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公開番号2025116918
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-12
出願番号2024011443
出願日2024-01-30
発明の名称セラミックス多孔体及びその製造方法
出願人美濃窯業株式会社,国立研究開発法人産業技術総合研究所
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C04B 38/08 20060101AFI20250804BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】高気孔率でありながらも、焼成時の線収縮率及び加熱によって生ずる線収縮率が小さいセラミックス多孔体を提供する。
【解決手段】セラミックスにより形成されているとともに、隔壁により区画された多数の球状の気孔を内包し、気孔が、隔壁に貫通孔が形成された連通気孔と、隔壁に貫通孔が実質的に形成されていない独立気孔と、を含み、隣接する連通気孔どうしが貫通孔を介して連通した連続気泡構造を形成しており、独立気孔のメジアン径(D50)が0.1~1.3mmであり、切断面における独立気孔の割合が10~30面積%であり、気孔率が50~99%であるセラミックス多孔体。
【選択図】なし


特許請求の範囲【請求項1】
セラミックスにより形成されているとともに、隔壁により区画された多数の球状の気孔を内包し、
前記気孔が、前記隔壁に貫通孔が形成された連通気孔と、前記隔壁に貫通孔が実質的に形成されていない独立気孔と、を含み、
隣接する前記連通気孔どうしが貫通孔を介して連通した連続気泡構造を形成しており、
前記独立気孔のメジアン径(D
50
)が0.1~1.3mmであり、
切断面における前記独立気孔の割合が10~30面積%であり、
気孔率が50~99%であるセラミックス多孔体。
続きを表示(約 860 文字)【請求項2】
前記セラミックスが、ムライト、アルミナ、ジルコニア、シリカ、炭化珪素、窒化珪素、窒化硼素、コーディエライト、及び炭素からなる群より選択される少なくとも一種である請求項1に記載のセラミックス多孔体。
【請求項3】
前記セラミックスの融点の80%の温度における残存線収縮率が、1%以下である請求項1又は2に記載のセラミックス多孔体。
【請求項4】
セラミックスからなる原料粉体、ゲル化剤、及び水を含有するセラミックススラリーと、界面活性剤及び水を用いて調製した泡と、そのメジアン径(D
50
)が0.1~1.5mmであるセラミックス中空粒子と、を混合して得た原料スラリーをゲル化させてゲル体を得る工程と、
前記ゲル体を凍結して凍結体を得る工程と、
前記凍結体から氷を除去して得た乾燥体を焼成して、隔壁により区画された多数の球状の気孔を内包し、前記気孔が、前記隔壁に貫通孔が形成された連通気孔と、前記隔壁に貫通孔が実質的に形成されていない独立気孔と、を含み、隣接する前記連通気孔どうしが貫通孔を介して連通した連続気泡構造を形成しており、前記独立気孔のメジアン径(D
50
)が0.1~1.3mmであり、切断面における前記独立気孔の割合が10~30面積%であり、気孔率が50~99%であるセラミックス多孔体を得る工程と、
を有するセラミックス多孔体の製造方法。
【請求項5】
前記原料スラリー中の前記セラミックス中空粒子の含有量が、前記セラミックス中空粒子以外の成分の合計100体積部に対して、10~30体積部である請求項4に記載のセラミックス多孔体の製造方法。
【請求項6】
前記セラミックスが、ムライト、アルミナ、ジルコニア、シリカ、炭化珪素、窒化珪素、窒化硼素、コーディエライト、及び炭素からなる群より選択される少なくとも一種である請求項4又は5に記載のセラミックス多孔体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミックス多孔体及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来、高温条件下で使用可能なセラミックス多孔体及びその製造方法が種々提案されている。例えば、セラミックス原料粉末を水に分散させて調製したスラリーを凍結させて一方向に氷を成長させた後、凍結乾燥して氷を昇華させてセラミックス多孔体を製造する方法が提案されている(特許文献1)。さらに、ゲル化剤を添加したセラミックス原料粉体のスラリーをゲル化した後、凍結、乾燥及び焼成することで、連通孔が形成された、ハンドリング強度の高いセラミックス多孔体を製造する方法が提案されている(特許文献2)。
【0003】
また、ゲル化剤及び水溶性高分子を添加したセラミックス原料粉体のスラリーを原料として用いて、その内部に隔壁構造が形成されて部分的に遮断された連通孔を有する、高い断熱特性を持ったセラミックス多孔体を製造する方法が開示されている(特許文献3)。
【0004】
