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公開番号
2025054580
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-08
出願番号
2023163700
出願日
2023-09-26
発明の名称
地下水流向流速計
出願人
国立大学法人山口大学
代理人
弁理士法人英和特許事務所
主分類
G01V
9/02 20060101AFI20250331BHJP(測定;試験)
要約
【課題】地下水観測井の掘削作業を不要として、誰でも手軽に測定することが可能な地下水流向流速計を提供すること及び地下水の流向及び流速を3次元的に測定することが可能な地下水流向流速計を提供すること。
【解決手段】細長い筒状部材1、筒状部材1の下端部に接続される石突2、筒状部材1から上方に延びる柱状部材3、筒状部材1の内部に挿入される3種類のペーパーシート4,5,6及び2つの角柱状透水性スポンジ7,8を有するセンサーロッドを備えた地下水流向流速計であって、筒状部材1の一方の対向する面には一方側開口部10が設けられ、筒状部材1の他方の対向する面には他方側開口部11が設けられている。また、頂部センサーペーパー4、中間センサーペーパー5及び底部センサーペーパー6には、それぞれ北の方向を示すマークと水溶性の染料インクで印刷された点状パターンが設けられている。
【選択図】 図1
特許請求の範囲
【請求項1】
筒状部材と、前記筒状部材の下端部に接続される石突と、前記筒状部材の上端部から上方に延びる柱状部材と、前記筒状部材の内部に挿入されるペーパーシート及び透水性スポンジと、を有するセンサーロッドを備え、
前記筒状部材は、透水体又は多数の透孔を有する非透水体で構成され、
前記ペーパーシートには、水溶性のインク又は蛍光物質により印刷された1又は複数の点からなる点状パターンが設けられ、
前記センサーロッドを、地下水を観測する地面に突き刺して所定時間静置することにより、前記1又は複数の点から溶出し前記ペーパーシート上に描画されるインク又は蛍光物質のテーリングに基づいて、地下水の流向及び流速を求めることを可能とする地下水流向流速計。
続きを表示(約 770 文字)
【請求項2】
前記透水性スポンジは、前記筒状部材の内部に挿入可能な複数の柱状透水性スポンジからなり、
前記ペーパーシートは、前記複数の柱状透水性スポンジの間に挟まれて保持される中間センサーペーパーからなり、
前記中間センサーペーパー上に描画されるインク又は蛍光物質のテーリングに基づいて、地下水の流向及び流速を2次元的に求めることを可能とする請求項1に記載の地下水流向流速計。
【請求項3】
前記ペーパーシートは、前記透水性スポンジの上部に保持される頂部センサーペーパー及び前記透水性スポンジの下部に保持される底部センサーペーパーからなり、
前記頂部センサーペーパー上に描画されるインク又は蛍光物質のテーリング及び前記底部センサーペーパー上に描画されるインク又は蛍光物質のテーリングに基づいて、地下水の流向及び流速を3次元的に求めることを可能とする請求項1に記載の地下水流向流速計。
【請求項4】
前記センサーロッドは、前記筒状部材の内部に固定される柱状体をさらに有し、
前記筒状部材と前記柱状体の中心軸は同軸であり、
前記ペーパーシートは、前記柱状体の側面に保持される軸部センサーペーパーからなり、
前記軸部センサーペーパーには、水溶性のインク又は蛍光物質により印刷された複数の点が前記柱状体の側面の周囲にわたって配置される点状パターンが設けられ、
前記透水性スポンジは、前記筒状部材の内部に挿入可能、かつ、前記柱状体の周囲に配置可能な筒状透水性スポンジからなり、
前記軸部センサーペーパー上に複数描画されるインク又は蛍光物質のテーリングに基づいて、地下水の流向及び流速を3次元的に求めることを可能とする請求項1に記載の地下水流向流速計。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、観測地に直接貫入して地下水流動の状況を把握することができる簡易型の地下水流向流速計に関するものである。
続きを表示(約 3,200 文字)
【背景技術】
【0002】
土壌汚染の原位置浄化のための周辺情報把握、地すべり地形における地下水の挙動把握、工事現場における止水確認及び原子力発電所における汚染水の挙動把握等を目的として、地下水の流向及び流速を測定することが求められる。
そして、地下水の流向流速測定方法は、次の(1)~(4)に示す4つに大別される。
(1)動水勾配と透水係数からダルシーの法則を用いて流速を推定する方法
(2)既存又は新設の観測井の孔内においてセンサーを用いて観測する単孔式流速計測法
(3)専用の観測井を設けて観測井内での電気伝導度の変化を観測する専用観測井法
(4)複数の井戸を用いてトレーサの移動から流向流速を測定する方法
これらの方法は、主として地下水の水平流向流速を用いるために使われている。
なお、地下水は本来3次元的に流動しているが、平地の地下水流動場では水平成分が卓越するため、鉛直成分は無視されるのが普通である。
【0003】
しかし、1)山腹の地すべり地、2)海岸の砂浜への浸透流など非定常な地下水流動が発生する場、3)堤防内部の浸透流などマトリックス中の鉛直勾配が大きい流れ、4)砂の抜け出しに伴う地盤陥没地及び上記1)~4)の状況を再現するための土質実験では、鉛直方向の浸透成分が無視できないほど大きく、3次元的な流向等の把握が必要となる。
