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公開番号2025149681
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-08
出願番号2024050473
出願日2024-03-26
発明の名称延伸成形体および延伸成形体の製造方法
出願人三井化学株式会社
代理人弁理士法人エスエス国際特許事務所
主分類C08L 23/04 20060101AFI20251001BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】超高分子量ポリエチレンを含み、かつ、熱伝導性が高い成形体を提供する。
【解決手段】ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより求められる重量平均分子量(Mw)が200万以上であるエチレン系重合体(A)を含み、要件(1)~(4)を満足する、延伸成形体。
(1)MD方向の熱伝導率が20W/m/K以上である;(2)カーボンナノチューブ(B)を含む;(3)周期表第4族および周期表第5族からなる群より選択される少なくとも1種の遷移金属原子を含む;(4)周期表第1族、周期表第2族および周期表第13族からなる群より選択される少なくとも1種の金属原子を含む
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより求められる重量平均分子量(Mw)が200万以上であるエチレン系重合体(A)を含み、
下記要件(1)~(4)を満足する、延伸成形体。
(1) MD方向の熱伝導率が20W/m/K以上である
(2) カーボンナノチューブ(B)を含む
(3) 周期表第4族および周期表第5族からなる群より選択される少なくとも1種の遷移金属原子を含む
(4) 周期表第1族、周期表第2族および周期表第13族からなる群より選択される少なくとも1種の金属原子を含む
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記カーボンナノチューブ(B)が、下記要件(B-i)および(B-ii)を満たす、請求項1に記載の延伸成形体。
(B-i)X線光電子分光法(XPS)における酸素原子/炭素原子モル比が0.018以上0.400以下である
(B-ii)BET多点法における比表面積が100m

/g以上5000m

/g以下である
【請求項3】
延伸倍率が18倍以上である、請求項1に記載の延伸成形体。
【請求項4】
前記エチレン系重合体(A)の含有量が70~99.9質量%であり、前記カーボンナノチューブ(B)の含有量が0.1~30質量%である(ただし、前記エチレン系重合体(A)と前記カーボンナノチューブ(B)との合計を100質量%とする)、請求項1に記載の延伸成形体。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の延伸成形体の製造方法であって、
(a)カーボンナノチューブ(B)と、
下記一般式(C-I)で表される有機アルミニウム化合物(C)と、
下記一般式(DD-I)で表される遷移金属化合物(DD)と
を含むオレフィン重合用触媒(Y)を調製する工程、



Al(OR







・・・(C-I)
[一般式(C-I)中、R

およびR

は、炭素数1以上15以下の炭化水素基を示し、互いに同一でも異なっていてもよく、Xはハロゲン原子を示し、mは1以上3以下の整数、nは0以上2以下の整数、pは0以上2以下の整数、qは0以上2以下の整数であり、かつm+n+p+q=3である。]


