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公開番号2025099659
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-03
出願番号2023216494
出願日2023-12-22
発明の名称遺伝子変異評価用キット
出願人東洋鋼鈑株式会社,国立大学法人山口大学
代理人弁理士法人平木国際特許事務所
主分類C12Q 1/6827 20180101AFI20250626BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】MYD88における遺伝子変異及び/又はCD79Bにおける遺伝子変異を同時に同定する。
【解決手段】MYD88遺伝子変異用プライマーセット及びCD79B遺伝子変異用プライマーセットと、MYD88遺伝子用変異型プローブ並びにMYD88遺伝子用野生型プローブ及びCD79B遺伝子用変異型プローブ並びにCD79B遺伝子用野生型プローブとを備える
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
MYD88遺伝子における遺伝子変異及び/又はCD79B遺伝子における遺伝子変異が関連する疾患の診断に使用される遺伝子変異評価用キットであって、
MYD88遺伝子における遺伝子変異を含む核酸領域を増幅するMYD88遺伝子変異用プライマーセット及びCD79B遺伝子における遺伝子変異を含む核酸領域を増幅するCD79B遺伝子変異用プライマーセットと、
MYD88遺伝子における遺伝子変異に関するMYD88遺伝子用変異型プローブ並びにMYD88遺伝子用野生型プローブ及びCD79B遺伝子における遺伝子変異に関するCD79B遺伝子用変異型プローブ並びにCD79B遺伝子用野生型プローブと、を備える遺伝子変異評価用キット。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
MYD88遺伝子における遺伝子変異は265番目のロイシンのプロリンへの置換変異であり、CD79B遺伝子における遺伝子変異は196番目のチロシン残基のミスセンス変異及び/又はナンセンス変異と、当該チロシン残基のサイレント変異であることを特徴とする請求項1記載の遺伝子変異評価用キット。
【請求項3】
MYD88遺伝子変異用プライマーセットは配列番号79の塩基配列からなるMYD88遺伝子用フォワードプライマーと配列番号78の塩基配列からなるMYD88遺伝子用リバースプライマーのセットであり、CD79B遺伝子変異用プライマーセットは配列番号85の塩基配列からなるCD79B遺伝子用フォワードプライマーと配列番号86の塩基配列からなるCD79B遺伝子用リバースプライマーのセットであることを特徴とする請求項1記載の遺伝子変異評価用キット。
【請求項4】
上記MYD88遺伝子用リバースプライマーは、標識を有し、MYD88遺伝子用フォワードプライマーと比較して2~6倍の濃度であり、
上記CD79B遺伝子用フォワードプライマーは、標識を有し、CD79B遺伝子用リバースプライマーと比較して5~10倍の濃度であることを特徴とする請求項3記載の遺伝子変異評価用キット。
【請求項5】
上記MYD88遺伝子用変異型プローブ、上記MYD88遺伝子用野生型プローブ、CD79B遺伝子用変異型プローブ及びCD79B遺伝子用野生型プローブは表1に示す塩基配列を含むことを特徴とする請求項1記載の遺伝子変異評価用キット。
TIFF
2025099659000011.tif
88
164
【請求項6】
上記MYD88遺伝子変異用プライマーセットで増幅した核酸断片のうち野生型を有する核酸断片にハイブリダイズするMYD88用ブロッキング核酸、及び/又は上記CD79B遺伝子変異用プライマーセットで増幅した核酸断片のうち野生型を有する核酸断片にハイブリダイズするCD79B用ブロッキング核酸を更に含むことを特徴とする請求項1記載の遺伝子変異評価用キット。
【請求項7】
上記MYD88用ブロッキング核酸は配列番号89の塩基配列からなり、上記CD79B用ブロッキング核酸は配列番号95の塩基配列からなることを特徴とする請求項6記載の遺伝子変異評価用キット。
【請求項8】
上記MYD88用ブロッキング核酸はハイブリダイゼーション溶液に0~500nMの範囲となるように調製され、上記CD79B用ブロッキング核酸はハイブリダイゼーション溶液に125~1000nMの範囲となるように調製されることを特徴とする請求項6記載の遺伝子変異評価用キット。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の遺伝子変異について当該変異を含む核酸領域を増幅するためのプライマーセット、増幅した核酸断片を検出するためのプローブを備える遺伝子変異評価用キットに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)は、最も頻度の高いリンパ腫病型であり、生理学的に成熟B細胞が存在するあらゆる臓器で発生しうる。DLBCLは、多様な分子遺伝学背景を有する不均一な疾患群の集合であることが判明している。DLBCLの診断は、生検組織において大型のB細胞由来の腫瘍細胞がびまん性に増殖している像に基づいてなされる。
