TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
10個以上の画像は省略されています。
公開番号
2025155803
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-14
出願番号
2024231800
出願日
2024-12-27
発明の名称
ポリウレタン系歯科切削加工用ミルブランクとその製造方法
出願人
株式会社トクヤマデンタル
代理人
主分類
A61L
27/18 20060101AFI20251002BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】 CAD/CAMシステムにより機械的物性に優れる義歯床を作製することが可能で且つ切削加工性が良好なポリウレタン成形体からなる被切削加工部を有する歯科切削加工用ミルブランクを提供する。
【解決手段】 ポリオール成分(I)とジイソシアネート成分(II)とを、(I)中の水酸基総数に対する(II)中のイソシアネート基の比が0.9~1.1になるようにして重付加させて前記ポリウレタン成形体を得るに際して、ポリウレタン中に導入される化学架橋及びウレタン結合に関する指標であって、夫々特定の式で計算される平均架橋点数:N
CP
及びウレタン基間距離:Dが、N
CP
=2.0~3.0、D=5~9となるように各成分を構成する化合物を選定する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ポリウレタン樹脂の成形体からなる被切削加工部を有する歯科切削加工用ミルブランクであって、
前記ポリウレタン樹脂は、少なくとも1種のポリオール化合物からなるポリオール成分(I)と少なくとも1種のジイソシアネート化合物からなるジイソシアネート成分(II)とを、
(1) 前記ポリオール成分(I)に含まれる水酸基(-OH)の総数:N
OH
{=Σ(M
(n)
×N
OH(n)
)}に対する前記ジイソシアネート成分(II)に含まれるイソシアネート基(-N=C=O)の総数:N
NCO
{=Σ(M
(m)
×N
NCO(m)
)}の比:N
NCO
/N
OH
が0.9~1.1になるという条件、
(2) 前記重付加反応に用いる前記ポリオール成分(I)について、該成分を構成するポリオール化合物の種類数をnとし、種類ごとに、そのモル数をM
(n)
とし、1分子中に含まれる水酸基の数をN
OH(n)
とし、前記重付加反応に用いる前記ジイソシアネート成分(II)について、該成分を構成するジイソシアネート化合物の種類数をmとし、種類ごとに、そのモル数をM
(m)
とし、1分子中に含まれるイソシアネート基の数:2をN
NCO(m)
としたときに、
式: N
CP
={Σ(M
(n)
×N
OH(n)
)+Σ(M
(m)
×N
NCO(m)
)}/(ΣM
(n)
+ΣM
(m)
)
で表される前記ポリウレタン樹脂における平均架橋点数:N
CP
が2.0~3.0になるという条件、及び
(3) 前記重付加反応に用いる前記ポリオール成分(I)について、該成分を構成するポリオール化合物の種類数をnとし、種類ごとに、そのモル数をM
(n)
とし、1分子中に含まれる全ての水酸基の中から2個の水酸基を選択する全ての組み合わせにおいて、各組合せで選択された2個の水酸基間に介在する2価の有機基の中で主鎖を構成する原子数が最小のものにおける当該原子数を求めて足し合わせた総和を、前記組合せの数{1分子中の含まれる水酸基数をαとしたときにおける
α
C
2
=α・(α-1)/2}で除した値として定義される、各種ポリオール化合物の平均OH間距離をd
OH(n)
とし、
前記重付加反応に用いる前記ジイソシアネート成分(II)について、該成分を構成するジイソシアネート化合物の種類数をmとし、種類ごとに、そのモル数をM
(m)
とし、1分子中に含まれる2個のイソシアネート基間に介在する2価の有機基の中で主鎖を構成する原子数が最小のものにおける当該原子数として定義される、各種ジイソシアネート化合物の平均NCO間距離をd
NCO(m)
としたときに、
式:D={Σ(M
(n)
×d
OH(n)
)+Σ(M
(m)
×d
NCO(m)
)}/(ΣM
(n)
