TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025117200
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-12
出願番号2024011929
出願日2024-01-30
発明の名称ポリアミド樹脂組成物および金属樹脂接合体
出願人三井化学株式会社
代理人弁理士法人鷲田国際特許事務所
主分類C08L 77/06 20060101AFI20250804BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】金属部材との接合用のポリアミド樹脂組成物であって、金属部材と樹脂部材との気密性および金型からの離型性を高めることができるポリアミド樹脂組成物、およびこれを用いた金属樹脂接合体を提供すること。
【解決手段】金属部材との接合用のポリアミド樹脂組成物であって、異なる2種の半芳香族ポリアミド樹脂(A1)および半芳香族ポリアミド樹脂(A2)、を含み、前記半芳香族ポリアミド樹脂(A1)および半芳香族ポリアミド樹脂(A2)は、いずれも下記式(1)で表される繰り返し単位と、ジカルボン酸に由来する成分単位およびジアミンに由来する成分単位を含む繰り返し単位と、を含み、前記半芳香族ポリアミド樹脂(A1)と前記半芳香族ポリアミド樹脂(A2)とで、前記ジアミンに由来する成分単位は炭素数が同じで且つ構造が異なり、質量比率((A1)/(A1)+(A2))は、0.40以上0.60以下である、ポリアミド樹脂組成物。
【化1】
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2025117200000007.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">24</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">139</com:WidthMeasure> </com:Image> 【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
金属部材との接合用のポリアミド樹脂組成物であって、
示差走査熱量計(DSC)により測定される融点が280℃以上である、半芳香族ポリアミド樹脂(A1)と、
示差走査熱量計(DSC)により測定される融点が280℃以上である、半芳香族ポリアミド樹脂(A2)と、を含み、
前記半芳香族ポリアミド樹脂(A1)は、下記式(1)で表される繰り返し単位(A1-1)と、ジカルボン酸に由来する成分単位(x1)およびジアミンに由来する成分単位(y1)を含む繰り返し単位(A1-2)と、を含み、
前記半芳香族ポリアミド樹脂(A2)は、下記式(1)で表される繰り返し単位(A2-1)と、ジカルボン酸に由来する成分単位(x2)およびジアミンに由来する成分単位(y2)とを含む繰り返し単位(A2-2)と、を含み、
前記繰り返し単位(A1-2)は、前記半芳香族ポリアミド樹脂(A1)に含まれる繰り返し単位のうち、前記繰り返し単位(A1-1)を除いた繰り返し単位の中で最も含有量が多い繰り返し単位であり、
前記繰り返し単位(A2-2)は、前記半芳香族ポリアミド樹脂(A2)に含まれる繰り返し単位のうち、前記繰り返し単位(A2-1)を除いた繰り返し単位の中で最も含有量が多い繰り返し単位であり、
前記ジアミンに由来する成分単位(y1)と、前記ジアミンに由来する成分単位(y2)とは、炭素数が同じであり、かつ分子構造が互いに異なり、
前記半芳香族ポリアミド樹脂(A1)の含有量の、前記半芳香族ポリアミド樹脂(A1)および前記半芳香族ポリアミド樹脂(A2)の合計質量に対する比率は、0.40以上0.60以下である、
ポリアミド樹脂組成物。
TIFF
2025117200000006.tif
23
138
続きを表示(約 600 文字)【請求項2】
半芳香族ポリアミド樹脂(A1)および半芳香族ポリアミド樹脂(A2)は、いずれも、示差走査熱量計(DSC)により測定される融点が290℃以上340℃以下である、請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項3】
ポリオレフィン樹脂(B)をさらに含む、請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項4】
前記ポリアミド樹脂組成物の全質量に対する含有量が45質量%以下である強化材を含む、請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項5】
前記ジアミンに由来する成分単位(y1)、および前記ジアミンに由来する成分単位(y2)は、いずれも炭素数4以上15以下の脂肪族ジアミンに由来する成分単位である、