【0003】
また、近年、DLBCLにおける遺伝子変異に基づく遺伝学的分類が明らかにされた。具体的には、MCDサブタイプ(MYD88のL265P変異とCD79B変異)、BN2サブタイプ(BCL6融合とNOTCH2変異)、N1サブタイプ(NOTCH1変異)及びEZBサブタイプ(EZH2変異とBCL2転座)の4つのサブタイプに分類されている。これらのうちMCDサブタイプのDLBCLについては、非特許文献1及び特許文献1に記載されるように、BTK阻害剤の一種であるイブルチニブを併用したR-CHOP療法(リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾン)が有効であることが示唆されている。
【0004】
さらに、リンパ形質細胞性リンパ腫(lymphoplasmacytic lymphoma:LPL)は、WHO分類(2017)によれば、小型B細胞リンパ球、形質細胞への分化傾向にあるリンパ球、形質細胞が混在したリンパ系腫瘍と定義され、IgM型M蛋白の有無は問わない。ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(Waldenstrom's macroglobulinemia:WM)は、骨髄浸潤とIgM型M蛋白血症を伴うLPLのサブセットとして定義されている。そして、WM/LPL患者の約90%でMYD88遺伝子の変異が認められ、MYD88遺伝子変異を同定することは確定診断する上で有用である。
【0005】
ところで、上述のような遺伝子変異とは、広義には遺伝子が先天的又は後天的に何らかの異常を来した状態を意味する。遺伝子変異としては、例えば、DNAを構成する塩基が置換、欠失或いは付加された状態が挙げられる。ここで、遺伝子は、タンパク質をコードするコーディング領域と発現制御領域等の非コーディング領域から構成される。遺伝子変異は、コーディング領域及び非コーディング領域のいずれにも存在する。なかでもコーディング領域に存在する遺伝子変異には、コードするアミノ酸が変化するミスセンス変異、所定のアミノ酸をコードするコドンが停止コドンとなるナンセンス変異、コードするアミノ酸は変化しないサイレント変異が含まれる。
【0006】
遺伝子変異は、遺伝性疾患や癌の原因となっており、また、特定の薬剤における薬効にも関連している。その他、遺伝子変異は、肥満などの体質にも関連している。よって、特定の遺伝子変異を特定すること(遺伝子型判定、ジェノタイピングとも称す)は、遺伝性疾患の診断や薬剤に対する薬効を知る上で欠かせない技術となっている。
【0007】
ジェノタイピングの方法としては、例えば、DNAシークエンシングの他に、SSCP(Single Strand Conformation Polymorphism、一本鎖高次構造多型)法、RFLP(Restriction Fragment Length Polymorphism、制限酵素断片長多型)法、PCR(Polymerase Chain Reaction, ポリメラーゼ連鎖反応)法、AFLP (Amplified Fragment Length Polymorphism) 法、ASO(Allele Specific Oligonucleotide) プローブ法、DNAマイクロアレイやDNAビーズに対する結合を検出する方法などがある。これら技術のなかでもDNAマイクロアレイを使用する方法において、DNAマイクロアレイは、通常、検出対象の遺伝子変異について、担体上に固定した変異型のプローブ及び野生型のプローブを備えている。
【0008】
DNAマイクロアレイを使用する方法では、先ず、蛍光標識を有するプライマーを用いて、検出対象の遺伝子変異を有する領域を核酸増幅反応により増幅する。その後、蛍光標識を有する核酸断片と変異型のプローブ及び野生型のプローブとのハイブリダイズ反応を行う。増幅した核酸断片に変異型が含まれる場合には、変異型のプローブから蛍光が観察される。したがって、変異型のプローブ及び野生型のプローブからの蛍光を観察することで、遺伝子変異のジェノタイピングを行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特表2017-523188号公報
【非特許文献】
【0010】
Cancer Cell 39, 1643-1653, December 13, 2021
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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