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公開番号
2025117244
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-12
出願番号
2024011986
出願日
2024-01-30
発明の名称
耐摩耗鋼
出願人
日本製鉄株式会社
代理人
弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類
C22C
38/00 20060101AFI20250804BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】Ni、Moといった高価な元素を使用せず又は使用を抑制し、必要な強度及び靭性を有するHB450クラスの耐摩耗鋼を提供する。
【解決手段】所定の化学組成を有し、400μm×400μmの領域において、15°以上の大傾角粒界で囲まれた結晶粒のうち粒径が大きい順に10個の結晶粒の平均粒径が40.0μm以下であり、質量%でのC含有量を[C]とした場合に表面から厚さ方向に0.7mmの位置における表面硬さが400HV10以上かつ634×[C]
1/2
+140HV10以上であり、400μm×400μmの領域において、TiN粒子の粒子径が大きい順に10個の平均粒径が7.0μm以下であり、かつクラスター状のAl
2
O
3
の最大長径が30.0μm以下であり、円相当径が200nm以下のTiN粒子の個数密度が1×10
5
個/mm
2
以上であり、-40℃でのシャルピー吸収エネルギーが27J以上である耐摩耗鋼。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
化学組成が、質量%で、
C :0.10~0.40%、
Si:0.01~2.50%、
Mn:0.10~2.20%、
P :0.0400%以下、
S :0.0200%以下、
Cr:1.50超~7.50%、
Al:0.010~0.150%、
Ti:0.005%~0.050%、
B :0.0002~0.0050%、
N :0.0015~0.0100%、並びに
残部:Fe及び不純物であり、
400μm×400μmの領域において、15°以上の大傾角粒界で囲まれた結晶粒のうち、粒径が大きい順に10個の結晶粒の平均粒径が40.0μm以下であり、
400μm×400μmの領域において、TiN粒子の粒子径が大きい順に10個の平均粒径が7.0μm以下であり、かつクラスター状のAl
2
O
3
の最大長径が30.0μm以下であり、
円相当径が200nm以下のTiN粒子の個数密度が、1×10
5
個/mm
2
以上であり、
質量%でのC含有量を[C]とした場合に、表面から厚さ方向に0.7mmの位置における表面硬さが、400HV10以上かつ634×[C]
1/2
+140HV10以上であり、
-40℃でのシャルピー吸収エネルギーが27J以上である、
耐摩耗鋼。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
化学組成が、質量%で、
C :0.10~0.40%、
Si:0.01~2.50%、
Mn:0.10~2.20%、
P :0.0400%以下、
S :0.0200%以下、
Cr:1.50超~7.50%、
Al:0.010~0.150%、
Ti:0.005%~0.050%、
B :0.0002~0.0050%、
N :0.0015~0.0100%であり、さらに、下記A群~C群からなる群より選ばれる1種又は2種以上の元素を含有し、
残部:Fe及び不純物であり、
(A群)
Nb:0.050%以下、
Cu:1.00%以下、
Ni:1.00%未満、
Mo:1.00%未満、
V:1.00%以下、及び
W:1.00%以下
からなる群より選択される1種又は2種以上
(B群)
Ca:0.0100%以下、
Mg:0.0100%以下、及び
REM:0.0100%以下
からなる群より選択される1種又は2種以上
(C群)
Sn:0.50%以下、及び
Sb:0.50%以下
からなる群より選択される1種又は2種
400μm×400μmの領域において、15°以上の大傾角粒界で囲まれた結晶粒のうち、粒径が大きい順に10個の結晶粒の平均粒径が40.0μm以下であり、
400μm×400μmの領域において、TiNの粒子径が大きい順に10個の平均粒径が7.0μm以下であり、かつクラスター状のAl
2
O
3
の最大長径が30.0μm以下であり、
円相当径が200nm以下のTiNの個数密度が、1×10
5
個/mm
2
以上であり、
質量%でのC含有量を[C]とした場合に、表面から厚さ方向に0.7mmの位置における表面硬さが、400HV10以上かつ634×[C]
1/2
+140HV10以上であり、
-40℃でのシャルピー吸収エネルギーが27J以上である、
耐摩耗鋼。
【請求項3】
前記A群を含有する、請求項2に記載の耐摩耗鋼。
【請求項4】
前記B群を含有する、請求項2に記載の耐摩耗鋼。
【請求項5】
