TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025116089
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-07
出願番号2025087980,2022126257
出願日2025-05-27,2015-11-30
発明の名称術後眼炎症状態を阻害するための抗炎症性かつ散瞳性前房内溶液
出願人オメロス コーポレーション
代理人個人,個人
主分類A61K 45/06 20060101AFI20250731BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】非ステロイド系抗炎症薬およびα-1アドレナリン作動性散瞳薬を含む溶液、例えばケトロラクおよびフェニレフリンの液体灌注溶液を眼科手術処置中に眼内投与することにより、眼科手術処置後の術後炎症状態を阻害するための方法を提供すること。
【解決手段】一局面では、眼科手術処置後の術後炎症状態を阻害するための方法が提供され、この方法は、術後炎症状態を患う高リスクを有する被験体を特定するステップと、眼科手術処置中に上記被験体に、眼内灌注キャリア中の非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)およびα-1アドレナリン作動性レセプターアゴニスト散瞳薬を含む溶液を眼内投与するステップとを含む。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
本明細書に記載の眼科手術処置後の術後炎症状態を阻害するための方法など。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、術後炎症状態を阻害するために、眼科手術処置中に眼内投与するための、非ステロイド系抗炎症剤およびα-アドレナリン作動性散瞳薬を含む液体薬学的組成物を使用する方法に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
眼科手術は、繊細な眼内構造に必然的に外傷をもたらし、これはプロスタグランジン合成および炎症カスケードを誘発する。もたらされた炎症は、特に術後炎症状態について高リスクにさせる術前状態を有する被験体、または高レベルの手術外傷を経験し得る被験体において、過剰な炎症の発生および関連づけられる術後炎症状態をもたらす場合がある。
【0003】
眼の手術(ocular surgery)は、しばしば、手順を容易にし、眼内組織の生理学的完全性を保護および維持するために、生理学的灌注溶液の使用を必要とする。代表的に灌注溶液を要する眼科手術処置の例としては、白内障摘出とレンズ置換、および屈折レンズ交換処置、角膜移植処置および網膜硝子体手術ならびに緑内障のための線維柱帯切除処置が挙げられる。眼内手術の間中、患者の瞳孔は、明瞭な手術野を可能にし、かつ処置と関連し得る外傷を制限するために十分拡張されなければならない。瞳孔拡張(散瞳)は、代表的には、散瞳薬の局所投与によって術前に眼を拡張することによって達成される。
【0004】
手術の間に、手術道具の先端を前眼房の中に挿入し、外科手術による外傷が導入されるにつれて、虹彩括約筋は、収縮し(縮瞳)、瞳孔によって規定される窓を縮小させる傾向にある。瞳孔直径が処置の間中十分に維持されなければ、眼内の構造体を損傷するリスクが増大し、必要とされる手術時間をしばしば長引かせる。臨床的に重大な瞳孔直径の縮小は、処置関連の合併症(後嚢断裂(posterior capsule tears)、レンズ断片の残留(retained lens fragments)および硝子体漏出(vitreous leaks)が挙げられる)の増大と関連する。
【0005】
多くの眼科外科医は、眼内灌注溶液の中にエピネフリンを組みこんで、瞳孔拡張の維持を補助し得る。エピネフリンがα-およびβ-アドレナリン作動性アゴニストである一方で、フェニレフリンは、ときには散瞳を促進するために手術前に局所的に投与されるα-1アゴニストであるが、フェニレフリンは、眼内投与のための保存剤および重亜硫酸塩非含有形態で、米国で承認されていない。
【0006】
患者の快適さのために術後疼痛および刺激を減少させることはまた、望ましい。このことから、患者は、術前におよび/もしくは術後に、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)で処置され得る。ケトロラクは、眼科用途に関して保存剤添加形態(preserved
form)で市販されているNSAIDである。AllerganのAcular(登録商標)は、保存剤として塩化ベンザルコニウム 0.01%を含むケトロラクトロメタミン液剤(3mLおよび6mLの点滴瓶で入手可能)である。Bedford Laboratoriesはまた、血管内投与もしくは筋肉内投与の注射用に、濃縮形態のケトロラクトロメタミン(1mL中に15mgもしくは30mg、または10mL中に60mgもしくは300mg)を供給している。Allerganは、保存剤非含有0.45% ケトロラクトロメタミン眼用液剤(これは、商品名Acuvail(登録商標)の下で個別使用バイアル(individual use vials)の中に、カルボキシメチルセルロースナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム二水和物(sodium
citrate dehydrate)とともに製剤化されている)を供給している。また、術中の縮瞳を阻止する試みで、術前に局所的NSAIDを使用する眼科外科医もいる。縮瞳予防のためのこのアプローチは、術中の灌注溶液が、灌注溶液に浸された眼内の領域から術前に送達された薬剤を洗い流すので、最適ではない。
