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公開番号
2025117829
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-13
出願番号
2024012767
出願日
2024-01-31
発明の名称
セメント焼成設備及びセメントクリンカの製造方法
出願人
住友大阪セメント株式会社
代理人
弁理士法人大谷特許事務所
主分類
C04B
7/36 20060101AFI20250805BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約
【課題】本発明によれば、二酸化炭素の大気への放出量を抑制し、かつセメント原料の効率的な乾燥を行い得る、セメント焼成設備及びセメントクリンカの製造方法を提供する。
【解決手段】セメント原料の乾燥及び粉砕装置、サスペンションプレヒータ、ロータリーキルン、クリンカクーラ、二酸化炭素回収装置及び炭酸化装置を備えるセメント焼成設備、及びこれを用いるセメントクリンカの製造方法である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
セメント原料を乾燥及び粉砕して粉末原料とする乾燥及び粉砕装置、
前記粉末原料を予熱及びか焼するサスペンションプレヒータ、
前記予熱及びか焼された粉末原料を焼成し、セメントクリンカとするロータリーキルン、
前記セメントクリンカを冷却するセメントクリンカクーラ、
前記サスペンションプレヒータから排出される燃焼排ガスに含まれる二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収装置、及び
前記サスペンションプレヒータから排出される燃焼排ガスと、酸化カルシウムを含む粉末物と、の反応により炭酸カルシウムを含む粉末物とする炭酸化装置を備え;
前記サスペンションプレヒータは、
前記粉末原料をか焼するか焼炉、
前記か焼炉から排出されるか焼炉燃焼排ガスが通過するか焼炉系風路及び前記ロータリーキルンから排出されるキルン燃焼排ガスが通過するキルン系風路の、互いに異なる二つの風路、
前記か焼炉系風路を通過することで前記粉末原料を予熱及びか焼した前記か焼炉燃焼排ガスを、前記サスペンションプレヒータから排出するか焼炉燃焼排ガス排出口、及び
前記キルン系風路を通過することで前記粉末原料を予熱及びか焼した前記キルン燃焼排ガスを、前記サスペンションプレヒータから排出するキルン燃焼排ガス排出口、
を有するプレヒータであり;
さらに、
前記か焼炉燃焼排ガス排出口から排出された前記か焼炉燃焼排ガスを前記二酸化炭素回収装置に供給するためのか焼炉燃焼排ガス排出風路、
前記キルン燃焼排ガス排出口から排出された前記キルン燃焼排ガスを前記乾燥及び粉砕装置が有する乾燥機器に供給するためのキルン燃焼排ガス排出風路、
前記キルン燃焼排ガス排出風路を通過する前記キルン燃焼排ガスを、前記炭酸化装置に供給するための炭酸化装置給気風路、及び
前記炭酸化装置から排出された前記キルン燃焼排ガスを、前記キルン燃焼排ガス排出風路に供給するための炭酸化装置排気風路、
の排ガス風路;
前記サスペンションプレヒータから前記予熱及びか焼された粉末原料を分取する分取装置、並びに前記分取装置により分取された粉末原料を、前記酸化カルシウムを含む粉末物として前記炭酸化装置に供給するための粉末物供給装置1;並びに
前記サスペンションプレヒータのキルン系風路の最下段のサイクロン集塵器に供給される前に前記キルン燃焼排ガスを抽気する抽気装置、前記抽気装置により抽気されたキルン燃焼排ガスに含まれる粉末原料を分離する粉末原料分離装置、並びに前記粉末原料分離装置により分離された粉末原料を、前記酸化カルシウムを含む粉末物として前記炭酸化装置に供給するための粉末物供給装置2;
を備えるセメント焼成設備。
続きを表示(約 820 文字)
【請求項2】
前記分取装置が、前記サスペンションプレヒータで予熱及びか焼された粉末原料を、前記ロータリーキルンに供給する粉末原料導管に設けられている請求項1に記載のセメントクリンカの製造方法。
【請求項3】
前記乾燥及び粉砕装置から排出される粉末原料を前記サスペンションプレヒータに供給する粉末原料供給装置、並びに前記炭酸化装置で生成した前記炭酸カルシウムを含む粉末物を、前記乾燥及び粉砕装置から排出される粉末原料と合流させる炭酸化装置生成粉末物搬送装置、をさらに備える請求項1に記載のセメント焼成設備。
【請求項4】