MX

・・・(DD-I)
[一般式(DD-I)中、Mは周期表第3族、第4族、第5族、第6族、第7族、第8族、第9族、第10族、第11族原子、およびランタニド原子からなる群より選択される原子であり、
Lは配位子であり、複数のLは互いに同一でも異なっていてもよく、L中の置換基により複数のLが繋がっていてもよいが、少なくとも1つのLには、ホウ素、窒素、酸素、リン、硫黄およびセレンからなる群より選ばれる少なくとも1種の原子が含まれ、
mは2以上の整数であり、
nは、Mの価数を満たす1以上4以下の整数であり、
Xは脱離基であり、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基、リン含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、共役ジエン系誘導体基、および孤立電子対で配位可能な中性配位子からなる群より選ばれ、nが2以上の場合は、複数のXは互いに同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。]
(b)(a)で調製したオレフィン重合用触媒(Y)の存在下でエチレン系重合体(A)を重合し、前記エチレン系重合体(A)中に前記オレフィン重合用触媒(Y)が分散した樹脂組成物(X)を調製する工程、
(c)(b)で得た樹脂組成物(X)を固相延伸する工程、
を含み、
前記遷移金属化合物(DD)は、前記一般式(DD-I)においてMが周期表第4族および第5族からなる群より選択される原子である遷移金属化合物(D)を含む、延伸成形体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、延伸成形体および延伸成形体の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
グラファイト、グラフェン、カーボンナノチューブ(CNT)などのカーボン材料(炭素材料)をポリオレフィンに配合することで、ポリオレフィンに高い熱導電性、電気伝導性および耐候性を付与できることが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1ではポリプロピレンを主成分とする樹脂にグラフェン積層構造を有する炭素材料を配合した組成物の熱伝導性を生かして、電子機器の筐体などの材料に使用可能な熱伝導シートを製造することが提案されている。ここで、特許文献1ではカーボン材料を配合するポリオレフィンの例としてポリプロピレンが使用されているが、ポリオレフィンには、一般的なポリプロピレンおよびポリエチレンのような汎用樹脂以外にも、超高分子量ポリエチレンなどが知られている。超高分子量ポリエチレンは、汎用樹脂に比べて、耐衝撃性、耐摩耗性、引張強度などの機械特性にも優れている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2017-071079号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された熱伝導シートは、用途によっては、熱伝導性が不十分であり、耐衝撃性、耐摩耗性、引張強度なども不十分である。耐衝撃性、耐摩耗性、引張強度などが求められる場合には、ポリプロピレンの代わりに超高分子量ポリエチレンを含む組成物を用いることが考えられ、熱伝導性を高めるためには、カーボン材料の配合量を多くすることが考えられる。しかしながら、超高分子量ポリエチレンは、汎用樹脂に比べて粘度が高いため、超高分子量ポリエチレンを含む組成物中にカーボン材料を分散させることは困難である。また、超高分子量ポリエチレンを含む組成物へのカーボン材料の配合量が多くなるほど、カーボン材料の分散はさらに困難になり、カーボン材料の分散が悪いことにより成形体の成形性が低下する場合がある。このように、超高分子量ポリエチレンを含み、かつ、高い熱伝導性を有する樹脂組成物を得ることは難しいという事情があるが、さらに、超高分子量ポリエチレン自体も分子量が高いため成形体を製造しにくいという問題がある。このため、超高分子量ポリエチレンを含む組成物は、超高分子量ポリエチレンの含有量によっては、汎用樹脂の成形に採用されている方法をそのまま利用することはできず、成形が困難である。
【0005】
本発明は、以上のことに鑑みてなされたものであり、超高分子量ポリエチレンを含み、かつ、熱伝導性が高い成形体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者が研究を進めた結果、下記構成例によれば、前記課題を解決できることを見出した。本発明の構成例は、以下の通りである。
なお、本明細書では、数値範囲を示す「A~B」は、A以上B以下を示す。
【0007】
[1] ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより求められる重量平均分子量(Mw)が200万以上であるエチレン系重合体(A)を含み、
下記要件(1)~(4)を満足する、延伸成形体。
(1) MD方向の熱伝導率が20W/m/K以上である
(2) カーボンナノチューブ(B)を含む
(3) 周期表第4族および周期表第5族からなる群より選択される少なくとも1種の遷移金属原子を含む
(4) 周期表第1族、周期表第2族および周期表第13族からなる群より選択される少なくとも1種の金属原子を含む
【0008】
[2] 前記カーボンナノチューブ(B)が、下記要件(B-i)および(B-ii)を満たす、[1]に記載の延伸成形体。
(B-i)X線光電子分光法(XPS)における酸素原子/炭素原子モル比が0.018以上0.400以下である
(B-ii)BET多点法における比表面積が100m

/g以上5000m

/g以下である
【0009】
[3] 延伸倍率が18倍以上である、[1]または[2]に記載の延伸成形体。
【0010】
[4] 前記エチレン系重合体(A)の含有量が70~99.9質量%であり、前記カーボンナノチューブ(B)の含有量が0.1~30質量%である(ただし、前記エチレン系重合体(A)と前記カーボンナノチューブ(B)との合計を100質量%とする)、[1]~[3]のいずれか1項に記載の延伸成形体。
(【0011】以降は省略されています)

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