TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025073021
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-12
出願番号2023183586
出願日2023-10-25
発明の名称ガスタービンプラントの制御方法、この方法を実行する制御装置、及びこの方法をコンピュータに実行させる制御プログラム
出願人三菱重工業株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類F02C 9/28 20060101AFI20250501BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】燃料が安定燃焼するか否かについて、高精度で把握して、燃料を安定燃焼させる。
【解決手段】ガスタービンプラントの制御方法では、燃焼器に流入する燃料流量を推定する燃料流量推定工程と、前記燃焼器に流入する空気流量を推定する空気流量推定工程と、燃料が燃焼可能な筒内の内圧変動が燃焼振動発生状態になっているかを判断する燃焼振動判断工程と、前記燃焼振動発生状態になっていると判断されると、前記燃焼振動発生状態を回避し得る流量比である修正流量比を求める修正流量比演算工程と、第一空気の流量に対する前記第一燃料の流量の第一燃空比、及び第二空気の流量に対する前記第二燃料の流量の第二燃空比を求めるバーナ燃空比演算工程と、前記第一燃空比及び前記第二燃空比のそれぞれが、失火又は逆火の可能性がない安定燃焼領域内の燃空比であるか否かを判断する安定燃焼判断工程と、を実行する。
【選択図】図15
特許請求の範囲【請求項1】
空気が流通可能な吸気ダクトと、前記吸気ダクトからの空気を圧縮して圧縮空気を生成可能な圧縮機と、前記圧縮空気中で燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成可能な燃焼器と、前記燃焼ガスにより駆動可能なタービンと、を有するガスタービンと、
前記燃焼器に供給する燃料の一部である第一燃料の流量を調節可能な第一燃料調節弁と、
前記燃焼器に供給する燃料の他の一部である第二燃料の流量を調節可能な第二燃料調節弁と、
を備え、
前記圧縮機は、ロータ軸線を中心として回転可能な圧縮機ロータと、前記圧縮機ロータを覆う圧縮機ケーシングと、前記圧縮機ケーシング内に流入する空気の流量を調整可能な吸気量調節機と、を有し、
前記吸気量調節機は、複数の入口案内翼と、前記複数の入口案内翼の開度を変更可能な駆動機と、を有し、
前記燃焼器は、前記燃料が燃焼可能な筒と、前記第一燃料を噴射可能な第一ノズルと、前記燃焼器に流入する前記圧縮空気の一部である第一空気及び前記第一ノズルからの前記第一燃料が流通可能な第一空気流路枠と、前記第二燃料を噴射可能な第二ノズルと、前記燃焼器に流入する前記圧縮空気の他の一部である第二空気及び前記第二ノズルからの前記第二燃料が流通可能な第二空気流路枠と、を有する、
ガスタービンプラントの制御方法において、
前記燃焼器に実際に流入する燃料の燃料流量を推定する燃料流量推定工程と、
前記燃焼器に実際に流入する前記圧縮空気の空気流量を推定する空気流量推定工程と、
前記筒内の内圧変動が予め定められた値より大きい燃焼振動発生状態になっているか否かを判断する燃焼振動判断工程と、
前記燃焼振動判断工程で、前記燃焼振動発生状態になっていると判断されると、燃焼振動の増減量と前記燃焼器に供給する燃料の流量に対する前記第一燃料の流量の流量比の増減量との関係データを用いて、前記燃焼振動発生状態を回避し得る流量比である修正流量比を求める修正流量比演算工程と、
前記第一空気の流量に対する前記第一燃料の流量の比である第一燃空比、及び前記第二空気の流量に対する前記第二燃料の流量の比である第二燃空比を求めるバーナ燃空比演算工程と、