請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項6】
前記ジアミンに由来する成分単位(y1)は、1,6-ジアミノヘキサンに由来する成分単位であり、
前記ジアミンに由来する成分単位(y2)は、2-メチル-1,5-ジアミノペンタンに由来する成分単位である、
請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項7】
金属部材と、
前記金属部材の表面に接合された、請求項1~6のいずれか一項に記載のポリアミド樹脂組成物を含む樹脂部材と、を含む、
金属樹脂接合体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリアミド樹脂組成物および金属樹脂接合体に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、成形材料として、ポリアミド樹脂組成物が知られている。ポリアミド樹脂組成物は、例えば、自動車用部品、電気・電子用部品などの種々の部品の材料として広く用いられており、成形体の機械的強度に優れることが知られている。
【0003】
ところで、ポリアミド樹脂組成物は、ポリアミド樹脂組成物を成形してなる樹脂部材と金属部材とが接合された金属樹脂接合体を形成するために用いられ得る。ポリアミド樹脂組成物が金属樹脂接合用途に用いられる場合には、樹脂部材と、金属部材と、を強固に接合することが要求される。
【0004】
例えば、特許文献1には、表面に凹凸を有する金属部材と、金属部材の上記凹凸構造を有する表面に接合された樹脂部材とを有する金属樹脂複合体であって、上記樹脂部材は、ポリアミド樹脂と、強化充填材と、特定の量のタルクとを含む金属接合用ポリアミド樹脂組成物からなる、金属樹脂複合体が開示されている。特許文献1では、上記金属樹脂複合体では、金属部材と樹脂部材との接合強度が高められたとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2018-177867号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ポリアミド樹脂組成物と金属部材との接合体の用途によっては、ポリアミド樹脂組成物と金属部材との間の気密性が求められる。たとえば、冷却用のオイルが充填されたモータケース内に配置されたモータと、モータケース外に配置されたインバータと、を電気的に接続するためのバスバー等の導電部品として上記接合体を使用する場合には、モータケース外へのオイル漏れを防ぐために高い気密性が必要となる。
【0007】
しかしながら、本発明者らの検討によれば、特許文献1で用いられているポリアミド樹脂組成物では、金属部材と樹脂部材との気密性を十分に高めることはできなかった。
【0008】
また、金属樹脂接合体は金型内に金属部材を配置した状態でポリアミド樹脂組成物を射出成形するインサート成形によって製造され得るが、製造された金属樹脂接合体を金型から取り出しやすくする観点から、離型性が高められたポリアミド樹脂組成物を用いることが望ましい。
【0009】
本発明の目的は、金属部材との接合用のポリアミド樹脂組成物であって、金属部材と樹脂部材との気密性および金型からの離型性を高めることができる、ポリアミド樹脂組成物、およびこれを用いた金属樹脂接合体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための、本発明の一態様は、下記[1]~[6]のインサート成形用ポリアミド樹脂組成物に関する。
[1]金属部材との接合用のポリアミド樹脂組成物であって、
示差走査熱量計(DSC)により測定される融点が280℃以上である、半芳香族ポリアミド樹脂(A1)と、
示差走査熱量計(DSC)により測定される融点が280℃以上である、半芳香族ポリアミド樹脂(A2)と、を含み、
前記半芳香族ポリアミド樹脂(A1)は、下記式(1)で表される繰り返し単位(A1-1)と、ジカルボン酸に由来する成分単位(x1)およびジアミンに由来する成分単位(y1)を含む繰り返し単位(A1-2)と、を含み、
前記半芳香族ポリアミド樹脂(A2)は、下記式(1)で表される繰り返し単位(A2-1)と、ジカルボン酸に由来する成分単位(x2)およびジアミンに由来する成分単位(y2)とを含む繰り返し単位(A2-2)と、を含み、
前記繰り返し単位(A1-2)は、前記半芳香族ポリアミド樹脂(A1)に含まれる繰り返し単位のうち、前記繰り返し単位(A1-1)を除いた繰り返し単位の中で最も含有量が多い繰り返し単位であり、
前記繰り返し単位(A2-2)は、前記半芳香族ポリアミド樹脂(A2)に含まれる繰り返し単位のうち、前記繰り返し単位(A2-1)を除いた繰り返し単位の中で最も含有量が多い繰り返し単位であり、
