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公開番号2025119431
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-14
出願番号2024014313
出願日2024-02-01
発明の名称窓箔自動交換装置
出願人株式会社特殊金属エクセル
代理人弁理士法人スズエ国際特許事務所
主分類G21K 5/00 20060101AFI20250806BHJP(核物理;核工学)
要約【課題】電子線照射装置において電子線が照射される真空チャンバの窓箔を自動的に交換することが可能な窓箔自動交換装置を提供する。
【解決手段】窓箔自動交換装置1は、電子線照射装置10の窓箔3を巻き取るとともに巻き出して窓箔を交換する窓箔交換機構2を備える。窓箔交換機構は、窓箔の巻取ロール21と、窓箔の巻出ロール22と、レベリングロール23と、窓箔交換制御部24とを有する。窓箔交換制御部は、窓箔を透過して被照射物に照射される電子線の累積照射量に応じて、巻取ロールでの窓箔の巻取長さおよび巻出ロールでの窓箔の巻出長さを制御する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
被照射物に照射される電子線が通過する真空のチャンバ部と、前記チャンバ部の開口部を閉塞して前記チャンバ部の内部から外部に前記電子線を透過させる窓箔と、を備えた電子線照射装置において前記窓箔を交換するための装置であって、
前記窓箔を巻き取るとともに巻き出して前記窓箔を交換する窓箔交換機構を備え、
前記窓箔交換機構は、
前記窓箔を巻き取る巻取ロールと、
前記窓箔を巻き出す巻出ロールと、
前記巻取ロールと前記巻出ロールとの間で、前記電子線の透過方向における前記窓箔の位置を一定に保つレベリングロールと、
前記窓箔を透過して前記被照射物に照射される前記電子線の累積照射量に応じて、前記巻取ロールでの前記窓箔の巻取長さおよび前記巻出ロールでの前記窓箔の巻出長さを制御する窓箔交換制御部と、を有することを特徴とする
窓箔自動交換装置。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記窓箔交換機構が前記窓箔を交換する際に前記チャンバ部の真空状態を維持するための真空維持機構をさらに備え、
前記真空維持機構は、
直列に配置された少なくとも一つの永久磁石と、
少なくとも一つの前記永久磁石の各々の磁極面に磁力で吸着された第1の磁性部材と、
隣り合う前記第1の磁性部材同士の間に介在する非磁性部材と、
前記電子線の透過方向における前記第1の磁性部材の一端部に磁性流体を供給する磁性流体サーバと、
前記窓箔を挟んで前記磁性流体とは反対側に配置され、前記窓箔と接触する第2の磁性部材と、を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の窓箔自動交換装置。
【請求項3】
前記真空維持機構は、前記窓箔が交換される際、該窓箔を冷却する窓箔冷却部を有し、
窓箔交換制御部は、前記窓箔が交換される際、前記窓箔が前記窓箔冷却部によって所定温度まで冷却可能に、前記巻取ロールの前記窓箔の巻き取りおよび前記巻出ロールの前記窓箔の巻き出しを制御する
ことを特徴とする請求項2に記載の窓箔自動交換装置。
【請求項4】
前記真空維持機構は、前記第2の磁性部材における前記窓箔との接触側とは反対側に配置され、前記窓箔および前記第2の磁性部材を介して磁力により前記磁性流体を引き付ける電磁石を有する
ことを特徴とする請求項2に記載の窓箔自動交換装置。
【請求項5】
前記真空維持機構は、前記チャンバ部が真空状態とされる際の排気経路および前記チャンバ部が前記真空状態から大気開放される際のパージガスの充填経路に配置されるフィルタを有する
ことを特徴とする請求項2に記載の窓箔自動交換装置。
【請求項6】
前記窓箔は、β型チタン合金からなり、
前記β型チタン合金は、チタン(Ti)にモリブデン(Mo)当量を10[wt%]以上含有する合金であり、
前記Mo当量は、Mo+0.67×V+0.44×W+0.28×Nb+0.22×Ta+2.9×Fe+1.6×Cr-1.0×Al[wt%]なる関係式で表される
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の窓箔自動交換装置。
【請求項7】
前記窓箔交換制御部は、
前記電子線の前記累積照射量が所定の閾値を超えた場合、前記巻取ロールの前記窓箔の巻き取りおよび前記巻出ロール前記窓箔の巻き出しを制御する主制御部と、
前記巻出ロールにおける前記窓箔の累積巻出量を検出するロール監視部と、
前記ロール監視部によって検出された前記窓箔の累積巻出量に基づいて、前記巻出ロールに関する情報を報知する報知部と、を有する
ことを特徴とする請求項6に記載の窓箔自動交換装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、窓箔自動交換装置に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