前記第一燃空比及び前記第二燃空比のそれぞれが、失火又は逆火の可能性がない予め定められた安定燃焼領域内の燃空比であるか否かを判断する安定燃焼判断工程と、
前記安定燃焼判断工程で、前記第一燃空比及び前記第二燃空比のいずれもが前記安定燃焼領域内の燃空比であると判断されると、前記燃焼器に供給する燃料の流量に対する前記第一燃料の流量の流量比が前記修正流量比になるよう、前記第一燃料調節弁及び前記第二燃料調節弁に指示する指示工程と、
を実行し、
前記燃料流量推定工程で推定する前記燃料流量は、前記圧縮機ケーシング内に流入する空気の温度である吸気温度、前記複数の入口案内翼の開度であるIGV開度、及び前記ガスタービンの出力であるGT出力に基づいて定められる、前記燃焼器に流入する燃料の流量であり、
前記空気流量推定工程で推定する前記空気流量は、前記吸気温度、前記IGV開度、及び前記GT出力に基づいて定められる、前記燃焼器に流入する前記圧縮空気の流量であり、
前記バーナ燃空比演算工程では、
前記修正流量比と、前記燃料流量推定工程で推定された前記燃料流量とを用いて、前記第一燃料の流量及び前記第二燃料の流量を求め、
前記第一空気流路枠を流れる前記第一空気の流量と前記第二空気流路枠を流れる前記第二空気の流量との予め定められた空気の流量比と、前記空気流量推定工程で推定された前記空気流量とを用いて、前記第一空気の流量及び前記第二空気の流量を求める、
ガスタービンプラントの制御方法。
続きを表示(約 3,400 文字)【請求項2】
請求項1に記載のガスタービンプラントの制御方法において、
前記安定燃焼判断工程で、前記第一燃空比と前記第二燃空比とのうち少なくとも一方が、前記安定燃焼領域内の燃空比ではないと判断されると、前記修正流量比演算工程S11では、前記関係データを用いて、前記燃焼振動発生状態を回避し得る流量比である新たな修正流量比を求め、
前記バーナ燃空比演算工程では、前記新たな修正流量比に基づく新たな第一燃空比及び新たな第二燃空比を求め、
前記安定燃焼判断工程では、前記新たな第一燃空比及び前記新たな第二燃空比のそれぞれが、前記安定燃焼領域内の燃空比であるか否かを判断する、
ガスタービンプラントの制御方法。
【請求項3】
請求項1に記載のガスタービンプラントの制御方法において、
前記燃料流量推定工程で推定する前記燃料流量は、基本燃料流量に、過去時実燃料流量に対する推定時実燃料流量の割合である燃料量経時変化比を掛けた値であり、
前記基本燃料流量は、前記燃料流量が推定される推定時での、前記吸気温度、前記IGV開度、及び前記GT出力に基づいて定められる、前記燃焼器に流入する燃料の流量であり、
前記推定時実燃料流量は、前記推定時での、前記第一燃料調節弁の前後における燃料の実際の圧力差及び前記第二燃料調節弁の前後における燃料の実際の圧力差に少なくとも基づいて定められる、前記燃焼器に流入する燃料の流量であり、
前記過去時実燃料流量は、前記推定時よりも過去の過去時で、且つ前記推定時と同じGT出力のときの、前記第一燃料調節弁の前後における燃料の実際の圧力差及び前記第二燃料調節弁の前後における燃料の実際の圧力差に少なくとも基づいて定められる、前記燃焼器に流入する燃料の流量である、
ガスタービンプラントの制御方法。
【請求項4】
請求項1に記載のガスタービンプラントの制御方法において、
前記燃料流量推定工程は、
前記燃料流量が推定される推定時での、前記第一燃料調節弁の前後における燃料の実際の圧力差及び前記第二燃料調節弁の前後における燃料の実際の圧力差に少なくとも基づいて、前記燃焼器に流入する燃料の流量である推定時実燃料流量を求める推定時実燃料流量演算工程と、
前記推定時よりも過去の過去時での過去時実燃料流量に対する基本燃料流量の割合である燃料比を求める燃料比演算工程と、
前記推定時実燃料流量に前記燃料比を掛けて、前記燃料流量を求める燃料流量演算工程と、
を含み、
