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公開番号
2025111906
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-31
出願番号
2024005832
出願日
2024-01-18
発明の名称
改質小麦粉
出願人
株式会社ニップン
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
A23L
7/10 20160101AFI20250724BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約
【課題】生地にするなどの加工を行う際に、良好な作業性を有する改質小麦粉を提供すること
【解決手段】所定の方法により求めた改質前小麦粉の乳化力に対する改質小麦粉の乳化力の相対値が1.1~2.5である改質された小麦粉により上記課題が解決される。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
工程1~6を含む方法により求めた改質前小麦粉の乳化力に対する改質小麦粉の乳化力の相対値Y/Xが、1.1~2.5である、改質小麦粉:
工程1:50mL容遠心チューブに改質小麦粉1gと蒸留水15mLとを投入して懸濁する;
工程2:工程1の懸濁後、更に50mL容遠心チューブに常温液体油20mLを加え、乳化するまで十分に混合する;
工程3:工程2の混合後、50mL容遠心チューブを振とう機(TAITEC社、SR-2S)に装着し、300rpmで10分間振とうする;
工程4:工程3の振とう後、50mL容遠心チューブを高速遠心分離機に装着し、1600gで10分間遠心分離する;
工程5:工程4の遠心分離後、50mL容遠心チューブを鉛直方向に直立させて乳化層の界面が水平になるまで静置し、乳化層の容積Yを測定する;
工程6:改質前小麦粉について工程1~5を行い、改質前小麦粉の乳化層の容積Xを測定して、相対値Y/Xを求める
ここで、相対値Y/Xは、改質前小麦粉の乳化力に対する改質小麦粉の乳化力の相対値に相当すると見なす。
続きを表示(約 410 文字)
【請求項2】
工程1~5を含む方法により求めたYが、2.2cm
3
以上である、請求項1記載の改質小麦粉。
【請求項3】
工程1から5により測定される改質前小麦粉の乳化層の容積Xが、2.0m
3
以上である、請求項1に記載の改質小麦粉。
【請求項4】
前記改質小麦粉が、蛋白変性処理により改質した小麦粉である、請求項1~3のいずれかに記載の改質小麦粉。
【請求項5】
前記蛋白変性処理が熱処理である、請求項4に記載の改質小麦粉。
【請求項6】
前記熱処理が乾熱処理である、請求項5に記載の改質小麦粉。
【請求項7】
請求項1~3のいずれかに記載の改質小麦粉を用いることを特徴とする、加工食品の製造方法。
【請求項8】
請求項1~3のいずれかに記載の改質小麦粉の、加工食品の製造における使用。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、小麦粉および小麦粉を用いた加工品の技術分野に属し、詳しくは、クッキーやスポンジケーキなどの小麦粉の加工における作業性に優れた小麦粉に関する。
続きを表示(約 3,700 文字)
【背景技術】
【0002】
熱処理を受けた改質小麦粉はグルテンを構成する蛋白質にダメージを受け、グルテンの量や質が生地や製品品質に影響する。例えば菓子類のような小麦粉2次加工品目は、改質小麦粉への熱処理の強さが加工特性や製品品質を決定する要因の一つになる。2次加工時の作業性においては、適度に熱処理をした場合には生地の伸展性が増し作業性が向上するが、熱処理が強すぎた場合には脆く伸展性に劣る生地となり作業性が悪くなる。
そのため、2次加工品の製造に熱処理小麦粉を使用する際には、使用する熱処理小麦粉がどの程度の熱処理を受けたか把握されていることが求められるが、従来のグルテンへの熱ダメージの程度を利用して熱処理による改質程度を推定する分析方法では、熱処理の程度が弱いもの及び強いものはその差が分析値に現れ難く、熱処理の程度の把握が困難である問題があった。とりわけ熱処理程度の弱い熱処理小麦粉は、その品質把握が困難である理由から、これまで製造することが出来なかった。前記のような事情から、熱処理程度が適切に評価され、品質が把握された熱処理小麦粉が望まれる。
水及び小麦粉を攪拌混合し油脂を加えてさらに攪拌混合し、これを遠心分離して生じるゲル層の幅から製パン性を評価する小麦粉の製パン性の評価方法が文献1に開示されているが、改質小麦粉の処理程度と相関があることは記述も示唆もない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2012-183029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の他の目的は、生地にするなどの加工を行う際の作業性が、改質前の小麦粉と比べて改善された改質小麦粉を提供することである。
また、本発明の目的は、生地にするなどの加工を行う際に良好な作業性を有する改質小麦粉を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、所定条件で測定した改質前小麦粉の乳化力に対する改質小麦粉の乳化力の相対値(乳化力比ともいう)が一定の値を有する改質小麦粉により、小麦粉の加工における加工適性が改質前よりも向上した小麦粉が得られることを見いだした。また、本発明者らは、所定条件で測定した前述の乳化力比が一定の値を有するように加工すれば、良好な作業性を有する改質小麦粉を得ることができることを見いだした。
本発明は以下の態様を提供する。
〔1〕工程1~6を含む方法により求めた相対値Y/Xが、1.1~2.5である、改質小麦粉:
工程1:50mL容遠心チューブに改質小麦粉1gと蒸留水15mLとを投入して懸濁する;
工程2:工程1の懸濁後、更に50mL容遠心チューブに常温液体油20mLを加え、乳化するまで混合する;