【0007】
2014年にFDAにより承認されたOMIDRIA(商標)(フェニレフリンおよびケトロラク注射)1%/0.3%)(Omeros Corporation)は、術中の縮瞳を予防することにより瞳孔の大きさを維持するため、および術後疼痛を低減させるために指示されるα1-アドレナリン作動性レセプターアゴニストおよび非選択的シクロオキシゲナーゼ阻害剤である。OMIDRIA(商標)は、白内障手術または眼内レンズ置換中に使用される標準の灌注溶液に添加される。OMIDRIA(商標)は、術後炎症の低減用に現在指示されていない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、眼科手術処置後の術後炎症状態を阻害するための方法を提供する。本方法は、術後炎症状態を患う高リスクを有する被験体を特定するステップであって、事前に存在する生理学的状態もしくは特徴、以前の治療歴、または薬理学的履歴に基づいて術前に行われ得る、ステップと、眼科手術処置中に被験体に、眼内灌注キャリア中の非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)およびα-1アドレナリン作動性レセプターアゴニスト散瞳薬を含む溶液を眼内投与するステップとを含む。NSAIDおよび散瞳薬は、散瞳を促進し、かつ縮瞳を阻害することにより、処置中に少なくとも6.0mmの術中瞳孔直径を維持するなどの術中の瞳孔直径を維持するのに十分な量で溶液中に含まれており、術後少なくとも6時間の期間シクロオキシゲナーゼを阻害するのに十分な量のNSAIDを眼組織で取り込むために十分な量の溶液が投与され、これにより術後炎症状態を阻害する。本発明の他の実施形態において、術後炎症の高リスクの特定は、処置中に負った外傷の性質に基づいて処置中に行うことができる。また他の実施形態において、術後炎症状態の高リスクの特定は、術中および/または術前に行うことができる。
【0009】
本発明に従って投与される溶液中での使用に適切なNSAIDとして、フルルビプロフェン、スプロフェン、ジクロフェナク、ケトプロフェン、ケトロラク、インドメタシン、ネパフェナク、およびブロムフェナクが挙げられ、適切なα-1アドレナリン作動性レセプターアゴニストとして、フェニレフリン、エピネフリン、オキシメタゾリン、およびナファゾリンが挙げられる。本発明の好ましい実施形態において、NSAIDはケトロラクであり、散瞳薬はフェニレフリンである。別の実施形態において、溶液は、240~720μMの濃度のフェニレフリン、および44~134μMの濃度のケトロラクを含む。フェニレフリンおよびケトロラクは、適切には、モル比 3:1~10:1 フェニレフリン:ケトロラクで含まれ得る。
【0010】
本発明の一実施形態において、上記溶液の投与は、術後少なくとも6時間の期間、眼組織でベースラインシクロオキシゲナーゼ-1(COX-1)およびシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)活性を少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%阻害する。本発明の別の実施形態において、上記溶液の投与は、術後少なくとも7時間の期間、眼組織でベースラインCOX-1およびCOX-2活性を少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%阻害する。本発明の別の実施形態において、上記溶液の投与は、術後少なくとも8時間の期間、眼組織でベースラインCOX-1およびCOX-2活性を少なくとも85%阻害する。本発明の別の実施形態において、上記溶液の投与は、術後少なくとも8時間の期間、眼組織でベースラインCOX-1およびCOX-2活性を少なくとも90%阻害する。また別の実施形態において、上記溶液の投与は、術後少なくとも10時間の期間、眼組織でベースラインCOX-1およびCOX-2活性を少なくとも85%阻害する。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

オメロス コーポレーション
術後眼炎症状態を阻害するための抗炎症性かつ散瞳性前房内溶液
1日前
オメロス コーポレーション
造血幹細胞移植に関連する移植片対宿主病および/またはびまん性肺胞出血および/または静脈閉塞症を治療および/または予防するための方法
16日前
個人
健康器具
5か月前
個人
短下肢装具
17日前
個人
鼾防止用具
5か月前
個人
歯茎みが品
6か月前
個人
前腕誘導装置
21日前
個人
白内障治療法
4か月前
個人
脈波測定方法
5か月前
個人
洗井間専家。
4か月前
個人
導電香
6か月前
個人
嚥下鍛錬装置
1か月前
個人
マッサージ機
6か月前
個人
脈波測定方法
5か月前
個人
塗り薬塗り具
8か月前
個人
健康器具
8か月前
個人
片足歩行支援具
6か月前
個人
矯正椅子
2か月前
個人
歯の修復用材料
1か月前
個人
染毛方法
8か月前
個人
バッグ式オムツ
1か月前
個人
クリップ
6か月前
個人
収納容器
7か月前
個人
ホバーアイロン
4か月前
個人
陣痛緩和具
1か月前
個人
シャンプー
3か月前
個人
哺乳瓶冷まし容器
15日前
個人
眼科診療車
7か月前
三生医薬株式会社
錠剤
4か月前
個人
歯の保護用シール
2か月前
個人
車椅子持ち上げ器
4か月前
個人
口内洗浄具
5か月前
株式会社 MTG
浴用剤
6か月前
個人
避難困難者救出台車
7か月前
株式会社コーセー
美爪料
6か月前
個人
除菌システム
6か月前
続きを見る