しかし、特許文献1及び2で提案された方法で製造されたセラミックス多孔体は、マクロポーラスな連通孔が形成されていることを構造上の特徴とするものであるため、熱やガスが容易に通過してしまい、高温条件下で使用可能なセラミックス多孔体のひとつである断熱材として利用することが困難であった。一方、特許文献3で提案された方法で製造されたセラミックス多孔体は、その内部に隔壁構造が形成されて部分的に遮断された連通孔を有するため、断熱材としての利用が期待される。しかし、前述の通り、特許文献1~3で提案されるセラミックス多孔体は、方向によって機械的特性等が大きく異なる事や、凍結時に粗大欠陥の元となる粗大氷結晶が生成しやすく、大型化が困難といった、構造材料として課題を有するものであった。
【0005】
これに対し、界面活性剤等を用いて調製した泡を添加したスラリーを用いて製造した、向き(方向)による物理的特性の差が小さく、泡の共存によって凍結時に粗大氷結晶の生成を抑制でき、構造材料として利用可能な強度を有するセラミックス多孔体が提案されている(特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2001-192280号公報
特開2008-201636号公報
特開2011-195437号公報
特開2018-140905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献4で提案されたセラミックス多孔体は、焼成時に線収縮しやすいものであるとともに、高温条件に曝された場合にも線収縮しやすくなることがあった。すなわち、特許文献4で提案された従来のセラミックス多孔体は、高気孔率である一方で、焼成時の線収縮率及び加熱によって生ずる線収縮率が比較的大きいものであり、さらなる改善の余地があった。
【0008】
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、高気孔率でありながらも、焼成時の線収縮率及び加熱によって生ずる線収縮率が小さいセラミックス多孔体を提供することにある。また、本発明の課題とするところは、このセラミックス多孔体を簡便に製造することが可能な製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、本発明によれば、以下に示すセラミックス多孔体が提供される。
[1]セラミックスにより形成されているとともに、隔壁により区画された多数の球状の気孔を内包し、前記気孔が、前記隔壁に貫通孔が形成された連通気孔と、前記隔壁に貫通孔が実質的に形成されていない独立気孔と、を含み、隣接する前記連通気孔どうしが貫通孔を介して連通した連続気泡構造を形成しており、前記独立気孔のメジアン径(D
50
)が0.1~1.3mmであり、切断面における前記独立気孔の割合が10~30面積%であり、気孔率が50~99%であるセラミックス多孔体。
[2]前記セラミックスが、ムライト、アルミナ、ジルコニア、シリカ、炭化珪素、窒化珪素、窒化硼素、コーディエライト、及び炭素からなる群より選択される少なくとも一種である前記[1]に記載のセラミックス多孔体。
[3]前記セラミックスの融点の80%の温度における残存線収縮率が、1%以下である前記[1]又は[2]に記載のセラミックス多孔体。
【0010】
また、本発明によれば、以下に示すセラミックス多孔体の製造方法が提供される。
[4]セラミックスからなる原料粉体、ゲル化剤、及び水を含有するセラミックススラリーと、界面活性剤及び水を用いて調製した泡と、そのメジアン径(D
50
)が0.1~1.5mmであるセラミックス中空粒子と、を混合して得た原料スラリーをゲル化させてゲル体を得る工程と、前記ゲル体を凍結して凍結体を得る工程と、前記凍結体から氷を除去して得た乾燥体を焼成して、隔壁により区画された多数の球状の気孔を内包し、前記気孔が、前記隔壁に貫通孔が形成された連通気孔と、前記隔壁に貫通孔が実質的に形成されていない独立気孔と、を含み、隣接する前記連通気孔どうしが貫通孔を介して連通した連続気泡構造を形成しており、前記独立気孔のメジアン径(D
50
)が0.3~1.3mmであり、切断面における前記独立気孔の割合が10~30面積%であり、気孔率が50~99%であるセラミックス多孔体を得る工程と、を有するセラミックス多孔体の製造方法。
[5]前記原料スラリー中の前記セラミックス中空粒子の含有量が、前記セラミックス中空粒子以外の成分の合計100体積部に対して、10~30体積部である前記[4]に記載のセラミックス多孔体の製造方法。
[6]前記セラミックスが、ムライト、アルミナ、ジルコニア、シリカ、炭化珪素、窒化珪素、窒化硼素、コーディエライト、及び炭素からなる群より選択される少なくとも一種である前記[4]又は[5]に記載のセラミックス多孔体の製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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