前記C群を含有する、請求項2に記載の耐摩耗鋼。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、耐摩耗鋼に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
鉱山での掘削や土木作業用の建設機械に用いられる鋼部材は、摩耗により交換が必要となる場合が多く、その使用寿命を長くするために鋼部材の製造には鋼硬度を高めた耐摩耗鋼板が用いられる。特にHB450級(ブリネル硬さでHB410~490、ビッカース硬さでHv440~540)の耐摩耗鋼板が用いられる場合が多い。
【0003】
また、岩石や鉱石を採掘、破砕する際に生じる衝撃で摩耗するような環境では、硬度のみで摩耗性を確保するには不十分であり、衝撃試験で評価される靭性が要求される場合がある。加えて、このような鋼部材は、消耗品として頻繁に取り換えられて使用される場合が多いため、それに用いられる耐摩耗鋼板としては安価で生産性に優れるものが強く望まれる。
【0004】
例えば特許文献1~6には、耐摩耗鋼等に関して靭性を向上する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平10-204575号公報
特開平10-102185号公報
特開昭59-129724号公報
特開昭59-70721号公報
国際公開第2019/050010号
国際公開第2022/025135号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1及び特許文献2に開示されている耐摩耗鋼は、1.0質量%以上のMoを含有する。
特許文献3及び特許文献4に開示されている耐摩耗鋼は、2.0質量%以上のNiを含有する。
Ni及びMoは高価な元素であり、合金コストの観点から、削減が望まれる。
特許文献5には、靭性の向上を図った高強度鋼板が開示されているが、耐摩耗性が考慮されていない。
特許文献6に開示されている耐摩耗鋼は、安価なCrを用いて靭性の向上を図っているが、HB400級の範囲に留まっている。
【0007】
本開示は、Ni、Moといった高価な元素を使用せず又は使用を抑制し、必要な強度及び靭性を有するHB450クラスの耐摩耗鋼を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、以下の手段により解決される。
<1> 化学組成が、質量%で、
C :0.10~0.40%、
Si:0.01~2.50%、
Mn:0.10~2.20%、
P :0.0400%以下、
S :0.0200%以下、
Cr:1.50超~7.50%、
Al:0.010~0.150%、
Ti:0.005%~0.050%、
B :0.0002~0.0050%、
N :0.0015~0.0100%、並びに
残部:Fe及び不純物であり、
400μm×400μmの領域において、15°以上の大傾角粒界で囲まれた結晶粒のうち、粒径が大きい順に10個の結晶粒の平均粒径が40.0μm以下であり、
400μm×400μmの領域において、TiN粒子の粒子径が大きい順に10個の平均粒径が7.0μm以下であり、かつクラスター状のAl
2
O
3
の最大長径が30.0μm以下であり、
円相当径が200nm以下のTiN粒子の個数密度が、1×10
5
個/mm
2
以上であり、
質量%でのC含有量を[C]とした場合に、表面から厚さ方向に0.7mmの位置における表面硬さが、400HV10以上かつ634×[C]
1/2
+140HV10以上であり、
-40℃でのシャルピー吸収エネルギーが27J以上である、
耐摩耗鋼。
<2> 化学組成が、質量%で、
C :0.10~0.40%、
Si:0.01~2.50%、
Mn:0.10~2.20%、
P :0.0400%以下、
S :0.0200%以下、
Cr:1.50超~7.50%、
Al:0.010~0.150%、
Ti:0.005%~0.050%、
B :0.0002~0.0050%、
N :0.0015~0.0100%であり、さらに、下記A群~C群からなる群より選ばれる1種又は2種以上の元素を含有し、
残部:Fe及び不純物であり、
(A群)
Nb:0.050%以下、
Cu:1.00%以下、
Ni:1.00%未満、
Mo:1.00%未満、
V:1.00%以下、及び
W:1.00%以下
からなる群より選択される1種又は2種以上
(B群)
Ca:0.0100%以下、
Mg:0.0100%以下、及び
REM:0.0100%以下
からなる群より選択される1種又は2種以上
(C群)
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、Ni、Moといった高価な元素を使用せず又は使用を抑制し、必要な強度及び靭性を有するHB450クラスの耐摩耗鋼が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
クラスター状のAl
2
O
3
の一例を示すSEM画像である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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