前記基本燃料流量は、前記推定時での、前記吸気温度、前記IGV開度、及び前記GT出力に基づいて定められる、前記燃焼器に流入する燃料の流量であり、
前記過去時実燃料流量は、前記過去時で、且つ前記推定時と同じGT出力のときの、前記第一燃料調節弁の前後における燃料の実際の圧力差及び前記第二燃料調節弁の前後における燃料の実際の圧力差に少なくとも基づいて定められる、前記燃焼器に流入する燃料の流量である、
ガスタービンプラントの制御方法。
【請求項5】
請求項4に記載のガスタービンプラントの制御方法において、
前記燃料比演算工程では、予め求められている、前記過去時での前記GT出力と前記燃料比との関係である出力-燃料比過去関係を用いて、前記過去時での、前記推定時における前記GT出力に対する前記過去時の燃料比を求める、
ガスタービンプラントの制御方法。
【請求項6】
請求項5に記載のガスタービンプラントの制御方法において、
前記出力-燃料比過去関係を定める関係設定工程を実行し、
前記関係設定工程では、
前記ガスタービンが最小出力のときから最大出力のときまでの間の前記ガスタービンの出力の範囲を複数に分割し、前記範囲を複数に分割して得られた分割範囲を定め、
複数の前記分割範囲毎に、前記GT出力と前記過去時の燃料比とをそれぞれ変数とする座標系中に、代表点を定め、
前記座標系中の複数の前記分割範囲毎の代表点相互を線で結んで、前記GT出力を変数とする前記過去時の燃料比の関数を定め、
前記関数を前記出力-燃料比過去関係とし、
複数の前記分割範囲毎の代表点は、各分割範囲内の複数のGT出力毎の前記過去時の燃料比を代表する点である、
ガスタービンプラントの制御方法。
【請求項7】
請求項1に記載のガスタービンプラントの制御方法において、
前記空気流量推定工程で推定する前記空気流量は、基本空気流量に、過去時実空気流量に対する推定時実空気流量の割合である空気量経時変化比を掛けた値であり、
前記基本空気流量は、前記燃料流量が推定される推定時での、前記吸気温度、前記IGV開度、及び前記GT出力に基づいて定められる、前記燃焼器に流入する前記圧縮空気の流量であり、
前記推定時実空気流量は、前記推定時での、前記吸気ダクト内の二点間における空気の実際の圧力差に少なくとも基づいて定められる、前記燃焼器に流入する前記圧縮空気の流量であり、
前記過去時実空気流量は、前記推定時よりも過去の過去時で、且つ前記推定時と同じIGV開度のときの、前記吸気ダクト内の前記二点間における空気の実際の圧力差に少なくとも基づいて定められる、前記燃焼器に流入する前記圧縮空気の流量である、
ガスタービンプラントの制御方法。
【請求項8】
請求項1に記載のガスタービンプラントの制御方法において、
前記空気流量推定工程は、
前記燃料流量が推定される推定時での、前記吸気ダクト内の二点間における空気の実際の圧力差に少なくとも基づいて、前記燃焼器に流入する前記圧縮空気の流量である、推定時実空気流量を求める推定時実空気流量演算工程と、
前記推定時での、前記吸気温度、前記IGV開度、及び前記GT出力に基づいて、前記燃焼器に流入する前記圧縮空気の流量である、基本空気流量を求める基本空気流量演算工程と、
前記基本空気流量に対する前記推定時実空気流量との割合である推定時空気比を求める推定時空気比演算工程と、
前記基本空気流量に対する過去時実空気流量との割合である過去時空気比を求める過去時空気比演算工程と、
前記基本空気流量に、前記過去時空気比に対する前記推定時空気比の割合を掛けて、前記空気流量を求める空気流量演算工程と、
を含み、
前記過去時実空気流量は、前記推定時よりも過去の過去時で且つ前記推定時と同じIGV開度のときの、前記吸気ダクト内の前記二点間における空気の実際の圧力差に少なくとも基づいて定められる、前記燃焼器に流入する前記圧縮空気の流量である、
ガスタービンプラントの制御方法。
【請求項9】
請求項8に記載のガスタービンプラントの制御方法において、
