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公開番号2025157026
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-15
出願番号2024121271
出願日2024-07-26
発明の名称有機物含有排水からの水回収装置及び方法
出願人栗田工業株式会社
代理人個人,個人
主分類B01D 61/36 20060101AFI20251007BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】宇宙船内や月面基地等の閉鎖系空間における揮発性有機物や低分子量の有機物を含む排水から水を回収する装置であって、酸素の供給が不要又は少量で足り、また活性炭などの交換を前提とした消耗品を必要としない水回収装置を提供する。
【解決手段】揮発性有機物又は分子量200以下の低分子量の有機物を含有する排水を処理して水を回収する水回収装置であって、孔径3.0~4.2Åの分離膜を用いて前記排水を浸透気化処理する分離膜モジュール2を備え、該分離膜モジュール2によって有機物が除去された処理水を回収する有機物含有排水からの水回収装置。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
揮発性有機物又は分子量200以下の低分子量の有機物を含有する排水を処理して水を回収する水回収装置であって、
孔径3.0~4.2Åの分離膜を用いて前記排水を浸透気化処理する分離膜モジュールを備え、該分離膜モジュールによって有機物が除去された処理水を回収する有機物含有排水からの水回収装置。
続きを表示(約 890 文字)【請求項2】
宇宙船又は月面基地用である請求項1の有機物含有排水からの水回収装置。
【請求項3】
前記分離膜はゼオライト膜である請求項1の有機物含有排水からの水回収装置。
【請求項4】
分離膜によって隔てられた一次側及び二次側を備え、一次側に導入された前記排水を、有機物が除去された水蒸気と有機物が濃縮された濃縮水とに分離する前記分離膜モジュールと、
該分離膜モジュールの該二次側の圧力を、該一次側の排水温度における飽和水蒸気圧未満に低下させるためのガス吸引機器と、
該分離膜モジュールの該二次側における排水の圧力を、その飽和水蒸気圧以上とするための圧力調整機器を備え、
前記二次側からの有機物が除去された水蒸気を凝縮させることによって処理水を得る請求項1の有機物含有排水からの水回収装置。
【請求項5】
前記ガス吸引機器からの水蒸気が凝縮した凝縮水を気泡除去処理するための気液分離装置を備えた請求項4の有機物含有排水からの水回収装置。
【請求項6】
前記排水、濃縮水、及び処理水の貯留部として、貯留する水量に合わせて容積が変わる容積可変液貯留槽を備えた請求項4の有機物含有排水からの水回収装置。
【請求項7】
前記分離膜モジュール内部の流体を加熱する加熱機器が該分離膜モジュールに設置されている請求項1の有機物含有排水からの水回収装置。
【請求項8】
前記分離膜モジュールの二次側からの濃縮水を排水流入側に循環させる循環手段を有する請求項4の有機物含有排水からの水回収装置。
【請求項9】
前記ガス吸引機器からの水蒸気から潜熱を回収する凝縮器を備えた請求項4の有機物含有排水からの水回収装置。
【請求項10】
前記分離膜モジュールに供給される前記排水を、前記凝縮器からの凝縮水と熱交換させて加熱するための熱交換器を備えることを特徴とする請求項9の有機物含有排水からの水回収装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は宇宙船内や月面基地等の閉鎖系空間における水回収装置及び方法に係り、特に、揮発性有機物や低分子量の有機物を含む排水を、分離膜を用いた浸透気化法で処理して水を回収する水回収装置及び方法に関する。
続きを表示(約 1,200 文字)【背景技術】
【0002】
国際宇宙ステーション内では、減圧蒸留と、高温触媒酸化と、吸着剤とを組み合わせたシステムにより尿や空調凝縮水等を処理している。
【0003】
減圧蒸留では無機イオンや比較的分子量の大きい有機物は除去できるが、揮発性有機物や低分子の有機物は除去できない。これらの有機物は後段の高温触媒酸化処理によって二酸化炭素まで分解されるが、完全には分解できずに一部は有害な有機物として残留する。残留した有機物は活性炭やイオン交換樹脂等の吸着剤によって除去される。
【0004】
しかし、活性炭やイオン交換樹脂は消耗品であり、定期的に地上から補給し、宇宙飛行士によって交換してもらう必要がある。地上からの補給には莫大な打ち上げ費用が必要となることに加え、ロケット打ち上げ失敗時に飲料水の供給リスクとなるという問題点がある。宇宙飛行士による交換作業も極力減らすことが望ましい。
【0005】
微小重力環境下での減圧蒸留処理には、気液界面を一定に保つために、遠心分離機を用い、被処理水の入ったドラムを回転させて、遠心力によって気液界面を強制的に作り出す方式が用いられるが、複雑な機構の装置となるため故障しやすく、回転体摺動部等に頻繁なメンテナンスが必要になるという欠点があった。
【0006】
高温触媒酸化処理では、触媒カラム内に被処理水と共に酸素を供給する必要がある。宇宙船内で酸素は重要な資源であり、消費分を水の電気分解で生成する必要がある。そのため、酸素を消費することは、宇宙船全体での消費電力の増加や、間接的に水の損失につながる。
【0007】
また、従来の水回収装置では、必要なユニット数が多く、付随する液貯留槽、ポンプ、バルブ、計器といった機器類も数多く搭載する必要があるため、装置が大きく、限られた宇宙船のスペースに設置しにくいという問題があった。
【0008】
その他の宇宙船向けの水処理システムとして、特許文献1には、膜蒸留モジュールと、逆浸透膜ユニットと、触媒酸化ユニットとを組み合わせたシステムが記載されている。
【0009】
かかる特許文献1の宇宙用水処理システムによると、膜蒸留や逆浸透(RO)膜処理によって、触媒酸化で処理する有機物負荷が減少する。しかし、揮発性有機物や低分子量の有機物は、一般的な高分子膜を用いた膜蒸留やRO膜では除去率が低く、十分な負荷低減策とはならない。また、複数種の有機物処理ユニットを組み合わせる必要があり、設置スペースが大きいという問題があった。
【0010】
また、膜蒸留では、実質的に高分子多孔質疎水性膜以外に適用できる膜がないが、排水中の有機物による汚染等で親水化することで、水蒸気側に直接有機物を高濃度で含む排水が流入するリスクがある。
(【0011】以降は省略されています)

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