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公開番号2025116669
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-08
出願番号2024011214
出願日2024-01-29
発明の名称必要添加材の推定システムおよび必要添加材の推定方法
出願人株式会社奥村組
代理人個人
主分類E21D 9/093 20060101AFI20250801BHJP(地中もしくは岩石の削孔;採鉱)
要約【課題】切羽面よりも掘進方向前方の地盤の掘削時に必要な添加材を推定する。
【解決手段】カッタヘッド13で切羽を掘削する際の振動加速度を測定する加速度センサ14と、加速度センサ14で測定された振動加速度データを円の円周方向に分布する振動加速度分布として表示する振動加速度データ表示部22と、振動加速度データ表示部22から切羽の土質を推定し、推定した土質に応じた添加材を選定する振動加速度データ処理部31とを有する。振動加速度データ処理部31は、振動加速度データ表示部22で表示された円周方向の振動加速度分布における振動の変化点の位置の変位傾向に基づいて切羽面よりも掘進方向前方の地盤の土質分布を予測する前方土質分布予測部32dと、前方土質分布予測部32dで予測された掘進方向前方の地盤の土質分布から必要な添加材を推定する必要添加材推定部32eとを備える。
【選択図】図9
特許請求の範囲【請求項1】
複数のカッタが装着されたカッタ盤の回転で切羽を掘削してチャンバ内に取り込まれた土砂を塑性流動化させるために必要な添加材を推定する必要添加材の推定システムであって、
前記カッタ盤または前記カッタに設置され、前記カッタ盤によって切羽を掘削する際の振動加速度を測定する加速度測定手段と、
前記カッタ盤の回転角度毎における前記加速度測定手段で測定された振動加速度データを、切羽断面を模した円の円周方向に分布する振動加速度分布として表示する振動加速度データ表示部と、
前記振動加速度データ表示部から切羽の土質を推定し、推定した土質に応じた添加材を推定する振動加速度データ処理部とを有し、
前記振動加速度データ処理部は、
前記振動加速度データ表示部で表示された円周方向の振動加速度分布における振動の変化点の位置が掘進方向先端側の複数の掘進スパンで掘進方向に変位してゆく傾向に基づいて、切羽面よりも掘進方向前方の地盤の土質分布を予測する前方土質分布予測部と、
前記前方土質分布予測部で予測された掘進方向前方の地盤の土質分布から、予測した土質について必要な添加材を推定する必要添加材推定部とを備える、
ことを特徴とする必要添加材の推定システム。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記振動加速度データ処理部は、
前記振動加速度データ表示部で表示された振動加速度分布における振動波形の変化点同士を直線でつないだ境界線を設定し、振動加速度データの振動波形から境界線で区切られたそれぞれの領域の土質を推定するとともに各領域の面積を求め、各領域の土質と面積の割合から掘削土砂の塑性流量性に与える影響の大きい土質である支配土質を決定し、決定した支配土質に応じた添加材を選定する、
ことを特徴とする請求項1記載の必要添加材の推定システム。
【請求項3】
前記振動加速度データ処理部は、
礫質土と推定された土質の面積の割合が所定割合を超えた場合には支配土質を礫質土と決定し、礫質土に応じた添加材を選定する、
ことを特徴とする請求項2記載の必要添加材の推定システム。
【請求項4】
前記振動加速度データ処理部は、
礫質土と推定された土質の面積の割合が所定割合以下の場合には、粘性土と推定された土質または砂質土と推定された土質の内で面積の割合が大きい方の土質を支配土質と決定し、決定した支配土質に応じた添加材を選定する、
ことを特徴とする請求項2記載の必要添加材の推定システム。
【請求項5】
前記振動加速度データ処理部は、
前記振動加速度データ表示部で表示された振動加速度分布における振動波形の変化点同士を直線でつないだ境界線を設定し、振動加速度データの振動波形から境界線で区切られたそれぞれの領域の土質を推定するとともに各領域の面積を求め、各領域の土質と面積の割合とに基づいて、面積割合に応じて添加材の注入量を選定する、
