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公開番号
2025141843
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-29
出願番号
2025034284
出願日
2025-03-05
発明の名称
湿式粉砕方法
出願人
日本化学工業株式会社
代理人
弁理士法人あしたば国際特許事務所
主分類
B02C
17/00 20060101AFI20250919BHJP(破砕,または粉砕;製粉のための穀粒の前処理)
要約
【課題】粉砕媒体からの不純物によるコンタミネーションを低減した被粉砕材料の湿式粉砕方法を提供すること。
【解決手段】被粉砕材料を含む分散溶媒に、酸又は酸性化合物を接触させて、湿式粉砕処理用混合液を得る第1工程と、粉砕媒体が充填されている湿式粉砕処理装置で、該湿式粉砕処理用混合液を、該粉砕媒体によって湿式粉砕処理して、粉砕処理された湿式粉砕処理液を得る第2工程と、を有し、該被粉砕材料が、該分散溶媒との接触により該分散溶媒のpHを上昇させる材料であること、及び、前記第2工程において、該湿式粉砕処理用混合液のpHを9以上11以下として湿式粉砕処理すること、を特徴とする湿式粉砕方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
被粉砕材料を含む分散溶媒に、酸又は酸性化合物を接触させて、湿式粉砕処理用混合液を得る第1工程と、
粉砕媒体が充填されている湿式粉砕処理装置で、該湿式粉砕処理用混合液を、該粉砕媒体によって湿式粉砕処理して、粉砕処理された湿式粉砕処理液を得る第2工程と、
を有し、
該被粉砕材料が、該分散溶媒との接触により該分散溶媒のpHを上昇させる材料であること、及び、
前記第2工程において、該湿式粉砕処理用混合液のpHを9以上11以下として湿式粉砕処理すること、
を特徴とする湿式粉砕方法。
続きを表示(約 990 文字)
【請求項2】
前記湿式粉砕処理装置に、前記湿式粉砕処理用混合液を供給しつつ、前記湿式粉砕処理装置から、前記湿式粉砕処理液を排出しながら、前記湿式粉砕処理装置で、前記湿式粉砕処理用混合液を、前記粉砕媒体によって湿式粉砕処理して、粉砕処理された湿式粉砕処理液を得ることにより、前記第2工程を行なうことを特徴とする請求項1記載の湿式粉砕方法。
【請求項3】
前記第2工程の粉砕処理における前記湿式粉砕処理用混合液の滞留時間が1~1200秒であることを特徴とする請求項2記載の湿式粉砕方法。
【請求項4】
前記第2工程を行ない得られる前記湿式粉砕処理液に、酸又は酸性化合物を接触させて、湿式粉砕処理用混合液を得ることにより、前記第1工程を行ない、次いで、得られる湿式粉砕処理用混合液を、湿式粉砕処理することにより、前記第2工程を行なうこと、を1回以上繰り返すことを特徴とする請求項1に記載の湿式粉砕方法。
【請求項5】
前記第1工程において、被粉砕材料を含む分散溶媒に酸又は酸性化合物を接触させることにより、被粉砕材料を含む分散溶媒のpHを0.10~5下げて、湿式粉砕処理用混合液を得ることを特徴とする請求項1又は2に記載の湿式粉砕方法。
【請求項6】
前記第2工程を行い得られる前記湿式粉砕処理液のpHが9以上11以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の湿式粉砕方法。
【請求項7】
前記酸又は酸性化合物は、無機酸、有機酸及び酸性分散剤から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の湿式粉砕方法。
【請求項8】
前記無機酸が、炭酸、塩酸、硝酸及び硫酸から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする請求項7に記載の湿式粉砕方法。
【請求項9】
前記有機酸が、ギ酸、酢酸、クエン酸、コハク酸及びマロン酸から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする請求項7に記載の湿式粉砕方法。
【請求項10】
前記酸性分散剤が、ポリカルボン酸系化合物、ポリリン酸系化合物及びホスホン酸系化合物から選択される1種又は2種であることを特徴とする請求項7に記載の湿式粉砕方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉砕媒体によるコンタミネーションの影響を低減した、被粉砕材料の湿式粉砕方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
