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公開番号2025149234
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-08
出願番号2024049743
出願日2024-03-26
発明の名称透析装置
出願人澁谷工業株式会社
代理人個人,個人
主分類A61M 1/16 20060101AFI20251001BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】 プライミング作業を効率的に行う。
【解決手段】 プライミング作業では、静脈通路3Aが上方に接続された状態で保持される。
透析液供給用開閉弁V9を閉鎖し、透析液回収用開閉弁V10を開放した状態で、加圧手段が作動してプライミング液を透析液回収通路4Bから透析器2に流入させることで、透析液流路12bのプライミング液を上記中空糸12(血液浄化膜)で逆濾過させ、血液流路12aをプライミング液によって充填させて加圧する(b)。
続いて、透析液回収用開閉弁V10を閉鎖した後に、減圧手段が透析液回路4を減圧して、血液回路3と透析液回路4とに差圧を生じさせ、透析液供給通路4Aに設けた透析液供給用開閉弁V9を開放すると、差圧によって血液流路12aのプライミング液が中空糸12で正濾過され、血液流路12aのプライミング液が透析液流路12bに流入し、透析液流路12bの上部に残存する気泡Bが除去される(c)。
【選択図】 図2
特許請求の範囲【請求項1】
血液浄化膜によって内部が血液流路および透析液流路に区画された透析器と、上記透析器の血液流路に接続された静脈通路と動脈通路とを有する血液回路と、上記透析器の透析液流路に接続された透析液供給通路と透析液回収通路とを有する透析液回路とを備えた透析装置において、
上記透析液供給通路と透析液回収通路とを連通するバイパス通路と、上記透析液供給通路における上記バイパス通路との接続位置と透析器との間に設けた透析液供給用開閉弁と、上記透析液回収通路における上記バイパス通路との接続位置と透析器との間に設けた透析液排出用開閉弁と、透析液回路を加圧する加圧手段と、透析液回路を減圧する減圧手段と、これらを制御する制御手段とを備え、
上記透析器にプライミング液を充満させるプライミング作業では、上記透析器を上記静脈通路が上方に接続された状態で保持するとともに、上記血液回路を閉鎖回路とし、
上記制御手段は、透析液供給用開閉弁または透析液排出用開閉弁のいずれか一方を開放して、プライミング液を上記透析液供給通路または透析液回収通路から透析器に流入させるとともに、上記加圧手段によって当該プライミング液を上記血液浄化膜で逆濾過させて透析液流路から血液流路へと流入させ、
血液回路がプライミング液によって加圧されると、制御手段は上記開放した開閉弁を閉鎖して、上記バイパス通路を介して透析液回路を閉鎖回路とし、上記減圧手段によって当該透析液回路を減圧させて、血液回路と透析液回路との間に差圧を生じさせ、
さらに制御手段は透析液供給用開閉弁を開放し、血液回路と透析液回路との間の差圧によって血液流路のプライミング液を血液浄化膜を正濾過させて透析液流路に流入させて、透析液流路の上部に残存する気泡とともに上記透析液供給通路へと排出させることを特徴とする透析装置。
続きを表示(約 970 文字)【請求項2】
上記減圧手段は、上記透析液回収通路に設けた空気を除去する除気槽と、当該除気槽に接続された除気通路と、当該除気通路を開閉する除気通路開閉弁とを備え、
減圧手段によって上記透析液回路を減圧させる際には、上記制御手段は上記除気通路開閉弁を開放して、
上記除気槽内の空気が上記除気通路から排出されることで、透析液回路が減圧されるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の透析装置。
【請求項3】
上記減圧手段は、上記透析液回収通路に接続された除水通路と、当該除水通路に設けた除水ポンプとを備え、
減圧手段によって上記透析液回路を減圧させる際には、上記制御手段は上記除水ポンプを作動させて、
透析液回収通路を流通するプライミング液を除水通路から排出することにより、透析液回路が減圧されることを特徴とする請求項1に記載の透析装置。
【請求項4】
上記透析液回路は、ダイアフラムによって上記透析液供給通路が接続される供給室と、透析液回収通路が接続される回収室とが区画された透析液チャンバを備え、
上記加圧手段は、透析液回収通路に設けた送液ポンプと、当該送液ポンプよりも上流側に接続されてプライミング液を流入させる第2バイパス通路とを備え、