ことを特徴とする請求項2記載の必要添加材の推定システム。
【請求項6】
複数のカッタが装着されたカッタ盤の回転で切羽を掘削してチャンバ内に取り込まれた土砂を塑性流動化させるために必要な添加材を推定する必要添加材の推定方法であって、
前記カッタ盤によって切羽を掘削する際の振動加速度を測定し、
前記カッタ盤の回転角度毎における振動加速度データを、切羽断面を模した円の円周方向に分布する振動加速度分布として表示し、
円周方向の前記振動加速度分布における振動の変化点の位置が掘進方向先端側の複数の掘進スパンで掘進方向に変位してゆく傾向に基づいて、切羽面よりも掘進方向前方の地盤の土質分布を予測し、
予測した掘進方向前方の地盤の土質分布から必要な添加材を推定する、
ことを特徴とする必要添加材の推定方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、必要添加材の推定システムおよび必要添加材の推定方法に関し、特に、切羽を掘削してチャンバ内に取り込まれた土砂の塑性流動性の管理に関する技術である。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
シールド掘進機は、機器本体の前面に設けられたカッタ盤を地山の切羽に押し当て回転させながら前進することで地山に掘削坑を形成する機器である。そして、カッタ盤で掘削された土砂は、カッタ盤の後方に設けられたチャンバ内において添加材と攪拌および混合された後、機器本体の後方から排出される。
【0003】
近年、特に都市部におけるトンネル工事は長距離化が著しくなっている。そして、シールド掘進機で掘削する地盤については、先行して行われるボーリング調査等で大まかな分布状態(土質柱状図)を把握しているものの、現実の掘削作業時には予測外変化や想定外の地盤が存在する可能性がある。
【0004】
ここで、シールド掘進機はチャンバ内に取り込まれた掘削土砂の圧力で切羽からの土圧に抵抗しており、塑性流動性を安定させることでチャンバ内の圧力を一定に保つことができ、地山を安定させることができる。したがって、シールド工事において、掘削土砂の塑性流動性を安定させることは、掘削作業を効率的に行う上で重要になる。掘削土砂の塑性が大きくなり過ぎれば掘削土砂の内壁への付着や閉塞が生じて掘削速度が遅くなり、反対に、掘削土砂の流動性が大きくなり過ぎればスクリューコンベアに噴発が生じてチャンバ内の圧力が低下することになるからである。
【0005】
さて、掘削土砂の塑性流動性を安定させるために添加材が用いられているが、有効な添加材は土質によって変わることから、チャンバ内に取り込まれた土質を把握することが重要になる。今日、シールド工事前に地盤調査を行って土質柱状図から地山の状態を予測し、掘削作業中は現在位置の地山の状態を予測しながら作業を行っている。
【0006】
このような作業ではリアルタイムで変化する土層に対応することができず、土質を把握して掘削土砂の塑性流動性を安定させることは困難である。
【0007】
ここで、本出願人は、掘削時のカッタ盤の外周に生じる振動加速度を計測し、計測された振動加速度データから切羽面の土質を推定する技術を提案した(特許文献1,2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2016-003429号公報
特開2016-003430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記した特許文献1,2に記載の技術によれば、現にカッタ盤によって掘削されている切羽面の土質を予測し、予測した土質から有効な添加材を選定することができるものと考えられる。
【0010】
しかしながら、掘削時のカッタ盤の外周に生じる振動加速度では、切羽面の土質を推定することができるものの、切羽前方の未掘削の領域の地山の土質を予測することはできない。また、土質柱状図ではリアルタイムで変化する土層に対応することができない。さらに、切羽面の地盤が全面で同じ土質である場合ばかりでなく、切羽面の面域(例えば上下)で相互に異なる土質もあり、その場合には、その土質の組み合わせに合わせた添加材を使用する必要がある。
(【0011】以降は省略されています)

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