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公開番号2025155982
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-14
出願番号2025036614
出願日2025-03-07
発明の名称変性共役ジエン系重合体の製造方法、並びに、そのゴム組成物及び加硫ゴム組成物
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08F 8/30 20060101AFI20251002BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】ベール成型後のコールドフロー性を抑制したうえで、ゴム組成物とする際のフィラーの分散性と加工性とに優れ、加硫物とした際の省燃費性能及び防振特性、引張強度に優れる変性共役ジエン系重合体の製造方法、及び、当該変性共役ジエン系重合体を含むゴム組成物及び加硫ゴム組成物を提供する。
【解決手段】変性共役ジエン系重合体の製造方法であって、炭化水素溶媒中で、有機リチウム開始剤を用いて極性物質存在下、少なくとも一種の共役ジエン系単量体を重合、又は、共役ジエン単量体と芳香族ビニル化合物を共重合させる重合工程と、得られた活性末端を有する重合体に、活性末端と反応する非ハロゲン官能基を1分子中に3個以上有する窒素原子含有のカップリング剤、並びに、活性末端と反応する分子中に少なくとも1つのカルボニル基、及び、少なくとも1つの置換アミノ基、を併せもつ変性剤を添加する工程と、を含む変性共役ジエン系重合体の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
変性共役ジエン系重合体の製造方法であって、
炭化水素溶媒中で、有機リチウム開始剤を用いて極性物質存在下、少なくとも一種の共役ジエン系単量体を重合、又は、共役ジエン単量体と芳香族ビニル化合物を共重合させる重合工程と、
前記重合工程で得られた活性末端を有する重合体に、前記活性末端と反応する非ハロゲン官能基を1分子中に3個以上有する窒素原子含有のカップリング剤、並びに、前記活性末端と反応する分子中に少なくとも1つのカルボニル基、及び、少なくとも1つの置換アミノ基、を併せもつ変性剤を添加する工程と、を含み、
前記変性共役ジエン系重合体は、
(1)3分岐以上のカップリング共役ジエン系重合体を含み、
(2)窒素原子含有のカップリング成分と窒素原子とを有し、
(3)100℃で測定されるムーニー粘度が30以上120以下であり、
(4)粘度計付GPC-光散乱法による収縮因子(g’)が0.97以下0.77以上であり、
(5)ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)で測定されるクロマトグラフの形状が単峰性であり、
(6)前記GPCで測定される分子量分布が1.60以上3.00以下である、
変性共役ジエン系重合体の製造方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記変性共役ジエン系重合体のガラス転移温度が、-110℃~-80℃である、請求項1に記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。
【請求項3】
前記変性共役ジエン系重合体の共役ジエン単位中の1,2ビニル結合量が10モル%以上、25モル%以下である、請求項1に記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。
【請求項4】
前記変性共役ジエン系重合体の芳香族ビニル結合量が、0質量%以上、10質量%以下である、請求項1に記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。
【請求項5】
前記変性共役ジエン系重合体のカラム吸着法GPCで測定される変性率が、50質量%以上である、請求項1に記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。
【請求項6】
前記変性共役ジエン系重合体が、高級脂肪酸を、100ppm以上、1000ppm以下含有する、請求項1に記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。
【請求項7】
前記重合工程で得られた活性末端を有する重合体に前記カップリング剤及び前記変性剤を添加する工程の反応時間において、前記活性末端を有する重合体と前記変性剤との10秒間以上、5分間未満である、請求項1に記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。
【請求項8】
前記変性共役ジエン系重合体が、下記式(I)及び/又は下記式(II)で示される構造を有する成分を、40質量%以上、90質量%以下含有する、請求項1に記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。
JPEG
2025155982000013.jpg
36
170
(式(I)中、Pは少なくとも一種の共役ジエン単量体を含有する共役ジエン系重合体を表し、R
