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公開番号2025128464
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-03
出願番号2024025101
出願日2024-02-22
発明の名称リン除去回収方法、及び、リン除去回収剤の製造方法
出願人国立大学法人秋田大学,東北電力株式会社
代理人個人,個人
主分類C02F 1/58 20230101AFI20250827BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】カルシウムの含有割合を大きくし、リンの除去回収量を多くすることができるリン除去回収方法、及び、リン除去回収剤の製造方法を提供する。
【解決手段】リン酸を含む被処理水にリン除去回収剤を接触させて、難溶性リン化合物を反応生成させることにより、被処理水からリンを除去回収する。リン除去回収剤としては、カルシウムを成分として含む燃焼灰に炭素源を混合し、塩素含有雰囲気中において、ケイ素及びアルミニウムが塩化物として揮発し、かつ、カルシウムが塩化物として揮発しない温度で加熱処理した後の残渣物を用いる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
リン酸を含む被処理水にリン除去回収剤を接触させて、難溶性リン化合物を反応生成させることにより、前記被処理水からリン(P)を除去回収する方法であって、
前記リン除去回収剤として、カルシウム(Ca)を成分として含む燃焼灰に炭素源を混合し、塩素含有雰囲気中において、ケイ素(Si)及びアルミニウム(Al)が塩化物として揮発し、かつ、カルシウムが塩化物として揮発しない温度で加熱処理した後の残渣物を用いることを特徴とするリン除去回収方法。
続きを表示(約 860 文字)【請求項2】
リン酸を含む被処理水からリン(P)を除去回収する方法であって、
リン除去回収剤を製造するリン除去回収剤製造工程と、リン除去回収剤を前記被処理水に添加し、難溶性リン化合物を反応生成させる難溶性リン化合物反応生成工程とを含み、
前記リン除去回収剤製造工程は、カルシウム(Ca)を成分として含む燃焼灰に炭素源を混合し、塩素含有雰囲気中において、ケイ素(Si)及びアルミニウム(Al)が塩化物として揮発し、かつ、カルシウムが塩化物として揮発しない温度で加熱処理した後の残渣物を得る工程と、前記残渣物を燃焼し、前記炭素源を除去する工程とを含む
ことを特徴とするリン除去回収方法。
【請求項3】
前記燃焼灰の加熱処理温度は、800℃以上1000℃以下であることを特徴とする請求項2に記載のリン除去回収方法。
【請求項4】
前記残渣物の燃焼温度は、800℃以上1000℃以下であることを特徴とする請求項2に記載のリン除去回収方法。
【請求項5】
リン酸を含む被処理水に接触させて、難溶性リン化合物を反応生成させることにより、前記被処理水からリン(P)を除去回収するリン除去回収剤の製造方法であって、
カルシウム(Ca)を成分として含む燃焼灰に炭素源を混合し、塩素含有雰囲気中において、ケイ素(Si)及びアルミニウム(Al)が塩化物として揮発し、かつ、カルシウムが塩化物として揮発しない温度で加熱処理した後の残渣物を得る工程と、
前記残渣物を燃焼し、前記炭素源を除去する工程と
を含むことを特徴とするリン除去回収剤の製造方法。
【請求項6】
前記燃焼灰の加熱処理温度は、800℃以上1000℃以下であることを特徴とする請求項5に記載のリン除去回収剤の製造方法。
【請求項7】
前記残渣物の燃焼温度は、800℃以上1000℃以下であることを特徴とする請求項5に記載のリン除去回収剤の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、リン酸(H

PO

)を含む被処理水にリン除去回収剤を接触させて、難溶性リン化合物を反応生成させることにより、被処理水からリン(P)を除去回収するリン除去回収方法、及び、それに用いるリン除去回収剤の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、リン除去回収技術としては、水溶性のリンを難溶性化合物に変換し固液分離によって分離する方法が知られている。水溶性リンの難溶性化合物への変換は、大きく物理化学的方法と生物学的方法とに区別される。物理化学的方法としては、凝集沈殿法、晶析脱リン法、又は、吸着脱リン法などが挙げられ、生物学的方法としては、フォストリップ法、又は、嫌気好気法などが挙げられる。中でも、吸着脱リン法では、例えば、カルシウム化合物として石灰石や貝殻等を使ったリンの吸着技術がある。更に、近年では、石炭やバイオマス燃焼由来のフライアッシュの中でも比較的カルシウム(Ca)の含有割合が高いものを使い、リンを吸着除去するための研究が行われている(例えば、非特許文献1及び非特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
