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公開番号
2025121429
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-20
出願番号
2024016762
出願日
2024-02-07
発明の名称
燃料油組成物
出願人
出光興産株式会社
代理人
弁理士法人大谷特許事務所
主分類
C10L
1/02 20060101AFI20250813BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約
【課題】脂肪酸アルキルエステルを含有することで優れた燃焼性能及び超低硫黄で優れた環境性能を有するとともに、優れた貯蔵安定性能をも有する燃料油組成物を提供する。
【解決手段】特定の性状を有する脂肪酸アルキルエステル及び分解軽油留分を、組成物全量基準の含有量として各々15.0容量%以上35.0容量%以下、2.5容量%以上20.0容量%未満で含み、(1)15℃における密度が0.8600g/cm
3
以上0.8800g/cm
3
以下、(2)50℃における動粘度が2.000mm
2
/s以上4.500mm
2
/s以下、(3)硫黄分含有量が0.100質量%以下、(4)3環以上の芳香族分含有量が2.1容量%以上、及び(5)10%残油の残留炭素分が0.21質量%以上0. 質量%以下をいずれも満足する燃料油組成物及びその製造方法である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記(a
1
)~(a
3
)をいずれも満足する脂肪酸アルキルエステルと、分解軽油留分と、を含み、前記脂肪酸アルキルエステルが、炭素数8以上22以下の脂肪酸と炭素数1以上4以下のアルキルアルコールとのエステルであり、前記脂肪酸アルキルエステルの組成物全量基準の含有量が15.0容量%以上35.0容量%以下であり、前記分解軽油留分の組成物全量基準の含有量が2.5容量%以上20.0容量%未満である、下記(1)~(5)をいずれも満足する燃料油組成物。
(a
1
)セタン価が49.0以上
(a
2
)酸価が0.50mgKOH/g以下
(a
3
)10%残油の残留炭素分が0.80質量%以上1.50質量%以下
(1)15℃における密度が0.8600g/cm
3
以上0.8800g/cm
3
以下
(2)50℃における動粘度が2.000mm
2
/s以上4.500mm
2
/s以下
(3)硫黄分含有量が0.100質量%以下
(4)3環以上の芳香族分含有量が2.1容量%以上
(5)10%残油の残留炭素分が0.21質量%以上0.60質量%以下
続きを表示(約 1,700 文字)
【請求項2】
前記分解軽油留分が、下記(b
1
)~(b
4
)をいずれも満足する請求項1に記載の燃料油組成物。
(b
1
)50℃における動粘度が1.700mm
2
/s以上3.600mm
2
/s以下
(b
2
)硫黄分含有量が0.400質量%以下
(b
3
)芳香族分含有量が50.0容量%以上
(b
4
)3環以上の芳香族分含有量が5.0容量%以上
【請求項3】
前記脂肪酸アルキルエステルが、脂肪酸メチルエステルである請求項1又は2に記載の燃料油組成物。
【請求項4】
前記脂肪酸が、炭素数8以上22以下の脂肪酸を二種以上含む混合脂肪酸である請求項1又は2に記載の燃料油組成物。
【請求項5】
前記混合脂肪酸が、動物油及び植物油から選ばれる少なくとも一種の原料から得られるものである請求項4に記載の燃料油組成物。
【請求項6】
前記原料が、廃食用油である請求項5に記載の燃料油組成物。
【請求項7】
さらに、下記(c
1
)~(c
4
)をいずれも満足する灯油留分を含有する請求項1又は2に記載の燃料油組成物。
(c
1
)50℃における動粘度が0.945mm
2
/s以上1.150mm
2
/s以下
(c
2
)硫黄分含有量が3.0質量ppm以上100.0質量ppm以下
(c
3
)芳香族分含有量が15.0容量%以上
(c
4
)3環以上の芳香族分含有量が0.5容量%以下
【請求項8】
内燃機に用いられる請求項1又は2に記載の燃料油組成物。
【請求項9】
炭素数8以上22以下の脂肪酸と炭素数1以上4以下のアルキルアルコールとのエステルであり、下記(a
1
)~(a
3
)をいずれも満足する脂肪酸アルキルエステルと、分解軽油留分とを、前記脂肪酸アルキルエステルの組成物全量基準の含有量が15.0容量%以上35.0容量%以下、前記分解軽油留分の組成物全量基準の含有量が2.5容量%以上20.0容量%未満となるように混合する、下記(1)~(5)をいずれも満足する燃料油組成物の製造方法。
(a
1
)セタン価が49.0以上
(a
2
)酸価が0.50mgKOH/g以下
(a
3
)10%残油の残留炭素分が0.80質量%以上1.50質量%以下
(1)15℃における密度が0.8600g/cm
3
以上0.8800g/cm
3
以下
(2)50℃における動粘度が2.000mm
2
/s以上4.500mm
2
/s以下
(3)硫黄分含有量が0.100質量%以下
(4)3環以上の芳香族分含有量が2.1容量%以上
(5)10%残油の残留炭素分が0.21質量%以上0.60質量%以下
【請求項10】
前記分解軽油留分が、下記(b
1
)~(b
4
)をいずれも満足する請求項9に記載の燃料油組成物の製造方法。
(b
1
)50℃における動粘度が1.700mm
2
/s以上3.600mm
2
/s以下
(b
2
)硫黄分含有量が0.400質量%以下
(b
3
)芳香族分含有量が50.0容量%以上
(b
4
)3環以上の芳香族分含有量が5.0容量%以上
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料油組成物に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