上記加圧手段によってプライミング液を上記血液浄化膜で逆濾過させる際には、上記制御手段は上記送液ポンプを作動させて、上記第2バイパス通路からのプライミング液を上記回収室に供給し、
これに伴って上記供給室から透析液供給通路に排出されたプライミング液が上記透析液供給通路または透析液回収通路から透析器へと流入することにより、上記血液浄化膜で逆濾過されることを特徴とする請求項1に記載の透析装置。
【請求項5】
上記加圧手段は、透析液回収通路に接続された除水通路と、当該除水通路に設けた除水ポンプとを備え、
上記加圧手段によってプライミング液を上記血液浄化膜で逆濾過させる際には、上記制御手段は上記除水ポンプを作動させて、プライミング液を除水通路から透析液回収通路に流入させることにより、当該プライミング液を上記血液浄化膜で逆濾過させることを特徴とする請求項1に記載の透析装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は透析装置に関し、より詳しくは透析器にプライミング液を充満させるプライミング作業を効率的に行うことが可能な透析装置に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来、透析治療を行う透析装置として、血液浄化膜によって内部が血液流路および透析液流路に区画された透析器と、上記透析器の血液流路に接続された血液回路と、上記透析器の透析液流路に接続された透析液回路と、上記透析液回路に設けられて透析液を送液する送液ポンプとを備えたものが知られている(特許文献1)。
上記透析器は筒状を有するとともに、両端部に血液回路としての動脈通路および静脈通路が接続された構成を有しており、透析治療を行う際には、上記静脈通路が接続された部分を上方に向けた状態で保持するようになっている。
一方、上記透析装置では、透析治療を行う前に、透析装置に透析器を取り付けるとともに、上記透析器や動脈通路や静脈通路にプライミング液を充満させるプライミング作業を行う必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第7328531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記プライミング作業において透析器にプライミング液を充満させる際には、透析器の内部に気泡が残存してしまう可能性があり、特に透析治療時と同じように上記静脈通路が接続された部分を上方に向けたままプライミング作業を行うと、透析器の上部に気泡Bが溜まってしまうこととなる(図2(a)参照)。
そこで従来はプライミング作業中に透析器の上下を反転させるなどの、透析器から気泡を除去する作業が必要となっていたが、作業者による監視や手作業が必要であるため煩雑なものとなっていた。
このような問題に鑑み、本発明はプライミング作業中に作業者による監視や手作業を不要とし、プライミング作業をより効率的に行うことが可能な透析装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち請求項1の発明にかかる透析装置は、血液浄化膜によって内部が血液流路および透析液流路に区画された透析器と、上記透析器の血液流路に接続された静脈通路と動脈通路とを有する血液回路と、上記透析器の透析液流路に接続された透析液供給通路と透析液回収通路とを有する透析液回路とを備えた透析装置において、
上記透析液供給通路と透析液回収通路とを連通するバイパス通路と、上記透析液供給通路における上記バイパス通路との接続位置と透析器との間に設けた透析液供給用開閉弁と、上記透析液回収通路における上記バイパス通路との接続位置と透析器との間に設けた透析液排出用開閉弁と、透析液回路を加圧する加圧手段と、透析液回路を減圧する減圧手段と、これらを制御する制御手段とを備え、
上記透析器にプライミング液を充満させるプライミング作業では、上記透析器を上記静脈通路が上方に接続された状態で保持するとともに、上記血液回路を閉鎖回路とし、
上記制御手段は、透析液供給用開閉弁または透析液排出用開閉弁のいずれか一方を開放して、プライミング液を上記透析液供給通路または透析液回収通路から透析器に流入させるとともに、上記加圧手段によって当該プライミング液を上記血液浄化膜で逆濾過させて透析液流路から血液流路へと流入させ、
血液回路がプライミング液によって加圧されると、制御手段は上記開放した開閉弁を閉鎖して、上記バイパス通路を介して透析液回路を閉鎖回路とし、上記減圧手段によって当該透析液回路を減圧させて、血液回路と透析液回路との間に差圧を生じさせ、