前記過去時空気比演算工程では、予め定められている、前記過去時での前記IGV開度と前記過去時空気比との関係である開度-空気比過去関係を用いて、前記推定時における前記IGV開度に対する前記過去時空気比を求める、
ガスタービンプラントの制御方法。
【請求項10】
請求項9に記載のガスタービンプラントの制御方法において、
前記開度-空気比過去関係を定める関係設定工程を実行し、
前記関係設定工程では、
前記複数の入口案内翼の開度の変更可能な範囲を複数に分割し、前記範囲を複数に分割して得られた分割範囲を定め、
複数の前記分割範囲毎に、前記IGV開度と前記過去時空気比とをそれぞれ変数とする座標系中に、代表点を定め、
前記座標系中の複数の前記分割範囲毎の代表点相互を線で結んで、前記IGV開度を変数とする前記過去時空気比の関数を定め、
複数の前記分割範囲毎の代表点は、各分割範囲内の複数のIGV開度毎の前記過去時空気比を代表する点であり、
前記関数を前記開度-空気比過去関係とする、
ガスタービンプラントの制御方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ガスタービンを備えるガスタービンプラントの制御方法、この方法を実行する制御装置、及びこの方法をコンピュータに実行させる制御プログラムに関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
ガスタービンは、空気を圧縮して圧縮空気を生成可能な圧縮機と、圧縮機からの圧縮空気中で燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成可能な燃焼器と、燃焼ガスにより駆動可能なタービンと、を備えている。圧縮機は、圧縮機ロータと、この圧縮機ロータを覆う圧縮機ケーシングと、吸気量調節機と、を有する。この吸気量調節機は、圧縮機ケーシングの吸込み口に設けられ、圧縮機ケーシング内に吸い込まれる空気の流量を調節する。圧縮機ロータには、発電機のロータが接続されている。
【0003】
以下の特許文献1には、燃焼器での燃料の安定燃焼を図る技術が開示されている。特許文献1に記載のガスタービンの燃焼器は、燃料が燃焼可能な筒と、複数のメインバーナと、パイロットバーナと、を有する。メインバーナは、メインノズルと、メイン空気流路枠と、を有する。メインノズルは、燃焼器に流入した燃料の一部であるメイン燃料を噴射可能である。メイン空気流路枠は、燃焼器に流入した圧縮空気の一部であるメイン空気が流れ、メインノズルからのメイン燃料とメイン空気とを筒内に噴射可能である。パイロットバーナは、パイロットノズルと、パイロット空気流路枠と、を有する。パイロットノズルは、燃焼器に流入した燃料の他の一部であるパイロット燃料を噴射可能である。パイロット空気流路枠は、燃焼器に流入した圧縮空気の他の一部であるパイロット空気が流れ、パイロットノズルからのパイロット燃料とパイロット空気とを筒内に噴射可能である。
【0004】
この特許文献1には、燃料の安定燃焼を図るため、燃焼器に流入する圧縮空気の全流量に対する燃焼器に流入する燃料の全流量の比である燃空比に、制限を設ける旨が記載されている。さらに、この特許文献1には、燃料の安定燃焼を図るために、燃焼器に流入する燃料の全流量に対するパイロット燃料の流量の比であるパイロット比を適宜修正する旨も記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2009-203943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、ガスタービンの運用変更要求や環境問題等から、ガスタービンの運転環境が厳しくなっている。このように、ガスタービンの運転環境が厳しくなってくると、燃焼器内での燃焼振動を抑えつつも、燃料が安定燃焼するか否かについて高精度で把握する必要がある。
