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公開番号2025110372
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-28
出願番号2024174169
出願日2024-10-03
発明の名称アルミニウム合金鍛造材
出願人株式会社神戸製鋼所
代理人弁理士法人栄光事務所
主分類C22C 21/02 20060101AFI20250718BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】0.4質量%を超えてFeを含むにもかかわらず、強度、延性、疲労特性、及び耐食性に優れるアルミニウム合金鍛造材を提供する。
【解決手段】Si:0.7質量%以上1.5質量%以下、Fe:0.4質量%を超え0.67質量%以下、Cu:0.4質量%を超え0.8質量%以下、Mg:0.85質量%以上1.3質量%以下、Ti:0.005質量%以上0.07質量%以下、Zn:0.25質量%以下で含有し、さらに、Mn:0.1質量%以上0.95質量%以下、Cr:0.1質量%を超え0.4質量%以下、およびZr:0.05質量%以上0.3質量%以下の群から選択される少なくとも1種を含み、残部が不可避的不純物及びAlからなり、晶出物面積率が3.2%以下、平均晶出物サイズ8μm以下である、アルミニウム合金鍛造材。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
Si:0.7質量%以上1.5質量%以下、
Fe:0.4質量%を超え0.67質量%以下、
Cu:0.4質量%を超え0.8質量%以下、
Mg:0.85質量%以上1.3質量%以下、
Ti:0.005質量%以上0.07質量%以下、
Zn:0.25質量%以下で含有し、さらに、
Mn:0.1質量%以上0.95質量%以下、Cr:0.1質量%を超え0.4質量%以下、およびZr:0.05質量%以上0.3質量%以下の群から選択される少なくとも1種を含み、
残部が不可避的不純物及びAlからなり、
晶出物面積率が3.2%以下、平均晶出物サイズ8μm以下である、アルミニウム合金鍛造材。
続きを表示(約 200 文字)【請求項2】
前記アルミニウム合金鍛造材のメタルフローに垂直な断面の肉厚中心部において、SEM-EBSD法により150μm×150μmの範囲で測定される、傾角が15°以上の大角粒界の長さが4.15mm以上である、請求項1に記載のアルミニウム合金鍛造材。
【請求項3】
0.2%耐力345MPa以上、伸び12.5%超である、請求項1または2に記載のアルミニウム合金鍛造材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車足回り部品などとして使用されるアルミニウム合金鍛造材に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
アッパーアームやロアアームなどの自動車足回り部品として使用されるアルミニウム合金鍛造材には、高強度、高延性、高靭性、高耐食性、耐破壊靱性、疲労特性等が要求され、従来から様々なものが開発されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、Mg:0.5~1.25質量%、Si:0.4~1.4質量%、Cu:0.01~0.7質量%、Fe:0.05~0.4質量%、Mn:0.001~1.0質量%、Cr:0.01~0.35質量%、Ti:0.005~0.1質量%を各々含み、かつZr:0.15質量%未満に規制し、残部がAlおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金鍛造材から構成される自動車足回り部品であって、最大応力発生部位における幅方向断面組織において、最大応力が発生する断面部位の組織で観察される晶出物密度が平均面積率で1.5%以下であり、鍛造の際に生じるパーティングラインを含む断面部位の組織で観察される各粒界析出物同士の間隔が平均間隔で0.7μm以上である自動車足回り部品が記載されている。
【0004】
この特許文献1に記載の発明によれば、軽量化形状とした鍛造材自動車足回り部品であっても、高強度化、高靱性化および高耐食性化させることができると記載されているものの、Fe量が0.40質量%以下に制限されている。
【0005】
一方で、特許文献2には、市中屑のリサイクル地金の配合率を増加することや、純度の低い新地金を使用することができるとして、Si:0.4質量%以上1.5質量%以下、Fe:0.4質量%超え1.0質量%以下、Cu:0.40質量%以下、Mg:0.8質量%以上1.3質量%以下、Ti:0.01質量%以上0.1質量%以下で含有し、かつZn:0.05質量%以下に規制し、さらにMn:0.01質量%以上1.0質量%以下、Cr:0.1質量%以上0.4質量%以下、およびZr:0.05質量%以上0.2質量%以下の群から選択される少なくとも一つを含有するとともに、水素量を0.25ml/100gAl以下に規制し、残部が不可避的不純物およびAlからなり、平均結晶粒径が50μm以下、晶出物面積率が3%以下、平均晶出物サイズが8μm以下であることを特徴とするアルミニウム合金鍛造材が記載されている。
【0006】
この特許文献2に記載の発明によれば、Feの含有量が0.4質量%以下のアルミニウム合金鍛造材と同等の耐破壊靭性と疲労特性を有するアルミニウム合金鍛造材が製造できると記載されているものの、Cu量が0.40質量%以下に制限されているため、やや強度に劣る。
また、現在、資源枯渇の観点から、様々なもののリサイクルが進み、多量に消費されている金属のリサイクルも以前から行われていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2008-163445号公報
特開2011-214093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
高強度、高延性且つ高耐食性のアルミニウム合金鍛造材は、通常は、ボーキサイトの精錬によって製造されるアルミニウム新地金から製造される。しかしながら、ボーキサイトの精錬には膨大な電力を必要とし、その電力は火力発電によって供給される。このため、アルミニウム新地金を用いた高強度、高延性且つ高耐食性のアルミニウム合金鍛造材の製造に際しては、多量のCO

が排出されるという課題が存在した。
【0009】
しかしながら、アルミニウム新地金の使用量を削減し、再生地金の使用量が増すと、アルミニウム溶湯中に含有されるFeなどの不純物が増加することで、鋳造時に金属間化合物が晶出し、それらの原料を用いて製造されたアルミニウム合金鍛造材の強度や延性、耐食性などに悪影響を及ぼすことが知られている。そのため、Fe量を制限するために、多量のCO

を排出することで製造されたアルミニウム新地金を用いなければならないといった課題が存在した。
【0010】
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、Feの含有量が0.4質量%を超える場合であっても、Feの含有量が0.4質量%以下のアルミニウム合金鍛造材と同等の強度、延性、疲労特性および耐食性を有するアルミニウム合金鍛造材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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