TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025074538
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-14
出願番号2023185392
出願日2023-10-30
発明の名称風車用バスケット、及び風車
出願人セメダイン株式会社,大成建設株式会社
代理人弁理士法人 武政国際特許商標事務所
主分類F03D 3/06 20060101AFI20250507BHJP(液体用機械または機関;風力原動機,ばね原動機,重力原動機;他類に属さない機械動力または反動推進力を発生するもの)
要約【課題】本願発明の課題は、従来技術が抱える問題を解決することであり、すなわち、構成部材どうしをボルトのみで接合することなく、しかも部分的には面接合によって接合される風車用バスケットと、これを用いた風車を提供することである。
【解決手段】本願発明の風車用バスケットは、風車を構成するバスケットであって、薄肉の板材からなる頂板と、同じく薄肉の板材からなる底板、薄肉の板材からなる羽根板を備えたものである。上接合部では、頂板に対して略垂直に配置される羽根板と頂板が山形材を介してボルト接合されるとともに接着接合される。また下接合部では、底板に対して略垂直に配置される羽根板と底板が山形材を介してボルト接合されるとともに接着接合される。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
風車を構成するバスケットであって、
薄肉の板材からなる頂板と、
前記頂板と平行又は略平行に配置され、薄肉の板材からなる底板と、
前記頂板と前記底板との間に配置され、薄肉の板材からなる羽根板と、
前記頂板に対して垂直又は略垂直に配置される前記羽根板と、該頂板と、が山形材によって接合される上接合部と、
前記底板に対して垂直又は略垂直に配置される前記羽根板と、該底板と、が前記山形材によって接合される下接合部と、を備え、
前記山形材は、第1当接面と、該第1当接面に対して垂直又は略垂直な第2当接面と、を有し、
前記上接合部では、前記山形材の前記第1当接面が前記頂板に当接されるとともに前記第2当接面が前記羽根板に当接されたうえで、該第1当接面と該頂板がボルト接合されるとともに接着接合され、該第2当接面と該羽根板がボルト接合されるとともに接着接合され、
前記下接合部では、前記山形材の前記第1当接面が前記底板に当接されるとともに前記第2当接面が前記羽根板に当接されたうえで、該第1当接面と該底板がボルト接合されるとともに接着接合され、該第2当接面と該羽根板がボルト接合されるとともに接着接合された、
ことを特徴とする風車用バスケット。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記羽根板は、平面視で一部が曲線形状であり、
前記羽根板のうち曲線形状の部分に当接される前記山形材の断面形状は、配置位置における前記羽根板の曲線形状と同じ曲線形状である、
ことを特徴とする請求項1記載の風車用バスケット。
【請求項3】
前記羽根板は、平面視で一部が直線形状であって、一部が曲線形状であり、
前記上接合部では、間隔を設けて複数の前記山形材が配置され、
前記下接合部では、間隔を設けて複数の前記山形材が配置され、
前記羽根板のうち曲線形状の部分に当接される前記山形材の長さは、該羽根板のうち直線形状の部分に当接される前記山形材の長さより短尺である、
ことを特徴とする請求項1記載の風車用バスケット。
【請求項4】
前記羽根板が、上羽根板と下羽根板によって構成され、
前記上羽根板は、前記上接合部で前記頂板に接合され、
前記下羽根板は、前記下接合部で前記底板に接合され、
前記頂板と前記底板との間であって該頂板及び該底板と平行又は略平行に配置され、薄肉の板材からなる中間板と、
前記中間板に対して垂直又は略垂直に配置される前記上羽根板と、該中間板と、が前記山形材によって接合される上中間接合部と、
前記中間板に対して垂直又は略垂直に配置される前記下羽根板と、該中間板と、が前記山形材によって接合される下中間接合部と、をさらに備え、
前記上中間接合部では、前記山形材の前記第1当接面が前記中間板に当接されるとともに前記第2当接面が前記上羽根板に当接されたうえで、該第1当接面と該中間板がボルト接合されるとともに接着接合され、該第2当接面と該上羽根板がボルト接合されるとともに接着接合され、