【0007】
そこで、本開示は、燃焼器内での燃焼振動を抑えつつ、燃料が安定燃焼するか否かについて、高精度で把握して、燃料を安定燃焼させることができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するための一態様としてのガスタービンプラントの制御方法は、以下のガスタービンプラントに適用される制御方法である。
このガスタービンプラントは、空気が流通可能な吸気ダクトと、前記吸気ダクトからの空気を圧縮して圧縮空気を生成可能な圧縮機と、前記圧縮空気中で燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成可能な燃焼器と、前記燃焼ガスにより駆動可能なタービンと、を有するガスタービンと、前記燃焼器に供給する燃料の一部である第一燃料の流量を調節可能な第一燃料調節弁と、前記燃焼器に供給する燃料の他の一部である第二燃料の流量を調節可能な第二燃料調節弁と、を備える。前記圧縮機は、ロータ軸線を中心として回転可能な圧縮機ロータと、前記圧縮機ロータを覆う圧縮機ケーシングと、前記圧縮機ケーシング内に流入する空気の流量を調整可能な吸気量調節機と、を有する。前記吸気量調節機は、複数の入口案内翼と、前記複数の入口案内翼の開度を変更可能な駆動機と、を有する。前記燃焼器は、前記燃料が燃焼可能な筒と、前記第一燃料を噴射可能な第一ノズルと、前記燃焼器に流入する前記圧縮空気の一部である第一空気及び前記第一ノズルからの前記第一燃料が流通可能な第一空気流路枠と、前記第二燃料を噴射可能な第二ノズルと、前記燃焼器に流入する前記圧縮空気の他の一部である第二空気及び前記第二ノズルからの前記第二燃料が流通可能な第二空気流路枠と、を有する。
このガスタービンプラントの制御方法では、前記燃焼器に実際に流入する燃料の燃料流量を推定する燃料流量推定工程と、前記燃焼器に実際に流入する前記圧縮空気の空気流量を推定する空気流量推定工程と、前記筒内の内圧変動が予め定められた値より大きい燃焼振動発生状態になっているか否かを判断する燃焼振動判断工程と、前記燃焼振動判断工程で、前記燃焼振動発生状態になっていると判断されると、燃焼振動の増減量と前記燃焼器に供給する燃料の流量に対する前記第一燃料の流量の流量比の増減量との関係データを用いて、前記燃焼振動発生状態を回避し得る流量比である修正流量比を求める修正流量比演算工程と、前記第一空気の流量に対する前記第一燃料の流量の比である第一燃空比、及び前記第二空気の流量に対する前記第二燃料の流量の比である第二燃空比を求めるバーナ燃空比演算工程と、前記第一燃空比及び前記第二燃空比のそれぞれが、失火又は逆火の可能性がない予め定められた安定燃焼領域内の燃空比であるか否かを判断する安定燃焼判断工程と、前記安定燃焼判断工程で、前記第一燃空比及び前記第二燃空比のいずれもが前記安定燃焼領域内の燃空比であると判断されると、前記燃焼器に供給する燃料の流量に対する前記第一燃料の流量の流量比が前記修正流量比になるよう、前記第一燃料調節弁及び前記第二燃料調節弁に指示する指示工程と、を実行する。
前記燃料流量推定工程で推定する前記燃料流量は、前記圧縮機ケーシング内に流入する空気の温度である吸気温度、前記複数の入口案内翼の開度であるIGV開度、及び前記ガスタービンの出力であるGT出力に基づいて定められる、前記燃焼器に流入する燃料の流量である。前記空気流量推定工程で推定する前記空気流量は、前記吸気温度、前記IGV開度、及び前記GT出力に基づいて定められる、前記燃焼器に流入する前記圧縮空気の流量である。前記バーナ燃空比演算工程では、前記修正流量比と、前記燃料流量推定工程で推定された前記燃料流量とを用いて、前記第一燃料の流量及び前記第二燃料の流量を求め、前記第一空気流路枠を流れる前記第一空気の流量と前記第二空気流路枠を流れる前記第二空気の流量との予め定められた空気の流量比と、前記空気流量推定工程で推定された前記空気流量とを用いて、前記第一空気の流量及び前記第二空気の流量を求める。