+ΣM
(m)
)
で表されるウレタン基間距離:Dが5~9になるという条件
を全て満足するようにして重付加させることにより得られるポリウレタン樹脂であることを特徴とする歯科切削加工用ミルブランク。
続きを表示(約 2,000 文字)
【請求項2】
前記ポリオール成分(I)が下記一般式(1-a)
JPEG
2025155803000012.jpg
37
69
{式中、Lは水素原子、メチル基又はエチル基であり、メチレンユニットの数を表すaは、0~3の整数であり、分子内に複数存在するaは互いに異なっていてもよく、Rは、単なる結合手又は下記式
JPEG
2025155803000013.jpg
20
68
(式中、xは2~4の整数であり、rは1~6の整数であり、R
1
は水素原子又はメチル基であり、複数存在するR
1
は互いに異なっていてもよい。)
で示される2価の基である。}
で示される「分子内に水酸基を3個有するポリオール化合物」より選ばれる少なくとも1種の化合物:75~95mol%及び分子内にラジカル重合性基を含むジオール化合物:5~25mol%からなる、
請求項1に記載の歯科切削加工用ミルブランク。
【請求項3】
所定の直径及び厚さを有し、外周には凸部又は凹部が形成されている円柱状又は円盤状の歯科切削加工用ミルブランクである“標準ディスク”を保持することができるディスクホルダーを備えた切削加工機を用いてCAD/CAMシステムで使用される標準ディスクとなる外形を有し、その上面における外周縁近傍領域に、ミルブランク装着位置確認用マーカーを備える、
ことを特徴とする前記請求項1に記載の歯科切削加工用ミルブランク。
【請求項4】
請求項1に記載の歯科切削加工用ミルブランクを製造する方法であって、
前記被切削加工部の製造工程として、
ポリオール化合物からなるポリオール成分(I)と、ジイソシアネート化合物からなるジイソシアネート成分(II)と、の混合物であって、前記(1)~(3)の条件をすべて満足する混合物を含んでなる原料組成物を調製する原料組成物調製工程;及び
前記原料組成物を注型した後に重付加反応を行って、ポリウレタン樹脂成形体を得る重付加工程;
を含む、ことを特徴とする歯科切削加工用ミルブランクの製造方法。
【請求項5】
原料組成物調製工程において、
前記ポリオール成分(I)として、
下記一般式(1-a)及び(1-b)
JPEG
2025155803000014.jpg
35
69
{式中、Lは水素原子、メチル基又はエチル基であり、分子中に複数のLが存在する場合、当該複数のLは、互いに異なっていてもよく、メチレンユニットの数を表すaは、0~3の整数であり、分子内に複数存在するaは互いに異なっていてもよく、Rは、単なる結合手又は下記式
JPEG
2025155803000015.jpg
19
68
(式中、xは2~4の整数であり、yは2~6の整数であり、rは1~6の整数であり、R
1
は水素原子又はメチル基であり、複数存在するR
1
は互いに異なっていてもよい。)
で示される2価の基である。}
で示される「分子内に水酸基を3又は4個有するポリオール化合物」、並びに
下記一般式(1-c)
JPEG
2025155803000016.jpg
26
68
{式中、bは3~5の整数であり、Rは前記一般式(1-a)~(1-b)におけるRと同義であり、Xは下記式
JPEG
2025155803000017.jpg
21
70
(但し、R
11
は炭素数1~3のアルキル基である。)
で示されるいずれかの原子又は基であり、bが4であるときにおけるXの少なくとも一つは水素原子ではなく、bが5であるときにおける2つのXは何れも水素原子ではなく、複数存在するXは互いに異なっていてもよい。}
で示される、「分子内に水酸基を3~5個有するポリオール化合物」
からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物からなる特定ポリオール化合物(I
s
)を40~100mol%含む物を使用する、
ことを特徴とする請求項2に記載の歯科切削加工用ミルブランクの製造方法。
【請求項6】
前記ポリオール成分(I)として、前記一般式(1-a)で示される「分子内に水酸基を3個有するポリオール化合物」より選ばれる少なくとも1種の化合物からなる前記特定ポリオール化合物(I