前記下中間接合部では、前記山形材の前記第1当接面が前記中間板に当接されるとともに前記第2当接面が前記下羽根板に当接されたうえで、該第1当接面と該中間板がボルト接合されるとともに接着接合され、該第2当接面と該下羽根板がボルト接合されるとともに接着接合された、
ことを特徴とする請求項1記載の風車用バスケット。
【請求項5】
前記上接合部では、前記頂板と前記羽根板が構造用接着剤によって接合され、
前記下接合部では、前記底板と前記羽根板が構造用接着剤によって接合された、
ことを特徴とする請求項1記載の風車用バスケット。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の前記風車用バスケットと、
前記頂板及び前記頂板に対して垂直又は略垂直に配置されるシャフトと、を備え、
前記シャフトの上端では、該シャフトと前記頂板がボルト接合されるとともに接着接合され、
前記シャフトの下端では、該シャフトと前記底板がボルト接合されるとともに接着接合され、
前記羽根板が風を受けると、前記風車用バスケットとともに前記シャフトが軸周りに回転する、
ことを特徴とする風車。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本願発明は、建物などに設置し得る程度の小型の風車に関するものであり、より具体的には、薄肉の板材を主な部材として構成される風車用バスケットと、これを用いた風車に関するものである。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
我が国における電力消費量は、2008年の世界的金融危機の影響により一旦は減少に転じたものの、オイルショックがあった1973年以降継続的に増加しており、特に1973年度から2007年度の間には2.6倍にまで拡大している。その背景には、生活水準の向上に伴うエアコンや電気カーペットといったいわゆる家電製品の普及、あるいはオフィスビルの増加に伴うOA(Office Automation)機器や通信機器の普及などが挙げられる。
【0003】
これまで、このような莫大な電力需要を主に支えてきたのは、石油や石炭、天然ガスといったいわゆる化石燃料による発電であった。ところが近年、化石燃料の枯渇化問題や、地球温暖化に伴う環境問題が注目されるようになり、これに応じて発電方式も次第に変化してきた。その結果、電気事業連合会の統計によれば、1980年頃には石油による年間発電量が全体の約46%を占めていたのに対し、2010年になるとその割合は9%まで減少している。代わりに増加したのが全体の約25%強(2010年)を占めている原子力発電である。原子力発電は、従来の発電方式に比べ温室効果ガスの削減効果が顕著であるうえ、低コストで電力を提供できることから、我が国の電力需要にも大きく貢献してきた。
【0004】
また、温室効果ガスの排出を抑制することができるという点においては、再生可能エネルギーによる発電方式も採用されるようになってきた。この再生可能エネルギーは、風力や太陽光、地熱、中小水力、木質バイオマスなど文字どおり再生することができるエネルギーであり、温室効果ガスの排出を抑え、また国内で生産できることから、有望な低炭素エネルギーとして期待されている。
【0005】
再生可能エネルギーのうち風力を利用した発電方式は、特に電気エネルギーの変換効率が高いという特長を備えている。一般に、太陽光発電の変換効率は約20%、木質バイオマス発電は約20%、地熱発電は10~20%とされているのに対して、風力発電は20~40%とされているように、他の発電方法よりも高効率でエネルギーを電気に変換できる。また、太陽光発電とは異なり昼夜問わず発電することができることも風力発電の特長である。このような特長を備えていることもあって、風力発電は既にヨーロッパで主要な発電方法として多用されており、我が国でも「エネルギーミックス」の取り組みにおいて2030年には電源構成のうち1.7%を担うことを目指している。
【0006】