前記炭酸化装置生成粉末物搬送装置により搬送された前記炭酸カルシウムを含む粉末物と、前記乾燥及び粉砕装置から排出される粉末原料との粉末原料混合物を採取する粉末原料混合物採取装置、前記粉末原料混合物採取装置で採取した粉末原料混合物の化学成分を測定する化学成分測定装置、並びに前記化学成分測定装置の測定結果に基づき、前記セメント原料の配合を調整するセメント原料調合装置、をさらに備える請求項3に記載のセメント焼成設備。
【請求項5】
前記炭酸化装置が、流動層式反応装置である請求項1に記載のセメント焼成設備。
【請求項6】
請求項1に記載のセメント焼成設備を用い、以下の(i)~(iii)のいずれかの調整方法により調整する、セメントクリンカの製造方法。
(i)前記サスペンションプレヒータへの粉末原料の供給量の調整
(ii)前記ロータリーキルンへの燃料の供給量の調整
(iii)前記ロータリーキルン燃焼排ガス風路への散水量の調整
【請求項7】
前記調整方法により、前記キルン燃焼排ガス排出口から排出された前記キルン燃焼排ガスの温度を250℃以上600℃以下に調整する、請求項6に記載のセメントクリンカの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、セメント焼成設備及びセメントクリンカの製造方法に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化への関心が高まり、大気中への二酸化炭素の放出量の削減が求められている。発電所、焼却炉、セメント工場、製鉄所、工場設備等の各種設備において、操業により発生する二酸化炭素を含む排ガスの大気中への放出量を低減するために、排ガス中の二酸化炭素を分離回収することが検討されている。とりわけ、セメント工場における二酸化炭素の放出量の削減は重要な課題として捉えられている。
【0003】
一般的なセメント工場の構成としては、例えば特許文献1に開示されている構成、すなわちセメント原料を高温ガスと熱交換して予熱するプレヒータと、セメント原料を焼成してセメントクリンカとするセメント焼成炉と、セメントクリンカと熱交換して高温となった空気の一部をセメント焼成炉のバーナ燃焼用空気として導く冷却装置と、二酸化炭素を吸収する吸収液を貯留した吸収塔及び吸収液を加熱することにより二酸化炭素を揮発させる再生塔と、前記プレヒータからの排ガスを、前記再生塔を経由して加熱源として利用してから前記吸収塔に導く排ガス導入管と、を備えるセメント製造設備が挙げられる。
【0004】
上記サスペンションプレヒータとしては、例えば特許文献2に示される、複数の集塵器により構成される複数の風路の各々に、複数の独立した熱ガスを流し、一方前記複数の集塵器の最上部の集塵器に通じる風路から粉末状物質を投入し、前記集塵器に順次通過させて、最下段の集塵器の下部から排出させる構造を有する加熱装置が知られている。
【0005】
また、特許文献3には、セメントクリンカ原料を予熱するためのサイクロン式予熱装置と、前記予熱されたセメントクリンカ原料を焼成してセメントクリンカを得るロータリーキルンと、前記ロータリーキルンの前流側に配設される、セメントクリンカ原料の脱炭酸を促進するか焼炉と、セメントクリンカ原料を前記予熱装置からか焼炉に供給するための予熱原料供給路と、セメントクリンカを冷却するクリンカクーラと、前記ロータリーキルンで生じる排ガスを、前記予熱装置を経由した後に排出するキルン排ガス排出路と、を含み、前記か焼炉で生じた炭酸ガス含有排ガスを排出するか焼炉排ガス排出路と、酸素濃度を高めた支燃性ガスの供給装置と、前記炭酸ガス含有排ガスから生石灰含有原料を回収する第一の回収手段と、前記第一の回収手段よりも前流側で、前記炭酸ガス含有排ガスと前記支燃性ガスを熱交換するための支燃性ガス供給路と、か焼炉排ガス供給路の第一の回収手段より後流側で、炭酸ガス含有排ガスの一部を支燃性ガスに合流させるか焼炉排ガス供給路と、を含むセメントクリンカ製造システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平9-110485号公報
特開昭55-22322号公報
特開2022-148255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、二酸化炭素の大気への放出量を抑制し、かつセメント原料の効率的な乾燥を行い得る、セメント焼成設備及びセメントクリンカの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、以下のセメント焼成設備を提供する。
1.セメント原料を乾燥及び粉砕して粉末原料とする乾燥及び粉砕装置、
前記粉末原料を予熱及びか焼するサスペンションプレヒータ、
