TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
10個以上の画像は省略されています。
公開番号
2025115712
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-07
出願番号
2024010309
出願日
2024-01-26
発明の名称
塗装具用立毛布帛およびその製造方法
出願人
クラレトレーディング株式会社
,
株式会社マルテー大塚
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
B05C
17/02 20060101AFI20250731BHJP(霧化または噴霧一般;液体または他の流動性材料の表面への適用一般)
要約
【課題】塗装作業中の塗料の飛散を抑制し、隠蔽性および美粧性に優れる塗装仕上げを作業性よく提供し得る塗装具用の立毛布帛を提供する。
【解決手段】塗装具用立毛布帛1は、地組織部20と、地組織部に拘束されて立設する複数のカットパイル糸11、12から構成される立毛部10とを含み、立毛部は、少なくとも部分的に解舒された一のカバリング糸13に由来して同一根元14から立設してなる立毛長の異なる2種以上のカットパイル糸を複数含んで構成され、立毛長の最も長いカットパイル糸が1.3dtex未満の単繊維繊度を有する仮撚糸または仮撚糸を含んでなる複合糸であり、同一根元から立設する2種以上のカットパイル糸のうち最も長いカットパイル糸の立毛長と2番目に長いカットパイル糸の立毛長との差が2.0~6.0mmであり、かつ、長さの比が1.10~1.50である。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
地組織部と、前記地組織部に拘束されて立設する複数のカットパイル糸から構成される立毛部とを含む塗装具用立毛布帛であって、
前記立毛部は、少なくとも部分的に解舒された一のカバリング糸に由来して同一根元から立設してなる立毛長の異なる2種以上のカットパイル糸を複数含んで構成され、前記立毛長の異なる2種以上のカットパイル糸のうち、立毛長の最も長いカットパイル糸が1.3dtex未満の単繊維繊度を有する仮撚糸または仮撚糸を含んでなる複合糸であり、前記同一根元から立設する2種以上のカットパイル糸のうち最も長いカットパイル糸の立毛長と2番目に長いカットパイル糸の立毛長との差が2.0~6.0mmであり、かつ、前記同一根元から立設する2種以上のカットパイル糸のうち最も長いカットパイル糸の立毛長と最も短いカットパイル糸の立毛長との比が1.10~1.50である、塗装具用立毛布帛。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
立毛長の最も長いカットパイル糸の捲縮伸長率は10%以上である、請求項1に記載の塗装具用立毛布帛。
【請求項3】
立毛部を構成する全てのカットパイル糸は仮撚糸または仮撚糸を含んでなる複合糸である、請求項1に記載の塗装具用立毛布帛。
【請求項4】
地組織部は、芯糸とその周囲に巻付けられた1以上の巻付糸とを含んでなる未解舒のカバリング糸を含んでなり、立毛部において一のカバリング糸に由来する同一根元から立毛長の異なる2種のカットパイル糸が立設してなる、請求項1に記載の塗装具用立毛布帛。
【請求項5】
地組織部は、芯糸とその周囲に巻付けられた2以上の巻付糸とを含んでなる未解舒のカバリング糸を含み、立毛部において一のカバリング糸に由来する同一根元から立毛長の異なる3種のカットパイル糸が立設してなる、請求項1に記載の塗装具用立毛布帛。
【請求項6】
未解舒のカバリング糸はダブルカバリング糸であり、立毛部を構成する3種のカットパイル糸は、解舒された前記ダブルカバリング糸の外側巻付糸、内側巻付糸および芯糸である、請求項5に記載の塗装具用立毛布帛。
【請求項7】
未解舒のダブルカバリング糸において、内側の巻付糸と外側の巻付糸が互いに逆方向に巻付けられている、請求項6に記載の塗装具用立毛布帛。
【請求項8】
