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公開番号
2025045908
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-02
出願番号
2023153950
出願日
2023-09-20
発明の名称
アンジオテンシン変換酵素II(ACE2)に対する高親和性モノクローナル抗体
出願人
国立大学法人千葉大学
,
国立感染症研究所長
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C12N
15/13 20060101AFI20250326BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】アンジオテンシン変換酵素II(ACE2)に対する高親和性モノクローナル抗体またはその抗原結合断片を提供する。
【解決手段】アンジオテンシン変換酵素II(ACE2)に対する高親和性モノクローナル抗体またはその抗原結合断片であって、特定の配列の第27位スレオニン、第28位フェニルアラニン、第31位リジン、第34位ヒスチジン、第79位ロイシン、第82位メチオニン、および第83位チロシンにそれぞれ相当するアミノ酸を最小エピトープとして認識することを特徴とする、モノクローナル抗体またはその抗原結合断片。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
アンジオテンシン変換酵素II(ACE2)に対するモノクローナル抗体またはその抗原結合断片であって、
配列番号1の第27位スレオニン、第28位フェニルアラニン、第31位リジン、第34位ヒスチジン、第79位ロイシン、第82位メチオニン、および第83位チロシンにそれぞれ相当するアミノ酸を最小エピトープとして認識することを特徴とする、モノクローナル抗体またはその抗原結合断片。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
SARS-CoV-2のスパイクタンパク質のRBD(receptor_binding_domain)の、ACE2への結合を阻害する活性を有することを特徴とする、請求項1に記載のモノクローナル抗体またはその抗原結合断片。
【請求項3】
ACE2との相互作用の平衡解離定数(KD)が250nM以下である、請求項1に記載のモノクローナル抗体またはその抗原結合断片。
【請求項4】
SARS-CoV-2の野生株、アルファ株、ベータ株、ガンマ株、デルタ株、またはオミクロン株(BA.1)に対する感染阻害作用を有する、請求項1に記載のモノクローナル抗体またはその抗原結合断片。
【請求項5】
請求項1に記載のヒトモノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメントであって、
重鎖可変領域が、
それぞれ、GYTFTRYV(配列番号6)、ISPYNDAI(配列番号7)およびARNYGNSYFDY(配列番号8)に示されるアミノ酸配列を有するHCDR1、HCDR2およびHCDR3を含み、
軽鎖可変領域が、
それぞれ、QDISNY(配列番号9)、YTSおよびHQDSKHPWT(配列番号10)に示されるアミノ酸配列を有するLCDR1、LCDR2およびLCDR3を含む、モノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項6】
IgGである、請求項1に記載のモノクローナル抗体またはその抗原結合断片。
【請求項7】
前記モノクローナル抗体またはその抗原結合断片が、ヒト化抗体、キメラ抗体、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fab’-SH、Fv、diabody(dibodies)、dsFv、scFv(single chain Fv)から選択される、請求項1に記載のモノクローナル抗体またはその抗原結合断片。
【請求項8】
2023年7月20日に独立行政法人製品評価技術基盤機構に寄託された、受領番号NITE AP-03950を有するハイブリドーマ細胞により産生されるものである、請求項1に記載のモノクローナル抗体またはその抗原結合断片。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体またはその抗原結合断片を含む、医薬組成物。
【請求項10】
新型コロナウイルス感染症の予防又は治療のための、請求項9に記載の医薬組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンジオテンシン変換酵素II(ACE2)に対する高親和性モノクローナル抗体に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)
【背景技術】
【0002】
昨今、COVID-19と称される新型コロナウイルス感染症が、全世界的に広がり、問題となっている。この新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の表面には,複数のスパイクタンパク質が存在している。このスパイクタンパク質は、ヒト細胞表面に存在する受容体に結合することで細胞内に侵入し、ヒトへの感染が起きることが知られている。このヒト受容体は、アンジオテンシン変換酵素II(ACE2:Angiotension II-Converting Enzyme)と呼ばれるものである。
【0003】
コロナウイルスはRNAウイルスであり、変異株の出現を防止することが極めて困難であるため、次から次へと新しい変異株が現れているという実情がある。特にスパイクタンパク質のACE2結合領域に多数の変異が生じると、ワクチンの効果が薄れて感染の予防が低下することが報告されている。そのため、日本国の国立医薬品食品衛生研究所において公開されているような既存の新型コロナウイルス感染症の治療薬やワクチンには新規の変異株に対しての有効性が保証できないという問題点があり、次から次へと変異するコロナウイルスの対策として,現在でも新たな治療法の確立や治療薬やワクチンの開発が試みられている。
【0004】
例えば、非特許文献1~3において、ACE2を人工的に改変して生産し、外部から投与することで、SARS-CoV-2の結合を人工改変ACE2(すなわちデコイ)に集中させる、新型コロナウイルス感染症に対する治療に関する報告がされている。また、非特許文献4~7には、ACE2に対するSARS-CoV-2の結合を阻害する中和抗体が記載されている。
【0005】
しかしながら、非特許文献1~3の人工改変ACE2やそれを用いた治療法については、まだ開発途上であり、その治療効果について十分な検証はなされていない。また、非特許文献4の抗体については、ACE2の結合するスパイクタンパク質のリコンビナント精製品を使った結合阻害を確認したに過ぎず、また非特許文献5~7の抗体についても、実用化という点ではまだ開発途上である。したがって、非特許文献1~3の人工改変ACE2や非特許文献4~7の抗体より効果的な治療法の確立や治療薬、ワクチン等が現在でも求められている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
Anum Glasgow et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,117(45),28046-28055(2020).
