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公開番号2025112422
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-01
出願番号2024006627
出願日2024-01-19
発明の名称船舶制御システム、および船舶
出願人ヤマハ発動機株式会社
代理人弁理士法人アルファ国際特許事務所
主分類B63H 20/00 20060101AFI20250725BHJP(船舶またはその他の水上浮揚構造物;関連艤装品)
要約【課題】操船者の意図どおりの操船がしやすくなる船舶制御システムを提供する。
【解決手段】船舶制御システムは、180度以上の転舵が可能な複数の船舶推進機と、コントローラと、操作装置と、を備え、複数の船舶推進機が、船体を推進させるための動力を作り出す第1の駆動源と、第1の駆動源の出力を検知してコントローラに検知信号を出力する第1の出力センサと、を備える第1の船舶推進機と、船体を推進させるための動力を作り出す第2の駆動源と、第2の駆動源の出力を検知してコントローラに検知信号を出力する第2の出力センサと、を備える第2の船舶推進機と、を含み、コントローラが、操作装置が船体を回頭させるための操作を受け付けていない状態で、第1の駆動源と第2の駆動源の出力が異なっていると判断した場合に、その出力の差を打ち消すように、第1の駆動源および第2の駆動源のうち少なくとも一方の出力を変化させる出力調整処理を行う。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項１】
船体を備える船舶を制御するためのシステムであって、
転舵軸線周りに１８０度以上の転舵が可能に構成された複数の船舶推進機と、
前記船舶推進機の推力と舵角とを制御するコントローラと、
前記船体を移動させるための操作を受け付けて前記コントローラに操作信号を出力する操作装置と、
を備え、
前記複数の船舶推進機が、
前記船体を推進させるための動力を作り出す第１の駆動源と、前記第１の駆動源の出力を検知して前記コントローラに検知信号を出力する第１の出力センサと、を備える第１の船舶推進機と、
前記船体を推進させるための動力を作り出す第２の駆動源と、前記第２の駆動源の出力を検知して前記コントローラに検知信号を出力する第２の出力センサと、を備える第２の船舶推進機と、
を含み、
前記コントローラが、
前記操作装置が前記船体を回頭させるための操作を受け付けていない状態で、前記第１の駆動源と前記第２の駆動源の出力が異なっていると判断した場合に、その出力の差を打ち消すように、前記第１の駆動源および前記第２の駆動源のうち少なくとも一方の出力を変化させる出力調整処理を行うように構成されている、
船舶制御システム。
続きを表示（約 890 文字）【請求項２】
前記操作装置が、
ジョイスティックと、
前記ジョイスティックが前記船体を移動させる操作を受け付け可能となるジョイスティックモードのオンオフを切り換える操作を受け付けるモード切替装置と、
を含み、
前記コントローラが、
前記ジョイスティックモードがオフからオンに切り替える操作を前記モード切替装置が受け付けたときに前記出力調整処理を行う、
請求項１に記載の船舶制御システム。
【請求項３】
前記コントローラが、
前記船体を特定の向きに保持する保持制御を行っているときに前記出力調整処理を行う、
請求項１または請求項２に記載の船舶制御システム。
【請求項４】
前記出力調整処理が、
前記第１の駆動源および前記第２の駆動源のうち出力が相対的に小さい一方の出力を、他方の出力と等しくなるまで増加させる処理である、
請求項１から請求項３のいずれか１項に記載の船舶制御システム。
【請求項５】
前記出力調整処理が、
前記第１の駆動源および前記第２の駆動源のうち出力が相対的に小さい一方の出力を増加させ、他方の出力を低下させる処理である、
請求項１から請求項３のいずれか１項に記載の船舶制御システム。
【請求項６】
前記複数の船舶推進機が、
前記第１の船舶推進機と前記第２の船舶推進機との間に配された第３の船舶推進機をさらに含む、
請求項１から請求項５のいずれか１項に記載の船舶制御システム。
【請求項７】
前記船体の回頭を検知して前記コントローラに検知信号を出力する回頭センサをさらに備え、
前記コントローラが、
前記出力調整処理において、前記第３の船舶推進機を、前記船体が回頭している方向に転舵させる、
請求項６に記載の船舶制御システム。
【請求項８】
請求項１から請求項７のいずれか１項に記載の船舶制御システムを備える船舶。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本明細書に開示される技術は、船舶制御システム、および船舶に関する。
続きを表示（約 1,500 文字）【背景技術】
【０００２】
複数の船舶推進機と、複数の船舶推進機のそれぞれの推力と舵角とを制御するコントローラと、を備えて船の移動を制御するためのシステムが知られている。例えば、駆動情報に基づいて、船舶に備えられる複数の船舶推進機の駆動を連携する「協調制御」を行う技術が提案されている（特許文献１参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開２０２２－９０２５７号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
複数の船舶推進機を備える船舶において、船舶推進機の製造誤差や調整誤差、経年劣化、暖機運転による状態の差などに起因して、複数の船舶推進機の出力に意図しない差が生じてしまう場合がある。このような場合には、船体に操船者の意図しない回頭が生じてしまう場合があり、惑わしい。
【０００５】
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
（１）本明細書に開示される船舶制御システムは、船体を備える船舶を制御するためのシステムであって、転舵軸線周りに１８０度以上の転舵が可能に構成された複数の船舶推進機と、前記船舶推進機の推力と舵角とを制御するコントローラと、前記船体を移動させるための操作を受け付けて前記コントローラに操作信号を出力する操作装置と、を備え、前記複数の船舶推進機が、前記船体を推進させるための動力を作り出す第１の駆動源と、前記第１の駆動源の出力を検知して前記コントローラに検知信号を出力する第１の出力センサと、を備える第１の船舶推進機と、前記船体を推進させるための動力を作り出す第２の駆動源と、前記第２の駆動源の出力を検知して前記コントローラに検知信号を出力する第２の出力センサと、を備える第２の船舶推進機と、を含み、前記コントローラが、前記操作装置が前記船体を回頭させるための操作を受け付けていない状態で、前記第１の駆動源と前記第２の駆動源の出力が異なっていると判断した場合に、その出力の差を打ち消すように、前記第１の駆動源および前記第２の駆動源のうち少なくとも一方の出力を変化させる出力調整処理を行うように構成されている。
【０００７】
上記の構成によれば、２つの駆動源の出力に差が生じていることに起因する、操船者の意図しない船体の回頭を抑制することができ、操船者の意図どおりの操船がしやすくなる。
【０００８】
（２）上記（１）に記載の船舶制御システムにおいて、前記操作装置が、ジョイスティックと、前記ジョイスティックが前記船体を移動させる操作を受け付け可能となるジョイスティックモードのオンオフを切り換える操作を受け付けるモード切替装置と、を含み、前記コントローラが、前記ジョイスティックモードがオフからオンに切り替える操作を前記モード切替装置が受け付けたときに前記出力調整処理を行っても構わない。
【０００９】
ジョイスティックモードをオフからオンに切り替える操作を行う際に、操船者の意図しない船体の回頭が生じてしまう場合がある。このような場合に、上記の構成を好適に適用できる。
【００１０】
（３）上記（１）または（２）に記載の船舶制御システムにおいて、前記コントローラが、前記船体を特定の向きに保持する保持制御を行っているときに前記出力調整処理を行っても構わない。
（【００１１】以降は省略されています）

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