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公開番号
2025133258
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-11
出願番号
2024031086
出願日
2024-03-01
発明の名称
湿式粉砕用助剤およびそれを含有する水性スラリー組成物
出願人
竹本油脂株式会社
代理人
弁理士法人岡田国際特許事務所
主分類
B02C
23/06 20060101AFI20250904BHJP(破砕,または粉砕;製粉のための穀粒の前処理)
要約
【課題】
湿式粉砕において優れた粉砕効率を実現し、湿式粉砕により得られる水性スラリー組成物が良好な流動性および低い起泡性を有する、湿式粉砕用助剤を提供する。
【解決手段】
有機化合物の湿式粉砕用助剤を、芳香族化合物(A)と脂肪族化合物(B)とを所定割合で含有するものとする。芳香族化合物(A)は、(アルキル)ナフタレンスルホン酸およびその中和塩から選ばれる少なくとも一つである。脂肪族化合物(B)は、炭素数3~16の脂肪族1価アルコール1モルに対して炭素数2~3のアルキレンオキシドを合計1~150モル付加させたエーテル化合物(1)と、炭素数2~14の脂肪族2価アルコール1モルに対して炭素数2~3のアルキレンオキシドを合計1~150モル付加させたエーテル化合物(2)の少なくとも一つである。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
有機化合物の湿式粉砕用助剤であって、
下記の芳香族化合物(A)と下記の脂肪族化合物(B)とを含有し、
前記芳香族化合物(A)と前記脂肪族化合物(B)との含有量の合計を100質量%とすると、前記芳香族化合物(A)を10~99質量%含有することを特徴とする湿式粉砕用助剤。
芳香族化合物(A):(アルキル)ナフタレンスルホン酸およびその中和塩から選ばれる少なくとも一つ
脂肪族化合物(B):下記のエーテル化合物(1)及び下記のエーテル化合物(2)から選ばれる少なくとも一つ
エーテル化合物(1):炭素数3~16の脂肪族1価アルコール1モルに対して、炭素数2~3のアルキレンオキシドを合計1~150モル付加させた化合物
エーテル化合物(2):炭素数2~14の脂肪族2価アルコール1モルに対して、炭素数2~3のアルキレンオキシドを合計1~150モル付加させた化合物
続きを表示(約 400 文字)
【請求項2】
前記(アルキル)ナフタレンスルホン酸が、ナフタレンスルホン酸1モルと、炭素数1~4の脂肪族1価アルコール0.7~3.0モルとから形成された(アルキル)ナフタレンスルホン酸である請求項1に記載の湿式粉砕用助剤。
【請求項3】
前記脂肪族化合物(B)が、前記エーテル化合物(1)から選ばれる化合物である請求項1に記載の湿式粉砕用助剤。
【請求項4】
前記有機化合物と、請求項1から3のいずれか一項に記載の湿式粉砕用助剤と、水とを含有することを特徴とする水性スラリー組成物。
【請求項5】
前記有機化合物、前記湿式粉砕用助剤、及び前記水の含有量の合計を100質量%とすると、前記有機化合物を1~70質量%、前記湿式粉砕用助剤を0.1~10質量%、及び前記水を20~98.9質量%の割合で含有する、請求項4に記載の水性スラリー組成物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、湿式粉砕用助剤およびそれを含有する水性スラリー組成物に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
農薬製剤の一つの剤型として、水溶解度が低い農薬原体を湿式粉砕して、水性媒体に均一に分散させた水性懸濁剤(フロアブル剤)が知られている。水性懸濁剤は、計量および散布が容易であると共に、有機溶剤を含まないため作業者が気化した有機溶媒を吸入する危険性がない利点を有しており、主要な農薬剤型の一つになりつつある。
【0003】
水性懸濁剤中において農薬原体は固体粒子として分散しているため、一般にその粒径が大きいほど生物効果が低下する傾向がある。そのため、水性懸濁液中の農薬原体の粒径は小さく保たれること、好ましくはサブミクロン単位であることが望まれる。しかし、湿式粉砕は固体粒子を物理的に粉砕する処理であり、通常、所望の粒径、特にサブミクロンサイズまで粉砕するためには多大な作業時間およびエネルギーを要する。また、農薬原体は疎水性のものが多いため、粒径が小さくなるほど再凝集性が高まり、農薬原体の種類によってはサブミクロン単位まで湿式粉砕するのは困難である。そこで、このような問題を改善するために、農薬等の有機化合物の湿式粉砕において様々な粉砕助剤を用いる技術が提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1~8には従来の湿式粉砕用の粉砕助剤が開示されている。特許文献1は、特定構造のアルキルナフタレンスルホン酸塩からなる粉砕助剤を開示している。