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公開番号2025131943
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-10
出願番号2022092448
出願日2022-06-07
発明の名称有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器
出願人出光興産株式会社
代理人弁理士法人樹之下知的財産事務所
主分類H05B 33/12 20060101AFI20250903BHJP(他に分類されない電気技術)
要約【課題】発光効率が向上した有機EL素子の提供。
【解決手段】第一の発光層及び第二の発光層を含み、第一の発光層は、第一のホスト材料及び第一の発光性化合物を含有し、第二の発光層は、第二のホスト材料及び第二の発光性化合物を含有し、第一のホスト材料と第二のホスト材料とは、互いに異なり、第一の発光性化合物と第二の発光性化合物とは、互いに同一であるか又は異なり、第一のホスト材料の三重項エネルギーT1(H1)と第二のホスト材料の三重項エネルギーT1(H2)とが、下記数式(数1)の関係を満たし、第一の発光性化合物は、第一の膜において、第一の配向性(σ1)を示し、第二の発光性化合物は、第二の膜において、第二の配向性(σ2)を示し、第二の配向性(σ2)に対する第一の配向性(σ1)の比が、下記数式(数2)の関係を満たす、有機EL素子。
T1(H1)>T1(H2) …(数1)
σ12≧0.9 …(数2)
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
陽極と、
陰極と、
前記陽極及び前記陰極との間に配置された発光領域と、を有し、
前記発光領域は、第一の発光層と、第二の発光層と、を含み、
前記第一の発光層は、第一のホスト材料及び第一の発光性化合物を含有し、
前記第二の発光層は、第二のホスト材料及び第二の発光性化合物を含有し、
前記第一のホスト材料と前記第二のホスト材料とは、互いに異なり、
前記第一の発光性化合物と前記第二の発光性化合物とは、互いに同一であるか又は異なり、
前記第一のホスト材料の三重項エネルギーT

(H1)と前記第二のホスト材料の三重項エネルギーT

(H2)とが、下記数式(数1)の関係を満たし、
前記第一の発光性化合物は、前記第一のホスト材料及び前記第一の発光性化合物を含有する第一の膜において、第一の配向性(σ

)を示し、
前記第二の発光性化合物は、前記第二のホスト材料及び前記第二の発光性化合物を含有する第二の膜において、第二の配向性(σ

)を示し、
前記第二の配向性(σ

)に対する前記第一の配向性(σ

)の比が、下記数式(数2)の関係を満たす、
有機エレクトロルミネッセンス素子。


(H1)>T

(H2) …(数1)
σ

/σ

≧0.9 …(数2)
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記第一の配向性(σ

)が、0.80以上である、
請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項3】
前記第二の配向性(σ

)が、0.90以上である、
請求項1又は請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項4】
前記第一の膜のPLスペクトルの最大のピーク波長λ1及び半値幅FWHM1、並びに前記第二の膜のPLスペクトルの最大のピーク波長λ2及び半値幅FWHM2が、下記数式(数20)及び(数30)を満たす、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
|λ1-λ2| ≦ 3nm …(数20)
|FWHM1-FWHM2| ≦ 2nm …(数30)
【請求項5】
前記第一の発光層は、前記陽極と前記第二の発光層との間に配置されている、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項6】
前記第一の発光層と前記第二の発光層とが、直接、接している、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項7】
前記第一の発光性化合物の三重項エネルギーT

