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公開番号
2025072547
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-09
出願番号
2025018703,2023506075
出願日
2025-02-06,2021-06-11
発明の名称
キメラ抗原受容体及びその用途
出願人
個人
,
CENTER FOR EXCELLENCE IN MOLECULAR CELL SCIENCE, CHINESE ACADEMY OF SCIENCES
代理人
弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
主分類
C07K
19/00 20060101AFI20250430BHJP(有機化学)
要約
【課題】Y/F突然変異を有するCD3ε細胞内領域を含むか、CD3ε細胞内塩基性アミノ酸リッチな領域のモチーフを含むキメラ抗原受容体及びその用途を提供する。
【解決手段】Y/F突然変異を有するCD3ε細胞内領域を含むキメラ抗原受容体の構造は、順に連結される細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン及び細胞内ドメインを含む。前記細胞内ドメインにおける膜貫通ドメインに連結される一端には、Y/F突然変異を有するCD3ε細胞内領域が連結されている。前記Y/F突然変異を有するCD3ε細胞内領域とは、CD3ε細胞内領域のITAMにおける2つのチロシンがいずれもフェニルアラニンに突然変異したY/F突然変異型CD3ε細胞内領域のことである。キメラ抗原受容体で改変したT細胞は、生存能力が向上し、アポトーシスレベルが低下し、増殖能力が向上し、サイトカインIFN-γ及びTNF-αの発現レベルが下方調節される。
【選択図】図1a
特許請求の範囲
【請求項1】
CD3ε細胞内塩基性アミノ酸リッチな領域のモチーフを含むキメラ抗原受容体であって、
順に連結される細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン及び細胞内ドメインを含み、
前記細胞外ドメインは抗原認識領域とヒンジ領域を含み、
前記細胞内ドメインにおける膜貫通ドメインに連結される一端にはCD3ε細胞内塩基性アミノ酸リッチな領域のモチーフが連結されているキメラ抗原受容体。
続きを表示(約 1,900 文字)
【請求項2】
更に、
(1)前記CD3ε細胞内塩基性アミノ酸リッチな領域のモチーフのアミノ酸配列はSEQ ID NO:10に示す通りであり、
(2)前記細胞内ドメインは、順に連結されるCD3ε細胞内塩基性アミノ酸リッチな領域のモチーフ、共刺激シグナル伝達領域及びCD3ζ細胞内セグメントを含む、
との特徴のうちの1つ又は複数を含むことを特徴とする請求項1に記載のCD3ε細胞内塩基性アミノ酸リッチな領域のモチーフを含むキメラ抗原受容体。
【請求項3】
前記共刺激シグナル伝達領域は、CD27、CD28、CD134、4-1BB、OX-40及びICOSのうちの1つ又は複数の細胞内セグメントから選択されることを特徴とする請求項2に記載のCD3ε細胞内塩基性アミノ酸リッチな領域のモチーフを含むキメラ抗原受容体。
【請求項4】
更に、
(1)前記CD28の細胞内セグメントのアミノ酸配列はSEQ ID NO:2に示す通りであり、
(2)前記CD3ζ細胞内セグメントのアミノ酸配列はSEQ ID NO:3に示す通りである、
との特徴のうちの1つ又は複数を含むことを特徴とする請求項3に記載のCD3ε細胞内塩基性アミノ酸リッチな領域のモチーフを含むキメラ抗原受容体。
【請求項5】
更に、
a.前記抗原認識領域は、腫瘍表面抗原を標的とする一本鎖抗体から選択され、前記腫瘍表面抗原は、CD19、メソテリン、CD20、CD22、CD123、CD30、CD33、CD38、CD138、BCMA、線維芽細胞活性化タンパク質(Fibroblast activation protein)、グリピカン-3(Glypican-3)、CEA、EGFRvIII、PSMA、Her2、IL13Rα2、CD171及びGD2のうちの1つ又は複数から選択され、
b.前記膜貫通ドメインは、CD28、CD4、CD8α、OX40又はH2-Kbのうちの1つ又は複数の膜貫通領域から選択され、
c.前記ヒンジ領域は、CD28ヒンジ領域、CD8αヒンジ領域、CD4ヒンジ領域、免疫グロブリンIgGのヒンジ領域、又は免疫グロブリンIgGのヒンジ領域とCH2CH3領域が連結したヒンジ領域のうちの1つ又は複数から選択される、
との特徴のうちの1つ又は複数を含むことを特徴とする請求項1に記載のCD3ε細胞内塩基性アミノ酸リッチな領域のモチーフを含むキメラ抗原受容体。
【請求項6】
更に、
d.前記一本鎖抗体はFMC63から選択され、
e.前記CD28の膜貫通領域のアミノ酸配列はSEQ ID NO:4に示す通りであり、
f.前記CD28ヒンジ領域のアミノ酸構造はSEQ ID NO:7に示す通りである
、
との特徴のうちの1つ又は複数を含むことを特徴とする請求項5に記載のCD3ε細胞内塩基性アミノ酸リッチな領域のモチーフを含むキメラ抗原受容体。
【請求項7】
更に、
1)前記CD3ε細胞内塩基性アミノ酸リッチな領域のモチーフを含むキメラ抗原受容体の抗原認識領域はFMC63から選択され、ヒンジ領域はCD28ヒンジ領域から選択され、前記膜貫通ドメインはCD28の膜貫通領域から選択され、細胞内ドメインは、順に連結されるCD3ε細胞内塩基性アミノ酸リッチな領域のモチーフ、CD28の細胞内セグメント及びCD3ζ細胞内セグメントを含み、
2)前記キメラ抗原受容体のアミノ酸配列はSEQ ID NO:11に示す通りである、
との特徴のうちの1つ又は複数を含むことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のCD3ε細胞内塩基性アミノ酸リッチな領域のモチーフを含むキメラ抗原受容体。
【請求項8】