1
とR
2
は各々独立に炭素数1~20の炭化水素基を表す。)
JPEG
2025155982000014.jpg
36
170
(式(II)中、Pは少なくとも一種の共役ジエン単量体を含有する共役ジエン系重合体を表し、R
1
とR
2
は各々独立に炭素数1~20の炭化水素基を表す。)
【請求項9】
ゴム成分と、前記ゴム成分100質量部に対して5.0質量部以上150質量部以下の充填剤と、を含み、
前記ゴム成分は、前記ゴム成分の総量に対して、請求項1~請求項8のいずれか一つに記載の方法で製造した変性共役ジエン系重合体を10質量%以上含む、ゴム組成物。
【請求項10】
前記充填剤がカーボンブラックである、請求項9に記載のゴム組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、変性共役ジエン系重合体の製造方法、並びに、そのゴム組成物及び加硫ゴム組成物に関する。
続きを表示(約 3,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、自動車に対する低燃費化要求が高まっており、自動車用タイヤ、特に路面と接するタイヤトレッドに用いられるゴム材料の改良が求められている。
近年、自動車に対する燃費規制要求の高まりから、タイヤへの要求特性として走行時のタイヤによるエネルギーロスの小さいタイヤが求められている。特に路面と接するタイヤトレッドに用いられるゴム材料は、転がり抵抗が小さい、すなわち低ヒステリシスロス性を有するゴム材料が求められている。
特に、例えばトラックやバスといった大型車両に用いられる高加重用タイヤの要求性能として、従来までの高加重を支えるための高強度や耐摩耗性能といった特性に加え、エネルギーロスの小さい燃費性能を改良したタイヤが求められている。具体的に、高加重用タイヤトレッドに用いられるゴム材料は、引張強度が高く、省燃費性に優れたゴム組成物が求められている。
【0003】
上述の要求に応えるゴム材料として、例えば、ポリマー鎖の末端にヒドロキシル基を有する変性共役ジエン系重合体とその組成物や、ポリマー鎖の末端にヒドロカルビルオキシシラン化合物を反応させた後、さらにヒドロカルビルオキシシラン化合物等の特定化合物を反応させる共役ジエン系重合体の製造方法、及び組成物が提案されている(例えば特許文献1及び2参照)
【0004】
しかしながら、重加重用タイヤには、耐久性、耐摩耗性の観点から依然としてカーボンブラックを配合したゴム組成物が好適に用いられており、フィラーとしてカーボンブラックを配合した組成物での省燃費性、耐摩耗性、引張強度を高めたゴム組成物が求められているが、ゴム組成物中においてフィラーの分散状態が不十分であると、省燃費性、耐摩耗性、引張強度が十分に発現されないという課題を有している。
他方において、工業用品として用いられるゴム製品も耐久性、加工性の観点から、カーボンブラックを配合したゴム組成物が好適に用いられており、例えば自動車や電車等の防振ゴムとしては、圧縮永久歪や動倍率といった防振特性に優れる天然ゴムを含有するゴム材料が提案されている(例えば特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2017-171806号公報
国際公開第03/046020号パンフレット
特開2004-292679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、近年のゴム材料では、フィラーの分散性が不十分な場合がある。フィラーを含むゴム組成物中において、フィラーの分散性が不十分であると、防振特性が十分に発現されないという課題を有している。加えて、高加重タイヤトレッド、工業用品に好適に用いられる、共役ジエン系重合体は製品形状であるベールが流れ易く(以降、“コールドフロー性”と記す)貯蔵後のベールが取り扱い難い、問題がある。
【0007】
かかる背景から、省燃費性、引張強度、防振特性、に優れる共役ジエン系重合体を提供することが望まれるが、ゴム組成物の加工性と加硫した際の引張強度、耐摩耗性とは互いに背反の関係にあり、両立するのが困難であるという課題がある。
【0008】
そこで、本発明においては、ベール成型後のコールドフロー性を抑制したうえで、ゴム組成物とする際のフィラーの分散性と加工性とに優れ、加硫物とした際の省燃費性能及び防振特性、引張強度に優れる変性共役ジエン系重合体の製造方法、及び、当該変性共役ジエン系重合体を含むゴム組成物及び加硫ゴム組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上述した従来技術の課題を解決するために鋭意研究検討した結果、炭化水素溶媒中で、有機リチウム開始剤を用いて極性物質存在下、少なくとも一種の共役ジエン系単量体を重合、または共役ジエン単量体と芳香族ビニル化合物を共重合させた後に得られた重合体の活性末端と、
非ハロゲンからなる活性末端と反応する官能基を1分子中に3個以上有する窒素原子含有のカップリング剤と、活性末端と反応する分子中に少なくとも1つのカルボニル基(>C=O)と少なくとも1つの置換アミノ基を併せもつ変性剤を添加して、
3分岐以上の窒素原子含有のカップリング成分と窒素原子を含有する変性ポリマーとを得、