同一根元から立設する3種のカットパイル糸のうち、立毛長の最も長いカットパイル糸が解舒されたダブルカバリング糸の外側巻付糸であり、立毛長の最も短いカットパイル糸が解舒されたダブルカバリング糸の芯糸である、請求項7に記載の塗装具用立毛布帛。
【請求項9】
請求項1に記載の塗装具用立毛布帛を製造する方法であって、
芯糸と、その周囲に巻付けられた1以上の巻付糸とを含んでなるカバリング糸を準備する工程、
前記カバリング糸を基布に植え込み、前記カバリング糸から構成される立毛部を含むカットパイル布帛を作製する工程、および、
前記カットパイル布帛の立毛部を構成するカバリング糸を解舒して、立毛長の異なる2種以上のカットパイル糸を含んで構成される立毛部を作製する工程
を含み、
カバリング糸を解舒する工程において解舒される巻付糸が仮撚糸または仮撚糸を含んでなる複合糸である、方法。
【請求項10】
カバリング糸がシングルカバリング糸またはダブルカバリング糸である、請求項9に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗装具用立毛布帛、特に、解舒されたカバリング糸に由来する立毛長の異なる2種以上のカットパイル糸を含んで構成される塗装具用立毛布帛、および、その製造方法、並びに前記塗装具用立毛布帛を含むローラー式塗装具に関する。
続きを表示(約 4,100 文字)
【背景技術】
【0002】
塗装具として、例えば、ローラー芯材の外周に布帛を巻付けて固定するとともに、この円筒を回転可能にして用いる、通称ペイントローラーと称するローラー式塗装具が知られている。ローラー式塗装具は塗料を繊維層に含ませて塗装面上を転がしながら塗料を均一に転写するためのものであるが、作業中に塗装具に含ませた塗料がローラーの回転と共に回転後方側に飛散するという問題があり、入念な養生やそのための費用が必要となる。このような問題を解決するために、可動式フードを備え、作業中に飛散した塗料を補足するローラー式塗装具が提案されている(特許文献1)。
【0003】
一方、ローラー芯材に巻き付ける布帛として立毛布帛を用いることがあり、例えば、特許文献2には、地組織の片面から起立させたカバリング糸からなるパイル部を備えた塗装用ローラーが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-185535号公報
特開2017-53068号公報
特開2003-268652公報
特開2003-138454公報
特開昭62-104943公報
特開2003-306851公報
特開昭58-018453公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されるような可動式フード付きのローラー式塗装具は、布帛からの塗料の飛散自体を防ぐものではないためフードに付着した塗料が塗装面に垂れ落ちる、さらには塗装作業中にフードによって塗装面が視認し難くなり、作業性が低下しやすいといった別の問題が残る。また、特許文献2に記載されるような立毛布帛を用いるローラー式塗装具では、パイル部の起立性を向上するためにカバリング構造が保持されたまま地組織からパイル部が立設する構造を有する。このような構造においては、パイル部の剛性が高いため、塗装作業中の塗料の飛散を抑制することは難しい。
【0006】
また、立毛布帛自体は、ローラー式塗装具に限らず清掃用の払拭用品、衣服、敷物などの様々な用途において幅広く利用されている。例えば、特許文献3~7には種々の構成を有する立毛布帛が開示されているが、これらはいずれもローラー式塗装具への適用に満足に対応し得る構成を開示するものではない。
【0007】
本発明は、塗装作業中の塗料の飛散を抑制し、隠蔽性および美粧性に優れる塗装仕上げを作業性よく提供し得る塗装具用の立毛布帛を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、上記課題を解決するために詳細に検討を重ねた結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、以下の好適な態様を包含する。