チタン酸バリウムに代表されるペロブスカイト型複合酸化物は、従来、圧電体、積層セラミックコンデンサ等の機能性セラミックの原料として用いられてきた。ところが、近年、積層セラミックコンデンサは、高容量化のために積層数の増加や高誘電率化が求められており、このため、ペロブスカイト型複合酸化物には、ナノレベルの微粒子化が求められている。
【0003】
ペロブスカイト型複合酸化物の微粒子化には、様々な方法を用いることができ、例えば、ビーズミル、ボールミル、ジェットミル等の粉砕機を使用することにより微粒子化が可能である。これらの中でもビーズミルは、粉砕媒体に微小のビーズを用いることから、粉砕処理されるペロブスカイト型複合酸化物の粉末に与える力が少ないながらも、微小ビーズと衝突する頻度が高いため、粒子へのダメージを抑えつつ微粒子化できる方法として頻繁に使用されている。
【0004】
ビーズミルを使用したペロブスカイト型複合酸化物の粉砕方法についてはいくつか提案されており、例えば特許文献1では、チタン酸バリウム系半導体セラミックス原料を粉砕する媒体として窒化ケイ素系セラミックス材料からなるメディアを使用することにより、メディアの摩耗による混入物の量を少なくできることが記載されている。特許文献2では、酸に対して、Y
2
O
3
又はSiO
2
といった化学的溶解性を有するビーズで被粉砕材料を粉砕した後、ビーズから発生する摩耗粉末を酸溶解処理により分離することで、高純度の粉砕物を得たことが記載されている。また、特許文献3では、酸に溶解する酸化物又は炭酸化物の粒子をビーズとして使用して、無機物又は有機物のスラリーを粉砕処理した後、スラリーに酸性物質を添加してビーズを溶解処理することにより、ビーズ成分による汚染が起きないようにする技術が提案されている。
【0005】
上記特許文献に記載の方法がある一方、被粉砕物としてペロブスカイト型複合酸化物に限らず、ビーズの摩耗による被粉砕物の汚染を防止する方法も提案されている。例えば特許文献4には、被粉砕物、ビーズ及び分散媒を含む混合物のpHを6.5~9に調整することで、ビーズに起因する汚染を低減できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平7-251086号公報
特開2010-51887号公報
特開2018-58053号公報
国際公開第2020/179701号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献で挙げたビーズミルを使用した粉砕方法は、粉砕媒体としてビーズを使用するため、ビーズ表面の摩耗によりビーズを構成する成分が不純物成分として粉砕物に混入することを防ぐ目的で、様々な方法で不純成分を取り除いている。しかしながら、少なからず粉砕物のコンタミネーションが認められ、さらなるコンタミネーション防止を達成するための方法を検討する必要があった。また、被粉砕物を含む混合物のpHによっては、被粉砕物由来の成分が溶出、反応して副生成分として粉砕物に混入してしまう問題も生じていた。
【0008】
従って、本発明の目的は、粉砕媒体及び副生成分からの不純物によるコンタミネーションを低減した被粉砕材料の湿式粉砕方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記実情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、粉砕媒体としてジルコニアやアルミナといった金属酸化物を用いて湿式粉砕を行った場合、被粉砕材料と粉砕媒体との衝突により粉砕媒体表面が摩耗して粉砕物の金属汚染に繋がっていたが、分散溶媒のpHが高くなると粉砕媒体表面が摩耗し易くなること、及び湿式粉砕処理系内に酸又は酸性化合物を混合して、湿式粉砕処理中に、分散溶媒のpHが高くなり過ぎないようにすることにより、粉砕媒体表面の摩耗が抑制されることを見出した。また、分散溶媒のpHが低くなると被粉砕物由来の成分が溶出し、副反応を起こして不純物を生成するため、被粉砕物の品質劣化に繋がることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明(1)は、被粉砕材料を含む分散溶媒に、酸又は酸性化合物を接触させて、湿式粉砕処理用混合液を得る第1工程と、
粉砕媒体が充填されている湿式粉砕処理装置で、該湿式粉砕処理用混合液を、該粉砕媒体によって湿式粉砕処理して、粉砕処理された湿式粉砕処理液を得る第2工程と、
を有し、
該被粉砕材料が、該分散溶媒との接触により該分散溶媒のpHを上昇させる材料であること、及び、
前記第2工程において、該湿式粉砕処理用混合液のpHを9以上11以下として湿式粉砕処理すること、
を特徴とする湿式粉砕方法を提供するものである。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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