前記ジアミンに由来する成分単位(y1)と、前記ジアミンに由来する成分単位(y2)とは、炭素数が同じであり、かつ分子構造が互いに異なり、
前記半芳香族ポリアミド樹脂(A1)の含有量の、前記半芳香族ポリアミド樹脂(A1)および前記半芳香族ポリアミド樹脂(A2)の合計質量に対する比率は、0.40以上0.60以下である、
ポリアミド樹脂組成物。
TIFF
2025117200000001.tif
23
134
[2]半芳香族ポリアミド樹脂(A1)および半芳香族ポリアミド樹脂(A2)は、いずれも、示差走査熱量計(DSC)により測定される融点が290℃以上340℃以下である、[1]に記載のポリアミド樹脂組成物。
[3]ポリオレフィン樹脂(B)をさらに含む、[1]または[2]に記載のポリアミド樹脂組成物。
[4]前記ポリアミド樹脂組成物の全質量に対する含有量が45質量%以下である強化材を含む、[1]~[3]のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
[5]前記ジアミンに由来する成分単位(y1)、および前記ジアミンに由来する成分単位(y2)は、いずれも炭素数4以上15以下の脂肪族ジアミンに由来する成分単位である、
[1]~[4]のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
[6]前記ジアミンに由来する成分単位(y1)は、1,6-ジアミノヘキサンに由来する成分単位であり、
前記ジアミンに由来する成分単位(y2)は、2-メチル-1,5-ジアミノペンタンに由来する成分単位である、
[1]~[4]のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

三井化学株式会社
積層体
10日前
三井化学株式会社
樹脂成形体及び樹脂組成物
7日前
三井化学株式会社
成形体および高周波通信機器
7日前
三井化学株式会社
半導体装置及びその製造方法
1日前
三井化学株式会社
シート状シール材および積層体
1日前
三井化学株式会社
非水電解液二次電池の製造方法
15日前
三井化学株式会社
半導体装置の製造方法及び積層体
1日前
三井化学株式会社
繊維強化樹脂組成物および成形体
6日前
三井化学株式会社
ポリアミド樹脂組成物および成形体
7日前
三井化学株式会社
ポリアミド樹脂組成物および成形体
10日前
三井化学株式会社
熱可塑性エラストマー組成物および成形体
7日前
三井化学株式会社
ポリアミド樹脂組成物および金属樹脂接合体
2日前
三井化学株式会社
ポリアミド樹脂組成物および金属樹脂接合体
17日前
三井化学株式会社
消臭触媒、並びに、その製造方法および用途
9日前
三井化学株式会社
情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
15日前
三井化学株式会社
オレフィン共重合体の製造方法および遷移金属化合物
6日前
三井化学株式会社
オレフィン共重合体の製造方法および遷移金属化合物
6日前
三井化学株式会社
表示制御装置、表示制御方法及び表示制御プログラム
1日前
三井化学株式会社
環状オレフィン系重合体、成形体および高周波通信機器
7日前
三井化学株式会社
オレフィン重合触媒およびオレフィン重合体の製造方法
13日前
三井化学株式会社
フィラメントの製造方法、及び、3次元造形物の製造方法
2日前
三井化学株式会社
フィラメントの製造方法、及び、3次元造形物の製造方法
2日前
三井化学株式会社
ガスバリア性光学フィルム、積層体、表示装置および太陽電池
20日前
三井化学株式会社
オレフィン系樹脂組成物、架橋体、積層体、成形体、およびシート
10日前
三井化学株式会社
オレフィン重合用触媒の製造方法およびエチレン系重合体の製造方法
2日前
三井化学株式会社
エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体およびその製造方法
1日前
三井化学株式会社
無電解鉄-ニッケルめっき液、被めっき材の製造方法、および異方導電性シート
10日前
三井化学株式会社
ポリウレタン樹脂組成物、樹脂硬化物、および、注型ポリウレタンエラストマー
1日前
三井化学株式会社
ニトリルヒドラターゼを含む菌体処理物の製造方法及びアミド化合物の製造方法
15日前
三井化学株式会社
抗菌性金属材料及び抗菌性物品
1日前
三井化学株式会社
光学プレート母材、光学プレート、空中結像装置、及び光学プレート母材の製造方法
2日前
三井化学株式会社
樹脂組成物、ワニス、樹脂組成物の硬化物、フィルムまたはシート、積層体、プリプレグ、プリント配線基板および電子機器
1日前
東ソー株式会社
摺動部材
2か月前
東レ株式会社
多孔質構造体
4か月前
東ソー株式会社
ゴム組成物
2か月前
東レ株式会社
CPUソケット
3か月前
続きを見る