風力発電は、その設置場所によって陸上風力発電と洋上風力発電に大別される。このうち陸上風力発電は、洋上風力発電に比べ設置が容易であり、そのため従前では陸上風力発電が主流であったが、近年では洋上風力発電も積極的に取り組まれている。そして、陸上風力発電、洋上風力発電ともに、タワーとナセル、ブレードなどからなる比較的規模の大きな発電設備を設置するのが一般的であった。ところが、陸域に設置される大規模な発電設備は、超低周波や低周波からなる騒音問題が指摘されており、またタワーが転倒したときの甚大な被害や、用地確保の困難さといった問題もあるうえ、そもそも建設費に係るコストが膨大であるといった問題もある。
【0007】
他方、近時では「ゼブ(Net Zero Energy Building)」と称される建物が注目されており、快適な室内環境を実現しつつ建物で消費する一次エネルギーの収支をゼロにする建物の実現に向けた取り組みが加速している。そこで、例えばオフィスビルや集合住宅の屋上などに設置できる程度の小型の風力発電設備も利用されるようになってきた。すなわち、エネルギー収支に貢献するため、オフィスビルなどに設置した小型の風力発電設備を利用するわけである。そして、小型の風力発電設備に関する種々の技術がこれまでにも提案されており、例えば特許文献1では特徴的な形状のブレードを利用した風車について提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2005-16405号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
風力発電の場合、多くの発電量を獲得するためには、如何に効率よく風車を回転させるかが重要であり、そのため風車を構成する部材は可能な限り軽量化することが望ましい。特許文献1に開示される風車も、薄肉(1mm)のアルミニウム製材を利用しているように、風車を構成する各部材は薄肉とされることが多い。それ故、部材と部材を接合するにあたっては溶接接合を採用することが難しく、特許文献1のようにボルトとナットによる接合が主流とされている。
【0010】
しかしながら、ボルト接合の場合、いわゆる面接合にすることはできず、ボルトごとの点での接合になる。したがって、ボルト位置に応力が集中することは避けられず、応力集中を低減するにはボルトの数を増大するより対策はなかった。ところが、ボルトの数が増大するとその分だけ重量は大きくなり、つまり風車の軽量化にとっては望ましくない対策となってしまう。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

個人
水力回転装置
4日前
個人
河川水発電所
1か月前
個人
気泡発電装置
3日前
個人
傾斜型発電装置
2日前
個人
リニアエンジン
8日前
個人
コアンダ翼式風車
1か月前
個人
波力エンジン
2か月前
個人
没水体積の浮体発電
1か月前
個人
砂蓄熱式風力発電装置
1か月前
個人
発電装置
1か月前
個人
発電装置
1か月前
個人
重力利用回転装置
1か月前
個人
垂直型風力発電装置
1か月前
有限会社スタジオ・シオン
反重力推進装置
1か月前
株式会社アイシン
流体機械
17日前
株式会社アイシン
流体機械
17日前
株式会社アイシン
流体機械
17日前
個人
浮力と重力のバランスを利用した動力発生装置。
2か月前
三鷹光器株式会社
垂直軸風車構造
1か月前
個人
鋼球の流体力学とそれを用いた蓄電池とドアクローザ
8日前
戸田建設株式会社
洋上風力発電設備の組立用支援装置
25日前
三鷹光器株式会社
増風機構付き垂直軸風車構造
2か月前
三鷹光器株式会社
増風機構付き垂直軸風車構造
1か月前
いすゞ自動車株式会社
流体作動機械
2か月前
三菱重工業株式会社
風車翼及び風車翼の設計方法
1か月前
いくつものかたち株式会社
フロート式水力発電装置
23日前
音羽電機工業株式会社
風車ブレードの避雷装置及び避雷方法
2か月前
ソフトバンクグループ株式会社
システム
1か月前
コベルコ・コンプレッサ株式会社
圧縮気体貯蔵発電装置
1か月前
個人
生活を豊かにする発明
17日前
トヨタ自動車株式会社
風力発電用冷却装置
24日前
三菱重工業株式会社
風車翼の保護層範囲決定方法及び風車翼
1か月前
大成建設株式会社
風力発電施設の施工方法
17日前
東洋エンジニアリング株式会社
地熱発電システム
1か月前
株式会社桧鉄工所
浮体式水車装置、及び、浮体式の潮流発電設備
2か月前
株式会社テックコーポレーション
水力発電機および電解水生成装置
1か月前
続きを見る