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公開番号2025074934
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-14
出願番号2024145580
出願日2024-08-27
発明の名称5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法
出願人合肥利夫生物科技有限公司
代理人個人
主分類C07D 307/46 20060101AFI20250507BHJP(有機化学)
要約【課題】収率および純度が高い、5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法を提供する。
【解決手段】フミンを乾燥させて粉末に粉砕し、水に懸濁させ、迅速に撹拌しながら四塩化スズ水溶液を添加して撹拌し続けた後、一晩放置して熟成させ、濃縮して乾燥させ、粉末に粉砕した後、空気中で焼成してスズ担持フミン系触媒を得るステップS1と、計量ポンプを用いて、糖類含有原料と有機溶媒をそれぞれスズ担持フミン系触媒が充填された反応装置に注入して反応させた後、分離・精製して5-ヒドロキシメチルフルフラールを得るステップS2と、を含む5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法であり、前記糖類含有原料は、果糖液糖、ブドウ糖液糖、果糖ブドウ糖液糖、廃糖蜜、わら糖液糖のうちの少なくとも1種である、製造方法である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
フミンを乾燥させて粉末に粉砕し、水に懸濁させ、迅速に撹拌しながら四塩化スズ水溶液を添加して撹拌し続けた後、一晩放置して熟成させ、濃縮して乾燥させ、粉末に粉砕した後、空気中で焼成してスズ担持フミン系触媒を得るステップS1と、
計量ポンプを用いて、糖類含有原料と有機溶媒をそれぞれスズ担持フミン系触媒が充填された反応装置に注入して反応させた後、分離・精製して5-ヒドロキシメチルフルフラールを得るステップS2と、を含む、ことを特徴とする5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記糖類含有原料は、果糖液糖、ブドウ糖液糖、果糖ブドウ糖液糖、廃糖蜜、わら糖液糖のうちの少なくとも1種である、ことを特徴とする請求項1に記載の5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法。
【請求項3】
前記果糖液糖、ブドウ糖液糖、果糖ブドウ糖液糖の濃度は、1%~75%であり、廃糖蜜、わら糖液糖の濃度は、1%~50%である、ことを特徴とする請求項2に記載の5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法。
【請求項4】
前記有機溶媒は、酢酸エチル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、アセトン、トルエン、メチルイソブチルケトン、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、2-メチルテトラヒドロフラン、炭酸ジメチル、1,4-ジオキサン、メタノール、イソプロピルアルコール、n-ブタノール、メチルtert-ブチルエーテル、クロロホルム、ブタノン、酢酸ブチル、バレロラクトン及びブチロラクトンのうちの少なくとも1種である、ことを特徴とする請求項1に記載の5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法。
【請求項5】
前記有機溶媒と糖類含有原料との体積比の範囲は、0.5:1~10:1である、ことを特徴とする請求項1に記載の5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法。
【請求項6】
ステップS2では、反応時に窒素ガスを充填して反応圧力を0.1~6MPaとし、反応流速を1~100mL/minとし、反応時間を0.1~10minとし、反応温度を50~200℃とする、ことを特徴とする請求項1に記載の5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法。
【請求項7】
前記スズ担持フミン系触媒のスズ担持量は、0.5%~9%である、ことを特徴とする請求項1に記載の5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法。
【請求項8】
前記スズ担持フミン系触媒は、管型反応器に固定され、触媒床の充填体積が反応器の50%~100%を占め、残量がフィラーである、ことを特徴とする請求項1に記載の5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法。
【請求項9】
反応装置は、天秤、送液計量ポンプ、管型反応器、凝縮器、循環オイルバス、気液分離タンク、サンプリング弁群、収集タンクを含み、2つの送液計量ポンプを用いて、糖類含有原料の水溶液と溶媒を管型反応器に注入して混合反応させる、ことを特徴とする請求項1に記載の5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、5-ヒドロキシメチルフルフラールの合成の技術分野に属し、具体的には、5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