電子線照射装置は、電子を高真空中で高電圧により加速させた後、加速電子を大気中に取り出し、該加速電子が持つエネルギーを物質に与え、様々な反応を引き起こす(特許文献1および特許文献2参照)。このような電子線照射処理は、通常の化学反応で用いる熱エネルギーと比較してエネルギー利用率が高く、反応促進剤などの添加物が不要で、かつ低温で効果が得られるという特徴がある。また、電子線は、放射線の一種であるが電源のON/OFFで放射線の発生を制御できるなど、取り扱いが容易で安全性が高い。さらに、単位時間あたりの物質に与えるエネルギーは、同様の現象を起こすことができるガンマ線と比較すると桁違いに大きい。そのため、連続生産性が高く、特に滅菌および印刷の分野での工業的利用が積極的になされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2010-8386号公報
特許第7153783号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
連続生産性が高く積極的に工業利用がなされている電子線照射装置ではあるが、真空チャンバの窓箔は、電子線照射によりダメージを受け、ある照射量で新品に交換する必要がある。窓箔は、照射された電子を透過しつつ、真空チャンバの高真空を維持する役割を担う部材である。窓箔を交換する際には、真空チャンバを高真空の状態から大気圧に戻す必要がある。このため、窓箔の交換時には生産ラインを停止させなければならず、生産性の低下を招くという問題があった。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するため、電子線照射装置において電子線が照射される真空チャンバの窓箔を自動的に交換することが可能な窓箔自動交換装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係る窓箔自動交換装置は、被照射物に照射される電子線が通過する真空のチャンバ部と、前記チャンバ部の開口部を閉塞して前記チャンバ部の内部から外部に前記電子線を透過させる窓箔と、を備えた電子線照射装置において前記窓箔を交換する。前記窓箔自動交換装置は、前記窓箔を巻き取るとともに巻き出して前記窓箔を交換する窓箔交換機構を備える。前記窓箔交換機構は、巻取ロールと、巻出ロールと、レベリングロールと、窓箔交換制御部と、を有する。前記巻取ロールは、前記窓箔を巻き取る。前記巻出ロールは、前記窓箔を巻き出す。前記レベリングロールは、前記巻取ロールと前記巻出ロールとの間で、前記電子線の透過方向における前記窓箔の位置を一定に保つ。前記窓箔交換制御部は、前記窓箔を透過して前記被照射物に照射される前記電子線の累積照射量に応じて、前記巻取ロールでの前記窓箔の巻取長さおよび前記巻出ロールでの前記窓箔の巻出長さを制御する。
【0007】
前記窓箔自動交換装置は、前記窓箔交換機構が前記窓箔を交換する際に前記チャンバ部の真空状態を維持するための真空維持機構をさらに備える。前記真空維持機構は、少なくとも一つの永久磁石と、第1の磁性部材と、非磁性部材と、磁性流体サーバと、第2の磁性部材と、を有する。少なくとも一つの前記永久磁石は、直列に配置される。前記第1の磁性部材は、少なくとも一つの前記永久磁石の各々の磁極面に磁力で吸着される。前記非磁性部材は、隣り合う前記第1の磁性部材同士の間に介在する。前記磁性流体サーバは、前記電子線の透過方向における前記第1の磁性部材の一端部に磁性流体を供給する。前記第2の磁性部材は、前記窓箔を挟んで前記磁性流体とは反対側に配置され、前記窓箔と接触する。
【0008】
前記真空維持機構は、前記窓箔が交換される際、該窓箔を冷却する窓箔冷却部を有する。窓箔交換制御部は、前記窓箔が交換される際、前記窓箔が前記窓箔冷却部によって所定温度まで冷却可能に、前記巻取ロールの前記窓箔の巻き取りおよび前記巻出ロールの前記窓箔の巻き出しを制御する。
前記真空維持機構は、前記第2の磁性部材における前記窓箔との接触側とは反対側に配置され、前記窓箔および前記第2の磁性部材を介して磁力により前記磁性流体を引き付ける電磁石を有する。
前記真空維持機構は、前記チャンバ部が真空状態とされる際の排気経路および前記チャンバ部が前記真空状態から大気開放される際のパージガスの充填経路に配置されるフィルタを有する。
【0009】
前記窓箔は、β型チタン合金からなる。前記β型チタン合金は、チタン(Ti)にモリブデン(Mo)当量を10[wt%]以上含有する合金である。前記Mo当量は、Mo+0.67×V+0.44×W+0.28×Nb+0.22×Ta+2.9×Fe+1.6×Cr-1.0×Al[wt%]なる関係式で表される。
【0010】
前記窓箔交換制御部は、主制御部と、ロール監視部と、報知部と、を有する。前記電子線の前記累積照射量が所定の閾値を超えた場合、前記巻取ロールの前記窓箔の巻き取りおよび前記巻出ロール前記窓箔の巻き出しを制御する。前記ロール監視部は、前記巻出ロールにおける前記窓箔の累積巻出量を検出する。前記報知部は、前記ロール監視部によって検出された前記窓箔の累積巻出量に基づいて、前記巻出ロールに関する情報を報知する。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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