(1)請求項1~6のいずれか1項に記載のCD3ε細胞内塩基性アミノ酸リッチな領域のモチーフを含むキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチド配列、及び
(2)(1)で述べたポリヌクレオチド配列の相補的配列、
から選択されるポリヌクレオチド配列。
【請求項9】
前記ポリヌクレオチド配列はSEQ ID NO:12に示す通りであることを特徴とする請求項8に記載のポリヌクレオチド配列。
【請求項10】
請求項8に記載のポリヌクレオチド配列を含む核酸構築物。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、キメラ抗原受容体の分野に関し、具体的には、Y/F突然変異を有するCD3ε細胞内領域を含むか、CD3ε細胞内塩基性アミノ酸リッチな領域のモチーフを含むキメラ抗原受容体及びその用途に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
キメラ抗原受容体は、CAR(chimeric antigen receptor)と略称され、特定の腫瘍抗原を標的とするCARが搭載されたT細胞をCAR-T細胞と称する。CAR-T療法は、腫瘍の治療(特に、固形腫瘍の免疫療法)に幅広く応用されている。本療法は、腫瘍治療における新型の精密標的療法となっており、ここ数年は、最適化や改良を通じて、臨床の腫瘍治療において良好な効果を得ている。つまり、CAR-T療法は、非常に将来性があり、正確、迅速、効率的で、且つ癌を治癒し得る新型の腫瘍免疫療法である。
【0003】
しかし、CAR-T療法には依然として多くの限界がある。例えば、腫瘍の臨床治療で遭遇するサイトカインストームや、神経毒性の安全性、持続的増殖能力に劣るといった問題がある。2015年、「ランセット」に1つの第I相臨床試験(臨床試験番号:NCT01593696,2015.Lacet.T cells expressing CD19 chimeric antigen receptors for acute lymphoblastic leukaemia in children and young adults-a phase 1dose-escalation trial)が発表された。この発表によると、再発性又は難治性急性リンパ性白血病、或いは非ホジキンリンパ腫に罹患した患者(年齢1~30歳)にKTE-C19(anti-CD19 28Z)CAR-T療法を施してから、体内における血中CAR-T細胞の数を検出したところ、14日目にCAR-T細胞の数がピークに達したが、その後は、28日目、42日目に顕著な逓減が見られ、68日目には全ての患者の血液からCAR-T細胞を検出できなくなったという。更に、2018年にも、「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に1つの第I相臨床試験(臨床試験番号:NCT01044069,2018.NEJ.Long-Term Follow-up of CD19 CAR Therapy in Acute Lymphoblastic Leukemia)の結果が発表された。この発表でも、再発性急性リンパ性白血病に罹患した53名の患者にanti-CD19 28Z CAR-T療法を施してから、体内における血中CAR-T細胞の数を検出したところ、中央値が14日目に現れることが示された。これら2つの研究は、いずれも、28Z CAR-T細胞は持続的増殖・生存能力に比較的劣り、治療効果の向上が望まれることを示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
CAR構造自体の改変を設計するにあたっては、抗腫瘍効果を向上させ、疾病の寛解期を延ばし、再発率を低下させ、患者の生存期間を延ばすために、CAR-T細胞の持続的生存能力を向上させるとの観点から考慮すればよい。上述した従来技術の欠点に鑑みて、本発明の目的は、Y/F突然変異を有するCD3ε細胞内領域を含むか、CD3ε細胞内塩基性アミノ酸リッチな領域のモチーフを含むキメラ抗原受容体及びその用途を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的及び関連するその他の目的を実現するために、本発明は、第1の態様におい
て、Y/F突然変異を有するCD3ε細胞内領域を含むキメラ抗原受容体を提供する。当該キメラ抗原受容体は、順に連結される細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン及び細胞内ドメインを含む。前記細胞外ドメインは抗原認識領域とヒンジ領域を含む。
【0006】
前記細胞内ドメインにおける膜貫通ドメインに連結される一端には、Y/F突然変異を有するCD3ε細胞内領域が連結されている。前記Y/F突然変異を有するCD3ε細胞内領域とは、CD3ε細胞内領域の免疫受容体活性化チロシンモチーフ(Immunoreceptor tyrosine-based activation motif,ITAM)における2つのチロシンがいずれもフェニルアラニンに突然変異したY/F突然変異型CD3ε細胞内領域のことである。
【0007】
本発明は、第2の態様において、ポリヌクレオチド配列を提供する。当該ポリヌクレオチド配列は、(1)本発明の第1の態様で述べたY/F突然変異を有するCD3ε細胞内領域を含むキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチド配列と、(2)(1)で述べたポリヌクレオチド配列の相補的配列、から選択される。
【0008】
本発明は、第3の態様において、核酸構築物を提供する。前記核酸構築物は、本発明の第2の態様で述べたポリヌクレオチド配列を含む。
【0009】
好ましくは、前記核酸構築物はベクターである。
【0010】
より好ましくは、前記核酸構築物はレンチウイルスベクターであって、複製起点、3’LTR、5’LTR、及び本発明の第2の態様で述べたポリヌクレオチド配列を含む。
(【0011】以降は省略されています)
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