5-ヒドロキシメチルフルフラール(5-HMF)は、プラットフォーム化合物として、付加価値が高く、適用性が広いなどの利点を有し、モノマーとしてバイオベース材料、バイオ燃料、医薬中間体、液体燃料及び様々な化学製品などを合成することができ、グリーン・低炭素、持続可能な開発において広範な応用の将来性を持つ。5-HMFから誘導された付加価値製品は、主に、2,5-フランジカルボン酸(FDCA)、2,5-フランジアルデヒド、2,5-フランジメタノール、5-ヒドロキシメチル-2-フランカルボン酸、レブリン酸、2,5-ジメチルフランなどがある。現在、5-HMFを製造する原料は、主にセルロース、果糖、ショ糖、ブドウ糖などがある。
【0003】
バイオマス糖の5-HMFへの効率的な変換を実現するために、触媒の設計及び開発は、非常に重要である。多くの学者は、性能の高い触媒の開発に取り組んでおり、早期に、有機酸(例えば、シュウ酸、ギ酸、クエン酸)、無機酸(例えば、塩酸、硫酸)、金属塩(金属塩化物)などを含む均一系触媒に焦点を当てて研究し、均一系触媒中の有機酸と無機酸は、触媒効率が高いが、装置を腐食し、環境を汚染するなどの問題がある。その後、研究者らは、強酸性陽イオン交換樹脂、モレキュラーシーブ、ヘテロポリ酸などを含む不均一系触媒を徐々に開発した。均一系触媒に比べて、不均一系触媒は、コストが高く、触媒効率が低く、製造プロセスが複雑であるなどの問題がある。溶媒の選択も5-HMFの合成に大きな影響を与え、溶媒は、主に水、有機溶媒、水-有機混合溶媒及びイオン液体に分けられる。水は、バイオマス糖類(ブドウ糖、果糖、セルロースなど)から5-HMFを製造するための理想的なグリーン溶媒であるが、5-HMFの選択性が低いという問題があり、酸触媒の作用下で、フミン、レブリン酸、ギ酸などの副生成物を生成しやすい。糖類資源の利用率が高くない主な原因の1つは、フミンの生成であり、フミンは、水に溶解しない低炭素高重合体であり、分子量が高く、安定性が高く、変換しにくいなどの特性を有する。
【0004】
公開番号がCN107556271Aの特許は、ブドウ糖から5-HMFを製造する方法を提供し、該方法は、ブドウ糖、塩化コリンを原料として深共晶溶媒を形成し、固体酸触媒の作用下で触媒して、5-HMFを得ることであり、収率が最高で36.23%に達する。該特許は、水相の代わりに深共晶溶媒を用いて、5-HMFが酸性溶液中で安定しないという欠点を回避し、そして、該固体酸触媒が製造されやすくて入手しやすいが、該方法に基づいて製造された5-HMFの収率は依然として低い。公開番号がCN106669655Aの特許は、ニオブ炭素固体酸触媒で触媒して糖類化合物から5-HMFを製造する方法を提供する。該方法は、炭素源とニオブ前駆体の種類及び両者の比率を調整することにより、異なる強度の触媒を合成することであり、触媒の特徴は、このような固体酸触媒が優れた循環安定性を示すことを示すが、該触媒を用いて製造された5-HMFの収率が最高でも56%のみである。公開番号がCN112625012Aの特許は、ブドウ糖をスズ変性モレキュラーシーブ触媒で触媒して5-HMFを製造する方法を提供し、該触媒は、安定性が高く、安価であり、製造プロセスが簡単であり、触媒してブドウ糖を5-HMFにワンステップで変換することを実現できるが、5-HMFの収率は、依然として低く、最高でも58.0%のみである。
【0005】
エネルギー危機、環境汚染の問題が日増しに顕在化することに伴い、産業廃棄物を利用することは、既に学者らの研究の焦点となっており、例えば、バイオマスの加水分解プロセスに生成されたフルフラール残渣に大量のセルロースが含まれ、フルフラール残渣の付加価値を十分に利用することは、フルフラールを生成する産業にとって重要な意義を有する。フミンは、産業廃棄物として、一般的に直接燃焼されて加熱に用いられるが、潜在的な炭素材料として、付加価値の高い化学品又は材料に製造することができる。したがって、付加価値の低いフミンを合理的に利用することは、糖類の加水分解プロセスにおける炭素利用率の向上に重要な意義を有する。本発明は、スズ担持フミン系触媒を設計して合成し、バイオマス糖(果糖液糖、ブドウ糖液糖、果糖ブドウ糖液糖、廃糖蜜、わら糖など)を触媒して5-HMFを製造するために適用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
CN107556271A
CN106669655A
CN112625012A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、5-HMFを製造する原料の利用率が低く、生成物の純度が低いという問題を解決するために、5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、以下の技術手段により達成され得る。
【0009】
5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法は、
フミンを乾燥させて粉末に粉砕し、水に懸濁させ、迅速に撹拌しながら四塩化スズ水溶液を添加して撹拌し続けた後、一晩放置して熟成させ、濃縮して乾燥させ、粉末に粉砕した後、空気中で焼成してスズ担持フミン系触媒を得るステップS1と、
計量ポンプを用いて、糖類含有原料と有機溶媒をそれぞれスズ担持フミン系触媒が充填された反応装置に注入して反応させた後、分離・精製して5-ヒドロキシメチルフルフラールを得るステップS2と、を含む。
【0010】
本発明のさらなる技術手段として、前記糖類含有原料は、果糖液糖、ブドウ糖液糖、果糖ブドウ糖液糖、廃糖蜜、わら糖液糖のうちの少なくとも1種である。
(【0011】以降は省略されています)

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