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公開番号2025031702
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-07
出願番号2024144276
出願日2024-08-26
発明の名称エネルギー準位決定方法およびエネルギー準位決定システム
出願人国立大学法人千葉大学
代理人個人,個人,個人,個人
主分類G01N 23/2273 20180101AFI20250228BHJP(測定;試験)
要約【課題】電子分光スペクトルまたは光吸収スペクトルから高精度かつ容易に固体のエネルギー準位を決定することができるエネルギー準位決定方法およびエネルギー準位決定システムを提供する。
【解決手段】電子分光スペクトルまたは光吸収スペクトルから固体の電子親和力やイオン化エネルギーのようなエネルギー準位を決定するエネルギー準位決定方法であって、電子分光スペクトルまたは光吸収スペクトルの実測値データセットを学習させた学習済み機械学習モデルにより、電子分光スペクトルまたは光吸収スペクトルの立ち上がりを自動決定させる。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
電子分光スペクトルまたは光吸収スペクトルから固体の電子親和力、イオン化エネルギー等のエネルギー準位を決定するエネルギー準位決定方法であって、
前記電子分光スペクトルまたは前記光吸収スペクトルの実測値データセットを学習させた学習済み機械学習モデルにより、前記電子分光スペクトルまたは前記光吸収スペクトルの立ち上がりを自動決定させることを特徴とするエネルギー準位決定方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記実測値データセットは、前記電子分光スペクトルまたは前記光吸収スペクトルのエネルギー範囲が揃えられていることを特徴とする請求項1に記載のエネルギー準位決定方法。
【請求項3】
前記電子分光スペクトルまたは前記光吸収スペクトルを運動エネルギー軸方向にシフトさせて複製することにより、前記実測値データセットのデータ数を増加させることを特徴とする請求項1に記載のエネルギー準位決定方法。
【請求項4】
前記電子分光スペクトルまたは前記光吸収スペクトルのシフト幅は、0.01~0.5eVであることを特徴とする請求項3に記載のエネルギー準位決定方法。
【請求項5】
前記実測値データセットは、前記電子分光スペクトルまたは前記光吸収スペクトルにスムージング処理が行われていることを特徴とする請求項1に記載のエネルギー準位決定方法。
【請求項6】
前記スムージング処理は、複数回行われることを特徴とする請求項5に記載のエネルギー準位決定方法。
【請求項7】
前記電子分光スペクトルまたは前記光吸収スペクトルから電子親和力が自動決定されることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のエネルギー準位決定方法。
【請求項8】
前記電子分光スペクトルの実測値は、固体の真空準位を基準にした変換が行われ、
前記真空準位は、低エネルギー電子透過スペクトルの一次導関数をガウス関数または三次多項式関数によってフィッティングすることにより決定されることを特徴とする請求項1に記載のエネルギー準位決定方法。
【請求項9】
前記低エネルギー電子透過スペクトルの一次導関数をフーリエ変換することを特徴とする請求項8に記載のエネルギー準位決定方法。
【請求項10】
電子分光スペクトルまたは光吸収スペクトルから固体の電子親和力、イオン化エネルギー等のエネルギー準位を決定するエネルギー準位決定システムであって、
前記電子分光スペクトルまたは前記光吸収スペクトルの実測値データセットを学習させた学習済み機械学習モデルを備え、
前記学習済み機械学習モデルにより、前記電子分光スペクトルまたは前記光吸収スペクトルの立ち上がりを自動決定することを特徴とするエネルギー準位決定システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電子分光スペクトルまたは光吸収スペクトルから固体の電子親和力、イオン化エネルギー等のエネルギー準位を決定するエネルギー準位決定方法およびエネルギー準位決定システムに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
有機EL素子や有機太陽電池等の有機半導体素子では、最高被占有分子軌道(HOMO)由来のエネルギー準位をホールが、最低被占有分子軌道(LUMO)由来のエネルギー準位を電子が動くことにより機能発現する。このことから、有機半導体素子の設計や動作解析において、使用される有機半導体の真空準位を基準としたLUMO準位を表す電子親和力(EA)やHOMO準位を表すイオン化エネルギー(IE)は、非常に重要なパラメータである。
【0003】
特許文献1に示されるように、例えば、有機半導体のEAは、低エネルギー逆光電子分光法(LEIPS)により得られるLEIPSスペクトルの立ち上がりから精密に決定することができる。詳しくは、LEIPSでは、0~5eV程度に電子のエネルギーを絞ることにより、有機半導体試料に損傷を与えることなく、当該試料に入射した電子の運動エネルギーと発生した光のエネルギー保存則に基づいてEAを決定することができる。なお、LEIPSにより、有機半導体以外にも金属や無機半導体等の様々な固体のEAを決定することが可能である。
【0004】
また、IEは、紫外光電子分光法(UPS)、光電子収量分光法(PYS)等のスペクトルの立ち上がりから精密に決定することができる。なお、ここでは、LEIPS、UPS、PYS等を総称して電子分光とよぶ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第6108361号公報(第4頁~第6頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1において、LEIPSにおける固体のEAの決定は、LEIPSスペクトルの手動での解析法によって行われ、具体的には、LEIPSスペクトルにおけるバックグラウンドとスペクトルの立ち上がりをフィッティングした直線との交点から固体のEAを決定する。しかしながら、この手動によるLEIPSスペクトルの解析には、高い熟練度が必要であるとともに、解析に時間がかかるという問題があった。
【0007】
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、電子分光スペクトルまたは光吸収スペクトルから高精度かつ容易に固体のエネルギー準位を決定することができるエネルギー準位決定方法およびエネルギー準位決定システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明のエネルギー準位決定方法は、
電子分光スペクトルまたは光吸収スペクトルから固体の電子親和力、イオン化エネルギー等のエネルギー準位を決定するエネルギー準位決定方法であって、
前記電子分光スペクトルまたは前記光吸収スペクトルの実測値データセットを学習させた学習済み機械学習モデルにより、前記電子分光スペクトルまたは前記光吸収スペクトルの立ち上がりを自動決定させることを特徴としている。
この特徴によれば、電子分光スペクトルまたは光吸収スペクトルの実測値データセットを学習に使用することにより、様々な固体のエネルギー準位の決定に幅広く適用することができるとともに、学習済み機械学習モデルにより電子分光スペクトルまたは光吸収スペクトルから高精度かつ容易に固体のエネルギー準位を決定することができる。
【0009】
前記実測値データセットは、前記電子分光スペクトルまたは前記光吸収スペクトルのエネルギー範囲が揃えられていることを特徴としている。
この特徴によれば、機械学習モデルの学習に使用される電子分光スペクトルまたは光吸収スペクトルの実測値のエネルギー範囲が狭い場合であっても、電子分光スペクトルまたは光吸収スペクトルのデータを補い、実測値データセットにおける電子分光スペクトルまたは光吸収スペクトルのエネルギー範囲が揃えられることにより、機械学習モデルの予測精度を高めることができる。
【0010】
前記電子分光スペクトルまたは前記光吸収スペクトルを運動エネルギー軸方向にシフトさせて複製することにより、前記実測値データセットのデータ数を増加させることを特徴としている。
この特徴によれば、電子分光スペクトルまたは光吸収スペクトルの特徴を損なうことなく機械学習モデルに学習させる実測値データセットの数を増やすことができるため、機械学習モデルの予測精度を高めることができる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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