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公開番号2025150699
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-09
出願番号2024051727
出願日2024-03-27
発明の名称マットポリアミド系フィルム及びその製造方法
出願人ユニチカ株式会社
代理人
主分類C08J 5/18 20060101AFI20251002BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】粒子を含有する延伸フィルムであって、所望の艶消し性(マット調)とともに、粒子を含むにもかかわらず、低温環境下でもより優れた衝撃強度および衝撃強度の均一性を兼ね備えたマットポリアミド系フィルム及びその製造方法を提供する。
【解決手段】粒子を0.5~12%含有し、ポリアミド樹脂を含む樹脂組成物からなるポリアミド系フィルムであって、(a)光沢度が50%以下、(b)空隙率が0.4~5%、及び(c)温度5℃雰囲気下でn=100回測定した際のフィルム衝撃強度の最小値と最大値の比(最小値/最大値)が0.5~1.0、をすべて満たすマットポリアミド系フィルムに係る。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリアミド樹脂に、粒子を0.5~12質量%含有するフィルムであって、下記(1)~(3)の特性を全て満たすマットポリアミド系フィルム。
(1)入射角20°で測定した光沢度が50%以下
(2)空隙率が0.4~5%
(3)温度5℃雰囲気下でn=100回測定した際のフィルム衝撃強度の最小値が0.30J以上であり、最小値と最大値の比(最小値/最大値)が0.5~1.0
続きを表示(約 610 文字)【請求項2】
ポリアミド樹脂が、ケミカルリサイクルポリアミド樹脂を10質量%以上含むことを特徴とする請求項1に記載のマットポリアミド系フィルム。
【請求項3】
ヘイズが25%以上である、請求項1または2に記載のマットポリアミド系フィルム。
【請求項4】
請求項1または2に記載のマットポリアミド系フィルムに、他の層が積層された積層体。
【請求項5】
少なくともシーラント層を含む、請求項4に記載の積層体。
【請求項6】
温度5℃雰囲気下でn=100回測定した際のフィルム衝撃強度の最小値と最大値の比(最小値/最大値)が0.6~1.0
である、請求項4または5に記載の積層体。
【請求項7】
請求項1に記載のマットポリアミド系フィルムを製造する方法であって、下記(a)~(c)の工程
(a)ケミカルリサイクルポリアミド樹脂を10質量%以上含むポリアミド樹脂及び粒子を0.5~12質量%含有した樹脂組成物からなる未延伸フィルムを水分率が3~9質量%になるように吸水させた後、予熱温度180~250℃で予熱する工程、
(b)未延伸フィルムを温度170~230℃で長さ方向と幅方向にそれぞれ延伸倍率2.0~4.5倍で延伸する工程、
(c)温度180~230℃で熱固定処理する工程
を含む製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、マットポリアミド系フィルム及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
ポリアミド樹脂フィルムは、良好な機械的特性及び熱的特性を有することから、各種製品の包装用途に幅広く用いられ、特に食品を包装する用途に好適に用いられている。中でも意匠性を高めるために、フィルム表面に細かな凹凸を形成することにより磨りガラス状としたフィルム(マットフィルム)が求められている。マットフィルムは、フィルム表面の光沢を低減しつつ(艶消し効果)、内容物を視覚的にぼかし、和紙風合いを醸し出すことにより、高級感のある包装製品として人気を博している。
【0003】
フィルムをマット調に加工する方法としては、例えばフィルム原料に粒子を含有させる方法、フィルムを製膜後に表面処理する方法等がある。中でも、フィルム原料に粒子を含有させる方法は、比較的低コストでより確実に艶消し効果等を得ることができるという点で有効である。
【0004】
フィルム原料に粒子を含有させる場合、延伸工程において粒子と密着している樹脂部分が延伸応力によって剥離し、フィルム中に空隙が発生し、フィルムの機械的強度が低下してしまう可能性がある。特許文献1には、特定の延伸条件を採用することにより空隙の発生率を適度な範囲に制御し、機械的強度の低下を抑える方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2017/119446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1により、所望の艶消し効果を有し、かつフィルム中に含まれる粒子に起因する機械的強度の低下を抑えたマット調フィルムを得ることが可能となったが、冷蔵環境のような低温環境下において、局所的に衝撃強度が低い部分が生じる場合があった。すなわち低温環境下における衝撃強度の測定回数を増やした際に、測定される衝撃強度のばらつきが大きくなることがあった。
【0007】
従って、本発明の目的は、所望のマット調を有するとともに、低温環境下での衝撃強度のばらつきが小さいマットポリアミド系フィルム及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の工程からなる製造方法によって、特異な性質を有するマットポリアミド系フィルムが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
より具体的には、リサイクル原料として再生モノマーを重合して得られるポリアミド樹脂(以下ケミカルリサイクルポリアミド樹脂と呼称する)を使用し、粒子を特定量含有することで、低温環境下での衝撃強度のばらつきが小さいマットポリアミド系フィルムを得ることに成功した。
【0010】
すなわち、本発明の要旨は下記のとおりである。
イ.ポリアミド樹脂に、粒子を0.5~12質量%含有するフィルムであって、下記(1)~(3)の特性を全て満たすマットポリアミド系フィルム。
(1)入射角20°で測定した光沢度が50%以下
(2)空隙率が0.4~5%
(3)温度5℃雰囲気下でn=100回測定した際のフィルム衝撃強度の最小値が0.30J以上であり、最小値と最大値の比(最小値/最大値)が0.5~1.0
ロ.ポリアミド樹脂が、ケミカルリサイクルポリアミド樹脂を10質量%以上含むことを特徴とするイに記載のマットポリアミド系フィルム。
ハ.ヘイズが25%以上である、イまたはロに記載のマットポリアミド系フィルム。
ニ.イまたはロに記載のマットポリアミド系フィルムに、他の層が積層された積層体。
ホ.少なくともシーラント層を含む、ニに記載の積層体。
ヘ.温度5℃雰囲気下でn=100回測定した際のフィルム衝撃強度の最小値と最大値の比(最小値/最大値)が0.6~1.0である、ニまたはホに記載の積層体。
ト.イに記載のマットポリアミド系フィルムを製造する方法であって、下記(a)~(c)の工程
(a)ケミカルリサイクルポリアミド樹脂を10質量%以上含むポリアミド樹脂及び粒子を0.5~12質量%含有した樹脂組成物からなる未延伸フィルムを水分率が3~9質量%になるように吸水させた後、予熱温度180~250℃で予熱する工程、
(b)未延伸フィルムを温度170~230℃で長さ方向と幅方向にそれぞれ延伸倍率2.0~4.5倍で延伸する工程、
(c)温度180~230℃で熱固定処理する工程
を含む製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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