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公開番号
2025131043
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-09
出願番号
2024028531
出願日
2024-02-28
発明の名称
金粉及びその製造方法
出願人
住友金属鉱山株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
B22F
1/00 20220101AFI20250902BHJP(鋳造;粉末冶金)
要約
【課題】 金ペースト中での分散性に優れた金粉を提供する。
【解決手段】 表面に硫黄分が存在し、硝酸抽出処理することで得られる処理液を定量分析することで求まる単位質量当たりの表面硫黄量を比表面積で除した単位表面積当たり硫黄量が250μg/m
2
以上1500μg/m
2
以下であり、好ましくはSEM画像上で計測される平均粒径が0.7μm以上1.5μm以下である。
【選択図】 図1
特許請求の範囲
【請求項1】
表面に硫黄分が存在し、硝酸抽出処理することで得られる処理液を定量分析することで求まる単位質量当たりの表面硫黄量を比表面積で除した単位表面積当たり硫黄量が250μg/m
2
以上1500μg/m
2
以下であることを特徴とする金粉。
続きを表示(約 320 文字)
【請求項2】
SEM画像上で計測される平均粒径が0.7μm以上1.5μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の金粉。
【請求項3】
還元剤溶液を用いて塩化金酸溶液を還元処理して金粒子を析出する還元工程と、該還元工程で得た金粒子を含むスラリーを固液分離、洗浄、及び乾燥する後処理工程とを有し、前記還元剤溶液に2価の硫黄を含む硫黄化合物を含めることを特徴とする金粉の製造方法。
【請求項4】
前記還元剤溶液に用いる還元剤が亜硫酸カリウム又は亜硫酸ナトリウムであり、前記2価の硫黄を含む硫黄化合物がチオ硫酸カリウム又はチオ硫酸ナトリウムであることを特徴とする、請求項3に記載の金粉の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、金粉及びその製造方法に関し、特に、電子機器の配線層や電極等の導電膜を作製する際の原材料として利用される金ペーストの主たる成分となる金粉及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
金(Au)は化学的に安定していて耐食性に優れており、導電性や熱伝導性等の特性においても優れているため、工業的に有用な金属として様々な分野で使用されている。例えば電子機器の分野においては、配線層や電極等の導電膜を作製する際の原材料に金ペーストの形態で金が使用されている。この金ペーストは、金粉、樹脂、硬化剤、及び溶剤などの成分からなり、一般的にはこれらの成分を3本ロールで混錬することで調製される。
【0003】
例えば特許文献1には、導電性金属粉としての金粉と、エポキシ樹脂などのバインダー樹脂と、フェノール化合物などの硬化剤と、アルキルアセタール化ポリビニルアルコール、エチレングリコールなどの希釈剤とを所定の配合割合となるように秤取って3本ロールミルで混錬することで、金ペーストを製造する技術が開示されている。この方法で製造した金ペーストを所定のパターンを有するように印刷した後、加熱焼成することによって、該所定のパターンを有する導電膜を形成することができる。形成した導電膜内では金粉が連なることで電気的に接続した電流パスが形成されるため、配線層や電極などとして機能させることが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-111525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、導電膜は金ペーストの焼成により形成されるため、所望の特性を有する導電膜を形成する観点から、金ペーストを構成する成分を適切な割合で配合することのみならず、主要な構成要素である金粉に所定の特性を有するものを用いることが好ましい。この金粉の所定の特性としては、粒径、粒度分布、比表面積、タップ密度、分散性などの導電膜の特性に影響する粉体特性を挙げることができるが、これらの中では、金ペースト中の金粉の分散性が特に重要となる。
【0006】
分散性が特に重要である理由は、金ペースト中に均一に金粉を分散させることにより、該金ペーストの焼成後に均一な太さの配線層や均一な厚さの電極を形成できるからである。逆に金ペースト中の金粉の分散性が悪いと金粉が凝集して凝集体を形成しやすくなり、この凝集体が金ペーストの混錬工程において例えば3本ロールのロール間で潰されてフレーク状になるおそれがある。また、導電膜の膜厚よりも大きな凝集体やフレークが形成されると、これが導電膜で突起部を生じさせて膜厚が不均一になったり、導電膜を構成する金粒子群の分布が不均一になったりし、結果的に導電膜の抵抗値が局所的に大きく又は小さくなる問題や、導電膜の機械的強度が脆くなる問題が生じるおそれがある。
【0007】
上記の金ペースト中の金粉の分散性は、金粉を構成する金粒子が全ペースト中において1粒ずつバラバラになっていて凝集体がほぼ存在してないこと、及び金粒子の表面が金ペーストの他の成分と馴染みが良いことの2点から評価することができる。前者を評価する指標としてはタップ密度があり、これが高いことが望ましい。一方、後者を評価する指標としてはSP値(Solubility Parameter)に代表される表面性状の評価法を挙げることができる。しかしながら、SP値は凝集エネルギー密度の平方根で定義される物質固有の物性値であるため、金ペーストを構成する成分毎に異なる値を有しており、よって一概に好ましい範囲を特定することは難しい。
【0008】
また、金粉は金ペーストの主成分であり、金ペースト価格に占める割合が大きいため、金ペースト用の金粉には、製造コストが低いことも求められている。金粉の製造コストを低減するためには、使用する原料や材料の単価を低くするだけでなく、金ペーストとして求められる諸特性を有する金粉を高い収率で安定的に製造することが求められる。
【0009】
金ペースト用の金粉の製造方法としては、例えば電子機器等の廃棄物を王水などの金を溶解可能な溶液で浸出処理することで得られる塩化金酸(HAuCl
4
)を含む塩化金酸溶液に対して、亜硫酸塩(亜硫酸ナトリウム又は亜硫酸カリウム)などの還元剤水溶液を添加して金イオンを還元することで金を析出させ、得られた微細な金粒子を含む金粉スラリーを固液分離、洗浄、及び加熱乾燥することで金粉を製造する方法が知られている。
【0010】
しかしながら、上記方法で作製した金粉は、還元剤のロットが異なると製品品質の指標となる粒径やタップ密度にばらつきが生じることがあり、品質管理上の問題が生じることがあった。このように製品品質にばらつきが生じる原因としては、還元剤に含まれる不純物が考えられる。例えば還元剤に亜硫酸カリウムを用いる場合、亜硫酸カリウム水和物、亜硫酸水素カリウム、硫酸カリウム、ピロ亜硫酸カリウム、チオ硫酸カリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウムなどの種々のカリウム塩類が不純物として含まれることがあり、これらが還元反応に影響を及ぼすことが考えられる。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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