工程3:工程2の混合後、50mL容遠心チューブを振とう機(TAITEC社、SR-2S)に装着し、300rpmで10分間振とうする;
工程4:工程3の振とう後、50mL容遠心チューブを高速遠心分離機に装着し、1600gで10分間遠心分離する;
工程5:工程4の遠心分離後、50mL容遠心チューブを鉛直方向に直立させて乳化層の界面が水平になるまで静置し、改質小麦粉の乳化層の容積Yを測定する;
工程6:改質前小麦粉について工程1~5を行い、改質前小麦粉の乳化層の容積Xを測定して、相対値Y/Xを求める。
〔2〕工程1~5を含む方法により求めたYが、2.2cm
3
以上である、〔1〕に記載の改質小麦粉。
〔3〕工程1~5により測定される改質前小麦粉の乳化層の容積Xが、2.0cm
3
以上である、〔1〕又は〔2〕に記載の改質小麦粉。
〔4〕前記改質小麦粉が、蛋白変性処理により改質された小麦粉である、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の改質小麦粉。
〔5〕前記蛋白変性処理が熱処理である、〔4〕に記載の改質小麦粉。
〔6〕前記熱処理が乾熱処理である、〔5〕に記載の改質小麦粉。
〔7〕〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の改質小麦粉を用いることを特徴とする、加工食品の製造方法。
〔8〕〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の改質小麦粉の、加工食品の製造における使用。
【発明の効果】
【0006】
本発明の改質小麦粉によれば、加工食品の製造において良好な作業性(伸展性、泡切れ性)を与えることができる。
また、本発明の改質小麦粉によれば、生地にするなどの加工食品の製造における作業性を、改質前の小麦粉を用いたときと比べて改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の方法の工程5において分離した改質小麦粉の乳化層を含む遠心チューブ中の各層を模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<改質小麦粉>
本発明の一実施態様の改質小麦粉は、以下の工程1~6を含む方法により求めた相対値Y/X、すなわち、改質前小麦粉の乳化力に対する改質小麦粉の乳化力の相対値に相当する値が、1.1~2.5であることを特徴とする。
工程1:50mL容遠心チューブに改質小麦粉1gと蒸留水15mLとを投入して懸濁する;
工程2:工程1の懸濁後、更に50mL容遠心チューブに常温液体油20mLを加え、乳化するまで混合する;
工程3:工程2の混合後、50mL容遠心チューブを振とう機(TAITEC社、SR-2S)に装着し、300rpmで10分間振とうする;
工程4:工程3の振とう後、50mL容遠心チューブを高速遠心分離機に装着し、1600gで10分間遠心分離する;
工程5:工程4の遠心分離後、50mL容遠心チューブを鉛直方向に直立させて乳化層の界面が水平になるまで静置し、乳化層の容積Yを測定する;
工程6:改質前小麦粉について工程1~5を行い、改質前小麦粉の乳化層の容積Xを測定して、相対値Y/Xを求める。
【0009】
熱処理等の改質を受けた改質小麦粉はグルテンを構成する蛋白質にダメージを受け、グルテンの量や質が生地や製品品質に影響する。適度に熱処理等の改質処理をした改質小麦粉を用いる場合には生地の伸展性が増し泡切れもよく作業性が向上するが、熱処理が強すぎると硬く伸展性に劣りまた泡切れが悪い生地となり作業性が悪くなる。
乳化力とは油と水を混合する際に界面においてどの程度混ざり合うかを示す指標である。乳化力が高いほど、水と油をよく混ぜ合わせることができる。小麦粉にも水と油の界面においてエマルションを形成させる乳化作用を示す乳化力がある。これは、小麦粉から溶出される水溶性成分あるいは油溶性成分に両親媒性の特性を有している成分が含まれているためであると考えられる。本願発明者らは、小麦粉を熱処理や衝撃処理等により改質する過程において、驚くべきことに改質処理の前後で小麦粉の乳化力に変化が生じることを発見し、このような乳化力の変化が小麦粉の改質の程度を評価する上で有用な指標になり得ると考え、本願発明の完成に至った。例えば、放射や電導等による熱処理であれば小麦粉中の蛋白質の変性や澱粉のα化等が生じ、衝突等による衝撃処理であれば小麦粉中の澱粉等に損傷が生じ、これらは何れも小麦粉の加工適性や作業性に影響を与えるものである。従って、改質前後の小麦粉の乳化力の変化は、改質小麦粉の加工適性や作業性を評価する有用な指標になり得る。
本明細書において、上記工程により測定される容積X、容積Yは、油と水を混合する際に界面において形成されるエマルション量(乳化層容積)であり、それぞれ、改質前の小麦粉(未改質小麦粉)と、当該小麦粉を改質した改質小麦粉の乳化力を示す指標である。一般に、乳化力が高いとは、乳化剤としての働きが強く、水と油を均一に混合・分散させて、より多量のエマルションを形成することができることを意味する。
【0010】
上記工程1~工程6により測定される乳化層の容積X,Yの相対値Y/Xは、改質された小麦粉の乳化力が改質前小麦粉の乳化力に対してどの程度変化したか(改質されたか)を示している。工程1~6により測定される容積X,Yの相対値Y/Xの値をみることにより、グルテンへの改質ダメージの小さいものも改質の程度を定量的に測定することが可能なため、有用な手法である。
本発明の改質小麦粉の、工程1~6により求められる相対値Y/Xは、1.1~2.5である。前記範囲にある場合には、加工品の品質または加工品への加工適性が改質前よりも改善されて良好になる。相対値Y/Xは好ましくは1.1~2.0であり、より好ましくは1.1~1.9であり、さらに好ましくは1.2~1.5である。
(【0011】以降は省略されています)
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