さらに制御手段は透析液供給用開閉弁を開放し、血液回路と透析液回路との間の差圧によって血液流路のプライミング液を血液浄化膜を正濾過させて透析液流路に流入させて、透析液流路の上部に残存する気泡とともに上記透析液供給通路へと排出させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
上記請求項1の発明によれば、最初に加圧手段によってプライミング液を上記透析液供給通路または透析液回収通路から透析器に流入させて、当該プライミング液を上記血液浄化膜で逆濾過させて血液流路へと流入させる。しかしながら、透析器は静脈通路および透析液回収通路が上方に接続された状態で保持されていることから、上部に気泡が残存することとなる。
そこで、減圧手段によって透析液回路を減圧させて血液回路と透析液回路との間に差圧を生じさせ、その状態で透析液供給用開閉弁を開放することにより、差圧によって血液流路のプライミング液が透析液流路に流入し、透析器の上部に残存していた気泡が排出されるようになっている。
これにより、透析器を反転させることなく気泡を透析器から排出することができ、作業者による監視や作業が不要となることから、効率的にプライミング作業を完了させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本実施形態にかかる透析装置の回路図。
透析器を説明する図。
プライミング作業の手順を説明する図。
プライミング作業の手順を説明する図。
プライミング作業の手順を説明する図。
プライミング作業の手順を説明する図。
第2実施形態にかかるプライミング作業の手順を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図示実施形態について本発明を説明すると、図1は透析装置1を示し、血液透析を行う透析器2と、当該透析器2に接続されて血液を流通させる血液回路3と、上記透析器2に接続されて透析液を流通させる透析液回路4とを備えている。また上記透析装置1は図示しない制御手段によって制御されるようになっている。
上記透析装置1では、透析治療を行う前に新たな透析器2および血液回路3を装着して、これら透析器2および血液回路3を生理食塩水や透析液などからなるプライミング液で充満させるプライミング作業が必要となる。
【0009】
図2は、上記透析器2を説明する図となっており、図2(a)~(c)はプライミング作業時における透析器2の状態を示している。
上記透析器2は、筒状のハウジング11の内部に無数の血液浄化膜としての中空糸12を収容した構成を有している。なお、図では模式的に一つの中空糸12を示し、当該中空糸12の内側は血液回路3に連通する血液流路12aを、外側は透析液回路4に連通する透析液流路12bを示している。
上記ハウジング11の両端部には、血液回路3を構成する静脈通路3Aが接続される静脈側ヘッド13と、動脈通路3Bが接続される動脈側ヘッド14とが設けられている。
さらに上記ハウジング11の側面には、上記静脈側ヘッド13および動脈側ヘッド14に隣接した位置に、それぞれ上記透析液回路4が接続される接続ポート11a、11bが設けられている。このうち静脈側ヘッド13側の接続ポート11aには透析液回路4を構成する透析液供給通路4Aが、動脈側ヘッド14側の接続ポート11bには透析液回収通路4Bが接続される。
【0010】
そして透析治療時およびプライミング作業時には、上記透析器2は立てた状態で透析装置1に装着されるようになっており、具体的には上記静脈側ヘッド13を上方に、動脈側ヘッド14が下方に位置するように装着される。
このように透析器2を装着することで、透析治療時には血液回路3の血液は透析器2の下方から動脈通路3Bを介して動脈側ヘッド14より流入し、中空糸12の内部の血液流路12aを下方から上方に向けて流通した後、上方の静脈側ヘッド13より静脈通路3Aへと排出される。
一方、透析液回路4の透析液は、上記透析液供給通路4Aから新鮮な透析液が透析器2の上方の接続ポート11aより流入し、中空糸12の外部の透析液流路12bを上方から下方に向けて流通した後、透析器2の下方の接続ポート11bから透析液回収通路4Bへと排出される。
そして、上記血液が血液流路12aを流通し、透析液が透析液流路12bを流通する間に、血液浄化膜としての中空糸12において血液透析が行われるようになっている。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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