[1]地組織部と、前記地組織部に拘束されて立設する複数のカットパイル糸から構成される立毛部とを含む塗装具用立毛布帛であって、
前記立毛部は、少なくとも部分的に解舒された一のカバリング糸に由来して同一根元から立設してなる立毛長の異なる2種以上のカットパイル糸を複数含んで構成され、前記立毛長の異なる2種以上のカットパイル糸のうち、立毛長の最も長いカットパイル糸が1.3dtex未満の単繊維繊度を有する仮撚糸または仮撚糸を含んでなる複合糸であり、前記同一根元から立設する2種以上のカットパイル糸のうち最も長いカットパイル糸の立毛長と2番目に長いカットパイル糸の立毛長との差が2.0~6.0mmであり、かつ、前記同一根元から立設する2種以上のカットパイル糸のうち最も長いカットパイル糸の立毛長と最も短いカットパイル糸の立毛長との比が1.10~1.50である、塗装具用立毛布帛。
[2]立毛長の最も長いカットパイル糸の捲縮伸長率は10%以上である、[1]に記載の塗装具用立毛布帛。
[3]立毛部を構成する全てのカットパイル糸は仮撚糸または仮撚糸を含んでなる複合糸である、[1]または[2]に記載の塗装具用立毛布帛。
[4]地組織部は、芯糸とその周囲に巻付けられた1以上の巻付糸とを含んでなる未解舒のカバリング糸を含んでなり、立毛部において一のカバリング糸に由来する同一根元から立毛長の異なる2種のカットパイル糸が立設してなる、[1]~[3]のいずれかに記載の塗装具用立毛布帛。
[5]地組織部は、芯糸とその周囲に巻付けられた2以上の巻付糸とを含んでなる未解舒のカバリング糸を含み、立毛部において一のカバリング糸に由来する同一根元から立毛長の異なる3種のカットパイル糸が立設してなる、[1]~[4]のいずれかに記載の塗装具用立毛布帛。
[6]未解舒のカバリング糸はダブルカバリング糸であり、立毛部を構成する3種のカットパイル糸は、解舒された前記ダブルカバリング糸の外側巻付糸、内側巻付糸および芯糸である、[5]に記載の塗装具用立毛布帛。
[7]未解舒のダブルカバリング糸において、内側の巻付糸と外側の巻付糸が互いに逆方向に巻付けられている、[6]に記載の塗装具用立毛布帛。
[8]同一根元から立設する3種のカットパイル糸のうち、立毛長の最も長いカットパイル糸が解舒されたダブルカバリング糸の外側巻付糸であり、立毛長の最も短いカットパイル糸が解舒されたダブルカバリング糸の芯糸である、[7]に記載の塗装具用立毛布帛。
[9][1]~[8]のいずれかに記載の塗装具用立毛布帛を製造する方法であって、
芯糸と、その周囲に巻付けられた1以上の巻付糸とを含んでなるカバリング糸を準備する工程、
前記カバリング糸を基布に植え込み、前記カバリング糸から構成される立毛部を含むカットパイル布帛を作製する工程、および、
前記カットパイル布帛の立毛部を構成するカバリング糸を解舒して、立毛長の異なる2種以上のカットパイル糸を含んで構成される立毛部を作製する工程
を含み、
カバリング糸を解舒する工程において解舒される巻付糸が仮撚糸または仮撚糸を含んでなる複合糸である、方法。
[10]カバリング糸がシングルカバリング糸またはダブルカバリング糸である、[9]に記載の方法。
[11]カバリング糸がダブルカバリング糸であり、内側巻付糸および外側巻付糸が共にトルクを有し、芯糸に各巻付糸が自身のトルクと逆方向に巻付けられている、[9]または[10]に記載の方法。
[12]カバリング糸がシングルカバリング糸の場合の巻付糸、またはカバリング糸がダブルカバリング糸の場合の内側の巻付糸に関し、芯糸の繊度D
1
、巻付糸の繊度D
2
、および巻付糸のカバリング数T
1
は、下記関係:
330dtex≦総繊度<1550dtex、70≦T
1
<500
[総繊度はD
1
+D
2
である]
を満たす、[9]~[11]のいずれかに記載の方法。
[13]カバリング糸がダブルカバリング糸の場合の外側の巻付糸に関し、芯糸の繊度D
1
、内側の巻付糸の繊度D
2
、外側の巻付糸の繊度D
3
、および外側の巻付糸のカバリング数T
2
は、下記関係:
