-2100, (2000))。さらに、MASP-2だけが高い割合でC2およびC4を切断した(Ambrus et al., J. Immunol, 170:1374-1382, (2003))。従って、MASP-2は、C4およびC2を活性化してC3コンバターゼであるC4b2aを生成するのを担うプロテアーゼである。これは、2種類の特異的なセリンプロテアーゼ(C1rおよびC1s)の協調作用が補体系活性化につながる古典経路のC1複合体とは大きな違いである。さらに、第3の新規プロテアーゼであるMASP-3が単離されている(Dahl, M.R. et al., Immunity 15:127-35, 2001)。MASP-1およびMASP-3は同じ遺伝子のオルタナティブスプライシング産物である。
(【0011】以降は省略されています)

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