そして、従来から用いられている3次元地下水流向流速法としては、(1)水中に懸濁した鉱物粒子又は密度が調整されたトレーサ粒子の挙動を超音波で計測する方法と、(2)動画の画像解析によって計測する方法の2種類があるが、これらは懸濁物質をトレーサとして用いるので、粒子の粒径と密度による理論的な沈降速度を補正した上で鉛直成分の流速を推定する必要があり、トレーサ密度を厳密に流体に整合させなければ、直接流体の鉛直流速を測定することは不可能であり、さらに、電源や解析用のパソコンも必要である。
そのため、従来の地下水流向流速計は複雑な構成を有しており重量も大きかったため、高価で取扱いが難しく手軽に使用できるものではなかった。
【0004】
そこで、本発明者らは、特許文献1(特開2011-185703号公報)に記載されているように、水溶性のインクまたは蛍光物質で所定のパターンを印刷した所定形状のペーパーシートをトレーサとして利用する簡易型の地下水流向流速計を提案した。
この地下水流向流速計は、インク等で印刷された点状パターンdを有するペーパーシートP2(図4参照)と、保持板2a、2bの間に設置した透水性のスポンジ3a,3bの間に、ペーパーシートP2を挟んで保持する測定装置本体1(図2参照)からなる。
そして、地下水の流向及び流速の測定は、地表面に垂直に掘削された地下水観測井内に設置されている筒体10内に測定装置本体1を配置し、所定時間経過後にペーパーシートP2を取り外して乾燥させ、インク等のテーリングd′の方向と長さから地下水の流向及び流速を特定して行われる(特に、図1、6及び段落0034~0035を参照)。
このように、特許文献1に係る地下水流向流速計は、インク等をトレーサとして用いるので密度差を考慮する必要がなく流体の挙動を直接計測でき、地下水観測井での測定作業中に電源を必要とせず安価で簡易な構成であるため、実用化され利用が進んでいる。
しかし、測定装置本体1を配置するに先立って直径50mm程度の地下水観測井を地表面に垂直に掘削するため、掘削作業に時間と経費を要するという問題があり、また、ペーパーシートP2は水平に保持された状態で地下水観測井内に配置されるため、水平流の測定は可能であるが、鉛直流については測定することができないという問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2011-185703号公報(特許第5471624号公報)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、これらの問題を解決しようとするものであり、水溶性のインク等をトレーサとして地下水の流向及び流速を誰でも手軽に測定でき、かつ、測定作業に先立つ地下水観測井の掘削作業が不要な地下水流向流速計を提供することを第1の目的とする。
また、水溶性のインク等をトレーサとして利用しつつ、地下水の流向及び流速を3次元的に測定することが可能な地下水流向流速計を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明の地下水流向流速計は、筒状部材と、前記筒状部材の下端部に接続される石突と、前記筒状部材の上端部から上方に延びる柱状部材と、前記筒状部材の内部に挿入されるペーパーシート及び透水性スポンジと、を有するセンサーロッドを備え、
前記筒状部材は、透水体又は多数の透孔を有する非透水体で構成され、
前記ペーパーシートには、水溶性のインク又は蛍光物質により印刷された1又は複数の点からなる点状パターンが設けられ、
前記センサーロッドを、地下水を観測する地面に突き刺して所定時間静置することにより、前記1又は複数の点から溶出し前記ペーパーシート上に描画されるインク又は蛍光物質のテーリングに基づいて、地下水の流向及び流速を求めることを可能とするものである。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の地下水流向流速計において、
前記透水性スポンジは、前記筒状部材の内部に挿入可能な複数の柱状透水性スポンジからなり、
前記ペーパーシートは、前記複数の柱状透水性スポンジの間に挟まれて保持される中間センサーペーパーからなり、
前記中間センサーペーパー上に描画されるインク又は蛍光物質のテーリングに基づいて、地下水の流向及び流速を2次元的に求めることを可能とするものである。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の地下水流向流速計において、
前記ペーパーシートは、前記透水性スポンジの上部に保持される頂部センサーペーパー及び前記透水性スポンジの下部に保持される底部センサーペーパーからなり、
前記頂部センサーペーパー上に描画されるインク又は蛍光物質のテーリング及び前記底部センサーペーパー上に描画されるインク又は蛍光物質のテーリングに基づいて、地下水の流向及び流速を3次元的に求めることを可能とするものである。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項1に記載の地下水流向流速計において、
前記センサーロッドは、前記筒状部材の内部に固定される柱状体をさらに有し、
前記筒状部材と前記柱状体の中心軸は同軸であり、
前記ペーパーシートは、前記柱状体の側面に保持される軸部センサーペーパーからなり、
前記軸部センサーペーパーには、水溶性のインク又は蛍光物質により印刷された複数の点が前記柱状体の側面の周囲にわたって配置される点状パターンが設けられ、
前記透水性スポンジは、前記筒状部材の内部に挿入可能、かつ、前記柱状体の周囲に配置可能な筒状透水性スポンジからなり、
前記軸部センサーペーパー上に複数描画されるインク又は蛍光物質のテーリングに基づいて、地下水の流向及び流速を3次元的に求めることを可能とするものである。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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