50dtex≦総繊度<2000dtex 70≦T
2
<500
[総繊度はD
1
+D
2
+D
3
である]
を満たす、[9]~[11]のいずれかに記載の方法。
[14][1]~[8]のいずれかに記載の塗装具用立毛布帛を含む、ローラー式塗装具。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、塗装作業中の塗料の飛散を抑制し、隠蔽性および美粧性に優れる塗装仕上げを作業性よく提供し得る塗装具用の立毛布帛を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、本発明の塗装具用立毛布帛の構成を説明するための概略模式図である。
図2は、本発明の一実施態様の塗装具用立毛布帛を緯糸断面方向から見た概略図である。
図3は、ダブルカバリング糸の構造を説明するための模式図である。
図4は、ダブルカバリング糸における芯糸、内側巻付糸および外側巻付糸の糸長関係を示す模式図である。
図5は、本発明の一実施態様の塗装具用立毛布帛を構成するカットパイルの構成を緯糸断面方向から説明する模式図である。
図6は、本発明の一実施態様の塗装具用立毛布帛を構成するカットパイルの構成を緯糸断面方向から説明する模式図である。
図7は、塗装具用立毛布帛を構成するカットパイル長の測定方法を説明するための図である。
図8は、塗装具用立毛布帛を構成するカットパイル長の測定方法を説明するための図である。
図9は、式(1)および式(2)を説明するための、芯糸と巻付糸の配置を示す模式図である。
図10は、カバリング糸の直径およびカバリング糸の巻付糸のらせん角度を求めるための、本発明における一実施形態のカバリング糸の拡大写真である。
図11は、カバリング糸の巻付糸のらせん角度の求め方を説明するための模式図である。
図12は、本発明において使用し得るカバリング糸の製造装置の一例を示す概略模式図である。
図13は、立毛布帛の繊維構造による塗装仕上がりを示す写真である。
図14は、塗装作業時における塗料の飛散状態を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
ベック株式会社
被膜形成方法
1か月前
ベック株式会社
被膜形成方法
3か月前
ベック株式会社
被膜形成方法
1か月前
ベック株式会社
装飾被膜の形成方法
4か月前
中外炉工業株式会社
塗布装置
4か月前
ベック株式会社
装飾被膜の形成方法
4日前
株式会社吉野工業所
キャップ
1か月前
プルガティオ株式会社
噴霧装置
1か月前
プルガティオ株式会社
噴霧装置
1か月前
プルガティオ株式会社
噴霧装置
1か月前
東レエンジニアリング株式会社
塗布装置
3か月前
中外炉工業株式会社
塗工装置
8日前
株式会社吉野工業所
ポンプ式吐出器
1か月前
株式会社吉野工業所
吐出器
1か月前
株式会社吉野工業所
吐出器
1か月前
株式会社マキタ
グリース吐出装置
3か月前
積水ハウス株式会社
接着剤塗布装置
5日前
三菱鉛筆株式会社
多液混合型塗布具
8日前
株式会社大関
塗装用ローラとその製造方法
1か月前
トヨタ自動車東日本株式会社
塗料調色方法
4か月前
ヤマホ工業株式会社
液体散布杆
2か月前
株式会社吉野工業所
ノズル部材
1か月前
個人
ホースやノズルの長尺部の挟持具
4か月前
リンテック株式会社
機能性層の製造方法
2か月前
株式会社吉野工業所
吐出器
1か月前
株式会社リコー
液滴吐出装置及び液滴吐出方法
4か月前
株式会社吉野工業所
吐出器
1か月前
菊水化学工業株式会社
塗装方法
3か月前
ライオン株式会社
吐出用器具
1か月前
日産自動車株式会社
インクジェットヘッド
1か月前
ライオン株式会社
吐出用器具
1か月前
鈴健興業株式会社
流体放出ユニット及び作業機械
1日前
株式会社JVCケンウッド
噴霧装置、及び噴霧方法
3か月前
株式会社カネカ
積層体の製造方法、及び成形体の製造方法
3か月前
株式会社IEC
補助装置
2か月前
株式会社カーメイト
超音波型ミスト発生装置
2か月前
続きを見る
他の特許を見る