s
):75~95mol%及び分子内にラジカル重合性基を含むジオール化合物:5~25mol%からなる組成物を用いる、
請求項4に記載の歯科切削加工用ミルブランクの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリウレタン系歯科切削加工用ミルブランクに関する。詳しくは、歯科用CAD/CAMシステムを用いた切削加工により歯科用補綴物を製造するための切削加工用材料として好適に使用できるポリウレタン系歯科切削加工用ミルブランクに関する。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
歯科治療において、インレー、クラウン、ブリッジ、義歯床などの歯科用補綴物を作製する一手法として、歯科用CAD/CAMシステムを用いて切削加工する方法がある。歯科用CAD/CAMシステムとは、コンピュータを利用し三次元座標データに基づいて歯科用補綴物の設計を行い、切削加工機などを用いて補綴物を作成するシステムである。切削加工用材料としては、ガラスセラミックス、ジルコニア、チタン、レジンなど様々な材料が用いられる。中でも、義歯床においては、ポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂のような有機樹脂の歯科切削加工用材料が使用されている。
【0003】
一方、義歯床作製用樹脂としては、ポリウレタン樹脂が知られている。すなわち、ポリウレタン樹脂は、その原料を変化させることで、レンズのような物性から、ゴムのような物性まで得られることから、熱可塑性ポリウレタン樹脂により義歯を作製することは、古くから検討されている(特許文献1参照)。
【0004】
また、ポリアミド樹脂は、破折し難いという優れた特長を有することから、1950年代から部分床義歯のような補綴物用の材料として使用されているが、ポリアミド樹脂を用いて作製された義歯床の補修に用いられる義歯床用裏装材に対する接着性は乏しいことが知られている(特許文献1及び非特許文献1参照)。
【0005】
ところで、義歯床、特に総義歯用の義歯床作製用の歯科切削加工用ミルブランクとしては、規格化された直径及び厚さを有するディスク状(円盤状或いは高さの低い円柱状)のものであって、その外周に切削加工機への取り付けに利用される規格化された構造(以下、「ディスク側保持構造またはディスク側保持機構」ともいう。)を有する「標準ディスク」と呼ばれるものが商業的に広く普及している(非特許文献2~3参照)。一方、切削加工機も「標準ディスク」をセットできるような(切削加工機毎に専用の)ディスクホルダーを備えているのが一般的である。なお、ディスクホルダーの具体的形状や標準ディスクを保持する具体的な保持機構は切削加工機によって区々であるが、「標準ディスク」は、通常、ディスクホルダーへの保持を企図したディスク側保持構造(機構)として、外周に形成された凸部又は凹部を有するので、該ディスク側保持構造(機構)を利用して(例えば嵌合又は係合して)標準ディスクを保持できる「標準ディスク保持機構」を有している点では共通している。なお、ディスク側保持構造(機構)は1種ではないもののその種類は限られているため、切削加工機に1又2程度のディスクホルダーを用意することで多くの「標準ディスク」に対応できるようになっている。
【0006】
上記標準ディスクは、直径がかなり大きいため、総義歯だけでなく、部分義歯や歯冠の作製に使用されることもあり、その際には同時に複数の義歯・歯冠を作成することができるといったメリットがある。また、CADソフト上では、標準ディスクの切削がなされていない部分で切削加工出来るように、すでに切削された部分を避けて設計することが可能であり、一部を使用した標準ディスクについて切削がなされていない部分(未使用部分)を再利用する方法も知られている(特許文献3~5参照)。すなわち、特許文献3には、既に歯科修復物が切削されたCADCAMディスクの切削されていない部分から、新に歯科修復物をCAM装置を用いて切削する為に、既に歯科修復物が切削されたCADCAMディスクの画像データを用いて歯科修復切削予定の物配置データを得る方法が記載されている。
【0007】