【0009】
本態様では、燃焼振動判断工程で、筒内の内圧変動が予め定められた値より大きい燃焼振動発生状態になっているか否かを判断する。この燃焼振動判断工程で、燃焼振動発生状態になっていると判断されると、修正流量比演算工程で、燃焼振動発生状態を回避し得る流量比である修正流量比が求められる。バーナ燃空比演算工程では、第一空気の流量に対する第一燃料の流量の比である第一燃空比、及び、第二空気の流量に対する第二燃料の流量の比である第二燃空比が求められる。すなわち、バーナ燃空比演算工程では、第一ノズルと第一空気流路枠とを有する第一バーナにおける燃空比、及び、第二ノズルと第二空気流路枠とを有する第二バーナにおける燃空比が求められる。バーナ燃空比演算工程では、バーナ毎の燃空比を求めるにあたり、燃料流量推定工程で推定された、燃焼器に実際に流入する燃料の燃料流量と、空気流量推定工程で推定された、燃焼器に実際に流入する圧縮空気の空気流量とを用いる。安定燃焼判断工程では、バーナ毎の燃空比が、失火又は逆火の可能性がない予め定められた安定燃焼領域内の燃空比であるか否かが判断される。このため、本態様では、燃料が安定燃焼するか否かについて、高精度で把握することができる。
【0010】
安定燃焼判断工程で、バーナ毎の燃空比が、失火又は逆火の可能性がない予め定められた安定燃焼領域内の燃空比であると判断されると、指示工程で、燃焼器に供給する燃料の流量に対する第一燃料の流量の流量比が修正流量比になるよう、第一燃料調節弁及び第二燃料調節弁に指示される。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

ダイハツ工業株式会社
車両
28日前
トヨタ自動車株式会社
制御装置
6日前
ダイハツ工業株式会社
内燃機関
1日前
トヨタ自動車株式会社
制御装置
2日前
朝日電装株式会社
スロットル装置
2日前
朝日電装株式会社
スロットル装置
2日前
トヨタ自動車株式会社
異常診断装置
13日前
トヨタ自動車株式会社
車両の制御装置
23日前
有光工業株式会社
動力システム
23日前
スズキ株式会社
エンジン
2日前
トヨタ自動車株式会社
給油判定装置
28日前
個人
燃料タンク
2日前
カワサキモータース株式会社
乗物及び排気部品
13日前
トヨタ自動車株式会社
内燃機関の制御装置
13日前
トヨタ自動車株式会社
内燃機関の制御装置
23日前
Astemo株式会社
燃料噴射弁
1日前
東洋電機製造株式会社
電気式気動車
今日
スズキ株式会社
車両におけるベルト滑り検出装置
3日前
カワサキモータース株式会社
乗物及びタンクカバー
15日前
個人
内燃機関の燃焼圧力を最大限回転力に変えるシステム。
3日前
スズキ株式会社
車両の制御装置
3日前
三菱自動車工業株式会社
リキッドセパレータ
21日前
株式会社SUBARU
キャニスタの蒸発燃料吸着量計測装置
13日前
川崎重工業株式会社
温度推移解析装置及び温度推移解析方法
28日前
日産自動車株式会社
内燃機関の制御方法および制御装置
22日前
本田技研工業株式会社
内燃機関
今日
日産自動車株式会社
内燃機関の制御方法および制御装置
22日前
スズキ株式会社
内燃機関の制御装置
15日前
株式会社豊田中央研究所
内燃機関
1日前
奥村組土木興業株式会社
岩盤掘削機
今日
株式会社竹内製作所
作業用車両用アイドリング制御システム
1日前
株式会社豊田自動織機
内燃機関の制御システム
17日前
三菱自動車工業株式会社
内燃機関の制御システム
17日前
トヨタ自動車株式会社
チャコールキャニスタ点検装置
13日前
株式会社竹内製作所
制御装置、作業用車両及びコンピュータプログラム
1日前
株式会社豊田中央研究所
双方向タービン及び音響発電装置
21日前
続きを見る