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公開番号2025123148
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-22
出願番号2024019059
出願日2024-02-12
発明の名称接合構造の非破壊評価方法
出願人株式会社豊田中央研究所
代理人個人,個人,個人
主分類G01N 29/11 20060101AFI20250815BHJP(測定;試験)
要約【課題】薄板の接着層に生じる亀裂を非破壊で簡便に評価できる方法を提供する。
【解決手段】本発明は、第1薄板部(1)と第2薄板部(2)を接着した接合体(M)の接着層(3)に生じる亀裂を、非破壊で評価する方法である。第1薄板部へ斜め方向に超音波(W1)を送信する送信ステップと、超音波が接着層を経由して伝播したラム波(L2、W2)を第2薄板部から斜め方向に受信する受信ステップと、ラム波の振幅に基づいて接着層に現れた亀裂を評価する評価ステップとを備える。評価ステップは、例えば、その振幅の低下率が大きいほど、接着層に生じた亀裂を大きく評価する。薄板部は、金属、樹脂、複合材等のいずれでもよい。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
重ねた第1薄板部と第2薄板部が対面する被接合面間にある接着層で接合されてなる接合構造の非破壊評価方法であって、
該第1薄板部へ斜め方向に超音波を送信する送信ステップと、
該超音波が該接着層を経由して伝播したラム波(Lamb wave)を該第2薄板部から斜め方向に受信する受信ステップと、
該ラム波の振幅に基づいて該接着層に現れた亀裂を評価する評価ステップとを備え、
該評価ステップは、該振幅が基準振幅に対して低下するほど該亀裂を大きく評価する接合構造の非破壊評価方法。
続きを表示(約 540 文字)【請求項2】
前記送信ステップおよび前記受信ステップは、前記第1薄板部および前記第2薄板部に非接触状態でなされる請求項1に記載の接合構造の非破壊評価方法。
【請求項3】
前記超音波の送信と前記ラム波の受信は、前記接合構造の一方側からなされる請求項1または2に記載の接合構造の非破壊評価方法。
【請求項4】
前記第1薄板部へ前記超音波を送信する角度と前記第2薄板部から前記ラム波を受信する角度は略等しい請求項3に記載の接合構造の非破壊評価方法。
【請求項5】
前記第1薄板部および/または前記第2薄板部は、金属、樹脂または複合材からなる請求項1に記載の接合構造の非破壊評価方法。
【請求項6】
前記第1薄板部と前記第2薄板部は、板厚が0.5~10mmであり、
前記超音波の周波数は、0.1~5MHzである請求項1または5に記載の接合構造の非破壊評価方法。
【請求項7】
前記接着層は、樹脂層である請求項1に記載の接合構造の非破壊評価方法。
【請求項8】
前記亀裂は、前記接合構造に印加される負荷により発生または進展する請求項1に記載の接合構造の非破壊評価方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、接合構造の非破壊評価方法等に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
板材の接着状態を、超音波が励起(共振)して得られる被導波(ガイド波/guided wave)の一種である板波(ラム波/Lamb wave)を用いて非破壊で評価する方法が提案されている。これに関連する記載が、例えば、下記の特許文献にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開昭63-177055
特開昭63-175762
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、コンクリート心材に鋼板を接着した床材へ、その鋼板に接触させたタイヤ型探触子から超音波を入射し、床材端面で検出した板波の反射エコーの有無により、鋼板とコンクリート心材の接着状態の良否を判定している。具体的にいうと、超音波を入射した鋼板自体内で板波が生じるか否かを検出し、板波の反射エコーが検出されないと良好な接着状態と判定している。これは、コンクリート心材は超音波の波長に対して十分に大きいため、接着状態が良好なら鋼板内で超音波が励起されず板波も生じないことを利用している。
【0005】
特許文献2は、フランジとコアが接着されたハニカム・サンドウィッチパネルへ、そのフランジに当接させた探触子から超音波を発信し、フランジとコアの接着部を複数回経由したコアの透過波を別なフランジから受信して、その透過波のエコー高さに基づいてフランジとコアの接着部における接着状態(接着長さ)を検査している。このような方法では、接着不良な接着部を特定したり、特定の接着部について接着状態を定量的に評価することができない。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、薄板部間の接着状態を評価できる新たな評価方法等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者が鋭意研究した結果、薄板同士の接着界面に生じる亀裂の発生や進展は、漏洩ラム波の振幅に基づいて評価できることを新たに見出した。この成果を発展させることにより、以降に述べる本発明を完成させるに至った。
【0008】
《接合構造の非破壊評価方法》
本発明は、重ねた第1薄板部と第2薄板部が対面する被接合面間にある接着層で接合されてなる接合構造の非破壊評価方法であって、該第1薄板部へ斜め方向に超音波を送信する送信ステップと、該超音波が該接着層を経由して伝播したラム波(Lamb wave)を該第2薄板部から斜め方向に受信する受信ステップと、該ラム波の振幅に基づいて該接着層に現れた亀裂を評価する評価ステップとを備え、該評価ステップは、該振幅が基準振幅に対して低下するほど該亀裂を大きく評価する接合構造の非破壊評価方法である。
【0009】
本発明の接合構造の非破壊評価方法(単に「評価方法」という。)によれば、薄板部同士の接着層(接着界面)に生じ得る亀裂の有無や程度(亀裂長さ等)を、簡便に精度よく検査、モニタリング等することができる。例えば、本発明の評価方法によれば、薄板部間の接着層で亀裂が経時的に進展していく状況を、リアルタイムでモニタリングすることも可能になる。
【0010】
《評価装置》
本発明は、評価方法のみならず評価装置としても把握される。例えば、本発明は、重ねた第1薄板部と第2薄板部が対面する被接合面間にある接着層で接合されてなる接合構造の非破壊評価装置であって、該第1薄板部へ斜め方向に超音波を送信する送信手段と、該超音波が該接着層を経由して伝播したラム波(Lamb wave)を該第2薄板部から斜め方向に受信する受信手段と、該ラム波の振幅に基づいて該接着層に現れた亀裂を評価する評価手段とを備え、該評価ステップは、該振幅が基準振幅に対して低下するほど該亀裂を大きく評価する接合構造の非破壊評価装置でもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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