また、一部を使用した標準ディスクを一旦装置から取り外した後に、位置ずれを起こさないように再装着して上記したような再利用を行う方法として、特許文献4には、標準ディスクである「円柱であり、円柱の上面及び底面は平行であり且つ側面と直角であり、円柱の円周部に少なくとも二つの凹部を有し、凹部は、円柱の上面及び底面から高さ方向に上面及び底面と平行に、且つ、円柱の側面から中心軸方向に円柱の同心円筒状に設け、凹部は上面及び底面と平行な平面と円柱の同心円柱の曲面からなり、凹部の平面と曲面は直角に交わっている歯科用CADCAM用被切削体」に位置決め切欠部を設けると共にそれを保持して切削加工に装着するための保持具に該切り欠き部と嵌合する構造を設ける方法が記載されている。更に、一部を使用した標準ディスクを一旦装置から取り外した後に、別の切磋化装置に装着して上記したような再利用を行う方法として、特許文献5には、「切削加工機に装着可能であり、かつ前記切削加工機への装着方向が物理的に定義された保持具に、被加工物を装着した状態で、撮像装置によって前記被加工物の形状を撮影し、被加工物の形状データを取得する工程と、目的とする歯科技工物の形状データが前記被加工物の形状データ内の任意の位置に配置される工程を備える、歯科技工物の形状データの配置方法」が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2013-249297号公報
特願昭61-220646号公報
特開2018-171312号公報
特許第6344808公報
特開2020-137956公報
【非特許文献】
【0009】
笛木賢治他「熱可塑性樹脂を用いた部分床義歯(ノンメタルクラスプデンチャー)の臨床応用」日本補綴歯科学会会誌、4号、387-408頁、2013年発行
YAMAKIN社、KZR-CADデンチャーPC&プロビPC製品パンフレット、[2024年8月9日検索]、インターネット〈URL:https://www.yamakin-gold.co.jp/technical_support/webrequest/pdf/kzr-cad_pc.pdf〉
Zilkonzahn社、Millable materials、[2024年8月9日検索]、インターネット〈URL:https://zirkonzahn.com/en/products/millable-materials〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記したように、ポリウレタン樹脂を用いることにより、好ましい機械的物性を有する義歯床を作製することが可能であるが、熱可塑性ポリウレタン樹脂を用いて義歯床を作製する場合には、専ら射出成型法により、該樹脂の切削加工性が悪いこともあってCAD/CAMシステムが用いられることは無かった。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
関連特許
個人
健康器具
8か月前
個人
歯茎みが品
8か月前
個人
鼾防止用具
7か月前
個人
短下肢装具
2か月前
個人
白内障治療法
7か月前
個人
排尿補助器具
3日前
個人
マッサージ機
8か月前
個人
脈波測定方法
8か月前
個人
洗井間専家。
6か月前
個人
前腕誘導装置
3か月前
個人
脈波測定方法
7か月前
個人
導電香
8か月前
個人
嚥下鍛錬装置
3か月前
個人
汚れ防止シート
18日前
個人
ホバーアイロン
6か月前
個人
矯正椅子
4か月前
個人
アイマスク装置
1か月前
個人
バッグ式オムツ
4か月前
個人
胸骨圧迫補助具
1か月前
個人
ウォート指圧法
1日前
個人
歯の修復用材料
3か月前
個人
口内洗浄具
8か月前
三生医薬株式会社
錠剤
7か月前
個人
歯の保護用シール
4か月前
個人
陣痛緩和具
3か月前
個人
シャンプー
5か月前
個人
哺乳瓶冷まし容器
2か月前
個人
湿布連続貼り機。
2か月前
個人
車椅子持ち上げ器
7か月前
株式会社 MTG
浴用剤
8か月前
株式会社八光
剥離吸引管
4か月前
個人
服薬支援装置
7か月前
株式会社大野
骨壷
3か月前
個人
エア誘導コルセット
1か月前
個人
治療用酸化防御装置
1か月前
個人
性行為補助具
2か月前
続きを見る
他の特許を見る