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公開番号2025142869
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-01
出願番号2024042463
出願日2024-03-18
発明の名称潜像印刷物及び潜像印刷物の作成方法
出願人独立行政法人 国立印刷局
代理人
主分類B41M 3/14 20060101AFI20250924BHJP(印刷;線画機;タイプライター;スタンプ)
要約【課題】ドットゲインの影響を受けることなく潜像模様の秘匿化が可能な印刷模様を備えた潜像印刷物において、肉眼で全体の濃度が均衡して視認可能な潜像印刷物を提供する。
【解決手段】本発明は、基材に備えた印刷模様を構成する、マトリクス状に複数配置されたユニット集合体の画線面積率が一定となるように、複数配置されたユニット集合体における中心領域に濃度を緩和させる画線を追加又は削除することで、潜像印刷物全体の濃度が均衡され、潜像模様の隠蔽性が向上した潜像印刷物である。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
基材の少なくとも一部に潜像模様を備えた印刷模様を有する潜像印刷物であって、
前記印刷模様は、X方向及びY方向に2×2で隣接して配置された4つのユニットから成る1つのユニット集合体がマトリクス状に複数配置され、
複数配置された前記ユニットは、前記潜像模様に対応して形成された第1の画線又は前記潜像模様の背景に対応して形成された第2の画線のいずれか一つを各々が有し、
前記第1の画線と前記第2の画線は、前記ユニット内において画線面積率が等しく、かつ、配置される角度及び形状の少なくとも一方が異なり、
複数配置された前記ユニット集合体は、中心領域の画線面積率が等しいことを特徴とする潜像印刷物。
続きを表示(約 630 文字)【請求項2】
前記中心領域は、複数の前記ユニット集合体において、画線の長さ、形状及び色が等しい第3の画線を有することを特徴とする請求項1記載の潜像印刷物。
【請求項3】
請求項1又は2記載の潜像印刷物の作成方法であって、
前記潜像模様の基となる基潜像模様データを入力する基潜像模様データ入力工程と、
前記基潜像模様データ入力工程で入力した前記基潜像模様データをモノクロ画像データに変換した後、前記モノクロ画像データを2階調化し、白色の画素及び黒色の画素で構成された2階調画像データを生成した後、前記白色の画素及び前記の黒色のうち、一方を前記第1の画線の基となる第1の基画線データを有する第1のユニット、他方を前記第2の画線の基となる第2の基画線データを有する第2のユニットと置き換えて、X方向及びY方向に2×2で隣接して配置された4つのユニットから成る1つのユニット集合体が複数配置された、基画線データを生成する基画線データ作成工程と、
前記基画線データ作成工程で作成した前記基画線データのうち、複数配置された前記ユニット集合体に対し、画線の削除又は追加により前記中心領域の濃度の不均衡を調整して印刷模様データを生成する濃度調整工程と、
前記濃度調整工程で作成した前記印刷模様データを用いて、前記基材に印刷又はレーザで印刷模様を形成する形成工程と、を備えることを特徴とする潜像印刷物の作成方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、銀行券、旅券、有価証券、証明書、重要書類等の偽造や変造の防止が求められるセキュリティ印刷物の分野において、あらゆる印刷機やプリンターから出力が可能な潜像印刷物とその作成方法に関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
銀行券、旅券、有価証券、証明書、重要書類等のセキュリティ印刷物では、偽造や変造を防ぐことが重要である。これらの偽造防止策の一つに、網点や画線の配置や特殊な材料等によって印刷模様を形成することで、文字や図形等を目視では、認識できないように潜像化させた潜像模様を有する印刷物(以下「潜像印刷物」という。)がある。
【0003】