100℃で測定されるムーニー粘度、粘度計付GPC-光散乱法による収縮因子(g’)が特定の範囲にあり、
ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)で測定されるクロマトグラフの形状が単峰性であり、分子量分布の範囲を特定した変性共役ジエン系重合体が、コールドフロー性を抑制したうえで、ゴム組成物とする際のフィラーの分散性と加工性に優れ、加硫物とした際の省燃費性能及び防振特性、引張強度を高度に両立することを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
すなわち本発明は以下の通りである。
<1>
変性共役ジエン系重合体の製造方法であって、
炭化水素溶媒中で、有機リチウム開始剤を用いて極性物質存在下、少なくとも一種の共役ジエン系単量体を重合、又は、共役ジエン単量体と芳香族ビニル化合物を共重合させる重合工程と、
前記重合工程で得られた活性末端を有する重合体に、前記活性末端と反応する非ハロゲン官能基を1分子中に3個以上有する窒素原子含有のカップリング剤、並びに、前記活性末端と反応する分子中に少なくとも1つのカルボニル基、及び、少なくとも1つの置換アミノ基、を併せもつ変性剤を添加する工程と、を含み、
前記変性共役ジエン系重合体は、
(1)3分岐以上のカップリング共役ジエン系重合体を含み、
(2)窒素原子含有のカップリング成分と窒素原子とを有し、
(3)100℃で測定されるムーニー粘度が30以上120以下であり、
(4)粘度計付GPC-光散乱法による収縮因子(g’)が0.97以下0.77以上であり、
(5)ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)で測定されるクロマトグラフの形状が単峰性であり、
(6)前記GPCで測定される分子量分布が1.60以上3.00以下である、
変性共役ジエン系重合体の製造方法。
<2>
前記変性共役ジエン系重合体のガラス転移温度が、-110℃~-80℃である、前記<1>に記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。
<3>
前記変性共役ジエン系重合体の共役ジエン単位中の1,2ビニル結合量が10モル%以上、25モル%以下である、前記<1>又は<2>に記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。
<4>
前記変性共役ジエン系重合体の芳香族ビニル結合量が、0質量%以上、10質量%以下である、前記<1>~<3>のいずれかに記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。
<5>
前記変性共役ジエン系重合体のカラム吸着法GPCで測定される変性率が、50質量%以上である、前記<1>~<4>のいずれかに記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。
<6>
前記変性共役ジエン系重合体が、高級脂肪酸を、100ppm以上、1000ppm以下含有する、前記<1>~<5>のいずれかに記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。
<7>
前記重合工程で得られた活性末端を有する重合体に前記カップリング剤及び前記変性剤を添加する工程において、前記活性末端を有する重合体と前記変性剤との反応時間が、10秒間以上、5分間未満である、前記<1>~<6>のいずれかに記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。
<8>
前記変性共役ジエン系重合体が、下記式(I)及び/又は下記式(II)で示される構造を有する成分を、40質量%以上、90質量%以下含有する、前記<1>~<7>のいずれかに記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。
JPEG
2025155982000001.jpg
36
170
(式(I)中、Pは少なくとも一種の共役ジエン単量体を含有する共役ジエン系重合体を表し、R
1
とR
2
は各々独立に炭素数1~20の炭化水素基を表す。)
JPEG
2025155982000002.jpg
36
170
(式(II)中、Pは少なくとも一種の共役ジエン単量体を含有する共役ジエン系重合体を表し、R
1
とR
2
は各々独立に炭素数1~20の炭化水素基を表す。)
<9>
ゴム成分と、前記ゴム成分100質量部に対して5.0質量部以上150質量部以下の充填剤と、を含み、
前記ゴム成分は、前記ゴム成分の総量に対して、前記<1>~<8>のいずれかに記載の方法で製造した変性共役ジエン系重合体を10質量%以上含む、ゴム組成物。
<10>
前記充填剤がカーボンブラックである、前記<9>に記載のゴム組成物。
<11>
前記<8>又は<10>に記載のゴム組成物を含む、加硫ゴム組成物。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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