(D1)と、前記第一のホスト材料の三重項エネルギーT

(H1)とが下記数式(数3)の関係を満たす、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。


(D1)>T

(H1) …(数3)
【請求項8】
前記第一のホスト材料の一重項エネルギーS

(H1)と前記第一の発光性化合物の一重項エネルギーS

(D1)とが、下記数式(数4)の関係を満たす、
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。


(H1)>S

(D1) …(数4)
【請求項9】
前記第二の発光性化合物の三重項エネルギーT

(D2)と、前記第二のホスト材料の三重項エネルギーT

(H2)とが下記数式(数5)の関係を満たす、
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。


(D2)>T

(H2) …(数5)
【請求項10】
前記第二のホスト材料の一重項エネルギーS

(H2)と前記第二の発光性化合物の一重項エネルギーS

(D2)とが、下記数式(数6)の関係を満たす、
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。


(H2)>S

(D2) …(数6)
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」という場合がある。)は、携帯電話及びテレビ等のフルカラーディスプレイへ応用されている。有機EL素子に電圧を印加すると、陽極から正孔が発光層に注入され、また陰極から電子が発光層に注入される。そして、発光層において、注入された正孔と電子とが再結合し、励起子が形成される。このとき、電子スピンの統計則により、一重項励起子が25%の割合で生成し、及び三重項励起子が75%の割合で生成する。
有機EL素子の性能向上を図るため、例えば、特許文献1には、有機EL素子に用いる化合物について様々な検討がなされている。
有機EL素子の性能としては、例えば、輝度、発光波長、色度、発光効率、駆動電圧、及び寿命が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2021/210305号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的の一つは、性能が向上した有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することである。また、本発明の別の目的の一つは、発光効率が向上した有機エレクトロルミネッセンス素子を提供すること、及び当該有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、有機エレクトロルミネッセンス素子であって、陽極と、陰極と、前記陽極及び前記陰極との間に配置された発光領域と、を有し、前記発光領域は、第一の発光層と、第二の発光層と、を含み、前記第一の発光層は、第一のホスト材料及び第一の発光性化合物を含有し、前記第二の発光層は、第二のホスト材料及び第二の発光性化合物を含有し、前記第一のホスト材料と前記第二のホスト材料とは、互いに異なり、前記第一の発光性化合物と前記第二の発光性化合物とは、互いに同一であるか又は異なり、前記第一のホスト材料の三重項エネルギーT1(H1)と前記第二のホスト材料の三重項エネルギーT1(H2)とが、下記数式(数1)の関係を満たし、前記第一の発光性化合物は、前記第一のホスト材料及び前記第一の発光性化合物を含有する第一の膜において、第一の配向性(σ1)を示し、前記第二の発光性化合物は、前記第二のホスト材料及び前記第二の発光性化合物を含有する第二の膜において、第二の配向性(σ2)を示し、前記第二の配向性(σ2)に対する前記第一の配向性(σ1)の比が、下記数式(数2)の関係を満たす、有機エレクトロルミネッセンス素子が提供される。
T1(H1)>T1(H2) …(数1)
σ1/σ2≧0.9 …(数2)
【0006】
本発明の一態様によれば、前述の本発明の一態様に係る有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した電子機器が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、性能が向上した有機エレクトロルミネッセンス素子を提供できる。また、本発明の一態様によれば、発光効率が向上した有機エレクトロルミネッセンス素子を提供できる。また、本発明の一態様によれば、当該有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した電子機器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の一実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の一例の概略構成を示す図である。
本発明の一実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の別の一例の概略構成を示す図である。
第一の配向性、及び第二の配向性の測定方法を説明する説明図である。
第一の配向性、及び第二の配向性の測定方法を説明する説明図である。
第一の配向性、及び第二の配向性の測定方法を説明する説明図である。
第一の配向性、及び第二の配向性の測定方法に用いる装置の一例を表す模式図である。
PLスペクトルの465nmにおけるp偏光PL強度の角度依存性の一例を表すグラフである。
過渡EL波形の測定系を示す図である。
TTF由来の発光強度比の測定方法を示す図であり、EL素子の発光強度の時間変化を示すグラフである。
TTF由来の発光強度比の測定方法を示す図であり、光強度の平方根の逆数の時間変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[定義]
本明細書において、水素原子とは、中性子数が異なる同位体、即ち、軽水素(protium)、重水素(deuterium)、及び三重水素(tritium)を包含する。
【0010】
本明細書において、化学構造式中、「R」等の記号や重水素原子を表す「D」が明示されていない結合可能位置には、水素原子、即ち、軽水素原子、重水素原子、又は三重水素原子が結合しているものとする。
(【0011】以降は省略されています)

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