特許文献2は、炭素数が4~12のアルコールにエチレンオキシド、プロピレンオキシド、もしくはブチレンオキシドを付加し、または付加させずに、無水ジカルボン酸とエステル化した後に、スルホン化した化合物の塩からなる粉砕助剤を開示している。特許文献3は、ポリアルキレングリコールエーテルならびにエチレンオキシド、プロピレンオキシドまたはエチレンオキシドとプロピレンオキシドの混合物とアルキルフェノール、脂肪族アルコール、脂肪族アミンまたは脂肪酸との縮合生成物を粉砕助剤(分散剤)として例示している。特許文献4は、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム塩ホルムアルデヒド縮合物とポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンのコポリマーからなる粉砕助剤を開示している。特許文献5は、フェノールスルホン酸ナトリウムのホルムアルデヒド縮合物とポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンのブロックコポリマーからなる粉砕助剤を開示している。特許文献6および7は、粉砕助剤としてアルキルナフタレンスルホン酸塩を例示している。特許文献8は、アルキルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩を含有する混合物からなる粉砕助剤を開示している。
【0005】
なお、粉砕の一態様である乾式粉砕には、湿式粉砕と比べて混入物を抑制できるという利点が知られており、極めて高い安全性が求められる医薬組成物の調製等では乾式粉砕が用いられる場合が多い。そのような乾式粉砕においても粉砕助剤として界面活性剤が用いられる場合がある(例えば、特許文献9参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第2931603号公報
特許第2750173号公報
特許第6186370号公報
米国特許公開第2001/0051175号公報
特許第4620923号公報
特開2003-238315号公報
特開平5-17303号公報
特開2021-042200号公報
特許第6460897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の湿式粉砕用助剤では有機化合物の微小化や再凝集の抑制が十分でない場合があり、有機化合物の粒径を所望のサイズにできない、すなわち粉砕効率が不十分となることがあった。また、湿式粉砕用助剤の種類によっては、起泡性が高すぎて歩留まりが悪化したり、粉砕時に有機化合物が空気や水を巻き込みながら凝集することで懸濁液(スラリー)が流動性を失うこともあった。
【0008】
そこで本発明は、湿式粉砕において優れた粉砕効率を実現すると共に、湿式粉砕により得られる水性スラリー組成物が良好な流動性および低い起泡性を有する、湿式粉砕用助剤およびそれを含有する水性スラリー組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採る。
[1]有機化合物の湿式粉砕用助剤であって、下記の芳香族化合物(A)と下記の脂肪族化合物(B)とを含有し、前記芳香族化合物(A)と前記脂肪族化合物(B)との含有量の合計を100質量%とすると、前記芳香族化合物(A)を10~99質量%含有することを特徴とする湿式粉砕用助剤。
芳香族化合物(A):(アルキル)ナフタレンスルホン酸およびその中和塩から選ばれる少なくとも一つ
脂肪族化合物(B):下記のエーテル化合物(1)及び下記のエーテル化合物(2)から選ばれる少なくとも一つ
エーテル化合物(1):炭素数3~16の脂肪族1価アルコール1モルに対して、炭素数2~3のアルキレンオキシドを合計1~150モル付加させた化合物
エーテル化合物(2):炭素数2~14の脂肪族2価アルコール1モルに対して、炭素数2~3のアルキレンオキシドを合計1~150モル付加させた化合物
[2]前記(アルキル)ナフタレンスルホン酸が、ナフタレンスルホン酸1モルと、炭素数1~4の脂肪族1価アルコール0.7~3.0モルとから形成された(アルキル)ナフタレンスルホン酸である[1]の湿式粉砕用助剤。
[3]前記脂肪族化合物(B)が、前記エーテル化合物(1)から選ばれる化合物である[1]の湿式粉砕用助剤。
[4]前記有機化合物と、[1]から[3]のいずれかの湿式粉砕用助剤と、水とを含有することを特徴とする水性スラリー組成物。
[5]前記有機化合物、前記湿式粉砕用助剤、及び前記水の含有量の合計を100質量%とすると、前記有機化合物を1~70質量%、前記湿式粉砕用助剤を0.1~10質量%、及び前記水を20~98.9質量%の割合で含有する、[4]の水性スラリー組成物。
【0010】
なお、本明細書において「○○~△△」で示した数値範囲はその上限及び下限を含む範囲を表す。つまり、「○○~△△」は「○○以上、△△以下」を意味する。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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