代表的なものとして、図1は、従来の潜像印刷物(1’)の一例を示す概要図である。図1(a)に示す潜像印刷物(1’)は、複写機でコピーすると、複写物上に、図1(b)に示す「複写」の文字である潜像模様(13’)を発現させるコピー牽制効果を備えている。このような潜像印刷物(1’)は、証明書や重要書類等において古くから採用されており、複写機で再現が容易な大きさの網点から成る潜像部(2)と、複写機で再現が困難な大きさの網点から成る背景部(3)で構成され、潜像部(2)と背景部(3)の濃度を一様とすることで、「複写」の文字である潜像模様(13’)を秘匿化している(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上述のようにコピー牽制効果を目的とした潜像印刷物(1’)は、潜像部(2)と背景部(3)を構成する網点や画線は、異なる大きさで形成されている。印刷機で潜像印刷物(1’)を印刷するときは、印刷模様(8’)を構成する網点においてドットゲインと呼ばれる現象が発生する。
【0005】
図2は、ドットゲインのメカニズムを示す模式図である。非特許文献1によればドットゲインとは、図2に示すように、印刷版面(4)に形成された網点(6a)の直径よりも、印刷で基材(5)に刷られたインキの網点(6b)の直径の方が大きくなる現象であり、印刷版面(4)の網点(6a)に付着したインキが、印刷版面(4)から基材(5)あるいは、ブランケットへ転写される時にかかる圧力によって、圧し潰され広がることで起きるとされている。
【0006】
この現象は、インキの膜厚が網点(6b)の大きさに関係せず一定の厚みを持つため、印圧が同じであれば網点(6b)が広がる幅も同じになる。つまり、網点(6a)が小さいほど、ドットゲインによって直径が大きくなる比率が高くなる傾向にある。また、ドットゲインは、印刷機に限られた現象ではなく、メカニズムは違うがプリンターによる原版の出力においても発生する。特にプリンターの場合は、プリンターの印刷方式や画質等の特性に応じて原版の設計値を補正する、いわゆるキャリブレーションと呼ばれる作業が必要となる。
【0007】
一方で、近年では、利便性の向上から、証明書等を全国のコンビニエンスストアに設置されたマルチコピー機から出力するサービスが提供されるようになった。もし特許文献1の潜像印刷物(1’)のように潜像部(2)と背景部(3)で網点や画線が異なっていると、各コンビニエンスストアの持つあらゆるプリンターで出力結果をフィードバックしてキャリブレーションをする必要がある。
【0008】
また、特許文献1のようなコピー牽制効果を目的とした潜像印刷物(1’)は、複写物上に潜像模様(13’)を発現させるものであるため、複写物が原本ではないことを判定するのは、容易である。しかしながら、原本に対する真偽判定として潜像模様(13’)を確認するには、複写機で潜像印刷物(1’)をコピーして、潜像模様(13’)を発現させる作業が必要となる。これは、市役所の窓口のように複写機が設置されている環境に依存する方法であり、駅や空港等の公共交通機関を利用した移動時や、施設等の入場時には、簡易的に潜像模様(13’)を確認できないという不便さがあった。
【0009】
そこで、本出願人は、このような不便さを解消するために、潜像部(2)と背景部(3)に形状と大きさが同一の画線を用いることで、秘匿性の高い潜像模様(13’’)を形成しつつ、あらゆる印刷機やプリンターからの出力において、ドットゲインをはじめとする印刷結果に影響を及ぼす要因に左右されない潜像印刷物(1’’)が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0010】
図3は、潜像読取装置(11)で、特許文献2の潜像印刷物(1’’)の潜像模様を可視化した状態を示す図である。特許文献2の潜像印刷物(1’’)は、潜像印刷物(1’’)を撮影して取得した撮像画像(図示せず)から潜像模様(13’’)の特異点を抽出する読取装置(例えば、スマートフォンにアプリケーションをインストールした装置)で、潜像模様(13’ ’)を可視化して画面表示できることから、証明書や重要書類等に用いた場合は、潜像印刷物(1’’)に記載された情報と、可視化された情報を照合することで、その原本の真偽を容易に判定することが可能となった。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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