Kui K.Chan et al.,Science.,369(6508),1261-1265(2020).
Yusuke Higuchi et al.,Nat Commun.,12,3802,(2021)
Latest Insight on COVID-19 Research, Dec 2020, Adipogen Life Sciences社ウェブサイト、インターネット<URL:https://adipogen.com/pub/media/wysiwyg/Catalogs/PDFs-URLs/COVID-19_INSIGHTS_ACE2_CoV2_UPDATE_Dec_2020_final_URLs.pdf>
Yanyun Du et al.,Nat Commun.,12,5000,(2021)
Yuning Chen et al.,Signal Transduction and Targeted Therapy.,6,315,(2021)
Fengwen Zhang et al.,Nat Microbiol.,8,1051-1063(2023)
【発明の概要】
【0007】
本発明は、アンジオテンシン変換酵素II(ACE2)に対する高親和性モノクローナル抗体またはその抗原結合断片を提供する。
【0008】
本発明者らは、ACE2に対する高親和性モノクローナル抗体およびそのような抗体が新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対して良好な感染阻害能を有することを見出した。本発明はこれらの知見に基づくものである。
【0009】
本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1)アンジオテンシン変換酵素II(ACE2)に対するモノクローナル抗体またはその抗原結合断片であって、
配列番号1の第27位スレオニン、第28位フェニルアラニン、第31位リジン、第34位ヒスチジン、第79位ロイシン、第82位メチオニン、および第83位チロシンにそれぞれ相当するアミノ酸を最小エピトープとして認識することを特徴とする、モノクローナル抗体またはその抗原結合断片。
(2)SARS-CoV-2のスパイクタンパク質のRBD(receptor_binding_domain)の、ACE2への結合を阻害する活性を有することを特徴とする、(1)に記載のモノクローナル抗体またはその抗原結合断片。
(3)ACE2との相互作用の平衡解離定数(KD)が250nM以下である、(1)または(2)に記載のモノクローナル抗体またはその抗原結合断片。
(4)SARS-CoV-2の野生株、アルファ株、ベータ株、ガンマ株、デルタ株、またはオミクロン株(BA.1)に対する感染阻害作用を有する、(1)~(3)のいずれかに記載のモノクローナル抗体またはその抗原結合断片。
(5)(1)~(4)のいずれかに記載のヒトモノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメントであって、
重鎖可変領域が、
それぞれ、GYTFTRYV(配列番号6)、ISPYNDAI(配列番号7)およびARNYGNSYFDY(配列番号8)に示されるアミノ酸配列を有するHCDR1、HCDR2およびHCDR3を含み、
軽鎖可変領域が、
それぞれ、QDISNY(配列番号9)、YTSおよびHQDSKHPWT(配列番号10)に示されるアミノ酸配列を有するLCDR1、LCDR2およびLCDR3を含む、モノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメント。
(6)IgGである、(1)~(5)のいずれかに記載のモノクローナル抗体またはその抗原結合断片。
(7)前記モノクローナル抗体またはその抗原結合断片が、ヒト化抗体、キメラ抗体、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fab’-SH、Fv、diabody(dibodies)、dsFv、scFv(single chain Fv)から選択される、(1)~(6)のいずれかに記載のモノクローナル抗体またはその抗原結合断片。
(8)2023年7月20日に独立行政法人製品評価技術基盤機構に寄託された、受領番号NITE AP-03950を有するハイブリドーマ細胞により産生されるものである、(1)~(6)のいずれかに記載のモノクローナル抗体またはその抗原結合断片。
(9)(1)~(8)のいずれかに記載のモノクローナル抗体またはその抗原結合断片を含む、医薬組成物。
(10)新型コロナウイルス感染症の予防又は治療のための、(9)に記載の医薬組成物。
(11)(1)~(8)のいずれかに記載のモノクローナル抗体またはその抗原結合断片を含む、検査用組成物。
(12)(1)~(8)のいずれかに記載のモノクローナル抗体またはその抗原結合断片をコードする核酸。
(13)(12)に記載の核酸を発現可能に導入された宿主細胞。
(14)乳酸菌である、(13)に記載の宿主細胞。
(15)(13)または(14)のいずれかに記載の宿主細胞を含んでなる、医薬組成物。
(16)(13)または(14)のいずれかに記載の宿主細胞を含んでなる、食品組成物。
【0010】
本発明によれば、ACE2に対する高親和性モノクローナル抗体またはその抗原結合断片を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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