JIS K2205:1991の1種重油(以下、「A重油」とも称する。)、とりわけJIS K2205:1991の1種1号重油(以下「低硫黄A重油」とも称する。)は、灯油、軽油等と比べて単位体積当たりの発熱量が高く、燃料油使用量(体積)を低減することができ、またC重油(JIS K2205:1991の3種重油)と比べて硫黄分、窒素分、残留炭素分が少ないことから、環境負荷が小さいものである。さらにC重油とは異なり、加熱する必要がなく、常温で貯蔵及び使用が可能であり、かつ供給安定性にも優れていることから、船舶用ディーゼルエンジン等の内燃機の燃料油として、また発電用ボイラ等の外燃機の燃料油として広く使用されている。
【0003】
船舶用の燃料油としては、ISO8217「Petroleum products-Fuels(class F)-Specification of marine fuels」を満足する燃料油等が知られている。そしてISO8217:2017では、脂肪酸メチルエステル(FAME)の最大含有量が7容量%以下の船舶留出油に関する追加規定(DFグレード:DFA、DFZ及びDFB)が追加された。脂肪酸メチルエステル(FAME)が含まれる燃料油組成物としては、例えば特許文献1~3に記載される組成物が知られている。上記特許文献1~3には、例えばミリスチン酸メチルエステル等の脂肪酸メチルエステルを含む菜種油のメチルエステル化物を、5~100容量%の含有量で含有する記載される内燃機用燃料油組成物及び外燃機用燃料油組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2007-231119号公報
特開2007-231120号公報
特開2007-231121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1~3に記載される燃料油組成物に含まれる脂肪酸メチルエステル(FAME)等の脂肪酸アルキルエステルは、燃焼性能が高いことから、燃料油としての使用の検討が進んでいる基油の一つである。また、脂肪酸アルキルエステルとして動植物由来のものを使用する場合、二酸化炭素の排出が削減されることとなるため、二酸化炭素の排出削減による地球温暖化の抑制に寄与することができ、環境保護の観点から極めて有用である。よって、脂肪酸メチルエステル(FAME)等の脂肪酸アルキルエステルを基油として用いることで、燃焼性能の向上が期待でき、さらに動植物由来の脂肪酸アルキルエステルを採用すると、環境保護に寄与する基油となり得る。
【0006】
脂肪酸アルキルエステルは、燃焼性能が高いことから、これを用いた燃料油組成物の燃焼性能を向上させることができる。また、脂肪酸アルキルエステルは、硫黄分含有量が少ないことから、これを用いた燃料油組成物の硫黄分含有量を低減しやすく、0.1質量%以下と超低硫黄とし、環境性能を向上させることができる。脂肪酸アルキルエステルは、このような特長を有することから、燃料油組成物に用いられる基材として優れた基材の一つである。他方、常温で貯蔵した後の使用に際し、燃料油フィルタの閉塞が生じることで、燃料油フィルタの通油性能が低下する場合がある。そのため、脂肪酸アルキルエステルを基材として用いる燃料油組成物において、燃焼性能及び超低硫黄による環境性能と、常温貯蔵後の通油性能(以下「貯蔵安定性能」とも称する。)と、は二律背反の関係にあるといえる。
【0007】
ところで、船舶に用いられる燃料油組成物、とりわけ船舶のディーゼルエンジン等に燃料油組成物を用いる場合、通常使用時にアスファルテンの凝集によるスラッジの生成等により燃料油フィルタの閉塞を生じやすく、閉塞の頻度が高くなりやすい。そして、船舶内の燃料油タンク等で長期貯蔵した後に使用すると、スラッジが生成しやすくなり、閉塞の頻度はより高くなる傾向にある。
【0008】
船舶用の燃料油組成物として、既述のISO8217を満足する燃料油等が知られているが、燃料油フィルタの閉塞が生じる場合がある。閉塞の頻度を低減する手法として、潜在セジメント(Total sediment aged、ISO 10307-2)を0.10質量%以下とする手法、実在セジメント(Total sediment by hot filtration、ISO 10307-1)を0.10質量%以下とする手法等が知られている。しかし、船舶用の燃料油、特に留出油については、常温貯蔵後の燃料油フィルタにおける通油性能が十分とはいえず、閉塞の頻度をより低減し得る、すなわち、貯蔵安定性能に優れる燃料油組成物が求められている。
【0009】
また、国内において、船舶用の燃料油組成物としては、全漁連漁船用燃料油規格において漁船用A重油の閉塞の頻度を低減するべく、水でい分、ドライスラッジを所定含有量以下とすることが知られている。このように、国内外において用いられる船舶用の燃料油組成物には、閉塞の頻度をより低減することが求められるようになっており、通油性能に関する要求は年々厳しくなっている。
【0010】
上記の特許文献1~3に記載される燃料油組成物は、排気ガス中の未燃物質(煙)及び粒子状物質(PM)の低減、発熱量の向上及び燃焼排出ガス中の煤濃度の低減、並びに硫黄分の低減及び残留炭素付与剤の配合に起因したスラッジ安定性の向上、に着目されている。しかし、燃焼性能の向上だけでなく、常温貯蔵後の通油性能(貯蔵安定性能)の向上をも図ることについては着目されておらず、特に通油性能(貯蔵安定性能)については改善の余地がある。また、ISO8217では、脂肪酸メチルエステル(FAME)の含有量が7容量%以下の船舶留出油についての規格は設けられているが、7容量%を超える低硫黄A重油については何らの言及はない。そして、脂肪酸メチルエステル(FAME)等の脂肪酸アルキルエステルの含有量が7容量%を超える低硫黄A重油については、常温で貯蔵した後の使用に際し、燃料油フィルタの閉塞を生じやすく、燃料油フィルタの通油性能(貯蔵安定性能)に優れているとまではいえない。そのため、常温貯蔵後の使用に際して、燃料油フィルタの閉塞頻度の低減による通油性能(貯蔵安定性能)の向上について、更なる改良が求められている。
(【0011】以降は省略されています)
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