Lu et al., Journal of Hazardous Materials, 161, 95-101 (2009)
Park et al., The Korean Society for Applied Biological Chemistry, 64:43 (2021)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術のうち、凝集沈殿法や生物学的方法では、汚泥が発生してしまうという問題があった。また、晶析脱リン法では、前処理として炭酸イオンの除去やpH調整が必要であり、そのための試薬コストや運転管理などが必要となるという問題があった。一方、吸着脱リン法は、汚泥の発生が無く装置構成も比較的単純であるが、吸着材の吸着量に限りがあるため、定期的な吸着材の交換もしくは再生が必要であるという問題があった。フライアッシュを用いた吸着除去においても、フライアッシュ中のカルシウム含有割合は数~数十%とばらつきが大きいため、フライアッシュ中のカルシウム含有割合が小さいと、リンの除去回収量が少ないという問題があった。
【0005】
本発明は、このような問題に基づきなされたものであり、カルシウムの含有割合を大きくし、リンの除去回収量を多くすることができるリン除去回収方法、及び、リン除去回収剤の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1のリン除去回収方法は、リン酸を含む被処理水にリン除去回収剤を接触させて、難溶性リン化合物を反応生成させることにより、被処理水からリンを除去回収するものであって、リン除去回収剤として、カルシウムを成分として含む燃焼灰に炭素源を混合し、塩素含有雰囲気中において、ケイ素(Si)及びアルミニウム(Al)が塩化物として揮発し、かつ、カルシウムが塩化物として揮発しない温度で加熱処理した後の残渣物を用いるものである。
【0007】
本発明の第2のリン除去回収方法は、リン酸を含む被処理水からリンを除去回収するものであって、リン除去回収剤を製造するリン除去回収剤製造工程と、リン除去回収剤を被処理水に添加し、難溶性リン化合物を反応生成させる難溶性リン化合物反応生成工程とを含み、リン除去回収剤製造工程は、カルシウムを成分として含む燃焼灰に炭素源を混合し、塩素含有雰囲気中において、ケイ素及びアルミニウムが塩化物として揮発し、かつ、カルシウムが塩化物として揮発しない温度で加熱処理した後の残渣物を得る工程と、残渣物を燃焼し、炭素源を除去する工程とを含むものである。
【0008】
本発明のリン除去回収剤の製造方法は、リン酸を含む被処理水に接触させて、難溶性リン化合物を反応生成させることにより、被処理水からリンを除去回収するリン除去回収剤を製造するものであって、カルシウムを成分として含む燃焼灰に炭素源を混合し、塩素含有雰囲気中において、ケイ素及びアルミニウムが塩化物として揮発し、かつ、カルシウムが塩化物として揮発しない温度で加熱処理した後の残渣物を得る工程と、残渣物を燃焼し、炭素源を除去する工程とを含むものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、リン除去回収剤として、カルシウムを成分として含む燃焼灰に炭素源を混合し、塩素含有雰囲気中において、ケイ素及びアルミニウムが塩化物として揮発し、かつ、カルシウムが塩化物として揮発しない温度で加熱処理した後の残渣物を用いるようにしたので、カルシウムの含有割合を大きくし、リンの除去回収量を多くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の一実施の形態に係るリン除去回収方法、及び、それに用いるリン除去回収剤の製造方法の工程を表す流れ図である。
実施例1のリン除去回収割合を比較例1と比較して示す特性図である。
実施例2のリン除去回収割合を比較例2と比較して示す特性図である。
実施例3のリン除去回収割合を比較例3と比較して示す特性図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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