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公開番号
2025031438
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-07
出願番号
2023188481
出願日
2023-11-02
発明の名称
食品検査システム、及び食品検査方法
出願人
国立成功大学
,
NATIONAL CHENG KUNG UNIVERSITY
代理人
弁理士法人みなとみらい特許事務所
主分類
G01N
21/65 20060101AFI20250228BHJP(測定;試験)
要約
【課題】抽出設備と、被験液と、レーザー光源と、ラマン分光器と、金属ナノ粒子のない表面増強ラマン散乱基板とを含む、食品検査システムを提供する。
【解決手段】表面増強ラマン散乱基板3は、金属ナノ粒子を用いることが必要ないため、従来の表面増強ラマン散乱基板と比べ、優れた安定性及び再現性を有する。二次元及び三次元孔構造を有する陽極アルミナ基板を用いることにより、表面増強ラマン散乱基板は高感度、高安定性、高再現性を有するため、食品検査の時間の短縮と製作コストの節約ができ、また、低コストで、迅速で、安定性と信頼性の高い食品検査システムを用いる食品検査方法が提供される。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
抽出設備と、被験液と、レーザー光源と、ラマン分光器と、金属ナノ粒子のない表面増強ラマン散乱基板とを含み、
前記金属ナノ粒子のない表面増強ラマン散乱基板は、二次元及び三次元孔構造を有する陽極アルミナ基板と、前記二次元及び三次元孔構造の形状に合わせて貼り付く金属ナノフィルムとを含み、前記三次元孔構造は、ミクロン級やナノ級窪み中にナノ級細孔を有する構造、又はナノ級孔の周りにナノ級先端を有する構造からなり、
前記レーザー光源は、前記金属ナノ粒子のない表面増強ラマン散乱基板に滴下する前記被験液に照射され、前記ラマン分光器は、前記レーザー光源が照射された前記被験液のラマンスペクトルの測定に用いられる、
食品検査システム。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
前記被験液は、増強液を更に含有し、前記増強液は、塩化ナトリウム、塩化リチウム、塩化マグネシウム、及び塩化アンモニウムの水溶液からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の食品検査システム。
【請求項3】
前記食品検査システムは、抽出剤を更に含み、前記抽出剤は、純水、アセトン、メタノール、アセトニトリル、n-ヘキサン及び酢酸含有アセトニトリル溶液からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の食品検査システム。
【請求項4】
前記レーザー光源の波長は、532~785nmである、請求項1に記載の食品検査システム。
【請求項5】
前記三次元孔構造における窪みの平均孔径は、0.1~5μmである、請求項1に記載の食品検査システム。
【請求項6】
前記陽極アルミナ基板の平均粗さは、0.1~2μmである、請求項1に記載の食品検査システム。
【請求項7】
前記ナノ級細孔の平均孔間隔は、10~300nmである、請求項1に記載の食品検査システム。
【請求項8】
食品を粉砕し、抽出剤を用いて抽出を行い、抽出液を得る、抽出工程(S1)と、
前記抽出液をろ過し、増強液と混合して被験液を得る、増強工程(S2)と、
金属ナノ粒子のない表面増強ラマン散乱基板に、前記被験液を滴下する、滴下工程(S3)と、
レーザーを用いて前記金属ナノ粒子のない表面増強ラマン散乱基板上の前記被験液に照射する、レーザー照射工程(S4)と、
ラマン分光器の測定結果を解析する、結果解析工程(S5)とを含み、
前記金属ナノ粒子のない表面増強ラマン散乱基板は、二次元及び三次元孔構造を有する陽極アルミナ基板と、前記二次元及び三次元孔構造の形状に合わせて貼り付く金属ナノフィルムとを含み、前記三次元孔構造は、ミクロン級やナノ級窪み中にナノ級細孔を有する構造、又はナノ級孔の周りにナノ級先端を有する構造からなる、
食品検査方法。
【請求項9】
前記増強液は、塩化ナトリウム、塩化リチウム、塩化マグネシウム、及び塩化アンモニウムの水溶液からなる群から選択される少なくとも1種であり、前記抽出剤は、純水、アセトン、メタノール、アセトニトリル、n-ヘキサン及び酢酸含有アセトニトリル溶液からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項8に記載の食品検査方法。
【請求項10】
食品検査における、金属ナノ粒子のない表面増強ラマン散乱基板の使用方法であって、