前記予熱及びか焼された粉末原料を焼成し、セメントクリンカとするロータリーキルン、
前記セメントクリンカを冷却するセメントクリンカクーラ、
前記サスペンションプレヒータから排出される燃焼排ガスに含まれる二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収装置、及び
前記サスペンションプレヒータから排出される燃焼排ガスと、酸化カルシウムを含む粉末物と、の反応により炭酸カルシウムを含む粉末物とする炭酸化装置を備え;
前記サスペンションプレヒータは、
前記粉末原料をか焼するか焼炉、
前記か焼炉から排出されるか焼炉燃焼排ガスが通過するか焼炉系風路及び前記ロータリーキルンから排出されるキルン燃焼排ガスが通過するキルン系風路の、互いに異なる二つの風路、
前記か焼炉系風路を通過することで前記粉末原料を予熱及びか焼した前記か焼炉燃焼排ガスを、前記サスペンションプレヒータから排出するか焼炉燃焼排ガス排出口、及び
前記キルン系風路を通過することで前記粉末原料を予熱及びか焼した前記キルン燃焼排ガスを、前記サスペンションプレヒータから排出するキルン燃焼排ガス排出口、
を有するプレヒータであり;
さらに、
前記か焼炉燃焼排ガス排出口から排出された前記か焼炉燃焼排ガスを前記二酸化炭素回収装置に供給するためのか焼炉燃焼排ガス排出風路、
前記キルン燃焼排ガス排出口から排出された前記キルン燃焼排ガスを前記乾燥及び粉砕装置が有する乾燥機器に供給するためのキルン燃焼排ガス排出風路、
前記キルン燃焼排ガス排出風路を通過する前記キルン燃焼排ガスを、前記炭酸化装置に供給するための炭酸化装置給気風路、及び
前記炭酸化装置から排出された前記キルン燃焼排ガスを、前記キルン燃焼排ガス排出風路に供給するための炭酸化装置排気風路、
の排ガス風路;
前記サスペンションプレヒータから前記予熱及びか焼された粉末原料を分取する分取装置、並びに前記分取装置により分取された粉末原料を、前記酸化カルシウムを含む粉末物として前記炭酸化装置に供給するための粉末物供給装置1;並びに
前記サスペンションプレヒータのキルン系風路の最下段のサイクロン集塵器に供給される前に前記キルン燃焼排ガスを抽気する抽気装置、前記抽気装置により抽気されたキルン燃焼排ガスに含まれる粉末原料を分離する粉末原料分離装置、並びに前記粉末原料分離装置により分離された粉末原料を、前記酸化カルシウムを含む粉末物として前記炭酸化装置に供給するための粉末物供給装置2;
を備えるセメント焼成設備。
【0009】
本発明は、以下のセメント焼成設備を、好ましい実施態様として提供する。
2.前記分取装置が、前記サスペンションプレヒータで予熱及びか焼された粉末原料を、前記ロータリーキルンに供給する粉末原料導管に設けられている上記1に記載のセメントクリンカの製造方法。
3.前記乾燥及び粉砕装置から排出される粉末原料を前記サスペンションプレヒータに供給する粉末原料供給装置、並びに前記炭酸化装置で生成した前記炭酸カルシウムを含む粉末物を、前記乾燥及び粉砕装置から排出される粉末原料と合流させる炭酸化装置生成粉末物搬送装置、をさらに備える上記1又は2に記載のセメント焼成設備。
4.前記炭酸化装置生成粉末物搬送装置により搬送された前記炭酸カルシウムを含む粉末物と、前記乾燥及び粉砕装置から排出される粉末原料との粉末原料混合物を採取する粉末原料混合物採取装置、前記粉末原料混合物採取装置で採取した粉末原料混合物の化学成分を測定する化学成分測定装置、並びに前記化学成分測定装置の測定結果に基づき、前記セメント原料の配合を調整するセメント原料調合装置、をさらに備える上記3に記載のセメント焼成設備。
5.前記炭酸化装置が、流動層式反応装置である上記1~4のいずれか一に記載のセメント焼成設備。
【0010】
また、本発明は、以下のセメントクリンカの製造方法を提供する。
6.上記1~5のいずれか一に記載のセメント焼成設備を用い、以下の(i)~(iii)のいずれかの条件により調整する、セメントクリンカの製造方法。
(i)前記サスペンションプレヒータへの粉末原料の供給量の調整
(ii)前記ロータリーキルンへの燃料の供給量の調整
(iii)前記キルン燃焼排ガス排出風路への散水量の調整
7.前記条件により、前記キルン燃焼排ガス排出口から排出された前記キルン燃焼排ガスの温度を250℃以上600℃以下に調整する、上記6に記載のセメントクリンカの製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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