前記基板は、二次元及び三次元孔構造を有する陽極アルミナ基板と、前記二次元及び三次元孔構造の形状に合わせて貼り付く金属ナノフィルムとを含み、前記三次元孔構造は、ミクロン級やナノ級窪み中にナノ級細孔を有する構造、又はナノ級孔の周りにナノ級先端を有する構造からなる、前記基板の使用方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品検査システム、及び食品検査方法に関する。特に、表面増強ラマン散乱基板を含む食品検査システム、及び食品検査方法であって、前記表面増強ラマン散乱基板は、二次元及び三次元孔構造を有する陽極アルミナ基板と、前記陽極アルミナ基板上の金属ナノフィルムとを含む食品検査システム、及び食品検査方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
食品安全への関心が高まるにつれて、食品安全検査の需要は年々高まっている。しかし、現在の食品安全検査市場では、コストが高い従来の質量分析計と、液体クロマトグラフィー等のカラムの洗浄と関連技術者の訓練が必要であり、複雑で時間がかかる検査方法しかない。より低コストで、迅速で、安定性と信頼性の高い検査方法がまだ普及していないため、食品安全検査市場の需要は満たされていない。
【0003】
表面増強ラマン散乱(Surface Enhanced Raman Scattering、略してSERS)は近年、広く研究されている。SERSは高感度、非破壊性、液体サンプルを直接検査できる等の特性を有するため、農業研究、食品安全、環境検査、分子生物検査及び医療保健等の分野で運用されており、潜在性が高い分析・検査ツールである。
【0004】
従来のSERS技術では、ラマン増強の方法として、銀又は金の粒子が用いられるが、金属ナノ粒子は、レーザーが照射されると、形やピッチが変化しやすいことから、制御が難しい。そのため、従来のSERS基板は、再現性と均一性が悪い。
【0005】
更に、現在では農業作物に用いられる農薬のSERS検査技術が開発されており、例えば、台湾実用新案公告第M619099号において、農作物の農薬を付着させるための金属ナノ層が蒸着されたSERS基板と、前記SERS基板を固定するためのSERS固定部品を含む、農作物の農薬検出装置が開示されている。しかし、食品等の複雑性のより高い検査について、SERSに関連する技術は未だにない。その原因は、従来技術における基板の構造は、農薬検出に限られたものであり、様々な食品検査には応用できないからである。
【0006】
なお、台湾特許公告第I604187号において、SERS基板に抽出・浄化されたサンプル液を滴下し、前記サンプル液の化学分子をSERS基板上に吸着させる工程と、前記化学分子が吸着したSERS基板に高揮発性の有機溶媒を滴下し、前記化学分子が前記有機溶媒に溶けて前記SERS基板の表面に浮き出る工程と、前記SERS基板に光を照射し、前記SERS基板上の有機溶媒を揮発させ、残った化学分子を濃縮領域に集中させる工程と、前記濃縮領域にレーザーを照射し、前記濃縮領域中の化学分子を深く前記SERS基板に吸着させ、固相のスペクトル測定領域を形成する工程とを含む、表面増強ラマン分光検査法が開示されている。しかし、この技術では、SERS信号を増強するために、有機溶媒やレーザーによる濃縮を複数回行う必要があるため、検査過程は時間がかかる上に汚染性が高い。また、この技術では、濃縮工程を複数回経る必要があるため、検査結果の誤差が大きく、偽陰性・偽陽性の可能性が高く、複雑性の高い又は高精度が求められる検査に用いることができない。
【0007】
陽極アルミナ(Anodic Aluminum Oxide、略してAAO)は多孔質のナノ材料である。基板としてケイ素、ガラス、又は高分子材料を用いる場合と比べ、AAOを用いた場合には、SERS基板は複雑かつコストの高いリソグラフィーやエッチングプロセスを経る必要がなくなる。
【0008】
なお、台湾特許公告第I731600号によれば、AAO基板を用いて製作したSERS基板は、電場がAAOのナノ孔に沿って増強されるため、SERSの検出能力を向上させることができる。しかし、二次元構造のAAO基板を有するSERS基板は増強効果を有するが、濃度が極めて低い被検査物の検査ではまだ検出能力が不足しており、食品検査等の複雑性の高くかつ高精度が求められる検査に応用するには、まだ解決すべき課題があるため、未だに関連する技術発展がない。
【0009】
したがって、年々高まっている食品安全検査の需要を満たすために、現在の産業界では、プロセスがシンプルで、低コストで、迅速で、極めて低濃度の物質も検出できる(即ち、検出能力が高い)食品検査システム及び食品検査方法が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
台湾特許公告第I604187号
台湾特許公告第I731600号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)
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